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【介護アドバイザーコラム】バリア(防壁・障壁)について

2015年06月11日 | 介護事業

こんにちは。wiwiw介護アドバイザーの角田です。

高齢になると身体が不自由になるので、バリアフリー住宅に改修しましょう。
高齢になっても住み続けられるように、バリアフリー住宅に住み替えましょう。

もっともな提案だと思います。

家の中で車いす生活を送るためには、どこもかしこも平らでないと自由に動き回れませんものね。

我が家は20年前に大工さんが建ててくれた一戸建てです。

設計図ではわからない昔ながらの知恵の一つが、家の中の段差でした。

たとえば、和室とフローリングのリビングとの境目は、和室のほうが高くなっています。
理由は、リビングの埃が畳にいかないようにということと、スリッパを脱ぐのに都合がいいから。

トイレの床が廊下よりも低くなっているのは、トイレが詰まって汚水が溢れてもトイレ内で済むようにということと、
トイレのスリッパが邪魔にならずに内開きのドアを閉められるから。

家の中の段差が悪者のように言われますが、目的があって段差が付けられていたんだなあと思いました。
こんな説明をしてくれた棟梁は、我が家が最後の仕事だと言っていました。

実は、建物の階段の寸法は、建築基準法施行令で決まっています。
高さを「けあげ」といいますが、
小学校の場合16センチ以下、中学校では18センチ以下、住宅では23センチ以下になっています。
多くの人にとってこの高さならバリアではないですね。

でも、もし、巨人の国に連れて行かれて、階段のけあげが2メートルだったとしたら、あなたは階段を上がれますか。

前回も目の不自由な方の声を紹介しましたが、
バリアフリーということで、車道と歩道に段差がない道路ができたそうです。
そこを歩いたとき、白杖で察知できないからとても怖かったそうです。

また、段差をなくすためになだらかなカーブにすると、車いすやベビーカーを使うとき、長い距離そのカーブと付き合わねばならず、
段差を乗り越えれば後は平らというのとどちらが楽かという話もあるそうです。

このように、バリアかどうかは大変相対的なもので、この人には何でもないものがあの人にはバリアになる。
今の自分にはバリアではないが、この先バリアになるかもしれない。そういうふうに他人事ではなく受け止められるといいと思います。

車いすでは5センチの段差でも難儀します。
車いすの方が段差に差し掛かった時に、皆が気軽に手を貸してくれたら、それはバリアではなくなるでしょう。