いーちんたん

北京ときどき歴史随筆

北京イスラムの町・牛街5、ヨーグルトとほうろう

2011年08月05日 14時20分49秒 | 北京・イスラムの町--牛街(写真中心)
モスクを後にし、さらに牛街を西に向かいます。

ムスリム御用達のお茶屋さん「正興徳」に到着。



「正興徳」は清の乾隆三年(1738)、天津八大家の一家である穆家(文英)の創業。
売っているお茶が特にムスリム用というわけではないのですが、穆家が回族のため、ムスリムの人たちに愛用されているようです。

でも店に入ると、むせるようなお茶の匂いがし、普通のお茶屋さんはここまで強烈じゃないぞ、と思いました。
つまり匂いがきつめなのが、好みなのかな、と。

操業当初は湖南、湖北の緑茶と安徽の大葉茶を扱うと同時に、かぎたばこも販売していましたが、
のちに独自の「花茶」(ジャズミン茶)を開発しました。

あの強烈な匂いはジャズミン茶だったのでしょうかねええ。。
花の匂いではなく、どちらかというと、濃いいい緑茶のにおいです。

ジャズミン茶は緑茶だから、やっぱりそうなんでしょうか。。。
漢族のお店よりきつめの匂いが好みなのかもしれませんね。




売っている茶器もアラビア文字入り。




さらに牛街を進みます。

一見すると、何気ない高層アパートなのですが、看板は、「牛街西里民族団結社区」。
民族団結。。。異なる文化背景の者同士、仲良くやりましょう、ということでしょうか。。

     


最後に到着したのは、ヨーグルト屋さん。
    


「Nai酪魏」は、清の光緒年間1888年創業。
創始者の魏鴻臣が宮廷の御厨からこの技術を取得し、前門の劇場前で売り出したのが始まり、
その特徴はお椀を逆さにしても中身がこぼれないことにあるそうです。

今、南鑼Gu巷ではやっているヨーグルトのお店もそうですが、
いわゆる西洋風の乳酸菌発酵のヨーグルトとは、別系統の味と食感だなあ、とは思っていましたが、どうやら製法がぜんぜん違うんですな。

あまりすっぱくなく、スプーンですくった形状が崩れません。


作り方はせいろの形をしているが、底板が鉄板になった木の入れ物の中にお椀をならべ、オーブンで焼きます。
せいろの直径は80cm、一段に10個のお椀をいれ、6段重ねで一回に60個を焼くことができます。

清代の蒙古王府の記録を見ると、羊の丸焼きを作るため、巨大なオーブンを設置していたそうです。
これと同じ工法・設備で乳製品も焼くということですな。

当時の文人にとっては、京劇観賞とヨーグルトはセットになっていたようで、北京をしばらく離れていると懐かしくなる味とか。

解放後は共産化に伴い、家業は閉じられましたが、90年代に魏家の人々により復活しました。


復活後にヨーグルトを食べたある87歳のご老人は
「30年食べてなかったけど、まだあの味だね」と言ったそうです。
この牛街店は、北京市内に数軒あるチェーン店の本店になるようです。
魏家は別にムスリムではないようなのですが。。

壁に貼ってあるメニュー。やはりオリジナルが一番お勧めとか。
ほかは化学着色料ギンギンの彩りで、ちょっと食欲なえますな。









ここで牛街探索は終了です。

HさんとMさんはここからさらに「国貨」の買い物に行くというので、連れて行ってもらうことにしました。
つまりは、古き計画経済の中国の国営工場で作られていたようなキッチュな製品です。

ほうろうの食器、戦前っぽい粗雑な印刷パッケージの石鹸、アルミのお弁当箱、
中国チックな柄をステンシルスプレーした魔法瓶。蓋はもちろんコルクなどなど。。

私も思わず図体のでかいものをいろいろ買い込んでしまいました。
ほうろう製品が主体ですが。。


新婚用のまぶしい真っ赤な洗面器。



ちょうどほしかった大き目のほうろうのなべ。
最近、中国でほうろうの大きななべは見かけなくなったので、

日本から背負って帰らないといけないか、と思っていたところだったので、ラッキーです。




金魚の意匠のほうろうカップ。



浅いお皿が2つもついており、一枚は2階形式になっているので、メインのおかずのほかにも混ざらないように同時に持ち運びすることができます。
団体食堂で食事を支給される時に使い、そこの深い下はごはんの上にぶっかけおかず、
二階部分には冷たいあえもの、またはマントウ、スープなどを入れる感じでしょうかね。

昔、まだ使い捨てカップ入りのインスタントラーメンがなかった時代は、
列車の旅の友でもありました。袋からインスタントラーメンを出して中に入れ、
お湯を注ぎ、ふたもついているので、蒸らすことができます。





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