A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

これからという時、2作目で終わってしまったのが残念・・

2011-10-05 | PEPPER ADAMS
Now Hear This / Duke Pearson's Big Band


レギュラーのビッグバンドを維持するのはなかなか難しい。
日本でもシャープも解散してしまったのでレギュラーバンドといっても多くは年に何回かのライブやコンサートに出演するリハーサルバンドになってしまった。反面、自分のやりたい曲やアレンジができるので、自分がリーダーになってビッグバンドを編成することも多くなってきた。ビッグバンドファンにとっては、そのライブ周りも楽しみになった。
メンバーを良く見ると、その中に常連がいる。トランペットの佐久間勲、ドラムの稲垣貴庸、サックスの川村祐司や竹野昌邦、トロンボーンの堂本茂樹などが常連組だ。いわゆるスタジオミュージシャンでも、最初に声が掛かるファーストコールといわれる実力者達でジャズにも前向きに取り組んでいる面々だ。

一時代前、アメリカでもスイングオーケストラから続いたビッグバンドがその時代を終えると、モダンビッグバンドの時代になったが、始まりは多くの場合リハーサルオーケストラだった。サドメルが毎週月曜日の夜ビレッジバンガードに集ったのは有名だが、同じ時期に同じニューヨークに生まれたのがデュークピアソンのビッグバンドだ。メンバーを見ると、当時のニューヨークのスタジオミュージシャンのファーストコールの面々だ。当然、サドメルのオーケストラのメンバーとも重複が多い。サックスセクションには、ニューヨークのジャズシーンに登場したばかりのルータバキンの名前もある。どのセクションもスタープレーヤー揃いのオールスタービッグバンドなので役者に不足は無い。ピアソンは名門ブルーノートのプロデューサーもしていたので、メンバーの面々とは普段からレコーディングでも顔馴染みであったと思う。

ピアソンはリリカルなピアノで、コンボや歌伴でプレーする反面、プロデューサー業をやる中では、作曲家、アレンジャーとしても活躍していた。若い頃、デュークエリントのお褒めを貰って、”DUKE”の愛称を譲り受けたというからきっと才能は人並み以上であったのだろう。その、ピアソンが自分のアレンジを中心にビッグバンドサウンドのお披露目の場にしたのが、このピアソンのBIGBANDだ。ブルーノートレーベル自体がビッグバンドの作品は少ないが、ピアソン自身がそんなこともあって力を入れたアルバムかもしれない。

前作の。”Introducing Duke Pearson's Big Band”に続いての2作目がこのアルバムだ。前作は初アルバムということで「あれもこれもという印象」を受けたが、このアルバムは全体にピアソンカラーというものを感じる。奇抜さはないが、いわゆる伝統的なビッグバンドとは一味違うモダンなサウンドだ。曲は、ピアソンのオリジナル以外にもスタンダードを交えているが、フランクフォスターがアレンジした"Disapproachment" 以外はすべてピアソンのアレンジ。ソリストはサドメルと同様誰がやっても一級のプレーが聴けるがタバキンの若い頃の荒々しいソロも聴くことができる。きっとこのバンドはサドメル同様、レコードで聴くだけではその魅力の半分も伝わってこないような気がする。ライブでじっくり聴きたかったオーケストラだ。このオーケストラも70年代の最初まで活動を続けたようであるが、ピアソン自身が晩年は病に倒れこのオーケストラの作品はこの2枚しか残されていない。続いていれば第2のVJOになっていたかもしれない。

1. Disapproachment
2. I'm Tired Crying over You
3. Tones for Joan's Bones
4. Amanda
5. Dad Digs Mom (And Mom Digs Dad)
6. Minor League
7. Here's That Rainy Day
8. Make It Good Pearson
9. Days of Wine and Roses

James Bossy (tp)
Randy Brecker (tp)
Joe Shepley (tp)
Marvin Stamm (tp)
Burt Collins (tp)
Garnett Brown (tb)
Jimmy Cleveland Tr(tb)1
Kenny Rupp (tb)
Benny Powell (tb)
Frank Foster Arranger, (ts)
Lew Tabackin (ts)
Al Gibbons (as)
Jerry Dodgion (as)
Pepper Adams (bs)
Duke Pearson Arranger(p)
Bob Cranshaw (b)
Mickey Roker (ds)
Andy Bey (Vocals)

Produced by Duke Pearson
Recorded on December 2&3,1968 by Rudy Van Gelder

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