A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

不思議なスイング感を追い求めたユニークなオーケストラ DON ELLIS

2007-03-30 | MY FAVORITE ALBUM
DON ELLIS Orchestra ”Live” at MONTEREY !

JAZZはやっぱり「4ビートじゃないと」という人は多い。
自分もどちらかといえば4ビート派。決して8ビートも毛嫌いしているわけではないが。
4ビートの心地よいスイング感は何ともいえない。やはりJAZZの原点は4ビートなのかな。
ところが、この基本リズムを変えて、JAZZの持つスイング感に挑戦するプレーヤーは結構いる。有名どころでは、エバンスのWALTZ FOR DEBBYの3拍子。ブルーベックのTIME OUTの5/4拍子なども、JAZZ STANDARDになっている。
60年代後半、様々な音楽を取り入れていったJAZZはリズムもますます多様化していった。世界の民族音楽を見渡すと、とんでもない拍子で独特のリズム感を醸し出している例がいくつもある。
これに着目して、変拍子でJAZZのスイングに挑戦した変人(?)がいる。
それもBIG BANDで。DON ELLIS ORCHESTRAだ。

このオーケストラも1966年に誕生した。
BUDDY RICHのBIG BANDがHOLLYWOODでデビューした約一ヶ月後
こちらは、同じ西海岸で開かれた有名なMonterey Jazz Festivalに登場した。

一曲目のタイトルが、33 222 1 222。

電話番号か、Zipcodeのようなただの数字が並んでるが、これが曲名。
これがまさにタイトルどおり“19/4拍子”の曲。
この曲でスタートするが、次から次に変拍子の曲が続く。
おまけに、通常の管の編成に加え、ベースが3本にドラムが2人という特異な編成で。
否が応でもリズム感が複雑になってくる。

このELLISのオーケストラはその後も何枚もアルバムを出し続けた。エレキ化にも積極的になって。挙句の果ては4バルブのトランペットなるものまで登場した。

一回限りのスタジオセッションではなく、レギュラーオーケストラとしてひとつのスタイルを残した、チャレンジ精神に富んだBIG BANDのひとつだ。

このアルバムは、リーダーのエリスが2年間研究してきた結果のお披露目だ。
彼自身「Bop以降初めてのチャレンジだ」と言っている。確かにボサノバが流行ったり、インド音楽の影響なども受けリズムは多様になってきていたが、ここまで変拍子にこだわった演奏と曲は他に聴いたことがない。
それに、いきなりのライブとなるとリハーサルを含めてメンバーの苦労は大変であったであろう。

いざ聴いてみると、それほどの違和感は無いが。やはり全体のリズム感が、異国の雰囲気が漂うどこかの民族色を感じる部分があるのは当然だろう。
JAZZが世界中の色々な要素を入れながら発展していった時期。ひとつのチャレンジとしては面白い試みだったと思う。
2曲目では、Ragtimeのパターンにのった5/4拍子。丁度同じ時期ブラジルで流行りだした5/4のアクセントと同じという偶然もあったようだ。

モンタレージャズフェスティバルの名物?の飛行機の爆音もちょうど曲間で聞こえる。
この爆音、他のアルバムでも時々聞くことができる。
この当時、Jazz festivalといえば東のNewportに対して、西のMonteley。
1958年に始まったこのフェスティバルも今年で50周年記念。
まだ、元気に続いているようである。

Introduction by Jimmy Lyons
33 222 1 222
Passacaglia and Fugue (Hank Levy)
Crete Idea
Concerto for Trumpet
27/16
Beat Me Daddy, 7 to the Bar
New Nine

Leader
Don Ellis (quarter-tone trumpet)

(Saxes)
Ruben Leon - alto sax, soprano sax, flute
Tom Scott - alto sax, saxello, flute
Ira Shulman - tenor sax, alto sax, clarinet
Ron Starr - tenor sax, flute, clarinet
John Magruder - baritone sax, flute, clarinet, bass clarinet

(Trumpets)
Glenn Stuart
Alan Weight
Ed Warren
Paul Lopez
Bob Harmon

(Trombones)
Dave Wells
Ron Myers
Terry Woodson - bass trombone

(Rhythm)
Dave Mackay - piano, organ
Ray Neapolitan - bass
Frank De La Rosa - bass
Chuck Domanico - bass
Steve Bohannon - drums
Alan Estes - drums
Chino Valdes - congas, bongos

Recorded live at Monterey Jazz Festival Sep.18
"Concerto for Trumpet" was recorded at the Pacific Jazz Festival, Oct.18,1966

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