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「四月の雪」劇場にて

2005年09月22日 | cinema-korea

退院後、いろいろな方からいたわりのコメント等を頂きました。本当にありがとうございます。
メスで切ったほうの傷口は順調に回復しています。(長さは縦に5センチぐらい、5針縫ってます。)しかし、ドレンを通す為にあけてあった傷口のほうが回復が遅れております。(虫垂炎顛末記の写真の向かって左側の小さな穴です。) 先週末から昨日ぐらいまでにじむ程度の出血や膿が出たりしておりました。今日になってやっと血が固まったようです。油断していると時折傷口の傷みがあったりして、回復にはもう少し時間がかかりそうです。(ドレンの穴って管を抜いたらそのままだったんですよね。てっきり縫うもんだと思っていた私は、管を抜いた時ちょっと目が点になっておりました。)


さてファボーレ東宝でレイトショーにて『四月の雪』を見てまいりました。
韓流どまんなかの作品のため、おばさま方を避けようとレイトショーを選んだのですが、おばさまパワーは凄いですね。三十人ぐらいのお客さんのうち男性は私含めて3人だけ。うち一人は奥さんに連れられてきていた雰囲気でした。
「ペ・ヨンジュン」の作品を見たのは『スキャンダル』に続いて二作目です。「ソン・イェジン」は『ラブストーリー』『永遠の片想い』以来、二人の作品を劇場で見るのは初めてです。


舞台照明の仕事をしている『インス(ペ・ヨンジュン)』のもとに一本の電話が入った。彼の妻が交通事故で入院した、という内容だった。ソウル郊外の町の病院に駆けつけた手術室の前には泣き崩れる女性『ソヨン(ソン・イェジン)』が座っていた。
二人は警察官から『インス』の妻と『ソヨン』の夫の二人が同情していた車が事故を起こしてしまったと事情を説明を受けるが、二人には受けいることの出来ない現実だった。事故を起こした二人の所持品から裏切りを確信した二人は動揺を隠せないまま、事故に巻き込まれ死んでしまった男性の葬儀に赴くが・・・


主役は「ソン・イェジン」でした。
「ホ・ジノ」監督らしい、これまでの『八月のクリスマス』『春の日は過ぎゆく』以上に極端に台詞の少ない演出でしたが、本作ではある一線を越えてしまった感があります。
説明的な台詞を極力避けるという「ホ・ジノ」監督の手法は好きなほうですが、本作では主役二人の心の移ろいを表現しきれていなかったと思います。(少なくとも一度見ただけでは読み取れませんでした。)その為見る側もイマイチ感情移入できなかったのではないでしょうか。
その中で評価する点を挙げるとすれば、「ソン・イェジン」の演技でしょう。これまでの作品では清楚ながらひ弱で幸薄い少女のイメージが強かったと思いますが、本作では夫の不倫を意外な形で知ってしまう大人の女性を体当たりの演技でこなしていました。特にオープニングからしばらく全く台詞が無いにもかかわらず、事故のショックや真実を知ったときの心の揺れ動きを見事に表現していたと思います。最初に結ばれるシーンでは切ない気持ちになってしまいました。(思いもよらず豊かな胸には思わずドキッとしてしまいましたが。)悲しみを表現した演技が多い中、時折見せるあの微笑ましい笑顔はとても魅力的でした。
対する「ペ・ヨンジュン」もリアリティあふれる演技をしていたと思います。ただ展開の主導権が「ソン・イェジン」の方にあったため、印象としては「ソン・イェジン」の映画だったという感じがぬぐえません。
作品全体としては、物語の展開に劇的な変化はありません。クライマックスも静かに表現されています。(二人が再び結ばれた時、ソヨンの夫が死んでしまうシーンをクライマックスと気付かない人もいるかもしれません。)またエンディングを迎えて三人がどうなったのかも描かれていません。観客の想像に任せています。その点は相変わらず上手いですね。
物語前半部二人が結ばれるまでのところで少し冗長さを感じました。もう少しスピーディーなほうが良かった気もします。
二度三度見ることで味わいがにじみ出てくる作品かもしれません。


評価 星 みっつ


公式サイトはコチラ

四月の雪@映画生活


P.S.
今秋には『私の頭の中の消しゴム』の公開も控えている「ソン・イェジン」。「ヨン様」との共演という話題性と本作で見せた実力で日本でもブレイクしてほしいな、と思います。




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13 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
TBありがとうございました (ミチ)
2005-09-23 07:51:17
こんにちは。

お身体も少しずつ快復に向かっておられるようで良かったです。

この監督の作品はゆったりとしたテンポでセリフや説明が少ないんですね?

それにしてももうすこーしだけテンポアップしていただいた方が・・・なんて思いました。

ラストは余韻を残していて良かったと思います。



私も見かけは韓流ファンそのものなんですが、それにしてもおばさまパワーのすごいこと!

見終わった感想がまたまた直接的なのもおばさまの特徴で、「前評判ほどじゃなかったわね~」って結構大きい声で言ってる人多数!

私の横に座った同年代の人は、こんな悲しい映画なのに鞄からごそごそお菓子を出して食べていました。

それこそヨン様ファンっぽかったのに・・。
返信する
TBありがとうございます (ぐ~)
2005-09-23 12:58:50
術後の経過も順調そうですね。

管を抜いたって事は、小さいけどお腹にポッカリ穴が開いてるの??

と想像してしまったのですが・・・。

とても淡々と、静かに物語が進む映画でしたね。

俳優陣の演技力があればこその作品だと思います。



ソン・イェジン、清楚で好きな女優さんです。

次回作が楽しみです。
返信する
コメントありがとうございます (KIKI)
2005-09-23 14:44:15
私も、あのラストは好きです。物足りないという声も聞きますが、あえて姿を映さなくて声だけだったのも良かったと思います(*^_^*)

わたしもソン・イェジンの演技に驚きました。

映画館に出向く事はもうないと思いますが、DVD化されてかでも少し時間をおいて見たらまた違うように見れるかもしれないなと思います。
返信する
いやいやいや (もじもじ猫)
2005-09-28 23:50:14
おひさな間に大変だったんですね~、今盲腸の話読んできました。ワタクシ盲腸は大事に持っている上に、ストレス性の腹痛持ちなので、読んでいて恐かったです~。くれぐれもお大事にして下さい。



「四月の雪」ですが、ホ・ジノ監督にはまだ固まらずに、世界を広げて欲しいと思いました。それか、いっそヨン様PVにしちゃったほうが良かったかも、と。照明技師に筋肉は必要ですか?

ソン・イェジンはすごく良かったと思います。

返信する
TBありがとうございます (keira)
2005-09-29 00:11:41
心の葛藤はものすごくあったのに

ストーリー淡々と進んでいたので

やはりクライマックスがわからなかったです。

一回見ただけでは細かい描写を読み取れなかった

ところもあって・・

ラストは見る人の想像に任せてというのが

いいのですね。
返信する
TBありがとうございます (coconut)
2005-09-29 07:53:50
はじめまして。

病み上がりなのですね。

あまり無理なさらないでください。



主役はソン・イェジンというコメント、まさにそのとおりだと思います。

私も「永遠の片想い」見ましたが、「夏の香り」も含めかわいいとか可憐という印象を持っていたのが、この映画でこんなこともできるのねという未知なる可能性(ちょっと大げさかも?)を垣間見れたような気がします。

だからヨンジュン氏がかすんで見えたのかもしれません。
返信する
トラバありがとうございます。 (グリママ)
2005-09-29 17:19:14
初めまして、グリママと申します。



「四月の雪」の感想拝読しました。

もう、本当にその通りだと思いました。

最後のほうでソヨンがバスをパスして喫茶店の窓からインスの顔を見て微笑むあたりではゾクっとしました。「夏の香り」でしかソン・イェジンを見ていないのですが、素敵な女優さんですね。

この役には若すぎるという意見もありましたね。

でも、かえって無邪気な若い妻であるソヨンのほうが、インスが守ってあげたいという気持ちになれるような気がしてソン・イェジンがソヨンで良かったなあと思います。もっと年のいった女優さんだったら、本当にひとときだけの不倫になっていたような気がします。

ペ・ヨンジュンの魅力が感じられなかったけれど、もう一度見て探索したいと思います~
返信する
これからも御ひいきに。 (きのこスパ)
2005-10-01 22:43:21
日頃からお世話になっています。

「肯定的映画評論室」のきのこスパです。



実はこのところ、ライブドアBlogのリニューアルに伴い、

その影響からなのか、夜間の投稿がまったく出来ない不具合が

続いています。

ただ、このまま待っていても、問題の解決にならないので、

思い切って、新しいブログへ引越しすることに決めました。



ブログ引越し先のアドレスは、以下の通りです。

肯定的映画評論室・新館

http://blog.goo.ne.jp/toraneko7kinokosupa

これまで同様、「肯定的映画評論室・新館」をどうぞ宜しくお願いします。



最後に、『四月の雪』についてですが、

ボクは決して(世間一般に言われてるような)駄作ではないと思ってます。

むしろ、さすがホ・ジノってカンジ。

不倫という題材からして、全員がメデタシメデタシで終わるはずないんだし、

それを無理矢理ハッピーエンドにまとめることなく、

余韻を残して終わらせたところがこの映画の良いところかなと。

良い意味で“大人の恋愛映画”だと思いました。



それでは、またお邪魔します。
返信する
はじめまして (マカ)
2005-10-02 19:22:00
TBありがとうございました。

手術したんですね。もう平気ですか?



私は「ラブ・ストーリー」に出てたソン・イェジンが好きです。あれは良かったですね。

今月公開する映画「私の中の消しゴム」も少し気になりますね。

返信する
トラックバックありがとうございます (K.S@Hama)
2005-10-02 21:42:58
この映画をラブストーリーと考えると、無理があるということでしょう。配偶者の不倫という出来事に如何に対処するかという問題であって、始めから「愛」があったわけではないのですから。本国では結構不評のようですが、ホ・ジノも、ユン・ソクホも、日本と相性がいいように感じます。
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