A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

いつもはバックに隠れた“BLUESY”なテナーを思う存分・・・

2007-06-11 | CONCORD
The Blues / Plas Johnson

「スタジオミュージシャンというのは、しばしばJAZZの芸術的な技巧という面では不安定な位置づけになってしまうのではないかとの不安に駆られる」という下りで、このアルバムのライナーノーツが始まっている。
アメリカでは、ジャズプレーヤーの仕事はダンスバンドで始まった。JAZZの創世記の巨人の大部分が、ダンスバンドでのオーケストラワークから育っていった。
その後、ラジオ・映画・テレビといったメディアが急激に広まった中で、多くのJAZZプレーヤーがスタジオの仕事をするようになる。「新しい仕事場」自体が彼らの演奏を必要とし、彼らも定期的な収入が得られて生活も安定する。長い演奏ツアーにでかける必要もないし。毎日、譜面と睨めっこの日が続くし、色々なダイプの音楽を演奏しなければならない。

冒頭の一文は、そんな環境がJAZZスピリッツを忘れ去らせてしまうのではないかという心配からの問題提起であろう。

しかし、そのようなミュージシャン達も出るところにでれば、そのような心配は無用。立派にJAZZSPIRITに満ちた演奏をやっている。

このアルバムのリーダー ”PLAS JHONSON” もその代表格。今回は、このJOHNSONにスポットライトを当てたということだ。
そもそも、このConcordレーベルが、このようなスタジオミュージシンを表舞台に引っ張り出して証明してきたのだ。

ジョンソンは、R&BのバンドやBE-BOPのバンドメンバーを経て、50年代の早い時期に早々とロスでスタジオミュージシャンとしての地位を確立してしまった。
スタジオミュージシャンとしての有名な演奏は、ヘンリーマンシーニのオーケストラで、映画「PINK PANTHER」のテーマでのテーナーソロが有名だ。

Concordのアルバムでは、ELLIS-BROWNのコンビや、HANNA-FONTANA BANDに加わっていたが、今回はJOHNSONのワンホーンのアルバム。ELLIS&BROWNもバックを努めるが、JOHNSONのブルージーな演奏が十分に堪能できる。

アルバムタイトルは、その彼の得意技そのまま、"THE BLUES”。
アップテンポのブルースから、Time After Timeのバラードプレー、そして、バップ色の強いシャッフルリズムに乗ったBuket O’ Bluesなど、縦横無尽にジャズスピリット溢れてブローする。ブルースにはMelvoinのエレキピアノが時には似合う。

Once More for Johnyは、ジョニーホッジスに捧げたジョンソンのオリジナル。
アルトのようにテーナーの高音域を使ったホッジスライクな演奏は、スタジオミュージシャンとしての技の多様さも披露している。
またまた一人、隠れた名手が桧舞台に立った。

1. Our Day Will Come         Hilliard, Garson 6:26
2. Georgia on My Mind      Gorrell, Carmichael 4:26
3. Bucket O' Blues              Johnson 2:26
4. Please Send Me Someone to Love   Mayfield 5:10
5. Parking Lot Blues               Brown 7:52
6. Don't You Know Little Girl         Nelson 4:34
7. Time After Time            Styne, Cahn 3:42
8. Once More for Johnny          Johnson 4:45

Plas Johnson (ts)
Herb Ellis (g)
Mike Melvoin (p,Keyboards)
Ray Brown (b)
Jake Hanna (ds)
Bobby Hall (conga)

Recorded in 1976

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