ウィトラのつぶやき

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ノーベル物理学賞で日本人が独占は初の快挙だが・・

2014-10-10 07:45:35 | 生活

ノーベル物理学賞が発表され、青色発光ダイオード関係で日本人3人が独占した。これまで複数の日本人がノーベル賞を取った年はあったが、独占は初の快挙で喜ばしいことである。青色発光ダイオードの発明とその後の実用化が社会に大きなインパクトを与えたのも間違いない。だが私は若干の引っ掛かりを感じている。それはカリフォルニア大学の中村修二氏に関してである。

中村氏は勤めていた日亜化学に対して発明者の報奨金が少ないと裁判を起こした。1審では200億円の判決が出て、会社側が控訴し、8億+で和解となった。有名な中村裁判である。この行動が私には気に入らなかった。私自身、会社から特許の報奨金をいくらか貰ったのだが、もっと貰おうと裁判を起こす気には全くならなかった。中村氏の行動に対しては批判的で、良いイメージを持っていなかった。企業勤めでノーベル賞を取った島津製作所の田中さんには好ましい印象を持ったのとは対照的である。

ノーベル賞の審査は厳密に行われるというから中村氏に高い業績があったことは間違いないのだろうが、裁判の後で日亜化学の反論を読んだときには、私自身、中村氏の業績に疑問を持ったものである。1審で200億の判決が出ていたのに2審で8億で和解したというのも、日亜の主張に信憑性が高かったのではないかと思っている。会社において特許を書くということは業務のうちのごく一部で、実際の事業化にどの程度中村氏の貢献があったのかが重要である。当時名古屋大学だった赤崎教授から技術移管を受けた豊田合成よりも日亜化学のほうが事業的にははるかに大きくなっている。中村氏が退社した後も強さを保っており、日亜化学には他にも良い技術者がたくさんいて、総合力があったのだろうと思っている。この分野の素人の私が業績に対して色々言うのは適切ではないと思うのだが、裁判を起こしたという行動とそれに関する一連の中村氏の発言が好きになれなかったという気持ちは抑えられない。今回のノーベル賞受賞に対するコメントも好ましくないと感じている。

島津の田中氏が好きで日亜の中村氏は好きではないというのは、典型的な日本人の反応だと思う。私もやはり日本人だな、と改めて思った。ちなみに後の二人は良い印象だった。特に天野教授が好ましいと私は感じた。これも典型的な日本人的反応だろうと思っている。


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