ほぼ週二 横浜の山の中通信

人と異なる視点から見る

さっぱりわからんプーチン・金正恩会談

2019年04月29日 | 国際・政治(朝鮮・韓国)

2019425日にウラジオストックで行われたプーチン・金正恩会談は、いろいろな内容の報道があって良くわからない。もともと両国は内情がわかり難い国なので、外見から判断するしかないのだろうけど、それにしてもね。

 

例えば、金正恩をプーチンが出迎えた場面では、

・プーチンはシベリアのチタで開催された大規模山林火災対策会議に出席した後、ウラジオストックに移動し、珍しく遅刻しないで金正恩を出迎えた

という報道もあるし、

・いやいや、プーチンはチタで開催されたシベリアの大規模山林火災対策会議に出席したので、ウラジオストック到着が遅れた。金正恩はプーチンが着いてから出かけたので、プーチンが金正恩を出迎えたように見えた

というように事実関係でも二通りの報道があった。

 

さらには、金正恩のウラジオストック入りが前日の24日と書いた記事もあったし、当日の25日と書いた記事もあった。

 

また、プーチンと金正恩の関係についても

・記念品として互いに剣を送った

ことから、悪く無いという報道もあるが、下記のように悪いという報道もある。

 

ロシアの不興

・プーチンが記念品として剣を送る場面で、プーチンが渡したコインを金正恩が落とした

・この後、握手するためにプーチンから手を出したのに、金正恩は通訳の方を見ていたので気がつかず、プーチンを待たせた

・金正恩は会談翌日の26日に第2次世界大戦戦没者追悼碑に献花する行事に2時間遅刻した(プーチンも遅刻魔だけど)

・金正恩が軍服風のコートを着て右手をコートの合わせ目に突っ込むスターリン風の仕草が、スターリンを越えたと思っているプーチンの不興を買った(金正恩はロシア国民の受けを狙ったという話もある)

・ロシアは自国もメンバーの6カ国協議を優先させたいが、米国との直接交渉を優先させたい金正恩は乗って来なかった

 

北朝鮮の不満

・金正恩が列車で到着した時、出迎えたロシアの高官は、通常より役職身分の低い人だった

・当初、プーチンは24日にウラジオストックに到着して夕食を共にするはずだった。しかし、プーチンはチタでの大規模山林火災対策会議出席のため、到着は会談当日の25日になり、夕食会はキャンセルされた

・プーチンは会談のあった25日夜に、金正恩を置いけぼりにして、習近平との会談のために北京に向けて出発した。プーチンは金正恩と半日しか会っていないので、金正恩はプーチンがおざなりな対応をしたと不満かもしれない。この日程では、プーチンは北朝鮮を軽視している様に見える。(会談は5時間と報道されており、十分長いと思えるが・・・)

・金正恩は、米国との直接交渉を優先させたいのに、ロシアは6カ国協議を持ち出した

 

プーチンとの会談で十分な成果が得られなかったためか、あるいは上記のような不満のためか、金正恩は予定を大幅に前倒しして、会議の翌日26日に帰国した.

 

こういう報道が出て来ることを考えると、今回の会談は上手くいかなかった可能性の方が高い。しかし、それでロシアと北朝鮮が反目するわけでは無く、お互い不満があるかもしれないけど、実利的に行動すると思う。

 

2019.4.29

 

 


狐狸庵先生の山里(下)

2019年04月25日 | うんちく・小ネタ

狐狸庵先生の山里(上)」の続きです。

 

「狐狸庵先生」が住んだのは「柿生」

 

「狐狸庵(こりあん)先生」と言っても、最近の人は知らない人が多いのでは? “Korean” では無いですよ。狐(きつね)と狸(たぬき)の庵(いおり)に住む人という意味だと思うけど、確かめたことは無い。 “Korean”は、「狐と狸の国に住む人」かもしれませんが。

 

「狐狸庵先生」こと遠藤周作の「狐狸庵」シリーズは読み易いし肩がこらないので、昔はよく流行ったし私も読んだ。40年くらい前でしょうか? もっと前かな? その「狐狸庵先生」が本の中で住んでいたのは柿生の里。郵便配達がエッチらおっちら登って来ると書かれていた記憶があるので、よっぽど山深いところかと思っていた。

 

閑話休題(それはさておき)

 

話はずれるけど、「狐狸庵先生」シリーズの中に「狐狸庵閑話」という題名の本がある。普通に読めば「こりあん・かんわ」ですが、遠藤周作流に読めば「こりゃ・あかんわ」とここだけ大阪弁になる。遠藤周作は東京生まれだけど、兵庫県育ちなので仕方ないか? 話はさらにずれるけど、遠藤周作の息子龍之介(芥川龍之介にあやかったのかな?)がフジテレビの重役なのは有名な話。

 

遠藤周作が住んでいたのは「玉川学園前」

 

本の中で「狐狸庵先生」が住んでいたのは、柿生の山の上という設定ですが、遠藤周作が実際に住んでいたのは二つ先の「玉川学園前」。

 

字面からすると、「玉川学園前」よりも「柿生」の方が山深い里という印象がする。なにしろ、柿の木が沢山生えていそうだから。ところが、実際に行って見ると「柿生」駅周辺の方が開けていて、山が遠くにある。一方の「玉川学園前」駅周辺は谷の底と言う感じがするし、山が近くて高いし斜面も急で、「柿生」より山里っぽい感じがする。もっとも「柿生」も「玉川学園前」もくまなく探検したわけでないこと、それにこの周辺の「山」はどうみても「岡」で、地面からの高さは3~40メートル、せいぜい50メートルくらいしかないことを申し添えておきます。

 

遠藤周作が「狐狸庵」シリーズの本を書いた40年くらい前は、この周辺も今より道は悪いし、住宅もこんなに無かったと思う。それに郵便配達も自転車しかなかったなら、悪い道を麓からえっちらおっちら登って来ることになる。そうなら、「狐狸庵」シリーズの本の記述もあながち誇張ではないかもしれない。

 

「玉川学園前」駅の新宿寄りの線路脇に玉川大学の敷地が広がっていて、昔のこの周辺の雰囲気を残している。どこかで、40年前のこの地域の資料を捜してみよう。というわけで、小説家はこれくらいのウソをつくのは簡単なようです。

 

2019.04.25

 

 


狐狸庵先生の山里(上)

2019年04月22日 | うんちく・小ネタ

玉川大学と和光大学と鶴

 

新宿から小田急線の「急行」に乗って多摩川の鉄橋を渡ると、「登戸」に着く。ここは、JR南武線の乗換駅。「急行」の次の停車駅は隣の「向ケ丘遊園」。遊園地は廃止になったけど、まだ駅名に残っている。「向ケ丘遊園」を出発すると、「急行」は「生田」「読売ランド前」「百合ヶ丘」駅を通過して次は「新百合ヶ丘」に停車。「急行」の次の停車駅は「町田」なので、「新百合ヶ丘」で「各停」に乗り換えると、「柿生」「鶴川」「玉川学園前」「町田」と停車する。「柿生」までは川崎市で、その先は町田市。

 

不思議に思うのは、「玉川学園前」の駅前に「玉川大学」があるけど、近くに玉川(多摩川)は流れていない。というか山の中の雰囲気。

 

もう一つ不思議なのは、町田市の「鶴川」と「玉川学園前」の中間に「和光大学」があること。埼玉県の「和光市」に「和光大学」があるのなら納得がゆくけど、何で町田の「鶴川」に「和光大学」があるのかな?

 

ところで、このあたりには「鶴」の字の付く駅が多い。「鶴川」駅の他に小田急江ノ島線には「鶴間」駅があるし、少し離れているけど横浜の海辺に東海道線「鶴見」駅がある。昔読んだ本には、「鶴」は鳥の「鶴」ではなく、「田んぼの中の細い道」という意味だそうで、鶴が舞い降りた美しい風景というわけでは無さそう。

 

次回は、「狐狸庵(こりあん)先生」の住んだ「柿生」とその作者の遠藤周作が住んだ「玉川学園前」の話。

 

2019.04.22

  

(追加)「鶴」のつく駅

相鉄線に「鶴ケ峰」という駅があるのを忘れていた。しかし、このあたりに「峰」があるかなあ? 「田んぼの中の細い道」に峰もおかしい。

2019.05.17

続きはこちら


中朝国境の長白山(白頭山)で噴火が起きる?

2019年04月19日 | 国際・政治(朝鮮・韓国)

中国名長白山(朝鮮名は白頭山)で近年地震が多発しているという報道が増えています。チマチョゴリのアナウンサーが北朝鮮のニュースをTVで読んでいる時、背後に映っているのが白頭山とその頂上にあるカルデラ湖。このカルデラ湖に中朝国境が通っているので、中国名と朝鮮名がある。

 

この件は、以前のブログで三回取り上げたことがある。

①2016年09月16日「北朝鮮の地下核実験は地震と噴火を誘発する?

これが一番詳しい。

②2015年03月20日の「砂漠の高層ビルはバベルの塔、それとも砂上の楼閣?

③2017年09月07日の「核実験はもう無い

この二つはちょっとだけ触れている。

 

私のブログ①では下記の二つの記事を紹介しています。(この二つの記事は現在も見られます)

④2016年04月20日のナショナル・ジオグラフィック誌の記事

北朝鮮の聖なる火山『白頭山』に噴火の兆候

 

⑤東北大学総合学術博物館のサイト「白頭山の謎

白頭山の噴火の歴史や日朝中韓の大学や公的機関との共同研究の話が載っている。共同研究は1999年から開始したと書いてあるが、白頭山を訪問した日時が書いていないのが残念。それにこの共同研究は最近行われていないのも残念。北朝鮮は日本の学者を避けて欧米系の学者を呼んでいる。

 

この2件の資料に加えて、次の記事も見つけた。

 

⑥2012年5月19日の日経新聞「中朝国境の白頭山、20年以内に噴火か

この記事は共同通信の配信なので、他の新聞にも載ったかも。白頭山の噴火について、近年韓国や中国の専門家がその可能性を指摘していたが、東北大学の谷口宏充名誉教授(火山学)は「東日本大震災のプレート運動の影響により20年以内に99%の確率で噴火する可能性がある」と日本地球惑星科学連合の大会で発表予定。なお、谷口宏充名誉教授は地下核実験と噴火の因果関係は無いと答えている。

 

この記事以外にも、インターネットを検索すると長白山(白頭山)の噴火が近いことを指摘する最近の記事を2~3件見ることができる。

 

しかし、噴火は自然現象であり人の力では何とも出来ないので、噴火した時の対応を準備するしかない。

 

問題は北朝鮮の核実験が噴火を誘発するかどうか? 豊渓里の地下核実験場と長白山(白頭山)、中国の延辺朝鮮族自治州の中心都市の延吉市との位置関係は下図の通り。

 

 

地下核実験場のある豊渓里から長白山(白頭山)まで、約100㌔メートル(東京と富士山くらい)、豊渓里から中国の延辺朝鮮族自治州の中心都市の延吉市まで約150㌔メートル。その延吉市では地下核実験が行われた時、かなり強い揺れを感じたので、地下核実験場からより近い長白山(白頭山)の地下はもっと揺れたはず。これが噴火に影響しないとは思えない。

 

もし、白頭山が噴火したら、三代続いている北朝鮮の金一族にとってマズイことになる。なぜなら、金一族が生まれた(ことにしている)白頭山が噴火したら、金一族に天罰が下ったと北朝鮮の人たちは考えると思う。もしかしたら、北朝鮮の金王朝の滅亡は、白頭山の噴火がきっかけになるかもしれない。

 

そうであれば、地下核実験と噴火との因果関係が小さくても、自分の王朝に都合の悪いことが起きるかもしれない豊渓里での地下核実験はやれない。北朝鮮が今後地下核実験をするのなら、長白山(白頭山)の噴火に影響を与えない遠くで、かつ中朝国境からも離れた場所となると平壌にかなり近くなってしまうので、北朝鮮に適地は無いと思う。

 

第二回米朝会談の後、北朝鮮が今年中は我慢すると言っているので、今年は何もない。しかし、米朝交渉が破綻したら、来年には核実験を再開するかもしれない。それは噴火の危険を冒しても豊渓里で実施するかもしれないし、ムリヤリ作った新規の地下核実験場かもしれない。あるいは地下核実験ではなく、ミサイルに核爆弾を詰めてグアム近海の太平洋で核実験するかもしれない。これは北朝鮮にとって最高の瀬戸際外交です。

 

こういう物騒なことにならないように、私は長白山(白頭山)が今年中に、適当(北朝鮮には火山灰が降るけど、日本には到達しない程度)に噴火して欲しいと願っています。

 

2019.04.19

 

 


上野千鶴子の東大入学式の祝辞

2019年04月16日 | 研究および大学

この件は深入りするつもりは無かったけど、調べても良くわからない。わざわざ上野千鶴子を引っ張り出して、東大は新入生に何を伝えたかったのか? 何かの危機感がある?

 

東大のホームページによると、東大の平成31年度の学部入学式(東大の場合全員教養学部に入ることになる)は下記のように行われた。

 

1. 日時  平成31年4月12日(金) 10:20~

2. 会場  日本武道館

3. 式次第

10:20奏楽

10:40開式

     合唱

     総長式辞

     教養学部長式辞

     祝辞

     入学生代表宣誓

     合唱

11:40閉式

 (総長式辞と祝辞をクリックすると東大のサイトに飛びます)

時間配分を考えると、祝辞は上野千鶴子さんだけのようです。上野千鶴子さんならあれくらい言うはず。むしろ、おとなしかったと言うべき。大学当局と原稿の精査をしたのでしょう。それでも、あれくらい言うと分かっていながら、東大は何で上野千鶴子さんに祝辞を読ませたのかな? 女性であるという話題性に期待したのかな? 女性の名誉教授なら、数は少ないけど他にいるのに、東大はなぜ上野千鶴子さんを選んだ? それに彼女は博士課程まで京大にいた外様なのに?(彼女も祝辞の中で、そういうことを言っている)

 

TVでは、「祝辞としてどうか?」というおじいちゃんもいたけど、全文を読むと祝辞としてそれほどはみ出してはいないし、まあ妥当な範囲だと思う。TVではこの部分はカットされていたけど、東大生による女子大生集団凌辱事件にも言及しているのはすごい。読んでいると眠くなる総長の式辞なんてどのメディアも取り上げないけど、この上野千鶴子さんの祝辞ならメディアも取り上げるので、そういう意味では成功かもしれない。他大学の式辞・祝辞は、どこのメディアも取り上げていないから。

 

私は、生意気な新入生にこれくらい初めにガツンと言ってやらなきゃ、図に乗って何をするかわからないので、これはこれで良いと思う。しかし、たった一人の祝辞に上野千鶴子さんを選んだ東大の意図は良くわからない。

 

(参考)

東大名誉教授称号授与者(東大ホームページから)

                総数       うち女性

平成30年度  96名      0名

平成29年度  77名      2名

平成28年度  71名      6名

上野千鶴子さんは、平成23年度に名誉教授を授与されている。名誉教授の称号は終身?(捜したが分からなかった)なので、女性の名誉教授は上野千鶴子さん以外にもいるが男と比べると極端に少ない。

 

2019.04.16