ウィトラのつぶやき

コンサルタントのウィトラが日頃感じたことを書いていきます

第3世代移動通信の標準化(3) ARIBでの活動はじまる

2010-11-02 11:01:55 | 昔話
上の図は1997年にARIBで具体的にIMT2000の標準化活動を始めた時の組織図である。日本国内で政府、ARIB、TTCという団体が関わる中でARIB内に作られたIMT2000研究委員会の下のAir-Interfaceワーキンググループのさらに下のサブワーキンググループ2というグループを私が取りまとめることになった。組織的にはずいぶん下のほうの組織だが、ここで次世代移動通信の無線伝送方式を決めるとあって未経験の私としては非常に重要な役割を与えられたという思いがあった。

業界の注目度も高く、外資系の日本エリクソン、ノキア・ジャパン、モトローラ・ジャパンなども参加してきていた。日本の会議なので日本語で行うがある程度まとまった決定を行うような場合には、それぞれ本国から第1級の技術者が通訳付きで参加するようになった。日本の会議は虎ノ門のARIBの会議室で2時間、長くても半日程度の会議を行うのが普通である。その時はあまり気にしていなかったが、考えてみるとその会議のために日本まで出張してくると言うのは大変なことである。当時のARIBのこの活動に対する関心の高さが伺える。

会議を進めるのにあたって私がまず意識したのは、形を整える、ということだった。具体的には提出する資料の形式、用語の定義を示す用語集の作成などである。これらは第1回の会合で各社に宿題として分担してやってもらうことにした。後に3GPPの会議をやるようになって日本との違いを感じる点がこういう仕事を誰にやってもらうかである。日本の場合には「誰かやってくれませんか?」と言っても名乗り出る人はまずいない。こちらから「指名してA社さんお願いします」というと断られることもまず無い。重い仕事の時には前もって内諾を受けておく必要がある。しかし3GPPではたいてい誰かが名乗り出る。こういう点は取り組み姿勢の違いが出ていると思う。

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