ゆきのひ 

雪の毎日 ぶつぶつ日記
  こころ新たに…

大晦日

2012年12月31日 | 日記
 時々 

 今年もあと数時間となった。
 ひとりの大晦日。
 
 今年のごみは今年のうちに、ということで、午前中は家の中の生ごみとプラスチックごみを町のクリーンセンターに運んだ。
 実はちょっとした手違いで、最後のごみ収集日に我が家のごみを出せなかったのだ。
 それに忘年会で、また袋がいっぱいになったから。
 早めに家を出ようと思ったのだが、ちょっと仕事をしているうちに時間が経ってしまい、家を出たのは10時。
 我が家からはそう遠くない場所にあるのだが、到着したらすでに長い行列ができていた。
 どうも同じことを考えている人は大勢いたらしい。
 いつ何時こういうことがあってもいいように、私は日ごろから本を持ち歩いているので、待ち時間は苦にならなかったが、とはいえ車が受付に到着するまで30分待ち。
 ディズニーランドか…(汗)
 でもこれで勝手口にあったごみの袋が3つも片付いてほっとした。
 その足で仕事関係の買い物に出かけた。
 午後は父の施設に顔を出した。
 年末年始休みに入っているので、職員さんの数は少なかったが、今年お世話になったお礼と来年もよろしくお願いしますとご挨拶。
 肝心の父はといえば、昼にそばを食べたとは言っていたが、今日が大晦日だということはわからなかったようだ。
「今夜は紅白があるよ」
 と教えてあげたが、考えてみれば夕食がすんだら7時過ぎには寝てしまうので、紅白歌合戦もゆく年くる年もわからないのだった。
 ただただ、明日はお餅が食べられるかとそれだけ心配していたので
「喉につっかえて死ぬと悪いからでないかもしれない」
 と娘は返事をした。
 なにしろ餅好きの人なので、お餅が食べられるなどと期待をさせてはいけないと思ったので。
 父の施設からまっすぐ、町の鎮守の神様の八幡様へ行った。
 我が家では昔から八幡様には元旦には行かず、31日に行く。
 今年のお正月に使ったしめ飾りや古いお札、それに年末に神社からいただいた人形(ひとがた…人の形に切ってある紙)などを持参する。
 神社では1日から焚きあげてくれるからだ。
 いつもは夕方行くのだけれど、今年は早めにすませてしまおう…と思ったらすでに人がいっぱいいた。
 ここも同じ考えの人が大勢いたようだ。
 お焚きあげをしてもらう物を入れた袋を係の人に渡したあと、本殿にお参りをした。
 それから大好きなお稲荷さんにもお参りし、早々と除夜の鐘(?)をゴンゴン鳴らして帰ってきた。

「はあ~これでもうすることない」
 友人にメールしながらみかんなど頬張っていると、メールの返事が来た。
「大晦日なのに働き者だなあ」
 ん?
「働き者…この私がですか…」
 さすが友人!
 おだてると木に登る私を動かす術を知っている。
 ちょっと照れつつ、キッチンに立って、おせち料理の準備をした。
 かまぼこ、伊達巻、昆布巻きはお歳暮でいただき、黒豆は買っちゃったし、栗の渋皮煮は秋から用意しておいたし、ということで今年はあるものでごまかしちゃおうと思っていたのだ。
「やっぱり何か作らないとね」 
 ということで、冷蔵庫の中を漁って筑前煮と紅白なますを作った。
「ふっ…私って働き者だしね」
 
 早々とわんこと年越し蕎麦も食べ終え、コーヒーなど飲みつつ1年を振り返ってみる。
 まあいろいろあったけれど、無事過ごすことができて良かった。
『感謝の気持ちは、やはり、もっとも愛に近しいものではないだろうか。』
 今日読んだ本の中にあった言葉をしみじみと思う大晦日の夜。

 今年も私を思いっきり木に登らせて下さった皆様、本当にありがとうございました。
 良い年をお迎えください。 
 

遅いのと早いの

2012年12月30日 | 日記


 いよいよ今年も明日を残すのみ。
 毎年思うことだが、な~にひと晩寝たら明日が来るだけだ。
 とはいうものの、やはり年中行事を重んじる私としては、最低限の準備は怠らない。
 昨日は友人が遊びに来た。
 前日バタバタと掃除をした。
 何度か我が家に来ている友人なので、すでに私の性格は熟知しているので、最低限の掃除でごまかした。
 
 友人はクリスマスプレゼントを持って来てくれた。
「クリスマスに渡せなかったから」
 数えてみると、わずか4日前のことなのに、なんだかずいぶん前の事のように思える。
 でもいくら遅れても、サンタクロースの絵が描いてある袋にリボンがついたプレゼントはとっても嬉しかった。
 合わせてクリスマスのケーキ(?)も持って来てくれたので、まずは遅ればせながらのクリスマスパーティーをした。
 それから近所の温泉に行って、冷えた体をゆっくり温めてから忘年会をした。
 いやあ、なにしろふたりだけなので忘年会だからといって盛り上がるというわけでもなく、いつものように食べたり飲んだりしながら、話をしただけなのだけれど。
 途中でテレビをつけたら、昔の紅白歌合戦をしていた。
「いやあ、やっぱり昭和歌謡はいいよねえ」
 などと言いながら、一緒に懐かしい歌など歌った。
「今年のレコード大賞って誰?」
「知らない…AKBじゃないの?」
「何の歌?」
「…知らない」
 昭和歌謡は次々と出てくる者には今年のことは皆目わからないのだった。
 友人は今夜は泊っていくというので、のんびり食べて飲み、そして歌って、疲れたので早々と寝た。

 今朝ものんびり起きて、簡単な朝食…クロワッサンとコーヒーだけ(汗)食べると、また温泉に行った。
 友人は本当に町の温泉がお気に入りで
「ここのお湯はすごく温まる」
 と大喜びだ。
「300円は安いよね~」
 と言って1時間も温泉を楽しんでいた。
 温泉の帰り、お蕎麦を食べたいというので、実家の近くのお店に案内した。
 あっちこっちのお蕎麦屋には案内していたけれど、町のお蕎麦屋に連れて行ったのは初めてだった。
「こんないいとこ近くにあったの、知らなかった!
 もっと早く来ればよかった!」
 と言ってとても満足してくれた。
 ひと足早く年越しそばを食べて帰宅。
 家につくと友人は椅子に座るなり、
「お腹がいっぱいだぁ」
 と言ってぱたっと寝てしまった。 
 というわけで、友人は“雪旅館”でゆっくりのんびりくつろいでくれた様子。
 よかったよかった。

「今年1年どんな年だった?」
 お互いにこの1年を振り返った。
 去年も二人で忘年会をしていたので、ちょうど365日を振り返ることになる。
「雪はどんな1年だった?」
 うーん…いろんなことがあった年だった。
「でもたくさんの人に助けてもらって幸せな1年だったと思う」
 そう言った。
 もちろん友人にも本当にいろいろ助けてもらった。
「今年もお世話になりました。
 1年お付き合いありがとうございました。
 また来年もどうぞよろしくお願いいたします。」
 二人で頭を下げてご挨拶。
 終わりよければすべて良し、1年の感謝をちゃんと伝えることができてよかった。
「また来年遊ぼうね」
 そう言って握手をして、友人は温泉で買ったリンゴと、我が家の冷蔵庫で眠っていた棒だらの煮物を持って帰って行った。 
 そして私はお正月中の灯油を買いに行ったのだった。

 本当にたくさんの方たちにも感謝感謝の1年だった。
 全ての人が幸せな新年を迎えられますように… 

年の瀬話

2012年12月22日 | 日記
 ちらほら

 早々と(?)年賀状の宛名の印刷終了。
 今年は父の分がないので楽勝だったのだ。
 ただし一部の方たちには私の名前の年賀状を出して、父が入所したことをお知らせしなければならない。
 苦手とする手書きで(汗)

 
 どういうわけか、今年は町の中もあまりクリスマスの雰囲気がしない。
 今日から三連休だというのに、なんだか静か。
 皆さん、何事か疲れるようなことでもあったのだろうか。
 私はひとり、クリスマスケーキはどうしようかなあと浮かれている。
 すでに施設のクリスマス会で苺のデコレーションケーキをいただいて食べてしまった。
 チョコレートケーキは自分で作って試食して飽きてしまった。
 実はチーズケーキも食べてしまった(照)
 木曜日に、とある学校に行く用事があり、ボランティアのメンバーと4人で出かけたのだが、その帰り道、誰からともなく
「コーヒー飲んで行かない?」
 という声がああった。
 何しろ、“ひと休み”とか“一服”とかいう言葉が大好きなメンバーばかりだ。
「あ、ちょうどいいところにお店が!」
 運転していた私は皆の返事を待つまでもなく、お店の駐車場に車を入れたのだった。
 当然コーヒーだけですむわけがない。
 それぞれショーケースからケーキを選んだ。
 というわけで私はチーズケーキも食べてしまった。
「うーん…それでもクリスマスにケーキがないのはどんなもんだ?」
 どんなもんでもないだろうと自分で突っ込みを入れつつ、やっぱりいちごのショートケーキにしようか、いやいやレアチーズはまだ食べていないとか考えている最中である。

 コーヒーを飲みながら、話をした。
 先日施設のクリスマス会に行って来たと言ったら、およ子さんが
「ハーモニカの演奏はなかったか?」
 と聞いた。
 そういえば、以前、村のおじいさんがやって来て、子供たちが飽きるほど延々とハーモニカで曲を披露してくれたのを聴いたことがあった。 
「去年もなかったような…」
 私が言うと、らじ子さんが
「私が5年前に行った時もなかったよ」
 と言った。
 そこで会長が言った。
「あたりまえだ。とっくの昔に死んでる」
 あ、そうでしたか(苦笑)
「“××し”のじいちゃんだ」
 と会長が私に向かって言った。
「“××し”、知らない」
「“××き”の弟だ」
 ああ、“××き”は知っている。
 私の中学の同級生だ…というか私の第2の初恋の人だ。
 何年か前、同じ村の“××と”(これも中学の同級生)に彼は今どうしているのかと訊いたことがあったのだが、即座に
「この村で“××き”の話はするな」
 と言われた。
 なんだなんだ、どうしてなんだと思いつつも、それなりのお家の長男さんなので、なにか他人には知られたくない家庭の事情があったのだろうとそれっきり誰にも彼の行方は訊かなかった。
 会長が彼のお母さんから聞いたところでは、今は結婚してこどももいるとのこと。
 幸せに暮らしているならよかったと思った。
「それで“××し”は…」
 と話好きの会長は、弟の方の話を始めた。
 略すと、中学の同級生と大学で再会してつきあって結婚したが別れたということ。
 ケーキを頬張りつつ、ほぉほぉと頷く私に、会長は言った。
「だから“××し”は独身だ」
「はあ…」
 たしかに私同じバツイチの独身ではあるが、だからといって
「んまあ!ぜひ“××し”との間を取り持ってくださいな」
 とは言えないだろう。
 兄の“××き”が独身だとういならまだしも、その弟になんで…と思う私。
 いやいや、それなら初恋の人なら…(妄想は続く)
  

 年末だというのに、のんびりと年の瀬と関わりの無い世間話に花を咲かせてしまった。

クリスマスプレゼント

2012年12月21日 | 日記


 夕方から病棟のクリスマス会だった。
 今年はティールームまでいらっしゃれる患者さんが少なく、いらっしゃっても絶飲絶食だったりで、例年に比べるとおとなしめだった。
 その分私たちが盛り上がってみた。
 この秋から私のグループの一員になった若いとり子さんは、
「ひとり一品必ず手作りの物を持ち寄りなんだからねっ!」
 という私の脅しに素直に応えて、ミニハンバーグとフライドポテトを持ってきた。
 という私は予定通り、大きなプリンを作って持って行った。
「いや~うまくできてるか自信ないんだよね」
 という私に、およ子さんは味見はしなかったのかと呆れたように言った。
「だって味見できないもん」
 とデコレーションケーキ用の箱から、丸いケーキ型を出した。
 皿をかぶせて、えいやっ!とひっくり返すと、大きなプリンがうまく出てきた。
 皆から
「プリンってこんな形だったんだ!こんなの初めて」
 とか
「大きいプリンって作れるんだ」
 と感激されてしまった。
 なにしろ1個で12人分だから。
 味も好評でひと安心。
 およ子さんからは
「見かけによらず意外に雪サンって料理うまいよね」
 とのお言葉もいただいた。
「ええ…こう見えて意外と作るんです、私」
 ただし自分が好きなものしか作らないけど。

 皆でへらへらと喋りながら食べていると、誰かが
「揺れてる?」
 と言いだした。
「そお?」
「揺れてるよ~地震じゃない?」
 と皆が言いだした。
 食べるのに夢中で全然感じない私だったが、なるほど、ツリーの飾りがゆらゆらと揺れている。
「地震だねぇ」
 誰も立ち上がることなく食べ続けていると、看護師さんが息を切らせてやってきた。
「ただ今の地震、震度4だそうです!津波に注意とかも出てるみたいです!」
「あら…テレビつけて」
 私は隣りに座っていたおよ子さんに言った。
 およ子さんがいちばんテレビに近い席にいたからだ。
 テレビの電源を入れるおよ子さんを見て、看護師さんはへなへなと座り込んだ。
「ここにテレビあったんだ…私、情報収集に病院の中走り回ってしまった…」
 あ~すみません、すぐにテレビつければ良かったですねと私は頭をかいた。
 当地は震度1だったが宮城が震度4というので、またまたすぐに友人にメールを送った。
「じしん~」
 すぐに
「あったみたいだね」
 とのんびりした返事が届いたのでひと安心。
 さらに
「それより忘年会、××日でいい?
 場所は雪邸」
 ほっほっほっ…もちろんOKですともと返した。
 昨夜プリン作りをしていると言ったので、早朝から出来栄えを心配するメールがあった。
 いかに私はプリン作りの天才か(?)教えるためにも、忘年会のメニューにはプリンも入れておこうと思う。
 クリスマスもお正月もひとりだけど、その間に忘年会の予定が決まってすごく嬉しい。
 プレゼントが届いちゃったっていう感じ。

 午前中、父のことでお世話になった父の友人の奥様から電話をいただいた。
 奥様とのお付き合いも、私が生まれて間もない頃からのお付き合いではあったが、同じ町内に住んでいながらもう何十年もお会いしていなかった。
 先日、私はお歳暮を送っていた。
 父の事でバタバタしたのをいいことに、これまで慣れ合いで送っていた処へのお歳暮を私は勝手に廃止した。
 そのかわり、私がお世話になった方数人の方にだけ送ることにした。 
 困った時だけ頼んで、騒ぎが収まると知らん顔というのは失礼な事だと思った。
 これからもお世話になることがわかっているからこそ、今年のお礼は今年のうちにちゃんと気持ちを伝えておかなければと思った。
 お世話になった方にも、これまでも父の名前でお中元とお歳暮は送っていたが、今回は初めて私の名前で送ったのだ。
 それが届いたというお礼の電話だった。
 まさか奥様からお電話をいただくとは思わなかったので、すごく緊張してしまった。
 日ごろのご無沙汰と、今回の騒動をお詫びすると、奥様は言った。
「雪ちゃんはこれまでお母さんを立派に看取って、そのあと10年お父さんの介護もしたのですから、十分親孝行をしました。
 偉かったですね。」
 私の周りにいる友人たちは、私を見ていたし、私も愚痴をこぼしたりしているので、私がどんな20年を過ごして来たのかわかっているけれど、全くお会いしていないし話もしていなかった方に思いがけない言葉をいただき、驚きと同時になんだか胸がじゅんとなってしまった。
 いくつになっても褒められるのは嬉しいものだ。
 今日いただいた言葉はは、やっぱり私には思いがけず届いたクリスマスのプレゼントに思えた。 

クリスマスのちょっと前

2012年12月19日 | 日記


 先週末、友人とちょっと早いクリスマスパーティーをした。
 久々にのんびりしようとホテルを予約しておいたのだが、予約した時には知らなかった友人の病気がわかり、楽しみというよりも心配の方が先にたっていた。
 最初はどこか外で食事をする予定だったが、友人は仕事が終わらず(なにしろ入院で予定が狂っていたもので)、さらに事故渋滞に巻き込まれて車が全然動かないと連絡が入った。
「なにか買ってて」
 とメール。
 のんびりぼけっとしていた私は、慌ててオーバーを着ると閉店間近のデパ地下に走った。
 病み上がりは何を食べられるのかわからないが、とりあえず値下げセールで値引きされていたお弁当やらパンやらサラダやら数品を仕入れて来た。
 友人がやって来ると、私はいきなり憤った。
「なぜ入院を知らせてくれなかったのだ」
 と私は責めた。
 案の定、友人は
「お父さんのことで夏からずっと悩んでいる雪に、これ以上心配はかけたくなかったから」
 と言って頭を下げた。
 情けない…と私は憤慨した。
 そして見せてもらった、腹部に大きく斜めに走る傷痕に呆然とした。 
「腹腔鏡手術全盛時代にこんなに切って…
 きれいな体にこんな傷痕作っちゃって…」
 私はそう言って泣いた。
 というわけで、
「くりすますぅぅ~♪」
 などと浮かれるような雰囲気ではなかったが、それでも狭いテーブルに並べたお惣菜を前に、ウーロン茶で乾杯をした。
「昔の人はよく切腹なんてしたよね~」
 だとか
「外科医は執刀技術と縫合技術は別物だからねぇ」
 だとか話ながらご飯を食べた。
 食欲がないと言っていた友人は、私が買ってきたお弁当が美味しいと言って全部食べてくれた。
 え~400円引きになっていたお弁当なんだけどね(汗)
 お腹が落ち着くと、私はまたまた言った。
「ぼおぉぉぉねんかいぃぃ…」
 友人は傷を癒しに山の中の温泉に行きたいと言った。
「うっ…ひと晩で1メートルも雪が積もるところか…」
 まあなんとか形だけはクリスマスを終えたということで、次のイベントに向かうことにした私なのだった。
 友人からは、すごくすてきで暖かい気持ちのクリスマスプレゼントをいただき、感謝感激の夜だった。

 日曜日には、毎年行っている養護施設のクリスマス会に行って来た。
 ここの施設の小学生が通っている小学校には、年に数回授業で行っているので、子どもたちもしく私のことはわかっている。
 私の前に座ってた男の子は、学校でもよく見かける子だった。
 ふと並んで立った時、彼の背が私とほとんど変わらないので驚いた。
「背が伸びたね」
 そう言うと、彼は照れながら
「そうですか」
 と言った。 
「うん、だっていつも教室で会う時は椅子に座ってるから…こんな風に並んで立ったことないじゃない。
 大きくなったねぇ」
 彼は嬉しそうに頷いた。
 来春には中学生になるのだという。
 ああ、彼とはもう学校で会うことはないのかと思うと、ちょっと寂しかった。
 隣りに座った会長は、施設の関係者なので、子どもたちの個人情報に詳しい。
「あの子は頭がいい」
 とか、
「あそこのあの子も頭がいい」
 とか、いちいち教えてくれる。
 そのたびに私も
「ほほぉ」
 と名前をチェックする。
「あの姉妹もなかなか頭がいいし顔もかわいい」
 私は
「うんうん、背が高くて足もすらっとしていてスタイルもなかなかですなぁ」
 だんだん嫁不足解消の結婚斡旋のオバチャンの目になってしまう私であった。
 子供たちのダンスや劇を見て、お土産に小さな小さなデコレーションケーキをいただいて帰宅した。

 今週末は、病院のクリスマス会だ。
 なにか作って持って行かなければならないのだが、何を作ればいいのかずっと頭を悩ませている。
 チョコレートケーキにしようと試作品を作ってみた。
 決して失敗ではなかったが、試食をしているだけで気持ち悪くなったので止めた。
 どうも私とチョコレートケーキは相性が良くなさそうだ。
 ということで、作り慣れたプリンにする予定。
 ケーキ型で大きく蒸し焼きにして、切り分けて食べるのはパーティーっぽくていいかなと。
 頭で考えているように出来上がるかは甚だ不安ではあるけれど。
 それでも、患者さんがもしかしたら、最後の最後に口にする食べものかもしれないと思うと、心をこめて作りたいなと思っている。