ゆきのひ 

雪の毎日 ぶつぶつ日記
  こころ新たに…

今年を振り返ってみる晦日

2015年12月30日 | 日記


 あっという間の年末。
 明日は大晦日だ。
 テンプレートをお正月バージョンにしたのに、記事がクリスマスではいけないだろうということで、更新。
 30日だというのに、なんとものんびりしている私である。

 今朝は今年最後の空き瓶の収集日だったので、出しに行った。
 朝食を終えて後片づけをして、換気扇の掃除をした。
 昨年買った高い洗剤…まだ残っているのか、というかもしやその間使わなかったのではあるまいなと自分でつっこみを入れつつ引っ張り出し、歯ブラシとクッキングペーパーでピカピカにした。
 その後スーパーにお雑煮用の椎茸と三つ葉を買いに行き、お正月用のお花を買い、灯油を買ってきた。
 お花はいつも行く顔馴染みの花屋さんで、珍しい花は置いていないけれど新鮮で安いうえに、おまけしてくれるところ。
 今日は百合をメインに洋風にアレンジしてもらった。
「松竹梅は入れる?」
 と聞かれたが、枝物は後片づけが苦手なので入れないでとお願いした。
 白とピンクの百合にカーネーション、アイリス、葉ボタンなどをいろいろ取り入れてもらった。
 仏壇用のお花も入れて2700円だったが、帰宅して花瓶に入れると、玄関・居間・和室・トイレと全部が花だらけになるくらいいっぱいになった。
 すでに28日に〆飾りもお供えも飾り終えているので、これで我が家はお正月の雰囲気は完成である。(部屋の隅のほこりはさておき)
 今年は本当に暖冬で、今日まで積雪はまだ1日しかない。
 今日も朝から窓を開けて過ごすことができた。
 暖房をつけていないのに、今現在部屋は13度ある。
 こんな時に限って、灯油が安い。
 今日は1リットル52円だった。
 安価はありがたいばかりだが、わんこがいなくなって部屋を24時間暖かくしておく必要がなくなってからではありがたみがちと薄れる。
 ということで、たぶんこれで今年の私の買い物は終了。

 あと1日残っているが、ここで今年を振り返ってみると同時に来る年の抱負を語ってみることにする。
 今年最大の出来事は、やはりたったひとりの家族であったわんこが亡くなったこと。
 去年の今頃はふたりでこたつにもぐっていたんだなあと思うと、淋しい。
 年が明ければいなくなって11カ月になるが、ここまで毎月命日にはお墓参りに行っている。
 母のお参りなんぞ年に1回、お盆にしか行かない私がである。
 納骨して数カ月は、行くたびにお墓の前でシクシク泣いていたが、最近はそういうこともなくなり、墓石を撫でて静かにお話するだけでになった。
 私の心が落ち着いてきたということは、わんこも成仏しているのだろうなと思えるようになった。

 わんこの死をきっかけに、ブログでもほぼ連載状態になったように旅をするようになった。
 ブログに書かなかった分も含めて、今年はなんと温泉に8回、他に鎌倉に1回と合計9回出かけた。
 来年もたくさん行けたらいいなあと思っている、というか行く。
 すでに1月に2回、2月に2回の予約を入れてある。
 楽しみがあればこそ仕事も頑張れるし、節約を心がけて生活できる。
 電車や飛行機で遠くに行くのもアリだけど、まずは運転が億劫になる前にあっちこっち愛車で出かけたい。
 先日、友人が出張で青森に行ってきたと言った。
 友人はわりとしょっちゅう青森に行く。
「また“はやぶさ”に乗ったの?いいないいなあ、私まだ乗ってないよ」
 私は言った。
「来年は行こうかな、でもやっぱり車で行こうかなあ」
 それを聞いて友人から即座に『やめろ』と言われた。
「でも私は恐山に行きたいんだよ~、恐山に行くには車じゃないと行けないよ~」
 友人は、自分も恐山には行ったことがないと言った。
「でしょでしょ? 恐山の宿坊に泊まりたいんだよ~」
 友人は一瞬、「おっ!?」という顔をしたが、一緒に行くとは言わなかった。
 来年行けるかどうかはわからないけれど、いつかは…という目標。 

 またわんこの死の影響であるが、今年はあまり本を読めなかった。
 わんこがいなくなったショックで、全く字を読めなくなったからだ。
 ようやく春過ぎからまずは写真集のようなものに手を伸ばし、次にエッセイのように簡単なものを読み始めた。
 今年は戦後70年ということで、夏は戦争関連の本を何冊か読み、秋から徐々にペースを取り戻した。
 10月からはほぼ1日1冊に戻った。
 たりない、時間がたりない!
 だって読みたい本が今日現在ですでに170冊リストアップしてあるのだから。
 とりあえず来年の目標は1年で400冊は無理かなあ。

 仕事面では、今年は大きなイベントはなかったし、新たに始めたこともなかったのでごく普通に坦々とこなした感じ。
 自分の年齢を考えると、今後は自分自身が新しい事を始める以上に、後進を育てなければという気持ちが大きい。
 私たちがやってきたことを無駄にしないためにも、後に引き継ぐ人が欲しいのだけれど、実はこれがとても難しい。
 一人前になるのに15年、20年かかるので、途中で挫折する人が多いからだ。
 ということで、小学生や中学生に飴を与えておだて倒して、今からなんとかしておかなければと思っているところ。

 あとはまあ元気で暮らせたらいいと思っている。
 そして来年はできるだけまめにブログを更新しようと思う。
 というのも、今思い返してみれば、今年も楽しいことや面白いことが本当にいっぱいあったのだ。
 たとえば、友人に誘われて1日だけさくらんぼの収穫の手伝いに行ったこと。
 本来は友人が、職場の上司に働き手がいないので、家のさくらんぼを採って来て欲しいと頼まれたのだが、ひとりで仕事をするのはつまらないと電話をくれたのであった。
「バイト料は無し、ただし好きなだけさくらんぼを持って行っていい」
 と友人に言われ、即出かけた。
 観光客など来ない町はずれの山の中腹、青空の下で真っ赤な実を口に入れながら(種はそこら辺に吹き出していい)働いた…というか遊んだ。
 30分動いては1時間休憩するの連続で。
 畑の持ち主の上司の方が
「昼ごはん食べにあべ~(行こう)」
 と山の下から来てくれると、友人とほいほいついて行き、山の麓のお蕎麦屋さんに連れて行ってもらい、
「ゲソ天ざるも食べたいけど、普通の天ぷらも食べたい」(と友人が上司のおじさんに言った)
 と昼からお腹いっぱいごちそうになり、また山に戻ると敷いたシートに腰をおろして、風に吹かれながら無駄話。
「そろそろ一服すっべ~」
 とおじさんが来ると、はーいと返事をしてお茶をいただくという働きぶりであった。  
 結局私は自分の車にさくらんぼ3キロ(時価9000円分)を詰め込んで帰った。
 すごく気持ちがいい場所でゆっくり友人と話ができて、さくらんぼ食べ放題で、毎日飽きるほど食べられたさくらんぼのおみやげ付きで、しかも感謝までされてしまったというとっても楽しい時間を過ごしたのであった。
 本当はこういうことを写真付きで残しておきたかったなあと思うのだ。
 だから来年はできるだけ私自身の記録としても、更新を怠らないようにしたいと思う。 

満月クリスマス

2015年12月25日 | 日記


 今夜はクリスマス、しかも満月。
 お天気が良いのでこちらでもきれいなお月さまを見ることができた。
 
 クリスマスだからといって、何をするでもないのは例年どおり。
 いちおう、今日の私の1日は、午前中は書店に行って年末・年始用の本を仕入れてきた。
 午後、本を読んで、読み終えたところで図書館に行って年末・年始用の本を借りてきた。
 帰宅して、年賀状を書こうと思ったところでお向かいの奥さんから電話があり、お茶飲みに行った。
 帰宅して、年賀状を一気に仕上げ、郵便局まで行って年賀状を出してきた。
 年賀状を出したところで、なんだかわからないがものすごくすごいことをし終えたような満足感だ。
 あとは明日〆飾りとかお餅とかを買ったら、これで年末の準備も完璧である。
 あー、今年はなんと余裕の年末だろう…とコーヒーを飲んでいて私は気づいてしまった。
「大掃除とかいうものをしていない…」
 まあ、誰もお客様が来るわけでもないし、四角い部屋を丸く掃除機をかければいいかと…。
 
 雪がないせいもあって、雰囲気もクリスマスにほど遠い。
 食事だって、昨日はおでん、しかもお湯で温めるだけの(懸賞でいっぱい当たった)で今日はえびカレーだ(こちらは作った)。
 ケーキだけはコンビニから小さいのを1個買って食べた。
 なんだかなあという過ごし方であるが、私は今年は年始にお金も気力も使うことにしたので、ここは静かに過ごすことにする。

 昨日はお話会だった。
 場所は、とある養護施設。
 平日なので、大きい子ども達は学校や保育所に行っているが、それより小さい子は施設に残っている。
 その子達に絵本を読んであげるのだ。
 クリスマスイブということで、クリスマスの絵本を揃えて持って行った。
 養護施設だから親がいない子かというと、今時は決してそういうわけではないところが難しい。
 経済上の理由で親が育てられないという場合もあるだろうが、実は親による虐待から保護されてきた子が多かったりする。
 いずれにしても親の愛情に飢えている子が多いのだけれど。
 それだけに本や紙芝居を選ぶときには、いつも以上に慎重にならざるをえない。
 昨日集まった子どもたちは、特に大きな問題もないおりこうさんな子ばかりだった。
「大きくなったらなにになりたいですか?」
 という質問に
「運転手さん!」
「アンパンマン!」
 の答えの中で
「バナナ!」
 と言う男の子がいた。
 あー、私はこういう子が大好きだ。
 連れて帰りたくなるが、この3歳児からみたら私なんぞは“ママ”じゃなくて“おばあちゃん”に見えているのだろうなあと思うとがっかりしてしまう。
 近所に私よりふたつ、みっつ下の奥さんがいて、町内の幼稚園で先生をしている。
 ある時、幼稚園の廊下にいると
「ばあちゃん!」
 という声がしたという。
 園児のおばあさんでも来たのかと、窓から外を見たが人の姿はない。
 誰もいないじゃないかと前を向くと、たまご組(年少少)の男の子が立っていた。
 そしてまた叫んだ。
「ばあちゃん!」
 思わず周りを見回したが、自分以外は誰もいない。
「えっ、もしかしてばあちゃんって私のこと…!?」
 3歳になると多少は社会の仕組みが理解できるようになるので、幼稚園がどういうところか、そこにいる大人はどんな人なのかを理解できるようになるのだが、2歳児にはまだそんなことはわからない。
 2歳児は担任だけが“先生”という人で、あとはおねえちゃん、おばちゃん、おばあちゃんしかいない。
 そして目の前にいる人を即座に仕分けした結果が、“ばあちゃん”だったわけだ。
「幼稚園に勤めて30年、こんなショックなことはなかった」
 奥さんはがっくりと肩を落として言った。
 この年齢の母親も、私たち世代には未知の人間になっているらしい。
 お弁当には3色入れてくださいとお母さん達にお願いしたら
「雪さん!どんなお弁当になってたと思う?」
 ごはんが緑色に染まっていまというのだ。
 そしてそれに電子レンジでチンしたナゲットにケチャップが添えられていたそうだ。
 たしかにスーパーで、ごはんに色がつくというふりかけを売っているのをみたような気がするが、それなのだろうか。
「緑って言ったらほうれん草とかブロッコリーとか、そういうものでしょっ!? それがごはんが緑ってなにっ!? 赤と言ったらトマトとかにんじんでしょっ!? それがケチャップよ、ただのケチャップ!」
 奥さんは、20代の母親の頭の中が全く理解できないと嘆いた。
 ああ、今はそういうことになっているのかと私は思った。
 そしてそういう考えに全く思い至らない私たちは、2歳児からみたらやっぱり“ばあちゃん”なのかなあと思った。

 お話会が終わると、クリスマスのプレゼントにお菓子の袋をいただいた。 
 夜に施設でクリスマス会があると言っていたので、きっとサンタの格好をした職員に子どもたちが貰うお菓子のおすそわけだと思う。
 家に帰って早速あけてみたら、いろいろなお菓子がいっぱい入っていた。
 今日の子どもたちが楽しいクリスマスを過ごせますようにと祈りつつ、久々に『きのこの山』を食べた。
 みんなの夢が叶いますように…でもバナナにはなりませんように…。

旅運

2015年12月22日 | 日記


                    

                     ↑わが家で唯一のクリスマスグッズ、こどもの工作の時間に作った雪制作折り紙リース

 更新せずにいたらあっという間に今年も残り少なくなってしまった。
 あせあせ…と口では言っているが、その実あまり焦っていない。
 あまりに暖かく、雪も全く見ていないせいかもしれない。
 心身ともにのんびり過ごしており、数日前は温泉でひと足早くクリスマスと忘年会を楽しんできた。
 この旅は、ちょ~っと違う。

 あれは2ヶ月ほど前のことであった。
 夕がた帰宅すると、いつものように時計代わりにテレビをつけて、ローカル情報番組にチャンネルを合わせた。
 番組では毎日3択クイズをしており、食品や食事券が当たる。
 テレビの音をBGMに作業をしていると、本日のプレゼントは宿泊券という声が聞こえた。
「なにっ!?宿泊券だと!?」
 夏から『毎月温泉旅』を生きがいにしている私には、なんと魅力的な賞品だろう。
 これは応募せずにいられようか。
 ということで、画面に集中した。
 クイズの答えはわからなかったが、消去法で数字を選ぶと、早速電話をかけた。
 2回目で繋がると、選んだ番号、名前と電話番号を伝えた。
 これだけで応募完了である。
 あとはまた作業に戻った。
 番組の終盤で、今日のクイズの答えの発表になった。
 わからないまま選んだ私の答えは正解していた。
 作業をしながら、テレビの音に耳をすませる。
「今日の正解者は八百何十名でした」
 げげっ、そんなに正解者がいたのか…と思いつつ作業をする。
 受付と同時に、応募者には自動的に番号を振りあてられるが、自分が何番なのかはわからない。
 アナウンサーがパソコンでルーレットを回し、今日の当選者の番号が画面に映し出される。
 そしてその後、アナウンサーの手元に、当選者のメモが届けられる。
「当選者は、××町の…」
 おっ、うちの町の人間か…と思いつつ作業を続ける。
「雪さんでした、おめでとうございます」
「えっ…!?」 
 私は持っていたペンをポロリと落とすと、思わず椅子から立ち上がって直立不動の姿勢になった。
「えっ?わたし?わたし!?」
 しかしすぐに椅子に腰を下ろすと、冷静になって考えた。
「私の名前なんぞありふれたものだ、実際私が把握しているだけでも8人いる」
 でももしかして…いやいやまさか…などと椅子から立ったり座ったりを繰り返しているうちに、番組は終了した。
 と同時に、電話がなった。
 ドキドキしながら受話器を取ると、なんと番組のスタッフからであった。
「おめでとうございます」
「ぶふふ…あ…ありがとうございます…ぐふふ…」
 やっぱり××町の雪さんは私のことであったのだ。
 この喜びを誰かに伝えたい、しかし近所の友人たちに言うのもなんだか恥ずかしいので、仙台の友人にメールをした。
「テレビで宿泊券当たった」
 深夜になって
「それはすごい」
 と、まったくすごさを感じられない返事が届いた。
 朝になってから
「休みが合ったら一緒に行く?」
 とメールをすると、今度は即座に電話がきた。
「それって二人分なの?」
 あたりまえではないか、ホテルならシングル1室とか、ダブルルームをシングルユースでという賞品もあるだろうが、温泉だ、ペアに決まっているのだ。
 それを知ったとたん、友人は叫んだ。
「行く!! すごいすごい!」
 なんと現金なことだ。
 その宿は、私は20年以上前に行ったことがあるが、友人は初めてだという。
 12月に会った時にふたりでスケジュールを調整し、その場で早速宿に電話をして予約をいれた。
 何日も前から、友人はどんな宿かとさかんに聞いてきた。
「昔っからある宿、私も行ったのは大昔だからよく覚えていないなあ」
「でもタダだもん、ありがたいよ」
 と友人はわくわくした声で言った。 

 宿は昔私が行った時のまま、外観はけっして新しくない。
 しかし自動ドアから中に入ると、クリスマスツリーが飾られたロビーはなかなか賑わっていた。
 案内された部屋も新しく、私たちのテンションはあがった。
 早速浴衣に着替えて行った大浴場も広かった。
 友人は、サラサラしたお湯で温めで大好きなタイプの温泉だと大喜びだった。
 夕食はバイキングだと予約した時に宿から言われていたので、正直私は期待していなかったのだが、これが見事に裏切られた。
 それほど大きくない会食場に、和洋中のいろいろな料理が並んでいた。
 それがどれも本当に美味しいのだ。
 100人以上のお客がいたらたくさんの種類の料理を並べることも可能だろうが、この日の宿泊客…たぶん50名ほどのためにこんなに作ってくれたのかと思うと感動ものである。
 肉料理も魚料理も数種類ずつあったが、野菜料理も豊富で、しかも自家農園の野菜ということでどれも新鮮で甘い。
 友人は
「これは料理長がすごい!バイキングでこれだけのレベルを揃えられるってめったにないよ」
 と目を丸くして叫んだ。
 懐石料理のコースなら、いろいろなものをちびちびと食べて楽しむが、なにしろバイキングだから、好きな物や食べたいものはいくらでもお皿に盛りつけることができる。
「ブリの照り焼き、ふたつもらってきちゃった♪」
 という私に、そんなに持って来てと私を白い目見ながら、友人はローストビーフを3枚も皿にのせていた。
 ふたりで何度も席を立っては、次々といろいろな料理を貰ってきては口に運んだ。
 お客の数がそれほど多くないので、混雑しないのも良かった。
「さーて、デザートにいくか」
 持ってきた皿を見て、友人は呆れたような目で私を見た。
「それ、全部食べるわけ?」
 ケーキ5種類…でもどれも小さくてひとくち分だ、これぐらいたいしたことはない。
「だってデザートのために、私はごはんを我慢したんだよ」
 普通の白いご飯の他に酢飯があって、お刺身を自由に乗せて作る海鮮丼もあったし、牛丼もあったけど、我慢したのだ。(打ちたてのお蕎麦は食べたが…えびの天ぷら3本と…)
 ソフトクリーム(自分で自由に作る)も食べたかったし、クレープ(目の前で焼いてくれる)も食べたかったけど我慢したのだ、ケーキ5個ぐらい食べてもばちはあたるまい。(体重には悪影響大だが…)
 ということで、食べることに夢中で写真も撮っていないが、とにかく美味しい料理を山のようにいただいた。
 朝食もバイキングであったが、こちらも美味しく、またまたいっぱい食べてしまった。
「胃があと20歳若かったら、ごはんをもう1膳とろろをかけて食べたかった…」
 食後の朝のデザート(りんごのプリンっぽいお菓子)を食べながら、私は呟いた。
 チェックアウトで部屋の鍵を返すと、それで終わり。
 入湯税ぐらいは払わなくちゃいけないのかなと思っていたのだが、本当に全くの無料だった。
 私たちはアルコールは頼まなかったし、お酒以外のジュースも烏龍茶もコーヒーも何もかもがバイキングでは無料だったからだ。
 友人は
「おかげさまでいい思いをさせていただきました」
 宿の前で頭を下げた。
 これで年末ジャンボの結果を見る前に、今年の運を使い果たしてしまった感があるが、また宿泊券が当たるようにチャレンジしてみるよと私は言った。
 ほとんど食事の記録だけの旅日記になってしまったが、予定外のクリスマス・忘年会の冬旅が無料で楽しめて本当によかった。

 さて冬旅だが、すでに年明け早々予定が入っている。
 先日仙台の高校時代の友人から電話があり、あれこれ話をしたのだが、その際、
「近々こっちに来る予定ある?」
 と尋ねた。
 すると友人は、1月に行こうと思っていると言う。
 “例の”ふるさとクーポンが余ったとかで、急遽第3弾の配布が先日あったのだが、その際私は素早くゲットしていたのだ。
 先月末にランチをしながら喋りまくったばかりではあるが、たまには夜通し喋るというのもどうだろうと私が提案すると、友人はすぐに自分の予定を告げてきた。
 冬なので遠いところに出かけるのは嫌だなと思ったので、ごくごく近い温泉の宿に早速ネットから予約を入れた。
「夕食のメインが選べるんだって、ステーキとしゃぶしゃぶとすきやきと、どれがいい?」
「す…す…すきやき…」
 上ずった声で友人が言うので、すきやきをチョイスしておいた。
 どんなところかわからないけど、7000円弱ですきやき食べて温泉入ってのんびりできたらまあお得である。
 気の置けない友人と過ごす時間、いつもと違う環境でひとりのんびり過ごす時間が、私にとってこれからはなによりも大切だと思っている。
 今年はその贅沢を思う存分味わった私だが、来年もできるだけ節約生活をして楽しみたいと思っている。

                   

 温泉に行く前に友人を案内した、私が大好きな喫茶店。
 山の中にある。
 原則として1組ひとりかふたりしか入れない。
 ふたり用のテーブルしかないから3人以上のグループは入店できないのだ。
 そして子どもも入店できない。
 大きな声で話をしたり、騒いだりしてはいけない店なのである。
 だからこそ私は時々ひとりで出かけて、ミルクコーヒーなど飲みながら読書を楽しんでくる。
 コーヒー好きな友人を初めて連れて行ったのだが、友人はコーヒーの味もさることながら、その環境にびっくりしていた。
「まわりが山ばっかり!暖炉がある!」
 どうしてこんな店を知っているのだと聞かれたが、あっちこっちちょろちょろ走っている私だからこそのお気に入り。

                    
                       ↑みごと温泉宿泊券を獲得したお祝に友人がおごってくれた