ブログ小説 過去の鳥

淡々と進む時間は、真っ青な心を飲み込む

たまには占いでも

2007-03-04 08:10:23 | 爆裂占生術
 占いというのを、建前としておいらは信じない。将来がわかればつまらないし、またわかるものではない。わかれば、数多くの不幸も生まれない。
 例えば、細木数子とかいう占い師の老婆がいるが、彼女など詐欺としか言いようのない愚劣な占いで、世間の失笑、嘲笑を買いながらも、テレビに露出する醜態を見せている。それを垂れ流すと言うテレビ局の態度は、あのあるある大事典の捏造以上に問題でもある。
 が、信じられないことに、信じる人たちがいる。
 これを読む人の中には、あの手のほとんど外れっぱなしのでたらめな占いをけっこう信じているひとがいたりするかも。
 占いなんて、信じちゃいけない。当たるも八卦当たらぬも八卦、というが、まさに半々。さいころ賭博。
 で、占いを信じないおいらが占いを書くとすればどんな具合になるのか、はっきり滅茶苦茶、支離滅裂であるかもしれない。それでも、あえて世を様々に占う占生術を披露したい。

 占星術というのが一般的なようだが、これは星占いではなく、生物の機微を念頭に、森羅万象心眼で覗き見て占うため、占生術と呼ぶ。
 この占いは、対話形式で展開していくこととする。


 太目の女性の運勢

「あのう、わたし、ちょっと肥満なんですが、今年中に結婚相手が見つかるでしょうか」
「そうですね、太ってますね。でも、世の中好みですからね。太った女性が好みの男性もいます。ただ、そんな相手が1年以内に見つかるかどうかですね。では、占ってしんぜましょう」
「あのう、見料の支払いはカードでも良いのでしょうか」
「いえ、現金でお願いします。税務処理が困りますので」
「現金だと割引はあるのですか」
「いえ、もともと一件5千円。弁護士の相談料に準じています」
「5千円は高いですが」
「それなら、見ませんので帰ってください」
「いえ、冗談です。支払います。占ってもらわなきゃ」
「じゃあ、結婚相手が見つかるかどうかということですね」
「5千円も支払うのですから、よい結果を出してください」
「わたしの占いは、良い結果半分、悪い結果半分と、相場が決まっています。で、相手に好みはありますか」
「ええ、できれば、イケメンの方がいいのです。木村タクヤとまではいかなくても、香取シンゴ程度の。
「あなたのその顔で、ですか?」
「わたしの顔、問題がありますか?」
「いえ、べつに。致命的な欠陥とまではいえませんが、まあ、厳しいのは否めませんね。では占いましょう。まずあなたは、きれいな花というと、どんな花を思い浮かべますか?」
「バラの花です」
「バラですか。で、色は?」
「もちろん赤です」
「赤いバラ。情熱がありますね。で、昆虫というとなにがまず思い浮かびますか?」
「ゴキブリです」
「ゴキブリと赤いバラ。絶妙のミスマッチですね。では、この琥珀で占いましょう。この琥珀の中には、蟲が封じ込められています。その蟲が、私にささやきかけてくれるのですよ。ほら、こうやって。あっ、聞こえます。なになに、良い男が現われる。西南の方向から、身長180センチの大きな美男子が。なに、いい男だけど貧乏。結ばれるかどうかは、幸運のツバメ次第ですって。その幸運のツバメとは、なになに、コンビニの店先で巣を作ったツバメですか。そのツバメの糞を頭から浴びると、ウンがつく。なるほど、就職氷河期のような寒すぎるシャレ。で、ウンがつけばうまく結ばれるわけですね。なるほど了解です。
 どうです、お聞きになったでしょう」
「つまり、貧しいけどいい男が現われる?」
「不服ですか?」
「ええ、金持ちにはなりませんか」
「それは、あなたの努力次第です。世の中そういうものです。世界は日の出を待っています」
「世界の日の出と、私の結婚相手は関係ないでしょう」
「世界に関係のないものはひとつもありません。林檎と臭い靴下だって、因果曲線の座標軸では、かなり近くに位置しています。世界の日の出は、臭い靴下といって過言でないくらいで」

 というわけで、太目の未婚女性は、今年、長身の男性にめぐりあえます。ただし、コンビニに巣を作ったツバメから、フンを引っかけられることが条件です。

 皆さん、参考になったでしょうか。
 なに、参考にも何にもならない。つまらない占いをするな。まあ、そういわずに。占いなんてしょせんこんなもの。違いますか。
 これからもめげずに、占いをしてみようかな、と考えていますが、抗議のメールの量と質によっては考慮も。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。