The Blues and The Abstract Truth / Oliver Nelson
「もしもこの人が生きていたらもっとジャズの世界は変わっていたかもしれない」というプレーヤーは何人かいる。
有名なところですぐに思い浮かぶのは、クリフォードブラウン、スコットラファロ。
そして、作編曲ではオリバーネルソンだろう。
決して極端に若くして亡くなったという訳ではないが、’75年、43歳という働き盛りで他界してしまった。
ネルソンが頭角を現してからまだ数年。61年にImpulseのQuincyのオーケストラのアルバムに参加したが、実はその前に、同じImpulseから自分の名前を関したリーダーアルバムを出している。
Quincyの初期の代表作は、「This is How feel about Jazz」だったが、このアルバムがネルソンの初期の代表作だろう。
ジャズの原点であるブルースをネルソンなりに料理した、「私の考えるブルース」というのがピッタリな内容だ。
このアルバムはネルソンの曲やアレンジも独創的で素晴らしいが、なんと言ってもメンバーが素晴らしい。
新進気鋭のフレディー。そして、ピアノのエバンスは丁度スコットラファロとコンビを組んでいる時。この録音から4ヵ月後には、あの有名なVillage Vanguardでの2人のライブが行われた年だ。エリックドルフィーの参加も嬉しい。
そしてベースはチェンバース。ドラムは今もまだ現役で活躍しているロイヘインズ。
とくれば、ネルソンがどんなアレンジをしても役者に不足はない。
最高の結果を出してくれるメンバーだ。
最初の曲、「Stolen Moment」はネルソンの有名曲。
この録音のすぐ後にQUINCYのオーケストラはヨーロッパにツアーに遠征しているが、そこでもこの曲は演奏されている。メンバーにネルソンは入っていなかったが。
この一曲目から、ネルソンの世界に取り込まれる。分厚いサウンドが何ともいえない。録音の良さも影響している。フレディーのソロがいきなり始まるが、いきなり圧倒される。
このアルバムは、Impulseレーベルが立ち上がってすぐのアルバム。カタログではまだ5枚目だ。
Quincyのアルバム同様、ネルソンも実はこのときはPrestigeの所属。他のプレーヤーも皆他のレーベル所属のスタープレーヤーなのだ。
レーベル創設のご祝儀代わりなのか。
自分のバンドや演奏を離れて、このレーベルのスタートを記念して皆が集まって作られたアルバムなのかもしれない。
さらに、
プロデューサーが、Creed Taylor
録音が、Rudy Van Gelder
写真が、Pete Turner
と続けば、中身は推して知るべし。
このアルバムは、ネルソンの代表作であるだけでなく、この時代の代表作であったのだろう。
クリードテイラーはいつの時代でも、先見性のある素晴らしい仕事をしている。
1. Stolen Moments Nelson 8:46
2 . Hoe Down Nelson 4:43
3 . Cascades 5:31
4 . Yearnin' Nelson 6:23
5 . Butch and Butch 4:36
6 . Teenie's Blues Nelson 6:34
Freddie Hubbard (tp -1/4,6)
Eric Dolphy (as, fl)
Oliver Nelson (as, ts, arr)
George Barrow (bars -1/4,6)
Bill Evans (p)
Paul Chambers (b)
Roy Haynes (d)
Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ, February 23, 1961
「もしもこの人が生きていたらもっとジャズの世界は変わっていたかもしれない」というプレーヤーは何人かいる。
有名なところですぐに思い浮かぶのは、クリフォードブラウン、スコットラファロ。
そして、作編曲ではオリバーネルソンだろう。
決して極端に若くして亡くなったという訳ではないが、’75年、43歳という働き盛りで他界してしまった。
ネルソンが頭角を現してからまだ数年。61年にImpulseのQuincyのオーケストラのアルバムに参加したが、実はその前に、同じImpulseから自分の名前を関したリーダーアルバムを出している。
Quincyの初期の代表作は、「This is How feel about Jazz」だったが、このアルバムがネルソンの初期の代表作だろう。
ジャズの原点であるブルースをネルソンなりに料理した、「私の考えるブルース」というのがピッタリな内容だ。
このアルバムはネルソンの曲やアレンジも独創的で素晴らしいが、なんと言ってもメンバーが素晴らしい。
新進気鋭のフレディー。そして、ピアノのエバンスは丁度スコットラファロとコンビを組んでいる時。この録音から4ヵ月後には、あの有名なVillage Vanguardでの2人のライブが行われた年だ。エリックドルフィーの参加も嬉しい。
そしてベースはチェンバース。ドラムは今もまだ現役で活躍しているロイヘインズ。
とくれば、ネルソンがどんなアレンジをしても役者に不足はない。
最高の結果を出してくれるメンバーだ。
最初の曲、「Stolen Moment」はネルソンの有名曲。
この録音のすぐ後にQUINCYのオーケストラはヨーロッパにツアーに遠征しているが、そこでもこの曲は演奏されている。メンバーにネルソンは入っていなかったが。
この一曲目から、ネルソンの世界に取り込まれる。分厚いサウンドが何ともいえない。録音の良さも影響している。フレディーのソロがいきなり始まるが、いきなり圧倒される。
このアルバムは、Impulseレーベルが立ち上がってすぐのアルバム。カタログではまだ5枚目だ。
Quincyのアルバム同様、ネルソンも実はこのときはPrestigeの所属。他のプレーヤーも皆他のレーベル所属のスタープレーヤーなのだ。
レーベル創設のご祝儀代わりなのか。
自分のバンドや演奏を離れて、このレーベルのスタートを記念して皆が集まって作られたアルバムなのかもしれない。
さらに、
プロデューサーが、Creed Taylor
録音が、Rudy Van Gelder
写真が、Pete Turner
と続けば、中身は推して知るべし。
このアルバムは、ネルソンの代表作であるだけでなく、この時代の代表作であったのだろう。
クリードテイラーはいつの時代でも、先見性のある素晴らしい仕事をしている。
1. Stolen Moments Nelson 8:46
2 . Hoe Down Nelson 4:43
3 . Cascades 5:31
4 . Yearnin' Nelson 6:23
5 . Butch and Butch 4:36
6 . Teenie's Blues Nelson 6:34
Freddie Hubbard (tp -1/4,6)
Eric Dolphy (as, fl)
Oliver Nelson (as, ts, arr)
George Barrow (bars -1/4,6)
Bill Evans (p)
Paul Chambers (b)
Roy Haynes (d)
Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ, February 23, 1961