ほぼ週二 横浜の山の中通信

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コンテナ船“MOL COMFORT”3沈没原因調査はうやむやになりそう

2013年10月16日 | MOL COMFORT沈没

数年前に三菱重工が建造し、商船三井が運用していたコンテナ船“MOL COMFORT”が、617日にインド洋で船体が中央部から真っ二つに折れ、船首側半分は627日に沈没、船尾側半分は火災を起こし、711日に沈没しました。4382個ものコンテナが失われた一方、乗組員は全員(外国人)救助されています。

 

国土交通省の「コンテナ運搬船安全対策検討委員会」の第二回が927日開催されました。

その記事を引用します。内容が乏しいです。これで、原因追及が出来るのでしょうか?

 

(1)事故船が建造時に船体構造の検査などを行う船級協会の構造規則に適合しており、その後も必要な船級協会の検査を受け、規定を満たしていたことを確認。

(2)折損の解析を行うためのシミュレーション手法について討議を行い、最適な手法を選択した。

 

(1)について

そらそうでしょうと言いたい。

(2)について

沈没した船の引き上げは困難なので、原因解明はシミュレーションと材料劣化の実験になるでしょう。

しかし、シミュレーションによって信頼性のある結果が出せるのは、重量の異なるコンテナの積み方によって船体に加わる力の計算くらいでは? 数年で発生したしたかもしれない鋼板の劣化は検討しないのでしょうか?

それに、事故を起こした船と同型の船が6隻もあるのに、この6隻を調査しないのでしょうか?商船三井は、3隻は補強工事が完了し、2隻は今秋、1隻は来春までに改修すると発表しています。そもそも、補強工事を行った3隻に何らかの兆候は無かったのでしょうか?

 

一方、日本海事協会は、814日に、

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商船三井のコンテナ船が破断・沈没した事故調査で、ハッチサイドコーミングを含む上甲板部が事故の起点ではないとの途中の調査を公表

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と発表しています。事故発生から814日までに、何か新しい事実がわかったのでしょうか?コンテナ船は沈んだままだし、シミュレーションは未着手だし。日本海事協会のプレスリリースには、全く根拠が示されていません。ひどいですね。

いずれにしても、こういう状況だと原因がハッキリすることは無さそうです。

 

2013.10.16

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