宣伝美術家TOMのブログ [1000-B]

宣伝美術家TOMの日常・演劇・デザイン・カメラなブログ。

脳内と現実

2024-08-04 10:22:00 | 宣伝美術

いくらこんなデザインにしたい、

こうしたいと思っていても、

実際仕上がるとまず思い通りにはいかない。

デザイン能力が足りないとも言えるし、

想像力が現実からズレているとも言えるし。


自分が宣伝美術を作る時、

このズレは「そもそもあるもの」と思っていて、

後ろや横にズレる事もあるからには

前にズレる事もあると考えるようにしている。

前にズレる。

これが意外と、そこそこある。


今回のチラシデザインは

想像よりも前にズレました。

ズレる要素は

写ってくれた役者さんが

持っている何かであったり、

手伝って頂いた何かであったり。

その時に知った何かであったり。

ちょっとした運とかガチャ要素であったり、

うまく引き寄せた何かであったり。


計算通りも良いけれど、このズレがなければ

想像できるものしか作れない。

だから、自分はこれで良い。

デザインの仕上がりを見た自分が

「何だかわからないけど良いな」

と思えるのも、これまた良し。

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演劇集団よろずや第三十五回本公演「オー・マイ・リョーマ」チラシデザイン

2024-07-18 17:55:00 | 宣伝美術

演劇集団よろずや第三十五回本公演「オー・マイ・リョーマ」チラシデザイン







ようやくチラシが完成しました。

今回派手なデザイン処理はせず、海援隊士の再現写真と追いかけ合う人々をキーにシンプルにまとめました。色は海援隊の隊旗から。


作りはじめは仮画像としてそれっぽいイラストを並べてバランス取りをしてましたが、イラストのままでもコミカルで良さげ。実写に差し替えるか迷いましたが、実写にして正解でした。出演者さんのコミカルかつ自然な演技の賜物。イキイキ!






裏面は全出演者さんの写真入り。再演舞台の大きな強み、前作舞台写真を添えてストーリーを想像しやすく。

キーカラーはイエローにしました。船が題材になる舞台なので旗のイメージを随所に。

よろずやさんのシチュエーションコメディの作風(=きちんと作りつつ、堅苦しくない)に合うようなデザインバランスを目指しました。

舞台の作風にチラシが影響を与える部分は割と大きく、とにかくコメディの楽しさやわちゃわちゃした感じを作り上げたく。右上がりフォント系の手描き文字、人物がくぐり抜けるアルファベット、日付や回数表示は現代的にかわいく軽く。


良いデザインができました。

この調子で楽しくまとめよう。

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スタートダッシュで逃げる

2024-07-14 07:29:00 | 宣伝美術

チラシデザイン入稿しました。

入稿〆切時間の夜24時ギリギリ。

宣伝美術の使命だと僕が思っている「公演クオリティの先行逃げ切り」を狙って、寸前まで粘りました。

何せ入稿してしまうと後から何も変えられない。長い稽古の造り込みに追い越され、他のスタッフさんの力が加わり、本番当日の大化けに引き離され。あとでしまったと思っても宣伝美術は変えられない。

だから、先行逃げ切り。

自分が思いつく限り前方にマイルストーンを置くのが大事な仕事。ただ前方でありながら方角が狂うといけない。これがなかなかに難しいし、面白い。

さて今回は?

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変わり映えのないつもりで

2024-07-09 08:52:00 | 宣伝美術

次作宣伝美術のデザインがほぼ固まってチェックに回りました。

自分には何も新しい事がないように思えても、何かしら新しくなっているものです。

クセや味がないつもりでしっかりあるのも。

思ったようには仕上がらないのが宣伝美術の面白みの1つ。

チラシデザインは宣伝美術の醍醐味。

今月中には公開できるかな。

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水を得る

2024-06-27 08:04:00 | 宣伝美術

今、演劇集団よろずやさんの次回公演「オー・マイ・リョーマ」のチラシ撮影が進んでいるところです。

ラフ画だったデザインに絵が入って、形が見え始める。と、進む先がはっきりしてくる。デザインの手綱を握っていたつもりがいつの間にか乗せられている気持ちに変わっていて、行く先が楽しみになるなど。自分的にはここが宣伝美術の楽しいポイント。

自作はシチュエーションコメディの再演です。前作とはまた違う楽しいチラシに仕上がりそう。やるぞ!

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相乗効果

2024-04-24 23:27:00 | 宣伝美術

何度かブログに書いた話ですが。

宣伝美術の僕がデザインする紙切れ一枚はどんなにすごいデザインができても舞台本編に敵わない。


僕はこれが分かってから、宣伝美術がさらに楽しくなった。まずそのままじゃ全く敵わないのだから全力を出すしかなくなる。どんなに考えて腕を振るっても足りない。追いついたと思ったら周回遅れにされていて背中を見るような。

それがまた楽しい。

作り込んだチラシには言葉にしにくい何かがあって、関わっていないはずの舞台本編も不思議と勢いを増す、ような気がする。

変な日本語だけど一方的な相乗効果(?)だと僕は思っている。

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マンネリとは

2024-03-08 07:59:00 | 宣伝美術

自分は気を抜くといつもと似た方向性の作品に収まりやすい性格です。

これではいけないと違うモチーフを探したりフォントを新調してみたり。

ただ、デザイナーも職人や技術者のはしくれと考えるなら熟練してきて自分の理想点が定まってくるのはある種当然でもあります。

違うものを産みたい気もあり、極めてもいいなとも思い。

次回作は再演作品、どちらもあるぐらいが欲しい。欲張ります。

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昔に帰る

2024-01-09 09:24:00 | 宣伝美術

演劇集団よろずや第三十四回本公演「おどろ草紙」に参加して無事終わり半月が経ちました。

久々にやりたい事を好き放題やれた実感があります。TOMさんはデザイナーというより宣伝美術さんだと評された頃を思い出しました。


チラシも楽しめたけど山場はパンフから後の当日制作品(もはやグッズと言うべきかも)。

僕にとってのお客さんはお客さんと出演者さん両方、を久々に存分に発揮した気がします。出し惜しみしている暇なく作れました。


とはいえ今年も稽古への参加日数はまだまだ少なく、パンフ撮影以外は舞台撮影用のストーリー習熟が2回だけ。撮影スタッフとしては平均的、僕の理想からは少ない。作る前にもっと演出を理解したいし、役者さんを知ってから作りたい。せめて、初めましてで即キャスト写真を撮る状況だけでももっと少なくできたらと。


舞台写真は割と思った通りに撮れましたが新たな課題も。途中拳銃の発砲で2回火花が飛ぶシーンがあるのですが、AFの暴れもあり片方がギリギリ1カット撮れるにとどまりました。ミラーレスカメラの撮影ラグは未だ慣れないです。うーむ、設定で追い込むか機材を更新するか。


ひとまずは充実の良い一年でした。

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能動的

2023-12-15 00:38:00 | 宣伝美術
今年の宣伝美術は演劇集団よろずやさん一本ながら、充実した宣伝美術製作ができた年でした。
中でも前のめりに作りに行く体制を思い出せたのが大きかった。数ではなく質。そういえば昔はこうしていたな。

シンプルにお客様に観に来て頂くのがどんなに大変か、自分は人を呼べる宣伝美術でありたい。
そんな考え方をする宣伝美術さんも1人ぐらいいたって良い。
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演劇集団よろずや第三十四回本公演「おどろ草紙」本番当日の製作物紹介

2023-11-07 23:00:00 | 宣伝美術

今年手伝えた舞台はこの演劇集団よろずや一本だけになりました。コロナ以降しばらくこのペースです。

やはり作りたい熱が消化しきれなくておどろ草紙に色々注ぎ込んだ結果、作ったのが以下になります。




シャドーボックス


チラシを七層切って立体に重ねシャドーボックスにしました。断面は筆ペンで黒塗り。2010年の「青眉のひと」から始めた工作で、前作「あやし草紙」でも製作した続きものネタです。




受付ポスター


SNSのリアルタイム情報が集客に影響する時代になったな、と感じたので製作。

入り口で無料で気軽に撮れる、全員の顔入りサイン入りでSNSに上げやすい、大判の集合ポスター。公演期間中もチケット売れ行きが好調だったそうなので少し効果があった、かな。


差し入れオリジナルキットカット



公演の初日祝いに役者さんスタッフさんへ差し入れでお渡ししました。

鏡前に気軽に置けて自撮りに合わせやすい大きさ。チラシやパンフレットとはまた別にデザインした特別感。

出演者さんがとりあえず撮って気軽にアップしやすいのでこれも有効だったのかな?

というか、数字以前に、楽しい。




舞台写真ポスター


奈良で関わった劇団では毎度恒例にしていた千秋楽限定の舞台写真ポスター。

大阪では過去ほとんどできたことがないですがやっと実現できました。


夕方ゲネで撮影、夜公演の裏で選別調整、帰宅後ポスターレイアウト、翌日プリントして持参。

時間との勝負ですが苦労した甲斐のある良い反応を頂けました。

写真の旬は撮ってすぐ。喜びもひとしお。

流石にネタバレなのでお客様には見せず関係者限定のポスターとしました。

掲出は内緒でこっそりやるのがポイント。




パンフレット


使われなかったチラシデザインB案をパンフ表紙に。離れると髑髏に見える騙し絵テイスト。

中面は縦横斜めに入り乱れて誰が犯人か被害者かわからない感じに。角度はチラシの雨やパンフ表紙の雨と同じで9度です。


自分的な撮影テーマは「振り返ってハッとする」として、犯人にも被害者にも見えるように撮りました。


決まった事をやるのは大事だし、お客様がたくさん来てくれるのも大事。

でもそれしかしないのはどうなのか。楽しいか。頼まれない事、自分がやりたい事を勝手に盛り込んでこそ、心から楽しい。


良い座組でした。皆様またお会いしましょう。

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