うみーのお魚愚痴日記+case

都会のアパートお魚日記 + 日本の水辺の生き物

2010年ゴールデンウィーク① 探せ!白い奴!!

2010-05-31 00:14:23 | 東海地方遠征
2010年のゴールデンウィークに入った。
仕事が決まってからあっという間である。
残業が多いわ、手のかかる生き物は増えたわで
なんだかんだでドタバタして四月が終わってしまった。

とはいえ、その残業代のおかげで
こうやって遠征にいけるわけなのだけど……


そんなことを思いつつ、俺は中央道を駆け抜ける。
茨城の実家を5/2の夜に出発した俺は、
常磐道~外環~関越~圏央~中央道という
微妙に都内迂回ルートを通りつつ、濃尾へと向かう。

移動距離は……都内経由ルートだと450kmほど、なのだが
迂回ルートだと500kmほどらしい。
まあ、高速だし大した違いではなかろ……
むしろ去年のように、首都高の渋滞に捕まるよりは
迂回ルートで車の少ない中をサクサク進むほうが良い。


中央道は、東名と違って車線数があまり多くなく
アップダウンとカーブがかなり多い。
平坦な東名と違って走りづらいけれど、
その分眠くら無いのが良いか?

甲府を抜ける頃には車の数も大分減り、
気楽に走れるのは少し有難いかもしれない。


ただ、車の窓を閉めていてもわかる、この寒さ。
高地を走っているから多少は寒いと思ったが
五月の初旬でここまで寒いとは……

諏訪湖SAに立ち寄ったとき、息が白かったのには驚いた……
しかし中央道のSA、この時間だと悉く売店が閉まっており
食事をとることすらままならない。
開いている店も、売り切れ多発でろくなものが残ってない。


やっと見つけたご飯類……笹の葉寿司だ。
鱒寿司2個、梅、葉わさびの三種類が入っていた。
温かいものが食べたかったが、もう仕方ない。
これはこれで旨いしな。



標高が高いからか、月が綺麗に見えた。

さて、長野の諏訪湖から、今度はまた南下する。
4時を過ぎると徐々に明るくなってくる、こうなれば走りやすい。
他の車も殆どおらず、気楽に走っていく。
下り坂なので、スピードだけには注意して
ただただ走って進んで……

おかしいな、予定では9時ごろ到着のはずだったのだが
まだ6時前じゃないか……


とりあえず最寄のPAについたことを今回一緒する人にメールで送る。
あとは何処かで一眠りしておけばいいだろう……

なんて思っていたら、さっさとメールが返ってきた。
起きていたようだ。

結局待ち合わせの場所を指定してもらい、
朝っぱらから出撃することに。



指定された場所でしばし待つと、
徒歩で遠くから歩いてくる人影。

……彼が、ボテ男爵さんか。
俺は車から出て頭を下げる。

そう、今回はボテ男爵さんとの共同採取なのだ。



うみーのお魚愚痴日記、採取記事第300回記念は
ボテ男爵さんと……ホワイティーに、逢いに行く。



というわけで、挨拶もそこそこに
俺は車を停めて、荷物を彼の車に移し変える。
失敗したのは、通常の遠征状態で
車に荷物を積んできてしまったこと。
最低限必要なものがどこにあるのかもイマイチわからず……

結局、目に付いた適当そうなものを移しかえて、さっそく出発。
……なんか、微妙に忘れたものがあるかもしれないが
まあ、いいや。大丈夫だろ……多分。


車の中では、ボテさんとの会話が弾む。
いままでに逢った誰とも違う新しいタイプの人物ではあるものの
考え方が似通っているのと……多分開き直った時の性格が近そうで
親近感を感じる人だった。
当然会話も楽しく、気が付けばポイントの近くへと到着していた。


さて、やってきましたポイント。
ここに……ここに、居るらしい。奴が、アレが、あいつが。
さっそく釣り道具を持って出撃する。果たして……


はやる気持ちを抑えつつ、釣り場に到着。
確かにここは釣りオンリーだな。深すぎる。
だが、水の透明度はかなり高く、底まで状況が良くわかる。
つまり、こちらが見釣りで相手を狙うことができる反面、
相手からもこちらの仕掛けがわかるということで
警戒心の強いタビラ相手にするには、
なかなか腕と経験が問われるポイントのようだ。


さて、そういうわけなのだけども、
水の中を覗いても、魚の姿は全く無い。
底まで見えるのに、魚の姿がない。
まるでいつぞやの岡山のようだ。

ボテさんに聞くと、普段はかなりの魚影なんだそうだ。
しかし、俺の目には魚の姿は全く無い。


とりあえず、物陰にいるかもしれないので
竿を出してみるか。


ボテさんと俺は、それぞれ思い思いに竿を出す。
このあたりは黄身練りが主流だと思うので
ならば俺の赤虫は効果があるかもしれん。

さっそく放り込む。
物陰いくつかに放り込むが、さっぱりあたりが無い。
どうしたもんか。


二人して「だめだねえ」なんてぼやきつつ
ノンビリやっていると、俺の竿に僅かなアタリ。

さっと引き上げると……タナゴだ。


最初はシロヒレに見えたが……
よく見ると、これまた立派な一文字のメス。
黒点が出てはいるものの、サイズが相当でかい。

本場の一文字は初めてだよ。
九州で移入の一文字を捕まえたが
こんな立派なサイズは捕まえたことが無かった。
さすが本場というところだろうか。


さて、それからなのだが、
一時間ほどさっぱりアタリが無い。
いわゆる「当り障り無い」「アタリサワリ無い」である。



太陽が昇ってくると、少しずつ魚影が見えてくる。
決して濃いというわけではないが、
見るからにタナゴであるのがわかり、気持ちも盛り上がる。

ただ……

全然餌に見向きもしねえ。


そんな中だ……


物陰に。


物陰。


石と石の間の、ほんの僅かな隙間。
陰になった隙間。

その影に、白く輝く、ゆらりと舞うヒレ。
黒と白の、くっきり分かれた、ヒレ。


……あれは、あれは!
あれは!!
ホワイティーの、オス!!

間違いない、あれは俺の捜し求めた、オスだ!!
水の上からでもわかるその姿、
あれを……あれを釣ってこそのゴールデンウィーク!!


俺はさっそく、物陰の入り口にそっと赤虫を落とす。
それからじっと、じっと、じっと待つ。

奴は物陰の中の隙間を通って、
あちらこちらに顔を出しているようだ。
そのうちのひとつに、俺が餌をおいている。


10分ほど待ったところ。
奴が顔を出す。
奴は……俺の赤虫を……突付く。突付いた!
そして、針に掛からないギリギリの端を咥えて……

え? そこで食わないの?

奴は、端を咥えたまま物陰に潜ってしまう。
……赤虫は……引っ張られた勢いで、ちぎれてしまった。


仕方なく、赤虫を付け直して再度投入。

だが……奴は二度と赤虫を咥えることは無く……


最終的に、一時間も経つと、顔すら出さなくなってしまった。


あちこちでポイントを探していたボテさんも
結局成果を出すことは出来ず、
釣り上げたのは一文字一匹だけだった。

たった数メートル先に、俺の捜し求めた奴がいた。
フィールドで最高の色を出した姿を見た。

……でも、その数メートルが、遠い遠い。



とはいえ、たった数メートルまでたどり着いた。

ま、しょうがねーな。
また来る理由には、なるかね。



ちなみに移動の前に、浅場にアナカリスの塊があった。
「それっぽい」感じがするポイントだ。ビビっと来た。

俺は網を二本使って、ボテさんと挟み撃ちをすることにした。
ボテさんは「そんなところには」というのだが、
まずはやってからの話だ。

さっそく二人で岸から挟み撃ちをすると……

網の中に、ちっこいタナゴが入っているじゃないか。


極小のタナゴ……文字にも見えるが、白ヒレっぽいな。
……ま、メスだけど。


まあ仕方ないか、今日のところはこの辺りで我慢しとくかね。



……リベンジすっからな、待ってろよホワイティー。



●ここで出会えた主な生体(赤字はフィールド初遭遇)
イチモンジタナゴ
シロヒレタビラ

タイトル変更

2010-05-29 06:39:50 | はじめに

こんにちはこんばんはうみへびです。

遂に! 次の採取記事をもちまして、
採取記事(+水族館来訪記)が、なんと300回となります!
丁度区切りの節目ということで、
少し考えていたことを実行したいと思います。


ブログのタイトルを、ちょぉぉぉっとだけ、変更します。


いままでは、うみーのお魚愚痴日記ということで、
魚のブログだったわけなのですが、
そこに少しだけ変更点を入れることにより
魚だけではなく、水辺の生き物なんかも仲間に加わる感じです。
新しいブログタイトルは……









うみーのお魚愚痴日記+case と、なります。





変更点はタイトルと、タイトルの下のブログ紹介文くらい。
特に変わりがあるというわけでもないのですが。
気が向いたらカテゴリ増やすかも? 程度ですね。

まあ、これで
「最近、魚以外のばっかりじゃない?」なんて言われなくて済みます。きっと。

春だよ! 房総へ出撃だ!③

2010-05-27 23:57:04 | 関東地方南部を徘徊
さて、サンショウウオの卵塊をじっくり堪能した俺たちは
今度は大きく移動をする。

やってきたのはこれまた谷田の広がる風景。
千葉はこういう風景が多いな。素晴らしい。
今まで鴨川行くのに海沿い走るくらいだったので
ちょっと面白い。


さて、やってきたのはその谷田の間を流れる水路。
途中から護岸されているのだが、道路から少し遡ると
護岸のない細い水路になっていく。

さっそく二人で網を入れる。
まずは護岸されているポイントに入った。
水は結構濁っている。水深は40-50cm結構深い。

護岸されているとはいえ、あちこちに土が堆積し
その上に草が生えて魚の隠れ家が存在している。
堆積土の影は流れも緩く、魚が休む場所もありそうだ。


まずは二人で分散する。
俺は目の前にあった流れのなさそうな淀みへと進む。

さすが淀み。足元が泥に沈む沈む。
水深に注意しつつ網を入れると、入ってきたのはメダカ。

千葉のメダカである。素晴らしい、初採取だ。


さらに網を入れていくが、
入ってくるのはタモロコ程度。はて、目的の魚はどこだ。


seoさんと合流するも、成果はイマイチのようだ。
ならば、本命の護岸されていない場所へ行くべきだ。


少し移動をすると、今度は護岸のされていない水路。
水深は20cmもないくらい。大分浅い。水も綺麗で底まで見える。
ただ、水路の底から生えた大量の草や、岸から垂れ下がった大量の草で
いまいち水路の中の様子はわからない。

まず、水路が道路を潜るポイントに到着する。
小魚が一斉に川の上流へと逃げていく。

……すかさずseotaroさんが大きな四つ手を持ち出して
水路の出口(地面を潜る場所)に構え、俺が持つ。

そして少しだけ上流からseotaroさんががーーーっと大暴れしつつ近づく。
二人以上で行くと、こういう追い込みができるのが良いんだよな。
いつかサデ網で水路を挟み撃ちとかしてみたいところだ。


さて、網の中には……小さな魚が大量に!
メダカとオイカワの子供だ!

よし、では次は普通の網に持ち替えて出撃。
二手に分かれて水路を攻め立てる。


田んぼの中の水路のため、まずはドジョウがやってくる。
それだけではない、なんとホトケドジョウまで顔を出す。

魚はかなり多いよう。


内訳は、ギンブナやタモロコが中心。オイカワも居る。モツゴの姿もみることができる。


底モノはヌマチチブだ。どこにでもいる、そんな魚だね。


泥の中には、スナヤツメが隠れていた。
数はそう多くはないが複数見つかり、
うち一匹は目があった。成体だ。


そして……本日の目標。ヤリタナゴ!

関東でタイバラ以外のタナゴを網で採れる場所というのは
かなり貴重だと俺は思っている。
ここでは少量のタイバラと、
たくさんのヤリタナゴをみることが出来た。

また、二枚貝の姿もちらほらと。
もっと上流か、または下流に行くと、二枚貝が沢山あるのかもしれない。


写真撮影をして、俺はメダカを数匹お持ち帰り。
seoさんもヤリタナゴを持ち帰って、収穫ゲット。


そのあとは……というと、
また別の丘陵に行ったりもした。
あちこちに素堀の水路的なものが広がる場所だったが
サンショウウオも、イモリも、魚も姿を見ることは無かった。
環境的にはとても素晴らしい場所なのだけど……



まあでも、
こんな素敵なサクラの木を見つけたりして
気分的には悪くもなく、ノンビリと一日を過ごすことが出来た。
seotaroさんには、本当に感謝です。



家に帰って、足を確認してみたら
意外と素敵なことになっていた。

そりゃあ痛いわな。




おまけ


飲むプリン。
カラメルとプリンが混ざった灰色の飲み物だった。
色はアレだったが、味は確かにプリンであり、
砕けたプリンが中に入っていたので
何とも不思議な食感であった。


●ここで出会えた主な生体(赤字はフィールド初遭遇)
メダカ(千葉県
ホトケドジョウ
ヤリタナゴ
タイリクバラタナゴ
ドジョウ
タモロコ
モツゴ
オイカワ
ヌマチチブ
ギンブナ
スナヤツメ

春だよ! 房総へ出撃だ!②

2010-05-23 19:10:06 | 関東地方南部を徘徊
さて、卵塊と幼生は発見した。
ということは、さすがに成体を探すには時期が遅かっただろうか?

何にせよ、もう少しあたりを探してみようということで、
丘陵内をフラフラと回ってみる。
あたりには谷田が広がっており……



その周りに、山から染み出す素掘りの、流れのない水路が
縦横無尽に広がっている。

問題は、だ。


その水路の至るところに、卵塊がゴロゴロと……
ほんと、驚くほどゴロゴロしている。






そこらじゅうに転がってるんだ、普通に。ごく普通に。




これ、二ヶ月くらい前に来て
夜中に懐中電灯で照らせば、産卵シーンがみれそうだ。
ということは、来年に行けと言うことかな。

ちなみにそんな中、護岸されている水路にも立ち寄る。
特に何もいないという結論の後
道路へとよじ登るところで……

俺は、右足をあげて、前に出す。
左足は、護岸ブロックの上にあった。
ただ、ブロックと靴の間には「コケの塊」があった。

コケが滑る。それごと俺の足は滑る。
滑った先は水路の上。空中に投げ出された。
体が前方に倒れ……俺の左足は、体ごと真下に。そして滑った勢いで後ろに。
つまるところ、あれだ。
早い話が、護岸ブロックのカドに思いっきり打ち付けられつつ滑り落ちた。

火傷をしている右足ではなかったのが幸いではあったが
盛大に打ち付けたもので、物凄く痛い。
服の上からですら傷になり、途端に腫れ上がる、痛い。
くそう、どーなってやがる。

とりあえず暫く悶絶して、再開。
よ……よくあること!!



さて、目的の成体はどうだろう。
ヒシャクや網を使って探すも、それっぽいものが見つからない。

その代わりに見つけたのは

こんな水路にとてもとても居そうな「はんぷてぃだんぷてぃ」。
やはり両生類には住み心地が良いらしいので

アカガエルや、アマガエルなんかの姿も。

うん、アマガエル可愛い。
ただ、五月に友達の家に行くと
夜、ガラス窓にこれが数十匹べたべた張り付いていて驚かされるが。


それはそれとして、……サンショウウオの成体は何処だ。
あの滑らかな肢体の、黒いあいつは何処だ。
頭から尻尾まで細くてスラリとしていて、短い四肢をもつ
あの姿は何処にあるのだ!

額に汗しつつヒシャクを振るう俺。
その俺の前に、視界の端に、
捜し求めるシルエット!!



だがコレはカナヘビ……
いや、シルエットは同じだけどね。


seoさんに「何バカなこと言ってんだ」と突っ込まれつつ
さらにヒシャクを振るう俺。
そのヒシャクの中に、今度こそ水中の生き物で
俺の捜し求めるシルエット!!




イモリかああ!! 惜しいッッ!!

産卵にはちょっと早い。気の早い奴もいるもんだ。
ただ、俺は千葉のイモリははじめて。
これはこれで、アリっちゃアリだ。


まあ……結局、サンショウウオは見つからず。
さすが南房総。産卵のタイミングはかなり早そうだ。
ただ、場所はもうばっちり把握できたので
来年はもっと早く来たいところだな。凄い光景が見られそうだ。


●ここで出会えた主な生体(赤字はフィールド初遭遇)
トウキョウサンショウウオ(卵塊)
ホトケドジョウ
ニホンイモリ(千葉県

春だよ! 房総へ出撃だ!①

2010-05-18 23:35:50 | 関東地方南部を徘徊
四月。
なんと俺の仕事が決まる。
派遣だがとりあえず食いつなぐことはコレでできる。

というわけで、お祝いに遊びに行くことに。
といっても、これまた「採取」なのだけど。


お誘い頂いたのはseotaroさん。
お忙しい中時間を作ってくださいました。

今回は千葉の方に遊びに行くことに。
seotaroさんが面白いポイントを見つけたというので
そこに行こうという事に。

また、ついでにサンショウウオなんかも見れたらと
リクエストを頂いたので、
こちらは俺のほうで調べてポイントを抑える。


さて、一時間ほど電車に揺られて合流の駅へ。
さっそく出撃である。


ノンビリと走ることしばし、
やがて、俺が調べたポイント周辺へと到着した。
このあたりの丘陵に、サンショウウオがいらっしゃるという。


到着したのはこんな谷津田。
なんとも実に見事な風景。見渡す限りこんな感じ。
さすが南房総。その懐は尋常ではない。
この「それっぽさ」がとても好きだ。

まず、農道の隣を走る小さな水路に目を向ける。
素掘りの田んぼの隣の小さな水路。
まだ田んぼに水も張っていないので、流れは細々としている。
俺はさっそく秘密兵器「ひしゃく」で
水路を漁っていく。

その間にseoさんはあたりを散策する。


さて、俺の方は……
ドジョウとザリガニしか見つからん。どういうことだ。
どうにもサンショウウオも卵も幼生も見つからない。
代わりに見つけたのは……


シュレーゲルアオガエル、ですね。
アマガエルとの違いは……目のところに模様があるかどうか。
アマガエルは鼻から首にかけて、黒い模様が入るのです。


こんな素敵な水路マスもあるのだが、どうにも目的のものは見つからない。
seoさんも同じようなものらしい。

とりあえずこの丘陵はそれなりに広い。
ちょっと移動をしてみようと、二人で車に乗る。



行きと逆方向の景色がみられるようになった俺、
出発した途端に水路を発見した。
100mも移動をしていないのだが、ビビっと来た。マジで。
慌てて車を停めてもらって、下車。

農道の隣には、流れのとても緩やかな素掘りの水路。
山から流れる水の水路らしく、
水深は数センチ程度と浅く、所々で
ヒキガエルのおたまじゃくしと思われる、真っ黒な
おたまじゃくしが固まっていた。

俺はさっそく目の前のポイントを柄杓でチェック。
その間にseoさんは、水が流れ込んでいる場所を見に行った。


さて俺のほう。
何となく一瞬、それらしい影が逃げていったような気がしたのだが
あくまで気がした程度で、二度はなかったので、
見間違いだったのかなーという微妙な状態。

しかしだ
そんな俺に、seoさんが声を掛ける。

「なんかそれっぽいのがある。見てくれ」

それっぽいってのは大事だぜ。マジで。
さっそく俺はその場所へ向かう。

そこは、山から細々と流れ込む水が、
大きな溜まりを作っている場所だった。

※クリックで拡大


あちこちにおたまじゃくしの群れがあるのだが、
それと同じように、あちこちに……バナナ型の、
そう、サンショウウオの卵が、ある。

俺は握りこぶしに親指立ててseoさんに合図。

間違いない、これは、トウキョウサンショウウオの卵だ。



さらに、その水が流れていく水路を見ると
(俺がいた場所は流れが全然来ない方向)
物陰にちらほらとサンショウウオの卵。


それどころか、小さな小さな幼生の姿まで見ることができる。


seotaroさんは、トウキョウサンショウウオの卵塊を
見るのははじめてなんだそうだ。
(……まあ、俺だって二回目だが)
彼の立派なカメラで、何枚も何枚も写真を撮っていた。
俺の適当な写真と違って
さぞや素晴らしいものが撮れてるに違いない。


だが、これで確認できた。
この丘陵には「居る」。間違いない。

しかも複数の卵がこの狭い空間にあるということは
それなりに成体の数もいそうである。


よし、このあたりぐるぐると回ってみましょうか。


●ここで出会えた主な生体(赤字はフィールド初遭遇)
トウキョウサンショウウオ(卵塊)
トウキョウサンショウウオ(幼生