La vie en rose

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映画「ローズ・イン・タイドランド」

2006-08-08 19:37:06 | 映画
今日からnotネット空間である、母の実家での日々が始まります。
現地へ赴く前に、「ローズ・イン・タイドランド
を観る事にしました。

ブラザーズ・グリム」を作った監督が、アリスを
モチーフにして作った映画だという事で、
公開前から楽しみにしていたんです。

                                    


さて、以下より映画の内容について触れます。
これから観る予定の方、アイヘイトネタバレの
方は見ない事をお薦めします。
まあ、大した事はありませんけど。










































主人公のローズが実に良かった。
子供ながらもコケティッシュ。
単に「可愛い」だけじゃなく、
小悪魔的要素てんこもりでした。
後半にいくにつれ、「大人の女」のような表情を
見せるようになり…それがまた何ともエロティック。
ナボコフの「ロリータ」(本来の意味での、という意)の如く。

アン・シャーリーのような空想癖を持ち、人形と
お喋りする辺り、下手したら実年齢(10歳)以下
の子供っぽさもあるのに…
ヤク中の両親の間で、友達もいない…という、
一見して悲惨と言える環境を、面白おかしく
描いてしまう監督は素晴らしい。
後味の悪い、悲惨さがないです。


ファンシーを根本にしているものの、
グロさも残す辺りが良い。
シュバンクマイエルの「アリス」には及ばないものの。
お話しているお人形は首だけ。
4体(体がないから、「体」とは言えないか)
いる中、1体は焼け爛れたように引きつっている。


王道ですと、孤独な少女の前に王子様的イケメンが
登場するのですが、この映画は違います。
癲癇らしき発作を持った、精神年齢が10歳で
止まっているディキンズがそのポジションに入ります。
彼を「王子様」としていますが、
ほとんど幼女誘拐の域。苦笑
最後まではありませんか。
そういう、如何わしい匂いを煽っている感じ。
その時のローズが実にコケティッシュなのです。


ディキンズの姉・デルはまさに魔女。
全然良い人じゃないのが良いです。
家に動物の剥製をしこたま飾り、果ては自分の
母親やローズの父親まで剥製にしてしまいます…。
子供であるローズに対しても全然優しくない。
誰か一人でもローズに優しくしてやってよ。
まあ、当人は左程気にしてないようですが…。

デルは真昼間っから黒ずくめで徘徊してるし、
ディキンズの二人暮らしの生計を、どうやって
立てているのか?と思ったら、デル様命な
小太りが貢ぎにやってきて、代価は体で…だったし。
R指定になるのも頷けます。
デルの売春行為より、ディキンズとローズの
関係のが、児童ポルノ法に抵触しそう。


途中ちょっとダレて、タルかったんですが、
ラスト怒涛の如くでした。
やられた。
どうやって収拾付けるのかと思いきや。

シュバンクマイエルの「アリス」のように、
もっとアリスのストーリィに沿った作品作りかと
思っていたら、全く違いました。
先ほど言った通り、空想癖がある部分は「赤毛のアン」
を彷彿とさせますし(デルの存在はマニラっぽい。
もっと怖いけど)、祖母のクローゼットに入り込む
シーンは「ナルニア国物語」を連想させます。
テリー・ギリアムなりのファンタジー要素を
詰め込んだ感じなのでしょうか。


ファンタジーと言えど、あくまでギリアム。
ダーク・ファンタジーですので、
子供が主役でも全くほのぼのしません。
可愛い女の子が主人公のファンタジー映画を
求めている人には、お薦めしません。
アリス特有のダークさを堪能したい人は是非、
という作品です。

更にダークなファンタジーを堪能したい方には、
赤ずきんをモチーフにした「ハード・キャンディ
を観ると良いでしょう。




「心オナニー ゲド戦記原作者がお怒りの模様」
http://abnormal.sakura.ne.jp/index.php?itemid=952

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