2019年4月25日にウラジオストックで行われたプーチン・金正恩会談は、いろいろな内容の報道があって良くわからない。もともと両国は内情がわかり難い国なので、外見から判断するしかないのだろうけど、それにしてもね。
例えば、金正恩をプーチンが出迎えた場面では、
・プーチンはシベリアのチタで開催された大規模山林火災対策会議に出席した後、ウラジオストックに移動し、珍しく遅刻しないで金正恩を出迎えた
という報道もあるし、
・いやいや、プーチンはチタで開催されたシベリアの大規模山林火災対策会議に出席したので、ウラジオストック到着が遅れた。金正恩はプーチンが着いてから出かけたので、プーチンが金正恩を出迎えたように見えた
というように事実関係でも二通りの報道があった。
さらには、金正恩のウラジオストック入りが前日の24日と書いた記事もあったし、当日の25日と書いた記事もあった。
また、プーチンと金正恩の関係についても
・記念品として互いに剣を送った
ことから、悪く無いという報道もあるが、下記のように悪いという報道もある。
ロシアの不興
・プーチンが記念品として剣を送る場面で、プーチンが渡したコインを金正恩が落とした
・この後、握手するためにプーチンから手を出したのに、金正恩は通訳の方を見ていたので気がつかず、プーチンを待たせた
・金正恩は会談翌日の26日に第2次世界大戦戦没者追悼碑に献花する行事に2時間遅刻した(プーチンも遅刻魔だけど)
・金正恩が軍服風のコートを着て右手をコートの合わせ目に突っ込むスターリン風の仕草が、スターリンを越えたと思っているプーチンの不興を買った(金正恩はロシア国民の受けを狙ったという話もある)
・ロシアは自国もメンバーの6カ国協議を優先させたいが、米国との直接交渉を優先させたい金正恩は乗って来なかった
北朝鮮の不満
・金正恩が列車で到着した時、出迎えたロシアの高官は、通常より役職身分の低い人だった
・当初、プーチンは24日にウラジオストックに到着して夕食を共にするはずだった。しかし、プーチンはチタでの大規模山林火災対策会議出席のため、到着は会談当日の25日になり、夕食会はキャンセルされた
・プーチンは会談のあった25日夜に、金正恩を置いけぼりにして、習近平との会談のために北京に向けて出発した。プーチンは金正恩と半日しか会っていないので、金正恩はプーチンがおざなりな対応をしたと不満かもしれない。この日程では、プーチンは北朝鮮を軽視している様に見える。(会談は5時間と報道されており、十分長いと思えるが・・・)
・金正恩は、米国との直接交渉を優先させたいのに、ロシアは6カ国協議を持ち出した
プーチンとの会談で十分な成果が得られなかったためか、あるいは上記のような不満のためか、金正恩は予定を大幅に前倒しして、会議の翌日26日に帰国した.
こういう報道が出て来ることを考えると、今回の会談は上手くいかなかった可能性の方が高い。しかし、それでロシアと北朝鮮が反目するわけでは無く、お互い不満があるかもしれないけど、実利的に行動すると思う。
2019.4.29