船はそのままスワードを目指し、見覚えのある港が見えてきた。
ここを出たのは2日前の朝。たったの2日間だったのだが、行く前と帰ってきた時とでは何かが違うのを感じた。
一言で言うと、凱旋帰国みたいな感じ?たかだか2日間なのですが、私にとっては全てが初体験。テントで寝るのも、寝袋で寝るのも、シーカヤックで26キロ遠征なんてのも、私の今までの人生にはあり得なかった事で、それをやり遂げた自信で、大手を振って帰ってきたのでした。(心の中でね)
ずっと一緒にいたブレッドとGと、とうとうお別れ。本当にナイスガイで、私達を楽しませようという心配りが常に行き届いていて、よく働く人たちだった。心からのありがとうを言って、チップを渡して、"I hope I can be back here and see you again" と言って別れた。本当にもう一回ここで会えたら嬉しいな。
夕食は、私達の泊まったホテルが経営しているレストランに行った。スワードでは一番人気のあるレストランらしい。というか、他に何もないって言った方が、正しいのかもしれないけど。
ジャーン、カリブーのハンバーガーです。あの凛々しい野生動物のカリブーをアラスカの人は食べてしまうのです。最初は抵抗があったけど、カネゴンがあまりに幸せそうな顔をして、「美味しい」、と言って毎回食べているのを見て、その笑顔にやられてしまい、挑戦してみることに。肉は固く引き締まっていて、くせのないポークとビーフの中間みたいな味で美味でした。それにしても、カネゴンの美味しいものを食べている時のあの笑顔と、「おいしーい」という、本当に美味しいんだろうなと思わせるあの言葉。懐かしいなぁ。
食事が終わっても、まだまだ明るいので、部屋に集まって、みんなで酒盛りの続きを行い、合宿のような夜に。アメリカ版ハプニングTVをみんなで見て、あまりのバカバカしさに、笑い転げたり、呆れたりしながら、宴会の夜は延々と続くかのように思えたのですが、実は明日は、新たなチャレンジをする日であり、長い長い1日になり、私の中では最も過酷な1日になるとは、バカ騒ぎをしている私には知る由もなかったのでした。
まだ続きます!