寝つきの悪い夜。
普段はぐっすりと眠れるのに、なんだか今日はやたらと夜中に目が覚める。
その原因は分かっていた。
知人が最近、33cmの山女魚を釣り上げた。
ギンギラの遡上山女魚。
その川は、私の自宅から約30分ほど車を走らせれば行けるような場所だった。
AM4:00
また目が覚めてしまった。。。
「行ってみるか」
◆◆◆◆◆
ご存知のように、私は週末アングラー。
土曜日。
土曜日には私以外のアングラーも数多く、週末でのチャンスは、ほぼ望めない。
AM5:30
今日は平日。
火曜日。
小雨がパラつく中、気になっていたポイントへ立ち込む。チャンスは仕事へと向かわなくてはならない7時がタイムリミット。
対岸はテトラ帯、木が覆い被さるオーバーハング。開きとなる緩やかな流れ。
「必ず居る。」
そう信じて蝦夷をオーバーハングの隙間に撃ち込む。
しかし、そんな私の願いも虚しく、何度も手元に帰ってくる蝦夷。
諦めずに何度も撃ち込む。
対岸までは約20m。
少し強め、ガンガンなトゥイッチをかけながらリトリーブ。
蝦夷がダウンストリームに差し掛かった時だった。
「ドスッ!!」
510(ゴーイチ)ULXが弓形に弧を描く、きつく設定しておいたカーディナルのドラグがズッ、ズズッと鈍い音を立て、リールからラインが出てゆく。
"ギュンギュン"と右往左往して魚はもがく。
一直線に走るわけでも、ジャンプするわけでもなく。
しかし、私がかつて経験した事のないような猛烈な暴れっぷり!
「間違いない!コイツは山女魚だ!!」
なんとしても獲りたい。
冷静さが失われてゆく。
ランディングネットを準備しようと背に手を回す。
だが、その一瞬、私は躊躇して手を止めた。
なぜなら、内径31cm、このネットに収まるサイズの山女魚じゃない。
「ネットINをミスれば、確実にコイツはバレる!」
そう判断した。
フロロリーダーは5lb、
「バレないでくれ!!
頼む、切れないでくれ!!」
そう願いながら、なんとか山女魚を浅瀬へと導いた。
「よし、獲った!!」
岸に上がっても、バシャバシャ抵抗する山女魚。
(そりゃそうだ)
かろうじてトレブルフックの一本が刺さっていた。
フックを外し、ようやくネットの出番。
観念したのか、ネットの中では落ち着いてくれた山女魚。
遡上山女魚、獲ったり!!
ピンピンの鰭。そして精悍な顔。
それにしても………
「デカい💦もしかしたらヨンマル?」
そう思い、メジャーをあててみた。
残念………
40cmには僅かに届かず。。。
39cm。
しかし、自己新記録。
"ヨンマル"の夢は、次回へと持ち越しとなった。
手持ち撮影を1枚だけさせてもらって、ゆっくりリリース。
山女魚は自分の持ち場へとゆっくり帰っていった。
降り続く雨。
ズブ濡れの身体。
しかし車に戻っても、まだ冷めない興奮。
余韻に浸り、暫くボケーっとしてしまった。。。
「さてと……
仕事行かなきゃな。」
★タックル
■ロッド: ITOCRAFT エキスパートカスタムEXC510ULX
■リール: ABU カーディナル3
■ライン: SHIMANO ピットブル⑧0.6+リーダー5lb
■ルアー: ITOCRAFT 蝦夷50S typeⅡ