落語見聞録 改め 仙台落語案内

落語界に愛を込めて・・・
仙台市近郊で開催される落語会情報を掲載していきます。

第2回 藤寄席

2008-05-28 08:09:36 | 落語(仙台)
2008年5月25日(日)15:40~18:15
五ツ橋 藤 2階和室(仙台市)


番組
勇家とんび『道具屋』
長井亭あやめ『権助魚』
☆★☆★☆★☆仲入り☆★☆★☆★
ほでなすブルースバンド「民謡ブルース」

越前屋文殊『幽霊そば』
清川波之丞『一文笛』

偶然ネットで発見した寄席に行ってきました。

「仙台ほでなす会 演芸部門」による落語会です。


勇家とんびさん。鳶職人さんだそうです。
高座にまだ慣れていない様子はありましたが、懸命な口演に温かい拍手が送られました。

次のあやめさんが…来ない…。急遽、文殊さんが小話で10分つないでいると…無事到着。


長井亭あやめさん。
高座に上がると「かけつけ一杯」のビールをグイッ。
エンジンかかって来た模様。
陽気な権助に会場が温かくなりました。


仲入り後は、ほでなすブルースバンドによる「民謡ブルース」。
「なに???」と思っているうちに演奏開始。
なるほど、その名の通り「民謡ブルース」です。
弦が切れてしまう程の激しいギター伴奏に合わせ、「なみちゃん」こと清川波之丞さんが唄う「道南くどき」、「最上川舟歌」など。会場もヒートアップ!

一度聞くと、なんだか忘れられない魅力があります。


越前屋文殊さん。
本業は噺家。副業が社会福祉法人職員なんだそうでして…。
今回挑んだ『幽霊そば』は、落語協会の台本コンクールの入選作として、ネットで発表されていたものを見て「やってみよう」。
でも、途中で噺を忘れてしまい…なんとかサゲに持って行きましたが、本人、かなりブルーになってました…。

「師匠」清川波之丞さん登場。
「民謡ブルース」の時とは、うってかわった語り口。
話の世界に引き込まれました。


会場が料理屋さんということで、開演中の飲食OK!
こんなに気軽に演芸を楽しめる所は、仙台ではここだけではないでしょうか?
(まだ、よくわかりませんが…。)


「近所の方に気軽に来て欲しい」とのこと。
五橋周辺の皆さん、仙台市内の落語ファンの皆さん
是非、一度!

東方落語 11周年記念公演

2008-05-17 22:09:27 | 東方落語
2008年5月10日(土)18:00~20:30
仙台市戦災復興記念館 記念ホール

演目
第1部
口上   今野家一門
漫才「楽させで」  今野家なにも・かにも
落語「もと犬」   今野家世はね
落語「にわか間男」 今野家もう世
落語「つづら嫁ご」 川野眼亭南天
落語「健康診断」  今野家東

第2部
七人噺「鹿と嘉十」
(原作/宮沢賢治「なめとこ山の熊・鹿踊りのはじまり」から
 脚本・演出/今野東)

嘉十:今野家東
鹿父:今野家世はね
鹿姉:川野目亭南天
鹿弟:今野家もう世
鹿妹1:今野家なにも
鹿妹2:今野家かにも
鹿妹3:今野家いっちゃ


昼の部は早くからチケット完売と聞いていましたが、夜の部も満席でした!

この日は新弟子、いっちゃさんのお披露目の日でもありました。
今まで半々だった男女比率が3:4と女性優勢。
新時代の幕開けの予感・・・(東方落語聴き始めて日が浅いですが・・・

なにも・かにもさんの漫才。
かにもさんの「芸」(?)が、個人的に秘かな楽しみなのです。
今回はロボット! 
動きがたまりませ~ん!
なにも・かにもさんの漫才、今回も大爆笑で、客席の雰囲気がより一層明るくなったのを感じました

「もと犬」
あの「元犬」の焼き直しでしょ?と思ったら大間違い。
確かに、題材はそこからとってきていると思いますが、完全に「世はねバージョン」でした!
個人的には、冒頭の犬時代の「シロ」がかわいがられているシーンにキュンと来ました。

「にわか間男」
定期寄席では、マクラから本題に入るとき
「で、何演るんだっけ??」なんてこともあった、もう世さんが
すごーく、かっこいい!と思えた高座でした。
噺の内容自体は、マヌケな男が主人公だったのですが、
そのオリジナル制にです!


おそらく、民話が題材となっている話だと思いますが、
「この先どうなるんだろう?」とドキドキしながら聞いてました。
南天さんの音楽のような東北弁に、今回もうっとり・・・
話の村の風景が、パァーっと目の前に広がりました。

家元 東さん
「この人は、こんなに凄かったのか!」
失礼ながら、正直そう思った高座です。
人間ドック情報の詳細さに、あたかも病院で検査受けているような
気分になりました。
あの、看護士さんの歩き方・・・忘れられません

休憩を挟んで第2部

幕が開くと、7人が袴姿でずらり座っていました。
柳家花緑さんが弟子の初花さんや、
柳家さん生師匠と「二人噺」をやったことがありましたが、それとはまた別の世界が広がっていました。
あえて例えるなら、
「落語と演劇と朗読劇を足して3で割ったような世界」
でもやっぱり落語です。
それに、演出効果が加わり、朗読劇のような美しさ
これには、ただただ「すごい・・・!」の言葉しかありません。

高座デビューの鹿妹3の いっちゃさん。
とっても、かわいい鹿でした
これからの高座が楽しみです。

定期公演とは全く別の世界が広がり
すごい!という驚きとともに家路に着きました。

次回定期寄席は6月8日だそうです。 

第21回 OB落語会

2008-05-17 20:50:20 | 落語(仙台)
※ようやくの報告です・・・

2008年5月10日(土)13:00~15:45
141ビル エルパーク仙台5階 スタジオホール

東北大学落語研究部OBの落語会です。

   番組
『道灌』笑富亭勃湖
『はんどたおる』夢遊亭迷々
   口上
『鈴ヶ森』酩丹亭保尾無頭
☆★☆★☆仲入り☆★☆★☆
『野ざらし』談亭志ん志
『黄金の大黒』桂友楽
『ねずみ』金願亭乱志

笑富亭勃湖(えふていぼっこ)さんは、学部の4年生。
新潟出身。全国学生落語大会の決勝まで進出した実力者。
まくらは「落語はある程度までできたので、もう少しモテタイ」
確かに・・・彼の風貌は台所鬼〆さんを彷彿とさせ、
(一部の落語ファンしかわからないと思います・・・ゴメンナサイ個人的に大好きな落語家さんの一人です。)
一種の郷愁すら感じました。

客席がほとんど学部の学生&OB関係者らしく、ある意味やりにくい環境だった?
客席がイマイチあたたまりきらないやりにくさが伝わってきてしまいました。
でも、印象に残る演者さんなんですよね~。なぜか・・・。

2年生の夢遊亭迷々(むそうてい めいめい)さん。栃木出身。
『はんどたおる』は立川志の輔師匠の代表作。
前座さんが師匠から教わったのをやるとき、当初は「生き写し」のような
コピーになってしまうのを目にすることがありますが、
(それは、もちろん師匠に対する尊敬の念から来るものだと思いますが)
迷々さんの高座にも、それと同じ様な雰囲気が多少感じられました。
が、噺の面白さは充分伝わってきて、客席があたたまってくるのを感じました。

口上
なんでも、東北大学落語研究部は来年で創立50周年になるそうです。
「仙都に笑いを」ということで、東京の若手二つ目の会を仙台で始めて開催したのも東北大落研なんだそうです。
口上には、その第1回目に関わったメンバーがずらり!
あ、そういえば、そんな話、以前図書館で読んだことがある!
そんなことを思い出し、
歴史の重みと続けることの尊さを感じました。

昨年学部を卒業し、現在大学院生の酩丹亭保尾無頭(めいたんてい ほおむず)さん。
泥棒の間抜けな雰囲気が楽しい
独特のキャラの持ち主で楽しい一席でした


仲入り後は、ベテランOBの登場
談亭志ん志(だんてい しんし)さん。
久しぶりの高座とのことでしたが、落語が大好きという気持ちが伝わってくる高座でした。
そのためでしょうか、江戸弁の口調が自然でした。

桂友楽(かつら ゆうらく)さん
名前も雰囲気も、もっとも落語家らしい方。
私は存じ上げなかったのですが、地元ではかなり高座経験を積んでいらっしゃる方のようです。
静かな佇まいに丁寧な口調の一席でした。


トリは金願亭乱志(きんがんてい らんし)さん。
仙台が舞台の「ねずみ」を仙台で。
非常に魂のこもった大ネタでした。


来年11月7日に50周年記念OB会を開催するそうです。