A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

若手中心だと、雰囲気も変わって

2007-03-02 | MY FAVORITE ALBUM
JAZZ FOR A SUNDAY AFTERNOON VOL.4

第4集は、10月にまたNEW YORKのVILLAGE VANGUARDに戻ってきた。
メンバーは、御大ガレスピーをはじめとして、ベテラン勢が抜けて中堅、若手に交代している。

ベースのリチャードデイビスとドラムのエルビンジョーンズはこの時の、それぞれナンバーワンの二人。確か、ダウンビートの人気投票でも1,2を争っていたと思う。この2人のコンビといえば、思い出すのが、Impulseの「HEAVY SOUNDS」、当時のJAZZ喫茶でもよくかかっていた盤だ。この時すでにコルトレーンを離れたエルビンは、デイビスと共に演奏することも多かったのかもしれない。
独特の波を打つようなドラミング、デイビスの絡みつくようなベース、それに加えて新進気鋭のチックコリアのリズムセクションになると、雰囲気もそれまでの1~3集とはがらりと変わる。

管も、当時エルビンにグループにもいてサドメルのオーケストラにも参加していたジョーファレル、そしてトランペットのマービンスタムやトロンボーンのガーネットブラウンもサドメルの若手のメンバーだ。
彼らもオーケストラだと華麗なアンサンブルを聞かせるが、このようなセッションになると、4ビートではなく、当時の主流の先端を走るサウンドを聞かせてくれる。
サドメルのオーケストラが、ソロパートになると、俄然エネルギッシュなプレーでモダンなサウンドを聴かせていたのも、この辺りのメンバーの頑張りだったのであろう。

これを聴くと、いつの世にもその当時のサウンドを取り込んだジャムセッションがあるのが分かる。当たり前だが、人が替わるとプレーが変わる。そして、JAZZ本来の楽しさの偶発的なONLY ONEの演奏が生まれる。
このシリーズも、残念ながら4集で終わってしまった。

私が、最後にVILLAGE VANGAUARDを訪れたのは、もう5、6年前。新しいJAZZも聴かなくなっていたので、その時出演していたメンバーの名前も分からなかったが、ヴァンガードの熱っぽいJAZZの歴史と伝統はまだ息づいていた。
このシリーズも毎年引き継がれていたら、さぞかし歴史に残るような名演奏が何枚も生まれていたであろう。

13 AVENUE “B”
STELLA BY STARLIGHT

JOE FARREL (ts)
MARVIN STAMM (tp)
GARNET BROWN (tb)
CHICK COREA (p)
RICHARD DAVIS (b)
ELVIN JONES (ds)

Recorded LIVE at THE VILLAGE VANGUARD,October,1967
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

場所が替わればメンバーも違って・・・

2007-02-27 | MY FAVORITE ALBUM
JAZZ FOR A SUNDAY AFTERNOON VOL.3


VOL.3は、ニューヨークを離れて西海岸に飛んだ。
ジャケットのデザインも1.2集とはがらりと変わって何となく西海岸風。
その西海岸も一時はWEST COAST JAZZで一世を風靡したが、それは昔の話。この録音が行われた1968年の頃は、4ビートのJAZZは表舞台にはあまりいなかったようだ。

1958年から10年で、JAZZの世界は、ハードバップからモードへ、さらにボサノバなどのラテンやアフロキューバン、モードやフリーJAZZ、FOLKROCKの影響、そして電子楽器の利用など、どんどん多様化した混沌とした時代だった。

しかし、ハリウッドを中心として、スタジオミュージシャンとしての仕事は沢山あったのだろう。JAZZプレーヤーとしては一線を退いてスタジオワークをしていた有名プレーヤー達が西海岸には沢山在住していた。
オスカーピーターソンの有名なトリオで長年ベースを努めていたRAY BROWNなどもその一人だ。

SOLID STATEレーべルのソニーレスターは、メルルイス(彼も以前は西海岸を仕事場にしていた)と一緒に、ニューヨークで行ったのと同じようなジャムセッションの企画を西海岸で立てた。

集まった場所は、ハリウッドの郊外、それも町の外れにあるMARTY’S。
NEWYORKの喧騒の中のVILLAGE VANGUARDとがらりと異なったシテュエーションにあるLIVE HOUSEだが、有名どころのBIG BANDをはじめとして著名なミュジーシャンが集まる場所であったそうだ。

そこに、西海岸を拠点とする有名プレーヤーが参集した。こちらもオールスターメンバーだ。まさしく、ジャムセッションの東西対決と言ったところであろう。

こちらのセッションも、東に負けず素晴らしい。リズムセクションが、東が若手中心であったのに対して、こちらは、ブラウンにシグペンのベースとドラム、さらにフラナガンとロウルズのピアノであれば10年前のゴールデントリオの再編成。
若手の新しいチャレンジ精神を持った斬新な取り組みは残念ながら無いが、反対に安心して聴けるのは間違いないし、悪かろうはずがない。

エリントンとモンクのスタンダード曲を取り上げているが、東に負けないベテラン勢の力のこもった演奏だ。「WEST COAST」 のJAZZってこんなに熱っぽかったっけ」というのが、正直な感想。
あまり有名にはならなかったが、愛聴盤の一枚だ。
どちらの曲がいいかと聞かれれば、STRAIGHT NO CHASERの勝ちかな?

SATIN DOLL
STRAIGHT NO CHASER

Bobby Bryant (tp)
Harry”Sweet”Edison (tp)
Victor Feldman (vib)
Carl Fontana (tb)
Frank Rosolino (tb)
Harold Land (ts)
Pete Christlieb (ts)
Jimmy Rowles (p)
Tommy Flanagan (p)
Ray Brown (b)
Chuck Berghofer (b)
Ed Thigpen (ds)

Recorded in February 1968 at Marty’s in Hollywood
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

残り物も悪くない・・・・

2007-02-24 | PEPPER ADAMS
JAZZ FOR A SUNDAY AFTERNOON VOL.2

Vol.1に続く、VOL2も同じ日の演奏から別の曲を収めたもの。
メンバーは、レイナンスに替わって、ガーネットブラウンのトロンボーンが入る。彼は、この頃サド・メルのオーケストラの一員。
この録音が行われた「ビレッジバンガード」の月曜日の夜は、サド・メルのオーケストラがレギュラー出演していた。このセッションにも、御大メルルイスをはじめとして、リチャードデイビスや、ペッパーアダムスなどサド・メルの御馴染みのメンバーが参加している。

JAZZといえば夜のクラブ演奏が似合う。ジャムセッションが下火とはいえ、日曜日の午後マチネーとして、こんなセッションがNew Yorkではどこかで開かれていたようだ。
やはり、先輩の胸を借りて若手がジャムセッションで育っていく環境がJAZZには大事なのだろう。
休みの日の午後、初秋のNew Yorkでグリニッジビレッジを散歩がてら、こんなライブを聴けたら最高だ。羨ましい限りだ。

こんな楽しい企画のアルバムを出したのは、SOLID STATEレーベルのプロデューサーSONNY LESTER。レコーティングエンジニアPhil Ramone と、アレンジャーの Manny Albamと組んでこのレーベルを立ち上げた。

この頃はメジャーレーベルが、プロデューサーを前面に出して別レーベルを興した時代。ABCパラマウントが60年代早々にIMPULSEを作り、マーキュリーが「LIMELIGHT」、そしてこのSOLID STATEは、ユナイテッドアーティストの別レーベルだった。
新興のA&Mからも、クリードテーラーがCTIレーベルを興したのもこの頃。この辺りがフュージョンのはしりだろう。
マーケティング的にいうと多ブランド戦略。メジャーでは出来ない、より個性の主張ができると言う点ではいわゆるファッションの世界のデザイナーズブランドと似たものがある。

SOLID STATEは、67年から69年にかけての短い期間で、全部で70枚位しか出さずに終わった。中には、United Artistsの再発物もあり、あまりメジャーにはならなかった。
しかし、中には綺羅星のようなアルバムもある。私の一番のお気に入りであるTHAD JONES&MEL LEWIS ORCHESTRAを世に出したこともあり、気に懸けていたLABELだ。

その後LIBERTYに吸収され、今ではBLUE NOTEに吸収されてしまってその名もあまり聞かれないが。

ソニーレスター自身は、50年代TIMEやROULETTEレーベルで活躍したプロデューサーだ。プロデュースしたレーベルの変遷を見ると、プロデューサーの個性が感じられ、それはそれとして新たな発見があるものだ。

演奏の方は、VOL.1の同じセッションの続きなので、同じように素晴らしい好演が続く。
一曲目のスウィートジョージアブラウンから快調に飛ばす。最初のソロをとったペッパーアダムも本領発揮といったところだ。リズム隊のコリアとデイビスのコンビネーションとバックが何とも新しい時代を感じさせる。ジャムセッションも進化して、この時代のセッションになっている。

Sweet Georgia Brown
On The Trail
Tour De Force

Dizzy Gillespie (tp)
Garnett Brown (tb)
Pepper Adams (bars)
Chick Corea (p)
Richard Davis (b)
Mel Lewis (d)

LIVE at "Village Vanguard", NYC, October 1, 1967
コメント (5)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

このジャムセッションは最高だ。

2007-02-23 | PEPPER ADAMS
JAZZ FOR A SUNDAY AFTERNOON Vol.1

KELLYのライブでの演奏が続いた。
JAZZのライブでの楽しさを改めて実感したら、懐かしく思い出したアルバムがある。
KELLYの棚卸しをもう少し続けようかと思ったが少し休憩。
路線変更して、このアルバムを聴くことにした。

「ジャムセッション」のアルバムだ。レギュラーグループのライブとはまた違った、偶然の楽しさがある。いつも一緒にやっているメンバーでのジャムセッションもあれば、
普段一緒にやっていない者同士もまたスリルがある。ベテランが貫禄を示し若手がそれにチャレンジする図式もある。

このアルバムで、全体を引っ張るのはやはりガレスピー。
BIGBANDでもコンボでも自己のグループを率い、ライブやシャムセッションの機会も数知れず。何といってもBOPを世に出した立役者の一人。貫禄十分。
久々に皆を集めて、「さあ、一丁やるか!」といった感じである。

場所は、New YorkのVILLAGE VANGUARD。今でも健在な老舗のJAZZクラブだ。ここでのライブ録音も数多くあるが、ジャムセッションの録音はあまりないであろう。

録音は1967年。
WESの「A DAY IN THE LIFE」の録音された年。そして、このアルバムにも加わっているチックコリアがレコードデビューした年だ。
新主流派と言われる新しいリーダーが活躍し始めた時期である。
ところが、今までの主役にとっては不遇の時。ガレスピーも他にリーダーアルバムは一枚だけ。日が当らなくなったのは、何もKELLYだけではない。

表向きには、昔ながらのライブジャムセッションは影を潜めていた時だ。この傾向は、ハードバップ全盛期の頃からすでに始まっていたらしい。色々な理由があったらしいが、ミュージシャン組合の影響もあり、ジャムセッションにつきものの無料の出演ができなくなったことも理由の一つだそうだ。
こんな時に、周囲の状況に関係なく「ジャムセッション」の録音をしたとは、このアルバムの企画の素晴らしさだ。

一曲目のBLUES FOR MAXのMAXはここのオーナーMAX GORDON。そんな曲名からして、ジャムセッションの雰囲気が伝わる。
B面の、お馴染みのラバーカムバックツーミーは、これぞジャムセッション。
非常にゆっくりとしたテンポで、誰という訳でもなくお互いにメロディーラインを探り合う。
途中でテンポを速めて、いざスタートいう感じになるが、再びスローに。
そして、先発がレイナンスのバイオリン(エリントンオーケストラでのいつもトランペットは置いて、この日はバイオリンだけで勝負)でスタート。
しかし、ノリが悪かったのかすぐにペッパーアダムスのバリトンにバトンタッチ。
その後、再びナンスが登場。メルルイスのドラムも今度はブラッシュワークで盛り上げる。今度は縦横無尽の演奏。
そして、御大ガレスピーの登場。出だしは、リチャードデイビスのウォーキングベースだけを相手にウォーミングアップを始める。そしてリズム隊が加わり乗ったところで、コリアにバトンタッチ。まだデビューしたてのコリアだが、彼のタッチが垣間見れる。
そして、テーマに戻って、めでたくあっという間の19分15秒の一曲が終了。

これが、ジャムセッションの醍醐味だ。

このシリーズは、この後何枚か続いた。続けて聴き直してみることにする。

Blues For Max
Lullaby Of The Leaves
Lover Come Back To Me

Dizzy Gillespie (tp)
Pepper Adams (bars)
Ray Nance (vln)
Chick Corea (p)
Richard Davis (b)
Mel Lewis (d -1,3)
Elvin Jones (d -2)

Recorded live at"Village Vanguard", NYC, October 1, 1967
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする