OL主婦の小さな幸せ。

日々の出来事や小さな幸せ、お出かけ、身近なエコ、環境問題、フェアトレード、鳥のこと、アロマなどを綴っています。

パームオイル ~近くて遠い油のはなし~

2009年08月10日 | 環境問題いろいろ

先週末、“行ってみたかったカフェで、観てみたかったDVDが観られる”という願ったりかなったりなイベントに参加しました
行ってみたかったカフェは恵比寿にあるアサンテサーナカフェ
国産で無農薬・無化学肥料の玄米や雑穀、野菜、無添加の調味料を使ったお料理を食べさせてくれる、人と地球のことを考えたカフェです。
オーガニックということだけでなく、国産素材なのでフードマイレージも削減出来て理想的

観たかったDVDは「パームオイル ~近くて遠い油のはなし~」
というドキュメンタリーです。

18時から貸切で、このDVD上映と
トークイベント「人と地球に厳しいパームオイルと付き合う方法」を聴き、
そしてグループに分かれて、
玄米おにぎりセットを食べながらディスカッション
   ↓

(おにぎりはもちろん、バジルポテトも美味しかった~^^)


さて、このブログでも何度も、パームオイル原料の石けん使用におけるジレンマについて書いてきました。
→最初は石けんライフへの道②で・・
多くの人の考えを聞いてみたり、現状をもっとよく知っておきたい・・と思い今回参加したので、今までより掘り下げて綴ってみようと思います


※(ここから資料集・参考)
アブラヤシの実から採れるパームオイルは、価格が安い・酸化しにくい(腐りにくい)・加工・精製しやすい等の理由から、
インスタントラーメン・スナック菓子・マーガリン・マヨネーズ
ラクトアイス・チョコレート・レトルト食品・
ファストフードの揚げ物・お惣菜の揚げ物・石けん・
洗剤・化粧品・自動車燃料(バイオエタノール)など
幅広く使われています。
食品の原材料名で「植物油」と表示されているものは概ねパームオイル
使おうと思って使っているのではなく、必然的・間接的な意味で私達に1番身近な植物オイルといえるかも。

日本人一人当たりのパームオイル使用は約4.3キロ(2006年)。
マヨネーズ以外の上記食品をなるべく避けている私でも、何らかの形でパームオイルを消費しています。

そもそもアブラヤシとは、、、

アブラヤシは西アフリカ原産、東南アジアやアフリカ、中南米で栽培されているヤシ科の植物。
アブラヤシの生産と利用の歴史は古く、はるか先史時代に遡ります。
古代エジプトの墳墓からも、何キロものパームオイルが発見されたという。

生育条件は高温多湿な低地熱帯雨林の分布と重なり、オランウータン・マレーバク・スマトラトラ・ボルネオゾウなど
絶滅に瀕している大型哺乳動物の、残り少ない生息地とも重なります

そしてアブラヤシは18年を過ぎると収穫量が減り始めるため、通常25年ほどで伐採されるそうです。
ショックだったのは、マレーシア・ボルネオ島に、強い除草剤を幹に注入して枯らすプランテーションもあるのだそう

アブラヤシとプランテーション(大規模農場)

アブラヤシは元々西アフリカの現地の人々が自給的に栽培し、パームオイルを絞っていたものの、19世紀に入り輸出が始まり
20世紀に入ってからはインドネシア・マレーシアで商業的な栽培が整備され(アフリカでも開発されたが伸び悩んだ)
利益を出すことを目的とした、労働集約型のプランテーション方式による輸出が始まった。

アブラヤシに含まれるリパーゼという酵素は、収穫した瞬間から油を分解してしまうため、24時間以内に熱加工してリパーゼを不活性化させる必要があるとのこと。
なのでプランテーションの近い場所に大規模な採油工場が建設され、大量のアブラヤシを処理するそうです。

大規模な農場に大規模な工場・・・
どれだけの面積が開発されるのでしょうか。

その開発により、以下のような問題が指摘されています。

森林の大規模な喪失
森林火災や火入れによる煙害
地元住民の権利の侵害(土地をめぐる紛争など)※
森林と共に生きている先住民の生活や文化の破壊
木材の違法伐採(違法な細い木までも伐採される)
泥炭地の開発による二酸化炭素の排出
農薬による土壌や河川の汚染(住民の生活被害)
労働問題(低賃金・無保険・児童労働・農薬による健康被害・・・)

※の土地をめぐる訴訟などは現在も進行中。
しかし、このような問題に積極的に取り組む制度もあります。

それが持続可能なパームオイルのための円卓会議【RSPO】

「持続可能なパームオイル」の基準を決め、認証を設けるNGO。
2003年、環境NGO・WWFがパームオイル関連企業に呼びかけて発足し、
2年にわたる議論の末、基本方針(8の原則39の基準)を採択。
“RSPOへの参画”で検索すると、関連企業がいろいろ出てきます。

基準の中で重要な項目を抜粋☆ほんの一部です^^;

森林、特に保護価値の高い(原生林など)からプランテーションへの変換を行わない
整地の為の火入れを行わない
開発に当たっては、地元コミュニティの権利を尊重し・・中略・・合意を取得する必要がある
排水管理・危険農薬の不使用、農薬の削減・統合的管理を行う

また認証方法として、認証されたパームオイルと非認証パームオイルを収穫・製油・製品化まで完全分別化し、認証マークを設ける、などがあります。


・・とここまで、長くなりましたが、これでもかなーり☆かいつまんでいます

重要なのは、現地の苦境にたたされている人々の暮らしを知り、
これ以上の大規模プランテーションを増やさないこと。
認証制度によるパームオイル製品の価値を消費者が認知すること。
大量に輸入できるからといって、使い過ぎないこと。

今回のイベントのゲストスピーカーであるアジア太平洋資料センターの方が、
パームオイル使用をゼロには出来ないけど、誰かを犠牲にしてまで使いたくない、とおっしゃっていました。
確かに、今あるプランテーションが稼動しなくなったら世界経済に関わるし、そこで働いている人も失業してしまいます。
でも児童労働や不当な働き方を強いてまで、稼動させることはないですよね。
パームオイルが大量に消費されるから、そんな労働が発生してしまう。
その分、世界中がちょっとずつ消費を減らせばいいはず。

そんな単純なことではすまないかもしれないけど・・

私はマヨネーズを使うし、
マーガリンは体に悪いとわかっていても、たまには使う。
インスタントラーメンも、食べるのは自然食SHOPの無添加ものだけど、
「植物油」と書いてあればそれはパームオイル。
洗面台と浴室では、パームオイル原料と思われる純石けんを使用。

でもファストフードのポテトやスーパーの揚げ物は食べないし、レトルト食品やラクトアイスもまず食べない。
パームオイル製品があふれるコンビニは、ほとんど利用しない。
純石けんでのシャンプーと洗濯はやめた。
(代わりのシャンプーや洗剤についてはまた今度^^;)
こんな程度だけど・・・
身近なパームオイルが無秩序な農園の拡大、先住民など立場の弱い人々から森や土地・伝統的な生活様式を奪い、それに加えて動植物の生息地を奪っているのなら、これ以上プランテーションを増やさないためにも何もせずにはいられません

今回のイベントに誘っていただいた★suika★さんに感謝
表面的にしか知らなかった実情を深く知ることが出来、また同じ思いを持った人がたくさんいるということがわかって、有意義なひとときとなりました。

※イベント主催・レアリゼ
  ゲストスピーカー・アジア太平洋資料センター

最後までお読み下さり、ありがとうございます

コメント (10)
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