A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

ひとつの時代の節目、終わるものもあれは始まるものもある・・・・

2007-09-18 | MY FAVORITE ALBUM
I DIG DANCERS / QUINCY JONES & BAND

昨今の日本の政治のニュースを見聞きすると、今まさに大きな変化の中で与党であろうと野党であろうと生みの苦しみの試行錯誤が続いているように思える。
連続して流れているように見える歴史も、良く見ると「ひとつの時代の終わりとなること」と「次なる変化に向けての兆し」が複雑に入り混じりながら進んでいる。
中には一見これからが完成の域に達するかと思われることも、大きな流れの中では過去の時代の遺物になってしまうものかもしれない。

Mercuryというメジャーレーベルが、混沌とした中でLimelightレーベルを立ち上げたのもひとつの新しい施策。しかし、単なる豪華主義は結果的に新しい流れの一歩にはなることはなかった。
Mercuryレーベルの中でのQuincy Jonesも同じような状況だったのかも知れない。
目先のBigbandはひとつの彼の目指すゴールではあったのだが。Quicy Jonesのビッグバンドは、ヨーロッパから1960年に帰国すると、モダンビッグバンドとしては完成の域に達していた。アメリカ国内でも演奏を続け、61年のNewportへの出演を最後にひとつの時代の役割を終えてしまった。
Quincy Jonesの頭の中はすでに次の時代の音楽が頭の中を占めていたのだろう。
Quincyの名を冠したアルバムは、その後もMercuryからも出るが、それはモダンビッグバンドの進化というよりは、次の時代のFusionの前触れと位置づけたほうがよい。
アレンジャーからバンドリーダーへ。そしてバンドリーダーからプロデューサーへ。
さらに、Mercuryの副社長への道をすでに歩み始めていた。

このひとつの時代の最後の演奏は、60年のヨーロッパでの巡業の途中での録音、そしてアメリカに帰国後の録音に残されている。
そして、何故か、集大成とも言える節目となるアルバムは、ライバルレーベルのImpulse(ABC)から出た”QUINTESSENCE“なのだが。

最近になって、ヨーロッパでの録音が映像を含めて新たに世に出てきて喜ばしい限りであるが、このアルバムがMercuryに残されているこの時期の録音だ。
ヨーロッパの中を巡業しながらその途中パリで録音されたもの。そして、帰国後にニューヨークで録音されたものがこのアルバムには収められている。
メンバーは大分入れ替わっているが、ヨーロッパで苦楽を共にしたWoodsやRichardson、そして女性陣のMelba ListonやPatti Bownなど、核となるメンバーは不動だ。
その演奏は、エリントンでもベイシーでもない。そしてハーマンでもない独自の世界がある。短期間であったが、モダンビッグバンドの歴史に輝かしい1ページを刻んだQuincyの世界が。

<Session1>

Love Is Here To Stay
Moonglow
Trouble On My Mind
Chinese Checkers
A Sunday Kind Of Love
The Midnight Sun Will Never Get

 Benny Bailey, Lonnie Johnson, Floyd Stadifer, Clark Terry (tp)
 Jimmy Cleveland, Quentin Jackson, Melba Liston, Ake Persson (tb)
 Julius Watkins (frh)
 Porter Kilbert, Phil Woods (as)
 Budd Johnson, Jerome Richardson (ts)
 Sahib Shihab (bars)
 Patti Bown (p)
 Les Spann (g, fl)
 Buddy Catlett (b)
 Joe Harris (d)
 Quincy Jones (arr, cond)

  Barclay Studios, Paris, France, February 27,29 1960

<Session2>
Pleasingly Plump
G'wan Train
You Turned The Tables On Me
Tone Poem

 Benny Bailey, Freddie Hubbard, Jerry Kail, Clyde Raesinger (tp)
 Wayne Andre, Curtis Fuller, Quentin Jackson, Melba Liston (tb)
 Joe Lopez, Phil Woods (as)
 Oliver Nelson, Jerome Richardson (ts)
 Sahib Shihab (bars)
 Patti Bown (p)
 Les Spann (g, fl)
 Buddy Catlett (b)
 Stu Martin (d)
 Quincy Jones (arr, cond)

  Bell Sound Studios, NYC, October 19, 1960

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