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「君が代」不起立処分大阪府・市人事委員会不服申立ならびに裁判提訴当該15名によるブログです。

全国学テ大阪市学校別成績 公表せぬ校長の決断

2013-12-29 08:15:17 | 大阪の教育

今秋、大阪市教育委員会は、全国学力テストの学校別成績の公表を全大阪市立小中学校に義務付けました。これについては文科省から実施要領に反するので改善を求められたましたが、それを無視して実施しようとしています。(もっとも、文科省は大阪市教育委員会の公表方針を後追いするように来年度から市町村教育委員会の判断で学校別の成績の公表ができるよう実施要領を変えましたが)

その大阪市教委の方針に対し悩んだ末、学校別成績を公表すれば、地域格差は歴然とし、点数の低い学校の子どもの自尊感情を傷つけることになる、と公表しないことを決断した校長がいます。

私は、38年間大阪の学校現場にいましたが、この校長の訴えは至極もっともで心に響きます。私たちおとなが子どもを分断し、序列化し、差別するような遣り方は許せません。

大阪ネット事務局の松田さんから記事を文字起こししたデータが送られて来ましたので掲載新聞記事とともに以下に掲載します。 

2013年12月28日朝日新聞夕刊より 

公表せぬ 校長の決断
 
大阪市の学校別成績

「レッテル貼り助長」処分覚悟

写真 :大阪市教委の方針に反し、学校別成績の非公開を決めた中学校長

 リード

全国学力調査の学校別成績(平均正答率)を公表するよう全公立小中学校に義務づけた大阪市教委の方針に反し、公表しないと決めた中学校長がいる。市教委が定めた公表開始のめどは12月いっぱいだが、校長は、「学校や地域のレッテル貼りを助長する」と訴え、もし処分されれば不服申し立てをして争う構えだ。 

本文 

大阪市北東部。高層マンションの立ち並ぶ一画に中学校はある。全国学力調査の成績は数学、国語とも市の平均より上。だが、校長は「処分をちらつかせて公表を強要する市教委のやり方は『学校別成績の扱いは各校の判断に委ねる』とする文部科学省の実施要領に明らかに反する」として、非公表を決めた。

10月に非公開で開かれた市教委の説明会で、国の方針との整合性をただした。納得のいく説明はなく、「ある意味(序列化は)仕方がない」という趣旨の発言をした教育委員もいたという。「根本にあるのは、公表すれば成績が上がるという発想。競わせることで教師の尻をたたこうという考えだろうが、教育はそんな単純なものじゃない」

 小見出し:親の経済力に関係

大阪市の小中学生の就学援助率は3割を超え、全国平均の約2倍。校長自身、生活が苦しい親が、我が子の勉強にまで目が向いていないケースを何度も見てきた。「大阪の子の学力が低いのは、経済的にしんどい家庭が多いこと抜きには語れない。この点を軽視して学校別成績を公表すれば、地域格差が歴然としてしまう。点数の低い学校の子は発奮するどころか、『どうせ自分らアホやから』と自尊感情を傷つけるだけだ」

非公表の方針を教員に伝えたところ、「報復として橋下市長の意向をくんだバリバリの民間人校長がきて学校を引っかき回すのでは」と心配する意見もあった。「私も面倒なことに巻き込まれることは嫌だし、できれば波風立てずに定年を迎えたい。でも今ここで黙っていてはいけないと思った」。PTA役員たちからは「応援しています」と言われているという。

別の中学校も「公表は本当に生徒のためになるのか」と疑問視する。「子どもの点数と親の経済力が密接に関わっていることは教師ならだれでも知っている。公表すれば学力が低い地域の子が傷つく」

公務員である以上、命令に従うべきだとは思う。でも教育者としては、どうしても賛成できない気持ちが残る。処分覚悟で、非公表を貫くかどうか。「除夜の鐘を聞くまで悩み続けると思います。」

小見出し:「授業改革」支持も

一方、積極的に公表すべきだという意見もある。ホームページでの公表期限の年末を前に、すでに公表した小中学校も少なくない。

大阪市北部にある中規模の中学校の校長は「公表は時代の流れ」と話す。大阪市では来年度から学校選択制が始まる。「学力は保護者が知りたい重要な情報の一つ。授業改革のきっかけにもなる」と前向きだ。昨年度も平均正答率をホームページで公表したが、デメリットはなかったという。

文科省は10月、「大阪市教委は実質的に校長に公表を強制しており、実施要領に反する」と改善を求めた。市教委は「見解が違う」として事実上、無視している。文科省学力調査室の担当者は、「まさか公表しないだけで処分することはないと信じているが、そんな動きがあれば指導する」と神経をとがらす。

来年度から市町村教委の判断で学校別成績の公表ができるよう実施要領を変えたが、あくまで「公表内容や方法は学校側と事前に十分相談すること」が条件だ。

(編集委員・西見誠一)

 

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