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12月4日八王子市議会でどんな議論があったか⁈ーー根津公子さんより

2019-12-06 08:24:00 | 天皇制
根津公子さんの「12月3日八王子天皇奉迎で何があったか⁈」に引き続き、12月4日の八王子市議会の傍聴記を掲載します。

私たちの生活の中で起こるおかしなこと、そのひとつひとつを問題にしていく。私たちの生活の中に網の目のように張り巡らせられた天皇制に抵抗していくにはこれしかありません。(s)

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根津公子です。

3日に天皇夫妻が対象天皇・昭和天皇の墓に来た際に、市立小学校の子どもたちが駆り出されずに済み、ほっとしました。皆さんからも喜びや激励の言葉をいただきました。ありがとうございます。昨日は市議会一般質問で仲間の議員がこの件を取り上げてくれました。その報告を添付します。私の聞き間違えなどあるかもしれませんが、大きくは違っていないと思います。


12月4日(水)「天皇奉迎」に子どもたちを動員したことについて 八王子市議会一般質問傍聴報告

 登壇した前田議員が「道徳」の教科書に掲載されている「ただしいあいさつ」通りの挨拶をして、「軍隊みたいな」と一言批判を加えたところ(道徳については後半で質問にあげていた)、「軍隊をばかにするな!」などとか5~6人からヤジが飛んだ。終始ヤジを飛ばしていたのは、鈴木レオ議員(自民)。ヤジの中での質問はきついだろうに、議長は全く注意しなかった。議長はヤジを擁護したということだ。

 標題の件に関して前田さんは、大日本帝国憲法下の天皇と日本国憲法下の天皇の違い、戦前と戦後の教育の違いについて、八王子の子どもたちが使用している教育出版社中学校歴史教科書から抜粋して紹介し、現憲法は天皇の退位即位を国事行為とは定めていないと発言。また、4月23日の「天皇奉迎」について萩生田衆議院議員のブログ(4月26日づけ)を読み上げた。

 「天皇皇后両陛下は、昭和天皇への退位のご報告の為、八王子の武蔵陵を訪問されました。警備の関係もあり、いつもはギリギリまで日程が公表されないのですが、今回は宮内庁から3週間ほど前に内示があり、町自連、安協、八王子まつりやいちょう祭りの実行委員会にも呼びかけ、「両陛下をお迎えする会」を組織し準備をしました。八王子インターから浅川大橋、追分から御陵まで、沿道にはかつてないほどの市民が出迎え、両陛下は長い道のりを窓を開け、手を振り続けてくださいました。日の丸の小旗4000本はたちまち無くなり、沿道の小学校、幼稚園、保育園の子供たちは手づくりの小旗で集まってくれました。」と。

 このブログは萩生田議員自身が書いたのだから、「呼びかけ、『両陛下をお迎えする会』を組織し準備をし」たのは、萩生田氏ということだろう。ほかの人や団体が呼びかけ準備をしたというのであれば、主語が入るはず。
 そのうえで質問に入った。

①議員:なぜ天皇に敬意を払うのかを、学校はどう教えているのか。
 教委:学習指導要領に「敬意」を教えるよう書いてある。学習指導要領に則った指導をしている。
 議員:ルールだからというのでは納得できる答えになっていない。生徒から「なぜこれが校則なのか」と訊かれて「ルールだから」と答えるのと同じだ。

②議員;4月9日付け「八王子奉迎会実行委員会結成について」の文書が手元にある。連絡先は町会自治連合会と八王子市都市戦略課となっている。八王子奉迎会実行委員会(結成)を呼びかけた主体はどこか。
 市:八王子奉迎会実行委員会。
 議員:八王子奉迎会実行委員会の構成メンバーはどうなっているか。
 市:市は把握していない。
 議員:市は呼びかけられたと認識していいか。
 市:町会自治会連合会から呼びかけられ、同席した。
 議員:市からは誰が出席したか。
 市:協同推進課部長と都市戦略課部長。
 議員:4月9日付け文書は市から発信されたと認識するが。
 市:市はむしろ、控えている。
 議員:萩生田議員は同席したか。
 市:同席したが、市は報告する立場にない。

③議員:14の私立幼稚園・保育園の園児が沿道に立ったというが、市はどういう情報を出したのか。
 市:安全面からの情報提供をした。
 議員:人格形成過程にある子どもたちの人格形成に支障があると思うが、いかがか。森友学園の幼稚園が教育勅語を暗唱させたのは驚きだが、私立園・学校にはそこの独自の考えがあってのこと。しかし、公立の小学校が沿道に立たせたのは、私立とは違う。なぜ、情報提供をしたのか。
 市:安全管理から。
 議員:昨日(3日の即位の報告に関して)は情報提供をしなかったのか。
 市:報告の義務はないが、道路交通部からの情報を全小中学校に流した。
 議員:市教委が言うには4月23日のときは協働推進課からの情報だった、昨日は道路交通部からの情報だというが、変わったのはなぜか。4月23日については、情報提供のメール文に市教委が〈参加の可否 参加人数 小旗の希望〉を書いたが、小旗はどこから受けたのか。
 市:70本あると、協働推進課から聞いた。
 議員:協働推進課はどこから受けたのか。
 市:奉迎会実行委員会から。配布は町自連。
 議員:町自連は問題ではないか。D校(根津:浅川小)は町会から情報を得たということだが、コミュニティ・スクール構想が出された時、このことを懸念した。校長が断れればいいが、それができていないのだから。「思想・信条の自由」の観点からの文書を、市から町自連に出しても良かったのではないか。
 市:「思想・信条の自由」を侵すとは考えない。
 議員:日本がかつて侵略した国々の外国籍の子ども、日本人の中にも天皇制を肯定しない人もいる。そうした家庭の子どもに対して配慮が必要ではないか。
 市:外国籍であっても、日本の教育を受けるのであれば、学習指導要領に沿った教育を受けることになる。
 議員:受けた教育によって考え方・感じ方は変わってくる。知り合いが韓国籍のお子さんを預かった際に、多摩御陵に連れて行ったら、そのお子さんは激怒したという。受けてきた教育が違うからだ。日本人は学校で学ばないから、知らないのだ。外国籍の人が今後増える。教育長に伺う。天皇について、一つの考えを教えていいものか。
 教育長:天皇退位は江戸時代後期の光格天皇以来約200年ぶり、憲政史上初めてのこと。天皇については学習指導要領6年生社会科で「理解と敬愛の念を深める」と示されている。児童に理解しやすい具体的な事項を取り上げるいい機会だった。(したがって沿道に立たせたのは、)学習指導要領に則った公正・中立の指導だ。
 市長:奉迎会実行委員会は任意団体。住民が歓迎する。
 議員:こうしたことをやった町自連は問題だ。

 質疑応答は、私の聞き間違えもあるだろうけれど、おおよそこんなふう。
辻褄の合わない市・市教委の答弁がいくつかある。一つ嘘をつくとどこかでぼろは出てくるということだ。
ア.「八王子奉迎会実行委員会(結成)を呼びかけた主体」は「八王子奉迎会実行委員会」だと市は答弁した。しかし4月12日に行う結成会の通知は4月9日に出したのだ。その時点で、八王子奉迎会実行委員会はできていないのだから呼びかけることはできない。連絡先になっている、町会自治連合会か八王子市が呼び掛けたとみるのが順当ではないか。

また、萩生田議員がブログに書いたことと併せて考えると、萩生田議員が市と町自連を動かしたと思える。そう考えるのは、私だけだろうか。
イ.市教委が流した「情報」は安全面を考えてとのこと。ならば、その時間帯は子どもたちを教室にとどめておくのがいいはずだ。しかし、萩生田議員の「呼びかけ」に応えねばならないとの意思が働いたか。4月の「情報」には、「参加の可否」や「小旗についての希望」まで報告するよう求めている。情報提供と言いながら、参加の可否を書かせた。参加の呼びかけをしてはいけないとの認識が市教委にあったから、あくまでも「情報」提供としたのだと思う。校長の一人は、「市教委は子どもたちを沿道に立たせろとは言わない。斉藤指導担当部長は、『対処してほしい」と言った。対処とは、忖度しなさいということだ』と言った。

市教委や学校が、天皇敬愛を具体的に教えられるいい機会を、今回は活用しなかったのはなぜか。今回も同じく安全面からの「情報」提供であったのに、「参加の可否」等は書かなかった。市教委は、4月23日に子どもたちを沿道に立たせたことを「まずかった」と答弁しなかったが、実際はそう判断したのではないか。4月の件に自信を持っていたのなら、今回も同じ「情報」を提供しただろうから。
ウ.情報が4月のときは協働推進課から、昨日は道路交通部からに変わったのは、協働推進課が「天皇奉迎」という政治活動に関与するのはまずいと判断したからではないか。そうでなければ、今回の「情報」も協働推進課が出したはずだ。市・協働推進課は町自連に金銭的補助もし、育成担当する部署である。
 また、今回は「情報」提供の必要性もなかったにもかかわらず、それをしたのは、4月のときに3校に情報提供したことを正当化しようとしての辻褄合わせだったのではないか。

 短い時間の中で、聞き出せなかった点はあると思う。でも、今後ますます、天皇敬愛教育が学校教育に入り込んでくる危険がある中、この問題が市議会で取り上げられたこと自体に意味があると思う。
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12月3日八王子天皇奉迎で何があったか⁈ーーー根津公子さんより

2019-12-04 08:36:00 | 天皇制
私が想像していた以上に恐ろしい時代になっているようだ。私たちが敬愛する根津公子さんの報告をどうかお読みください。正直なところ「怖い」と思う気持ちがないわけではない。しかし、この報告を読み、やはり声をあげていかなければならないと思った。(s)

根津公子さんの報告です。

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12月3日「天皇奉迎」に子どもたちは動員されなかった!

 まずは、今回は子どもたちが動員されなかったことを、喜び合いたいと思います。

 4月23日に天皇が退位の報告に昭和天皇の墓を訪れた際、二小、横山二小、浅川小の子どもたちが「日の丸」の小旗を振らされ「天皇奉迎」に駆り出された件で、八王子市民有志は「天皇奉迎に子どもを動員することに反対する八王子市民の会」を結成し、市教委、八王子奉迎会実行委員会(奉迎会実)、町会自治会連合会(町自連)、市協働推進課、3校の校長に問題点の追及並びに12月3日の即位の報告の際に再び子どもたちを動員しないようにと申し入れをしてきた。

 3日が近づいた先週半ば、3校の校長と市教委に問い合わせたところ、校長は市教委から情報を「受けていない。立たせるつもりはない。」と、市教委は「情報を提供していない」とのことだった。2校の校長は接客中とのことで、夕刻再び電話を入れようとしていた矢先、両校長が私に電話をくれたのだった。お二人とも非常に明るい声だった。

 市教委には毎日問い合わせた。2日19時の返事は、「市道路交通部長名で、『3日の9時から12時は安全に気を付けるように』とのメールが市教委に届いたので、それをそのまま全小中学校に転送した。」「4月のときは、斉藤指導担当部長名で〈参加の有無、参加人数、小旗についての希望〉を市教委に報告するよう書いたが、今回はどうしたのか」と訊いたところ、「今回は書いていない。そのまま転送した」。3日の朝、「学校から質問や報告は上がったか」と訊いたところ、「何も来ていない」とのことだった。

 今回は子どもたちを動員することはないとは踏んだが、沿道の観察もしておくのもいいかと思い、3校前に数人ずつで監視に立った。

 二小北側の20号バイパス近くには「八幡囃子連」「千人町」「小宮」などと書かれた5台もの山車がお囃子を繰り出した。山車の関係者は張り切って見えたが、小旗を手にした地域の一般の人はそれほど多くはない。黒ずくめの公安のほうが多かったのではないか。9時半頃、私がカレンダーの裏に「天皇奉迎しない!」と書いた紙(37㎝×50㎝)を掲げたところ、まずは「警視庁」の者2人が「ここにいる者は反対派か。危ないから中に入って」と私の前に立ちはだかり、私は倒された。歩道にいるのに、だ。しばらくすると公安2人がやってきて、私の腕をつかみ宙づり状態にして歩道から5~6メートル中に置き、私の体を自分の体で押し続けて私を歩道に近づかせなかった。90㎏ほどありそうな筋肉質の屈強な体躯だ。天皇夫妻の車が通り過ぎた9時45分頃まで押さえつけられて、私の右腕から肩にかけて痛みが出た。帰宅し、フライパンを持とうとしたら、痛みが走った。私に対して公安が行った暴力行為は、同行した仲間が映像を記録してくれたので公開したい。

 天皇の車が通りすぎると、沿道に来た近所の人たちは、互いに感想を出し合うのでもなく、そそくさと帰って行った。こんなものなのか、と思った。私とAさんはその後、浅川小に向かったのだが、60代と思しき女性が電話する声が聞こえた。「(天皇夫妻の車が通る際に)お巡りさん、『手を振ってください』って言っていたよ。」と。二小から西八王子駅までの1㎞弱の甲州街道沿いの商店街で、「日の丸」の小旗を掲げていたのは、わずか1軒。4月のときは見ていないから比較はできないけれど、今回は萩生田議員や町自連からの働きかけがなかったか少なかったのではないかと思った。

 さて、私とAさんに対し、公安4人が尾行し電車に乗り込んだ。駅で上り電車に乗ったBさんにも2人の尾行がついたという。10時半、浅川小前で私たちは6人になる。公安は最終的には34人に。住民は沿道に来ていない。市道路交通部の情報によれば、天皇夫妻は12時には八王子市から姿を消す、ということ。なので、私たちは11時45分まで浅川小、4月に天皇が立ち寄ったみころも霊堂前にも行って待ち構えたが、天皇夫妻の車は通らなかった。

 横山二小に行った人の報告でも、子どもたちは動員されなかった。甲州街道側の門の前に行ったCさんの話では、校長と副校長が門の前に来たとのことだった。Dさんからの報告は次のよう。

「9時18分頃横山二小着。Cさんたちとは別に甲州街道の反対側にいました。
21分頃、「警視庁」の腕章を着けた私服がいろいろと聞いてくる。双眼鏡でシジュウカラがいるのを見ていたのを、マンションをのぞいていたのでは、ということでの職務質問。「原発廃炉」のマークをつけているのは左翼だ と決めつけ(左翼という語をはっきりと出しました)、だから怪しむのは当然 との論理立てのようです。氏名 住所 何処に行く ポケットの中を見せろ などなど 「いろいろお訊きしたいので交番のほうへ」などなど。「令状があるなら行きます」「令状があれば見せます」
10時ごろ天皇の車列が通り過ぎる(どれに天皇が乗っているのが分からなかった)。
分かっただけで8名の私服警官にかこまれていたのだが、それが解かれて西側(陵のある方角)に行こうとすると2名が前をふさぐ。逆側に歩きヤオコー(スーパーマーケット)の西側から川側に行くと人通りもないが、明らかに2名はつけてきている。木の観察で止まると6名くらいに取り囲まれ、亦いろいろと聞いてくる。

身の危険を感じヤオコーの正面に向かう。ほんとにやくざまがいの言葉遣いの警察官がいるのには参りました。
所属と氏名を聞こうとしたが言わない。知り合いの弁護士事務所にその法的な事柄を訊こうとしたが弁護士は不在でした。家まで警官を引き連れて行くのもいやなので、そこに12時過ぎ、天皇が帰るまでいました。
私服警察は3名くらいずつ、メンバーは替わる。12時過ぎに「協力ありがとうございました」みたいなことを言っていなくなったので私も家に帰ったのだが。付いてきてはいないと思うのですが…さて…。」

 浅川小に行った私たちの多くは電車に乗り八王子駅で下車。何人もの公安がついてきた。私には3人が。そのまま分かれた人も皆、尾行されたという。

 二小付近にいた公安だけでも100名はいたと思う。天皇車両が通過する随所に張り付いたのだから、千単位の公安、そして警察が配置されたと思う。

 私たちに対する今日の警察権力の対応からわかることは、天皇制に反対する者は「非国民」、少数であっても徹底してその扱いをするということだ。天皇制反対のデモ参加者に対しては、警察による暴行や不当でっち上げ逮捕、極右の暴力容認が頻繁に起きているから、このことはわかってはいたけれど、まさか、10数人の行動にこれほどの労力を費やすとは思いもしなかった。
 「天皇は平和主義者」と言う「文化人」が多くなったが、この現実を知らないとでもいうのだろうか。

 明日は八王子市議会一般質問(10時半頃から)で、4月23日に「天皇奉迎」に子どもたちを動員した件を前田さんが取り上げます。傍聴を呼びかけます。                     根津公子

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