3.『空の青』 ak
これは詩形式五篇(『君へ繋がる心と言葉』『そらっぽ』『ひとしずく』『et cetera』『Uの曲線上)のオムニバスである。どこまでも散文的でしかない筆者が拝読しての第一印象は、「僕」と世界(または君、自分自身)との折り合いに苦しむ姿だ。ここに、ある種のリアリティーを感じた。
たとえば『君へ繋がる心と言葉』で、作者はこういう。
ココに/どんな言葉を並べても
きっとそれは/僕の本当の気持ちじゃない
…(略)…
言葉より確かな何かがある/今 それを捜している途中さ
POPな言葉で詩を書きつむぐ作者が「言葉より確かな何かがある」というのだから、ここに言葉への絶望などを読みとることも可能だ。しかし、もちろんそんなことが言いたいわけじゃない。逆に、最後のフレーズ「言葉より確かな何かがある/今 それを捜している途中さ」にピタリと定着されるものを感じる。これを「行間を読む」とか「描きえないものを描く」とか説明するのはクリシェでしかないだろう。筆者としては、言葉にたいする作者の佇まいにただ脱帽するばかりだ。ほかにも好きなフレーズはあるが、ここでは引用しない。
また五篇のうち最も好きなのは、四番目に配された『et cetera』だ。それまで詩に纏いついていたある重さが、ここで急に霧散させられるかのように。だが、たとえここに重力からの開放と読みとったとしても、秀逸の一品は悲しみを残響させるのだった。 《続》
戻る; BF#3/感想1 感想2
これは詩形式五篇(『君へ繋がる心と言葉』『そらっぽ』『ひとしずく』『et cetera』『Uの曲線上)のオムニバスである。どこまでも散文的でしかない筆者が拝読しての第一印象は、「僕」と世界(または君、自分自身)との折り合いに苦しむ姿だ。ここに、ある種のリアリティーを感じた。
たとえば『君へ繋がる心と言葉』で、作者はこういう。
ココに/どんな言葉を並べても
きっとそれは/僕の本当の気持ちじゃない
…(略)…
言葉より確かな何かがある/今 それを捜している途中さ
POPな言葉で詩を書きつむぐ作者が「言葉より確かな何かがある」というのだから、ここに言葉への絶望などを読みとることも可能だ。しかし、もちろんそんなことが言いたいわけじゃない。逆に、最後のフレーズ「言葉より確かな何かがある/今 それを捜している途中さ」にピタリと定着されるものを感じる。これを「行間を読む」とか「描きえないものを描く」とか説明するのはクリシェでしかないだろう。筆者としては、言葉にたいする作者の佇まいにただ脱帽するばかりだ。ほかにも好きなフレーズはあるが、ここでは引用しない。
また五篇のうち最も好きなのは、四番目に配された『et cetera』だ。それまで詩に纏いついていたある重さが、ここで急に霧散させられるかのように。だが、たとえここに重力からの開放と読みとったとしても、秀逸の一品は悲しみを残響させるのだった。 《続》
戻る; BF#3/感想1 感想2
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます