さこういっぱく

「左後一白」は名馬の証です!

愛馬物語17(奇跡の日)

2009-01-31 | 愛馬物語
続き:愛馬7頭(ウイッシュ/1勝、ソウルフルダンス/1勝、トリニティー/未出走、ホルダー/未出走、ハリケーン/未出走、オリンピア/未出走、イノセント/未出走)

前回の回顧録から半年が経過してしまいました(汗)

その日は突然やってきました。12月1日。それは私の一口生活で初の快挙を成し遂げる日になるのです。愛馬2頭が揃って同日に出走することになりました。これも初の出来事でした。

まずはホルダー。競馬雑誌にも小さく取り上げられたこともあり、評価はそこそこ高かったものの、調教時計がイマイチ詰まってきません。しかも、ノド鳴りの兆候が出てきてしまいました。ノド鳴りは全くもって想定の範囲外です。陣営のコメントは比較的楽観的であったので、大きな心配ではありませんでしたが、やはり不安になりました。しかも、大型馬ということ、太目残りということが伝わっていましたので、いきなり勝負にはならないだろう、使っていくうちに走れば・・・と思っていました。中京2R新馬D1700に田島騎手でデビュー決定。

続いて、ソウルフルダンスが9ヶ月の骨折休養明けの復帰戦を迎えます。鮮やかな未勝利勝ち、戦ってきた相手関係を考えると、500万下では能力上位であることは間違いありません。あっさり卒業してもなんら不思議ではないのです。ただし、さすがに9ヶ月の骨折休養明け初戦ではあまりにも分が悪すぎます。ここは叩いて、次に期待と思っていました。阪神8R3歳上500万下D1800にランスオサリバン騎手で出走決定。

新聞の評価も低く、また両馬とも不安がありましたので、掲示板くらいあればいいや。って感じで観戦しました。ホルダーは中京1Rということで、眠たい目をこすりながらテレビをつけました。パドックの記憶は余りありませんが、最初に画像でホルダーを見た時は、それ程太く映りませんでしたね。
そして・・・
スタートは早くないと聞かされていましたが、1枠1番から好スタートを決めると、二の脚を使ってハナを主張します。まず、これに驚きました。
「ありゃ、逃げとる!?」
なんだか、結構気分良く逃げています。3角、4角持ったまま。
「んっ?こりゃ、ひょっとするけど、捕まるんちゃうか・・・」
あんまりスムーズに先頭に立っていたので、直線でバッタリ止まるような気がしていましたが、そんな心配をよそにホルダーはゴールへ一直線。残り100の所で初めて勝利を意識しました。
「よっしゃ、来た!!行けー!そのまま~!」
朝一番からテレビに向かって絶叫です。そして、見事デビュー戦を快勝したのです。正直、信じられない、あまりにもビックリな逃走劇でした。嬉しさのあまり、体全体が震え、頭は真っ白です。
と、その時です!そんな喜びを一瞬にしてフイにしてくれた出来事がありました。隣のオバハンですわ。朝一から絶叫したものですから、
ドンドンドン!壁を思いっきり叩かれました。その音で我に返り、その後は小声で大きくガッツポーズ。隣のオバハン気になれへん!しかし、その夜に抗議のお手紙をもらう羽目になろうとはこの時思いもしませんでした(汗)

単勝16倍、7番人気のホルダーの逃走劇が終わり、午後はソウルフルダンスのレースです。さすがに、同日2頭出し2連勝なんてことありえないだろうなぁ・・・。と考えていました。鞍上はWSJSで来日していたLオサリバン。
「どんな作戦で行くのだろうか?まあ、先行したほうが持ち味が出だろう。3番手あたりで折り合えば、恥ずかしくないレースにはなるぞ。」そんな気持ちでした。パドックで見たソウルフルは見事な出来栄え。これなら、上手くいけば3着くらいはあるかも?でも人気は全然ありません。オッズを見ると凹みました。「やっぱり掲示板狙いかな?」しかも、ペリエ、武豊の馬がそれぞれ人気しており、実力もありそうでしたので、余計凹みました。

そしてレースが始まります。ポンと好スタートを切ったかと思えば、そのままハナに立ちました。「逃げるのか!」思わず声が出ます。と同時に「大丈夫か?」とも思いました。そして人気薄の逃走劇第2章が幕を開けたのです。しかしながら、今回は朝のレースと相手が違います。ペリエ騎乗の1番人気コナウインドはこのレースまで2,3,2着でしかも着差も僅かですから、恐ろしい相手です。武豊のエイユートップガンも500万下で掲示板を確保して、今回鞍上に豊を向かえ走り時。その2頭がそれぞれ2番手、3番手にピタッと張り付いています。これは怖いですよ。
ついに3角でコナウインドに捕まり、万事休す。と思われましたが、ここからが凄かった。下がるどころか、コナに喰らいつき、4角で併走状態。そして直線に向きます。豊のトップガンはすでに後方。勝負はソウルフルかコナか?凄まじいまでのマッチレースとなったわけです。声が出ないわけありません。でも、また起こられるのが嫌ですから、小声で応援です。
どっちが勝ってもおかしくない激戦が阪神の直線で繰り広げられます。ペリエvsオサリバン。どちらも必死に追いまくります。2頭で何回ムチが飛んだことでしょう。昔、ナリタブライアンとマヤノトップガンが阪神大章典でマッチレースをしましたが、クラスは違えど、同じような感じでした(もっと言えば、テンポイントとトウショウボーイかな)
コナが出る、ソウルフルが出る、まさに首の上げ下げ状態のままもつれるようにゴールに向かいます。
そして、ゴール板手前でコナが力尽き、半馬身遅れたところがゴールでした。リプレイを見ると、3番人気3着のエイユートップガンはコナから更に4馬身後方でゴールしていますから、この2頭が抜けていたと言えます。そして、何よりソウルフルの根性は
「見上げたもんだよ屋根屋のフンドシ、たまげたもんだよカエルのションベン」です(笑)
当歳の時に牧場で出会ったころのソウルフルからは想像もできない根性でした。あんなに甘えん坊だったのに・・・成長したなソウルフル。そう考えるだけで、目頭が熱くなる思いでした。

こんな激戦は初めてでしたので、朝のホルダーの時と同じく全身に震えが・・・。でも、ホルダーの時とは違い、あまりの凄まじさに、グッタリとしたのは言うまでもありません。そして、確定。単勝4,350円の配当に更に驚き、グッタリとしてしまいました。この日2頭の単勝は6,000円超え。まさに人気薄の逃走劇で同日2頭出し2連勝を達成したのでした。

記録としては
同日2頭出し
同日2勝、2連勝
デビュー戦勝
2勝馬誕生(500万下勝利)
初外国人騎手(しかも勝利)
中京初勝利
などを記録しました。

この日一日笑いが止まらなかったのは言うまでもありません。この2頭の今後が楽しみでなりません。下手すりゃ、ホルダーはクラシック戦線に、ソウルフルは重賞馬に・・・なんて考えていた矢先に、まさか、まさか、まさか、天国から地獄の底へ落とされようとは思いもしない師走の初日でした。

続く:愛馬7頭(ウイッシュ/1勝、ソウルフルダンス/2勝、トリニティー/未出走、ホルダー/1勝、ハリケーン/未出走、オリンピア/未出走、イノセント/未出走)