A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

久々に再会したピアソンのセッションにお呼びがかかったが・・・・

2014-08-13 | PEPPER ADAMS
Honeybuns / The Duke Pearson Nonet

ペッパーアダムスのアルバム紹介もいよいよ1965年に入る。前の年64年はハンプトンバンドへの参加を除くと、暮れにオリバーネルソンクインシージョーンズのレコーディングに参加したが、他にはレコーディングの機会は無かった。

年が明けてgigには参加の機会が増えた。ジミーヒース、フランクフォスターなど、今まであまり一緒にやらなかったメンバーとの共演があったかと思うと、久々にメイナードファーガソンのバンドに加わったりしていた。

3月になると、アダムスのバイオグラフィーとしては、新たなページが始まる。
サドジョーンズとの共演の時代だ。65年からサドメルを辞める77年までの足掛け13年長い付き合いになる。アダムスが35歳の時、40代にかけての一番脂の乗り切った時期である。
もちろん、この付き合いはサドメルオーケストラへの参加が大部分だが、実はサドジョーンズとのクインテットの活動の方が先行する。

63年の9月にアダムスのミンガス曲集のアルバムでサドジョーンズと久々に一緒になったが、翌年はアダムスがハンプトンのバンドで過ごすことが多かったので、また一時疎遠になっていた。
以前は同郷のドナルドバードとコンビを組んだが、今度も同じ旧知の仲であるサドジョーンズとのグループ活動の始まりだ。3月20日からスタートしたメンバーは、ピアノは、サドの長兄ハンク、ベースには当時マイルスのグループにいたロンカーター、ドラムはジョンデンツであった。

5月になるとピアノは昔のドナルドバードの時のメンバーであったデュークピアソンに代わる。6月もこのメンバーで演奏し、レギュラーバンド化しかかった時、このグループ活動は一休みになる。8月、9月は、アダムスはサルサルバトールのビッグバンドに加わって過ごした。

そして11月に入ると、いよいよサドメルオーケストラの初のリハーサルが開かれる。
初めてのリハーサルは11月も末になって感謝祭をからめた週末であった。これにアダムスも呼ばれて参加するが、実はもう一人バリトン奏者Marv Holladayが呼ばれた。本番スタート後も、しばらく2人が起用されていたが、さてこの理由は?
リハーサルの場所は、エンジニアのフィルラモンのA&Rスタジオを使うことが多かった。ラモンは丁度新しい録音機器を揃えスタッフの教育を兼ねて、このリハーサルでもテープを回しっぱなしにしてビッグバンドのレコーディングのテストを行ったので両者にとって好都合であった。そして、後にこのラモンがサドメルの初アルバムを自分も設立に参加したSolid Stateレーベルで作ることになる

このような活動であっという間に一年が経つが、この間アダムスがレコーディングへ参加したのは一回だけであった。ちょうどデュークピアソンがグループに参加した時、ピアソンのリーダーアルバムの話があり、これにアダムスも参加することになった。一年間での参加がこのレコーディングセッション1回だけという寂しいものだ。

このアルバムのリーダーであるデュークピアソンはデビューした時から「ブルーノートの人」と思っていたが、ちょうどこの時はフリーだったのか、アトランティックに2枚のアルバムを残しているが、その内の一枚。

65年というと、ジャズのヒットアルバムの一枚としても有名な、ラムゼイルイスの”The in Crowd”が作られた。あの単調なリズムのソウルフルな8ビートが新鮮だった。当時の流行だったのかもしれない。

このアルバムのタイトル曲のHoneybunsもそんな雰囲気の曲だ。
フルートを加えた5管編成のアンサンブルが、8ビートに乗ってミドルテンポでねちっこく始まる。このアルバムではソロを多くとるジョニーコールズのトランペットがこの曲のムードを引き継ぐ。ピアソンのピアノもファンキーだ。全体がこん雰囲気の世の中の流行にのったアルバムかと思いきや、この曲だけがちょっと異質で、2曲目からはピアソンらしくなる。



次のNew girlは後のビッグバンドでもレパートリーに加わったピアソンの作曲した曲としては良く演奏される曲。軽妙なテーマのアンサンブルは、そのままビッグバンドのアレンジへと引き継がれていく。
次のYou Know Careでは、また雰囲気が替わってフルート、クラリネットなどの木管アンサンブル。ハンコックのスピークライクアチャイルドのような感じ、と今度はピアソンのリリカルな面が前面に出る。
Is That SoとHeavy Legsは他の録音でも使われたピアソンの曲でストレートな演奏。
Oue loveは唯一スイング時代のナンバー。アンサンブルをバックに少し姿勢を正したピアソンのピアノをフィーチャー。
と変化に富んでいるが、木管リードのアンサンブルはサドメルの雰囲気を感じさせる。当時のアレンジの流れであったのか?



という感じで、ピアソンもせっかくノネットという大編成の披露の場を設けてもらったものの、ソロもアンサンブルもすべてに中途半端な感じがするのがもったいない。肝心なアダムスも、せっかくお呼びがかかったものの、アンサンブルのみの参加でこのアルバムでもソロはない。

1.Honeybuns        Duke Pearson 7:07
2.New Girl         Duke Pearson 5:15
3.You Know Care      Duke Pearson 4:08
4.Is That So?         Duke Pearson 4:15
5.Our Love  Buddy Bernier / Larry Clinton / Bob Emmerich 4:07
6.Heavy Legs       Duke Pearson 5:59

Duke Pearson (p.arr.)
Johnny Coles (tp)
George Coleman (ts)
James Spaulding (as)
Les Spann (fl)
Pepper Adams (bs)
Garnett Brown (tb)
Bob Cranshaw (b)
Mickey Roker (ds)

Produced by Donald Elfman
Engineer : Phil Iehle

Recorded on May 25 & 26,1965

Honeybuns
Duke Pearson Nonet
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