3月中旬の金曜日の夕方、アイリは、女性雑誌「Joie」の編集仲間、マキとアミと、編集長の片桐ショウコとで、
社の近所にあるイタリアンレストラン「グラッチェグラッチェ」に来ていた。
「そうなの・・・アイリは、例の若い少年みたいな彼氏に、プロポーズを受けたの・・・」
と、ショウコは、煙草の煙を吐きながら、プロポーズ後のアイリとタケルの記念写真を見ている。
「しかも、麻布の「Felice ogni giorno」のあのゴージャスな庭で、全てのお客の目の前で、堂々とプロポーズですからね・・・」
と、ため息をつくマキ。
「お客からは大喝采で、しかも、タケルくんは、支配人さえ、味方につけたそうですから・・・シナリオ最高・度胸満点の少年ですよ」
と、ため息をつくアミ。
「わたしらが思ってたより、すごいわよね」「そう。ほんとに、いい少年です」
と、マキとアミは繰り返す。
「なるほど、その例のタケルくんは、マキもアミも、もう味方につけてるのか・・・手厳しいはずのキャリアなお姉さん2人を蕩かすとは、その少年、秀吉並かしら」
と、大河ドラマ好きなショウコは話す。
「確かに、あの支配人のこの笑顔・・・お客たちに記念撮影までさせちゃうなんて・・・相当シナリオを練っていたのね、この少年」
と、ショウコは、記念写真に写るタケルの笑顔を指さしている。
「カメラ持ってきているなんて、全然知らなくて・・・「この感動を記念写真に残したいので」って、お客さん達に説明し始めた時は、ちょっとびっくりしちゃって、私」
と、アイリは説明している。
「なるほど・・・若くて侮っていたけど、行動的で、相当な玉だわ、この子・・・そのタケル君がとうとう私に会いにくるか・・・」
と、ショウコは白ワインを飲みながら、ニヤリとする。
「この眼できっちり確かめさせて貰うわ」
と、ショウコはニヤリとしながら、白ワインを飲み干している。
「ね、今日はどういう役割で来ているか、二人共、わかっているわよね?」
と、小さい声でアイリは、マキとアミに話している。
「わかっているわよ・・・タケルくんをショウコ様に気に入って貰うように、援護射撃役でしょ?」
と、マキは、緊張気味。
「大丈夫よ・・・タケルくんは、それだけのポテンシャル持ってるもの・・・ま、もちろん、援護射撃は最大限やらしてもらうわ」
と、アミは落ち着いて笑顔まで、見せている。
「まあ、わたしも、タケルなら、楽々パスだとは、思うけど・・・ショウコ様がどう出るかわからないから・・・」
と、ショウコと仲のいいはずのアイリでさえ、すべては想定出来ないようだ。
と、そこへ。
「東堂様、鈴木様より、お電話が入っています」
と、ウェイターが連絡に来る。
「あ、すいません」
と、そそくさと退席するアイリ。
「タケルくんは、今日は八津菱電機の丸の内本社で会議だそうで・・・今、会議が終わって、東京駅についたところなんじゃないですか?」
と、アミがショウコに言う。
「なるほど・・・じゃあ、30分もしないうちに、ここにやって来るわね・・・アイリの言うとおりだわ」
と、ショウコは嬉しそうに話す。
「で、そのタケルって子、どうなの?二人が会った感じでは、どういう印象?」
と、ショウコはマキとアミに話す。
「そうですねー・・・だいたいアイリとアミとわたしとで3人で会うことが多かったんですけど・・・普段はやさしい感じの真面目そうな青年ですよ」
と、マキ。
「頭の回転は速い感じですね。いつもくるくる頭を回転させてるような、話していて、楽しい、聡明なイメージが私にはあるかな」
と、アミ。
「ふーん・・・話していて楽しい男好きなアミの趣味ね。その少年」
と、アミの内面を見抜いているショウコは、鋭く突きを入れる。
「へへー正解。わたし、アイリにも言ってますけど、アイリが相手じゃなかったら、略奪したいタイプ」
と、アミは笑顔になる。
「で、マキは、そのタケル君は、どんなところが、いい点だと思う?」
と、ショウコは今度は触手をマキに伸ばす。
「そうですね・・・アイリの前ではやさしい男なんですけど、仕事の上ではかなりぐいぐり引っ張るタイプらしくて・・・そのギャップがたまらない感じかしら」
と、マキ。
「うわー・・・仕事のできる男好きなマキまで、やられてるの・・・性格の違う2人のキャリアなお姉さままで落とすとは、なかなかな玉ねー」
と、思わず笑うショウコ。
「え?わたし、落ちてるなんて、言った?」
と、ひとりチンプンカンプンなマキ。
「マキは、そういうところ、天然よねー」
と、そういうところに敏感なアミ。
「まあ、いいわ・・・落ちてる二人にいくら相手の感想を聞いても、いい話しか出てこないだろうし・・・ま、信じられるのは、自分の眼だけね」
と、ショウコは、アイリの張った援護射撃を完全に封じている。
「なかなか手ごわい相手だわ・・・でも、この私は、そう簡単には、負けませんからね・・・見てらっしゃい!」
と、ショウコは心の中で、完全に闘志を燃やし始めていた。
と、そこへ戻ってくるアイリ。
「すいません・・・さっき東京駅についたそうで・・・30分くらい待ってくれとのことです」
と、アイリはショウコに報告している。
「ふーん・・・で、その少年・・・タケルくんだっけ、確か、サプライズ好きなのよね?」
と、ショウコはアイリに聞く。
「え?ああ、ええ・・・プロポーズ自体、ビックサプライズの連続でしたし・・・」
と、言うアイリの言葉を聞いたショウコは、
「なるほど・・・じゃあ、タケルくんは、1分以内に来るわ。店が見える、あの交差点のところに公衆電話ボックスあったから・・・私の考える男なら、必ずそこで電話したはず」
と、ショウコはニヤリと笑って、
「ほら、見ててご覧・・・きっとその少年は、入り口のところで、こっちの様子を伺うから・・・」
と、ショウコが言うと、それに合わせたかのように、ドアが静かに開いて・・・タケルが中の様子を伺っている。
アイリとマキとアミは、そのショウコの洞察力に舌を巻く。
「なるほど、出来る男ね・・・戦う相手としては、上々な相手だわ」
と、ニヤリと笑いながら、ショウコがつぶやく。
と、そこへ、少し苦笑しながら、タケル登場。
「いやあ、僕のサプライズは、空振りだったようですね。はじめまして、アイリにプロポーズした鈴木タケルです。どうぞ、よろしく」
と、タケルはショウコに握手を求めている。
「はじめまして。アイリとこの二人を率いている雑誌「Joie」の編集長、片桐ショウコです。わたしこそ、よろしくね」
と、ショウコは、満面の笑顔で、タケルと握手する。
「じゃあ、タケルはわたしの横に・・・」
と、アイリはタケルを自分の横に置く。
ショウコを真ん中に、マキとアミが両脇に座る格好になり、それに対するように、アイリとタケルが座っている。
もちろん、アイリが考えた、タケル援護陣だ。
と、タケルがおもむろに、
「あなたが、ショウコさんですか・・・さすが、女性向け雑誌の編集長というだけあって、シックでエレガントな装いですね」
と、ショウコの黒いパンツスース姿を褒めている。
「アクセサリーは最小限で、ビジネスモデル風ですけど、白シャツ、黒ジャケットの中に、差し色の赤を意識させる、その太めのバングルがいいアクセントになっている・・・」
と、タケルはショウコが意識した通りのファッションをズバリ言い当てる。
「まあ、僕的には、好きなファッションですねー」
と、満足そうな笑顔のタケルに、ショウコは思わず苦笑い。
「なるほどね・・・マキとアミが落ちてる理由、すぐにわかったわ・・・もしかして、君の中には、女性がいるのじゃなくて?女性の立場に立って考えるのが、旨すぎるもの」
と、ショウコは苦笑する。
「女性は、好きな男に理解されたいもの・・・そして、目の前の素敵な男に理解されたとわかったら、うれしいもの・・・その笑顔が、満足そうなら、そうなるほど、うれしいもの」
と、ショウコは言う。
「君は、その全部を目の前のおんなに手渡す事が出来る・・・君の最終兵器は、その満足そうなやさしい笑顔ね・・・違う、アイリ?」
と、ショウコはアイリの方を向いて聞く。
「ええ、そうです。・・・わたしも、タケルのその満足そうな笑顔にやられた口ですから・・・」
と、アイリは幾分憂いを含んだ、笑顔で言う。
「いつもサプライズを考えていて、すぐに行動出来て、目の前の女性の欲しい物をさくっと提示出来て、目の前の女性のことは何でもお見通し・・・これじゃあ、私でも歯が立たないわ」
と、ショウコは、すでに白旗状態だ。
「じゃあ、ショウコさん・・・タケルのこと、認めてくださるんですね?」
と、アイリはショウコに聞く。
「ええ・・・ちょっとこの子には、わたしも、ぐらりと来たもの・・・認める認めない以前の問題だわ・・・こんな気持ちになったの、久しぶりだもの・・・」
と、ショウコは、タケルに、少しやられているよう。
「えーと、なんかよく様子がわからないんですけど・・・とりあえず、今日は楽しい飲み!と言うことで、アイリから聞いていたんですが・・・それでいいんですよね?」
と、タケル。
「ええ、そうよ。今日はうちの編集部の綺麗どころVSタケルくんの楽しい飲み会・・・さ、皆ではじけましょう!」
と、ショウコは先頭に立って、飲み会を開始する。
「タケルくんからアイリへのプロポーズを祝って、乾杯!」「乾杯」「かんぱーい」「かんぱい」「かんぱーーい」
と、ショウコが先頭に立って、乾杯コール。
タケルもアイリも、マキも、アミも、皆安堵して、笑顔笑顔だった。
ショウコも久しぶりの甘い味に、少し酔っていた。
飲み会は楽しく盛り上がっていった。
(つづく)
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社の近所にあるイタリアンレストラン「グラッチェグラッチェ」に来ていた。
「そうなの・・・アイリは、例の若い少年みたいな彼氏に、プロポーズを受けたの・・・」
と、ショウコは、煙草の煙を吐きながら、プロポーズ後のアイリとタケルの記念写真を見ている。
「しかも、麻布の「Felice ogni giorno」のあのゴージャスな庭で、全てのお客の目の前で、堂々とプロポーズですからね・・・」
と、ため息をつくマキ。
「お客からは大喝采で、しかも、タケルくんは、支配人さえ、味方につけたそうですから・・・シナリオ最高・度胸満点の少年ですよ」
と、ため息をつくアミ。
「わたしらが思ってたより、すごいわよね」「そう。ほんとに、いい少年です」
と、マキとアミは繰り返す。
「なるほど、その例のタケルくんは、マキもアミも、もう味方につけてるのか・・・手厳しいはずのキャリアなお姉さん2人を蕩かすとは、その少年、秀吉並かしら」
と、大河ドラマ好きなショウコは話す。
「確かに、あの支配人のこの笑顔・・・お客たちに記念撮影までさせちゃうなんて・・・相当シナリオを練っていたのね、この少年」
と、ショウコは、記念写真に写るタケルの笑顔を指さしている。
「カメラ持ってきているなんて、全然知らなくて・・・「この感動を記念写真に残したいので」って、お客さん達に説明し始めた時は、ちょっとびっくりしちゃって、私」
と、アイリは説明している。
「なるほど・・・若くて侮っていたけど、行動的で、相当な玉だわ、この子・・・そのタケル君がとうとう私に会いにくるか・・・」
と、ショウコは白ワインを飲みながら、ニヤリとする。
「この眼できっちり確かめさせて貰うわ」
と、ショウコはニヤリとしながら、白ワインを飲み干している。
「ね、今日はどういう役割で来ているか、二人共、わかっているわよね?」
と、小さい声でアイリは、マキとアミに話している。
「わかっているわよ・・・タケルくんをショウコ様に気に入って貰うように、援護射撃役でしょ?」
と、マキは、緊張気味。
「大丈夫よ・・・タケルくんは、それだけのポテンシャル持ってるもの・・・ま、もちろん、援護射撃は最大限やらしてもらうわ」
と、アミは落ち着いて笑顔まで、見せている。
「まあ、わたしも、タケルなら、楽々パスだとは、思うけど・・・ショウコ様がどう出るかわからないから・・・」
と、ショウコと仲のいいはずのアイリでさえ、すべては想定出来ないようだ。
と、そこへ。
「東堂様、鈴木様より、お電話が入っています」
と、ウェイターが連絡に来る。
「あ、すいません」
と、そそくさと退席するアイリ。
「タケルくんは、今日は八津菱電機の丸の内本社で会議だそうで・・・今、会議が終わって、東京駅についたところなんじゃないですか?」
と、アミがショウコに言う。
「なるほど・・・じゃあ、30分もしないうちに、ここにやって来るわね・・・アイリの言うとおりだわ」
と、ショウコは嬉しそうに話す。
「で、そのタケルって子、どうなの?二人が会った感じでは、どういう印象?」
と、ショウコはマキとアミに話す。
「そうですねー・・・だいたいアイリとアミとわたしとで3人で会うことが多かったんですけど・・・普段はやさしい感じの真面目そうな青年ですよ」
と、マキ。
「頭の回転は速い感じですね。いつもくるくる頭を回転させてるような、話していて、楽しい、聡明なイメージが私にはあるかな」
と、アミ。
「ふーん・・・話していて楽しい男好きなアミの趣味ね。その少年」
と、アミの内面を見抜いているショウコは、鋭く突きを入れる。
「へへー正解。わたし、アイリにも言ってますけど、アイリが相手じゃなかったら、略奪したいタイプ」
と、アミは笑顔になる。
「で、マキは、そのタケル君は、どんなところが、いい点だと思う?」
と、ショウコは今度は触手をマキに伸ばす。
「そうですね・・・アイリの前ではやさしい男なんですけど、仕事の上ではかなりぐいぐり引っ張るタイプらしくて・・・そのギャップがたまらない感じかしら」
と、マキ。
「うわー・・・仕事のできる男好きなマキまで、やられてるの・・・性格の違う2人のキャリアなお姉さままで落とすとは、なかなかな玉ねー」
と、思わず笑うショウコ。
「え?わたし、落ちてるなんて、言った?」
と、ひとりチンプンカンプンなマキ。
「マキは、そういうところ、天然よねー」
と、そういうところに敏感なアミ。
「まあ、いいわ・・・落ちてる二人にいくら相手の感想を聞いても、いい話しか出てこないだろうし・・・ま、信じられるのは、自分の眼だけね」
と、ショウコは、アイリの張った援護射撃を完全に封じている。
「なかなか手ごわい相手だわ・・・でも、この私は、そう簡単には、負けませんからね・・・見てらっしゃい!」
と、ショウコは心の中で、完全に闘志を燃やし始めていた。
と、そこへ戻ってくるアイリ。
「すいません・・・さっき東京駅についたそうで・・・30分くらい待ってくれとのことです」
と、アイリはショウコに報告している。
「ふーん・・・で、その少年・・・タケルくんだっけ、確か、サプライズ好きなのよね?」
と、ショウコはアイリに聞く。
「え?ああ、ええ・・・プロポーズ自体、ビックサプライズの連続でしたし・・・」
と、言うアイリの言葉を聞いたショウコは、
「なるほど・・・じゃあ、タケルくんは、1分以内に来るわ。店が見える、あの交差点のところに公衆電話ボックスあったから・・・私の考える男なら、必ずそこで電話したはず」
と、ショウコはニヤリと笑って、
「ほら、見ててご覧・・・きっとその少年は、入り口のところで、こっちの様子を伺うから・・・」
と、ショウコが言うと、それに合わせたかのように、ドアが静かに開いて・・・タケルが中の様子を伺っている。
アイリとマキとアミは、そのショウコの洞察力に舌を巻く。
「なるほど、出来る男ね・・・戦う相手としては、上々な相手だわ」
と、ニヤリと笑いながら、ショウコがつぶやく。
と、そこへ、少し苦笑しながら、タケル登場。
「いやあ、僕のサプライズは、空振りだったようですね。はじめまして、アイリにプロポーズした鈴木タケルです。どうぞ、よろしく」
と、タケルはショウコに握手を求めている。
「はじめまして。アイリとこの二人を率いている雑誌「Joie」の編集長、片桐ショウコです。わたしこそ、よろしくね」
と、ショウコは、満面の笑顔で、タケルと握手する。
「じゃあ、タケルはわたしの横に・・・」
と、アイリはタケルを自分の横に置く。
ショウコを真ん中に、マキとアミが両脇に座る格好になり、それに対するように、アイリとタケルが座っている。
もちろん、アイリが考えた、タケル援護陣だ。
と、タケルがおもむろに、
「あなたが、ショウコさんですか・・・さすが、女性向け雑誌の編集長というだけあって、シックでエレガントな装いですね」
と、ショウコの黒いパンツスース姿を褒めている。
「アクセサリーは最小限で、ビジネスモデル風ですけど、白シャツ、黒ジャケットの中に、差し色の赤を意識させる、その太めのバングルがいいアクセントになっている・・・」
と、タケルはショウコが意識した通りのファッションをズバリ言い当てる。
「まあ、僕的には、好きなファッションですねー」
と、満足そうな笑顔のタケルに、ショウコは思わず苦笑い。
「なるほどね・・・マキとアミが落ちてる理由、すぐにわかったわ・・・もしかして、君の中には、女性がいるのじゃなくて?女性の立場に立って考えるのが、旨すぎるもの」
と、ショウコは苦笑する。
「女性は、好きな男に理解されたいもの・・・そして、目の前の素敵な男に理解されたとわかったら、うれしいもの・・・その笑顔が、満足そうなら、そうなるほど、うれしいもの」
と、ショウコは言う。
「君は、その全部を目の前のおんなに手渡す事が出来る・・・君の最終兵器は、その満足そうなやさしい笑顔ね・・・違う、アイリ?」
と、ショウコはアイリの方を向いて聞く。
「ええ、そうです。・・・わたしも、タケルのその満足そうな笑顔にやられた口ですから・・・」
と、アイリは幾分憂いを含んだ、笑顔で言う。
「いつもサプライズを考えていて、すぐに行動出来て、目の前の女性の欲しい物をさくっと提示出来て、目の前の女性のことは何でもお見通し・・・これじゃあ、私でも歯が立たないわ」
と、ショウコは、すでに白旗状態だ。
「じゃあ、ショウコさん・・・タケルのこと、認めてくださるんですね?」
と、アイリはショウコに聞く。
「ええ・・・ちょっとこの子には、わたしも、ぐらりと来たもの・・・認める認めない以前の問題だわ・・・こんな気持ちになったの、久しぶりだもの・・・」
と、ショウコは、タケルに、少しやられているよう。
「えーと、なんかよく様子がわからないんですけど・・・とりあえず、今日は楽しい飲み!と言うことで、アイリから聞いていたんですが・・・それでいいんですよね?」
と、タケル。
「ええ、そうよ。今日はうちの編集部の綺麗どころVSタケルくんの楽しい飲み会・・・さ、皆ではじけましょう!」
と、ショウコは先頭に立って、飲み会を開始する。
「タケルくんからアイリへのプロポーズを祝って、乾杯!」「乾杯」「かんぱーい」「かんぱい」「かんぱーーい」
と、ショウコが先頭に立って、乾杯コール。
タケルもアイリも、マキも、アミも、皆安堵して、笑顔笑顔だった。
ショウコも久しぶりの甘い味に、少し酔っていた。
飲み会は楽しく盛り上がっていった。
(つづく)
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