宮間のコーナーから澤のヒールシュートはすごかった。海堀の2度のPKセーブもしびれた。過去23戦して一度も勝てなかったUSAに2度リードを許し、見てる方はもうだめだと思ったのに、その都度追いついた日本選手の不屈の精神力は素晴らしかった。PK戦の完勝はソロも言ってたけど何かが日本を後押ししていたのかもしれない。この試合は、北京オリンピックの女子ソフトボール決勝のデジャブのようであり、準決勝のUSAvsブラジル戦のデジャブのようでもある。沢が上野で、USAチームの大黒柱のワンバックがブストスで、キーパーのソロがオスターマンに被った。準決勝のブラジルがUSAで、USAが日本に被った。準決勝と決勝はちょうど日本にいたので生で見ることができた。決勝の延長、PK、表彰式を観た後、11時発のシンガポール便に飛び乗った。それにしても宮間のフリーキック技術は、中村俊輔や遠藤より上かもしれない。このサッカー小僧は、間違いなくなでしこJapanの大黒柱の一人だった。
左は宮間のゴールと右はMVPの澤と優秀選手のワンバック(産経フォトより)
7月18日の決勝からもう1週間も経っているのに、余韻にひたりたくて、YouTubeでなでしこ関係ビデオを渉猟している。女子サッカーは沢しか知らなかったが、宮間がなぜ岡山の湯郷にいるのか、鮫島がアメリカでプレーする理由、澤が20歳そこそこでアメリカのプロリーグでプレーした話とか、2007年のワールドカップや2008年の北京オリンピックでもドラマがあることを知った。その中で見せるプレーヤーたちの思いや努力や涙が、今回のワールドカップでのパフォーマンスに結実したことがよくわかった。
もうひとつ感動したのは、決勝戦後のインタビューでワンバックとソロが、それぞれ敗れてHeartbreakだと言いながらも、日本の戦いぶりを称賛していたことだった。さらに帰国してCBS Sports番組に出たソロが、試合前に宮間から結果がどうあれ試合を楽しもうというメールを受け取り、PK戦後、宮間が日本チームの歓喜の輪に加わらずUSAチームのところに歩み寄っってきて健闘を称えた(http://www.youtube.com/watch?v=lsEalYxYRAM&NR=1)という話を紹介していたことだ。ソロと宮間はアメリカの女子プロサッカーチームのセントルイス・アスレティカで一時チームメイトだったからだ。澤の試合後のコメントも含め、宮間、ソロ、ワンバックともに素晴らしいスポーツマンシップを見せた。
ところで、決勝戦を見ながらソロはキャサリン・ゼタ・ジョーンズに似てると娘に言ったら即座に否定された(見出しの写真・毎日新聞より)。 今後も、こんな感動を見逃してしまうのはもったいないから、もうちょっと女子サッカーにも注目しとかなければ。