気ままにフィギュアスケート!

男子シングルが好きです。

「パーフェクトプログラム」

2010-04-01 23:55:50 | フィギュアスケート雑誌・本
新潮社から出た田村明子さんの「パーフェクトプログラム」、発売日である昨日届き、一気に読みました。前2作の「氷上の光と影」、「氷上の美しき戦士たち」に負けず劣らぬおもしろさ、というかそれ以上におもしろかったかも。

これまでの2作を読んだとき、海外で起こったスケート関係者に関する疑惑や事件については歯切れよく隠さず書いてあるのに、日本のことになると日本の連盟との関係悪化を恐れてか、余り深くは書かないなという印象だったのですが、この最新刊では城田さんなど連盟の内部事情についても書かれています。
とはいえ事実をすっきりと分かりやすく書いてありますが、配慮はしてあります。
当然ですよね。外国人について書いても、日本語の著書を読む可能性は限りなく低いから書きやすいかと思いますが、日本のスケート関係者は彼女の著書を読む可能性の高い人たち。書きにくさの度合いが違います。

しかし、連盟役員の報酬はなかったのですね。そんなことも知らなかった私。(汗)
知ったときには兼務ができることを驚いたのですが、吉岡強化部長が千葉大の教授だったのは不思議でも何でもなく、皆さん他に本職を持ってらしたのですね。
ちなみに吉岡強化部長の専門は「スポーツ・バイオメカニクス、フィギュア・スケート」です。→千葉大
伊東部長の本職も気になったので調べてみました。ワインの販売会社であるジェノスグループの常務取締役です。→ジェノスグループ
ソムリエの資格を持っていることは知っていましたが、お仕事関連だったのですね。
連盟の役員って、兼務だとコーチとかジャッジとか、そんなイメージを勝手に持っていました。

話がずれすぎました。(汗)
読む前はバンクーバーオリンピックについて丸ごと1冊語られている本なのかと思っていました。
しかし前半はそんな連盟の基本的な話や、山田コーチとみどりさんのお話など、日本のフィギュアスケートがなぜ強くなったのかというところから書き起こされ、これまで他の著者で読んだものとはまた一味違った田村さんならではの視点から書かれていて興味深く読みました。
そしてバンクーバー前の出場選手についても日本の選手を中心に1人1人について語られています。大ちゃんたちについて書かれているのはもちろんのこと、悠子ちゃんについても詳しいのが嬉しいです。
日本人選手だけでなく、プルシェンコやランビエールについても詳しく書かれています。

そしてこの本の構成がおもしろいと思うのは前半と後半が書かれた時期の違いなのですが、前半がバンクーバー前に書かれたのに対して、後半はバンクーバー後に書かれていますが、その際前半部分にほとんど手が加えられていないのです。

後半は選手たちの活躍以外にもバンクーバーで起こった音響ミスやロビー活動について。音響ミスの真相はどうなのでしょうか。開催国としてあってはならないことだと思います。
同じことが日本で起こったならば、同じ日本人として居た堪れない気持ちになり、それが自国の選手に有利に働いたとしても許せない気持ちになると思います。

そして本の題名でもあるそれぞれの選手にとっての「パーフェクトプログラム」について。
大ちゃんがその答えのうちの1つを出してくれたように思います。
時には辛口な物事も扱うこの本ですが、大ちゃんについての記述で締め括られていて、暖かい気持ちになりました。

自分がフィギュアファンになる以前のことは、知識としておもしろく読めるし、ファンになって以降のことはそれを取材対象が広い田村さんの目を通してまた違った角度から語ってもらうと、知らなかった新事実もあり深く思い返せるしで、フィギュアファンにとっては興味深い一冊だと思います。


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11 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
名古屋フィギュアスケートフェスティバル (かおり)
2010-04-02 20:35:13
はじめまして
名古屋のショー明日行くんですよね
私はチケットとれなくて
落ちこんでます
お願いがあるのですが
プログラム3冊買ってきてもらうことは無理ですか?
勝手なお願いで申し訳ありません
かおりさん♪ (wal)
2010-04-02 23:17:06
はじめまして
プログラムですか。私が会場に着いた時点で売り切れていなければ、買ってきて差し上げることは可能ですが、初対面の方に前日の晩に頼まれても戸惑います。
私からはかおりさんのメールアドレスさえわからない状態では、その後連絡がつかなくて引き取ってくださらない場合、損失になるので。
普段から交流のある方の頼みならこの程度のことなら聞いたのですが、冷たいようですが申し訳ないけれど今回はお断りさせてくださいね。
私も読みました (うろこ)
2010-04-03 00:57:22
こんにちは「パーフェクトプログラム」私も読みました。「氷上の美しき~」をwalさんが紹介されていたのをきっかけに購入しました。著者の田村さんの考え方や媚のない分かりやすい文章にとても魅了されましたv今回もとてもおもしろかったですね。普通の記者なら躊躇するかもしれないところまで、しっかり公平な視線を書かれているところがとても素敵だな~と思います。やっぱりオリンピックはいろいろと複雑なものがあるようですね…開催国の思惑とか…
バンクーバー後に日本選手団に対してちょっと疑問のあるニュースを聞いたのを思い出しました。
今回の五輪に現地入りした日本選手団のうち選手は94人。役員は111人(韓国は選手団が45人。役員が37人)選手より役員が多いし、選手が飛行機の席がエコノミーで役員はビジネスクラス。役員の人数が多すぎてトレーナーやコーチが現地入り出来ない事もあったとか…
4年に一度の五輪(選手にとっては一生に一度あるかないか)で選手にベストな環境を用意するより自分の待遇を優先する役員ってどうよ…
なんて思ってしまいました;(フィギュアだけではないけど)
何の裏もなく勝負を楽しむって難しいことになってしまったんでしょうか?何か淋しいな~と思っていたらダイちゃんのくったくの無さにほっとしました。ダイちゃんだけでなく、選手はみんな純粋なんですよね。そんな純粋な選手みんなが最高のパフォーマンスが出来る環境を作れるようになればいいのにな~と思いました。
分かりました (かおり)
2010-04-03 01:17:22
わざわざお返事ありがとうございました
嫌な思いさせてしまいましたね
ごめんなさい

18日に大阪のショーに行くのでそのときまでのお楽しみにします。

ほんとうに申し訳ありませんでした
好きなことは楽しまなくちゃ♪ (ゆゆん)
2010-04-03 16:52:27
こんにちは~walさん。
(あ、ジオン軍からはお休みもらってるから安心してちょ(笑)。前回も援護射撃じゃなかったのよ~誤解させるような文章だったのでゴメンね。)
私も読んだよ~面白かったね。
フツーに「読み物」として楽しみまスた。
で、色々内輪のお話も多いわけですが、ま、これによって自分の楽しみ方が変わるわけでもなく、ってな感想でしょうか?(^_^)
(自分が見て好きなものに能天気に反応してれば、思惑なんてお構いナシに楽しいものだから♪)

私は初めて日本で開催された1977年東京世界選手権のときのくだりがとても心に残りました。
「海外の関係者からも日本に来て本当に良かった、と思ってもらえるように頑張らないといけない(一部省略)日本は素晴らしい国だ、是非また来たい、とみんなにいってもらうことができたんです」(「パーフェクトプログラム」田村明子著より引用)
こういう積み重ねがあって今のフィギュアが根付いたんだなぁと、当時の方々に感謝々です。
ですが今、ネットで見る限りですがバンクーバー後は実際かなり荒れてますよね…国内のフィギュアファン…ばかりか、エリア外の方々も^_^;。
来年は東京でワールド開催ですが、ちょっとこのままだと嫌なムードだなぁ。
私は真央ちゃんも大好きだけどヨナちゃんも大好きという少数民族なので(笑)できればヨナちゃんも現役続行でまた違うプログラムを楽しませてもらいたいなぁと思ってるんデスよ。
エヴァンもFOIで何度も楽しませてもらってるので、やはりまた日本で楽しませてほしいし。
2007年の東京ワールドは大ちゃんの「オペラ座~」に導かれて行っちゃいましたが、来年ももし「これは生で見たいっっっ」と思わせてくれるプログラムがあれば、お財布&お仕事と戦ってでも(笑)頑張って見に行きたいですね。
そしてそのとき、会場が選手にとって暖かくパワーを感じられる場になってくれていることを心から願ってマス。
あ、間違ってるかも^_^; (ゆゆん)
2010-04-03 17:10:22
連投ゴメン!
もしかして、来年は東京ではなくて長野なのかな???
だったら厳しいぞぉーーーっっっ(泪)>長野新幹線が通っていない県民(泣)
うろこさん♪ (wal)
2010-04-04 21:20:27
田村さんは公正な目で書きにくいこともしっかりと書き、入念な取材も惜しまず、ジャーナリストとしての姿勢がとても好きです。しかも文章もわかりやすくうまいですし。

バンクーバーの日本選手団についてのお話、ありがとうございます!選手よりも役員のほうが多かったのですか!しかも飛行機は選手がエコノミーで役員がビジネスクラスとか、役員が多すぎてトレーナーやコーチが現地入りできないに至っては、信じられないほどひどい話です。
スケート連盟だけでなくどこの役員も無報酬なのかは知りませんが、こんなところでうまい汁を吸おうみたいな感じなのでしょうか。溜息がでます。
でも選手達は、アスリートにとって最高の瞬間であるオリンピックに、全力を懸けて純粋にぶつかっているんですよね。
大ちゃんも他の選手達も少しでもいい競技環境が用意できればと思います。
かおりさん♪ (wal)
2010-04-04 21:24:01
私の断り方、きつかったかもです。
かおりさんこそお気を悪くされたことでしょう。ごめんなさいね。
レポに書きましたが、プログラムは入り口で配られた無料のものしかなかったと思います。人数分しか用意してなかっただろうから、余分にはもらえなかっただろうし。

18日大阪のSOIを楽しんでらしてくださいね!
ゆゆんさん♪ (wal)
2010-04-04 22:03:33
ジオン軍から休暇が出たのね。前回はプルさんとゆゆんさんの組み合わせイコールジオン軍って私が勝手に思い込んでいただけだから。(汗)

>初めて日本で開催された1977年東京世界選手権のときのくだり
夜中でもお迎えしたとか、力の入れ方が半端じゃないです。それがちゃんと佐野さんのメダルやその後の日本のフィギュアの発展に結びついて。
あまりあちこちネットを見てないけれど、今色々と荒れているの?
でも来年の世界選手権では、日本の観客はどの選手にも暖かい拍手と歓声を送ると思います。
開催地は最初は長野だったけれど、東京に変更になったよ。会場のキャパは大きくなったけれど、チケット獲りは大変だね。でもお互いに頑張りましょう!また代々木でお会いできるのを楽しみにしています。
エヴァンは絶対にこれからも日本に来てほしいです。EXやショーでFPを滑る彼のサービス精神と努力は半端じゃないです。
キム・ヨナと真央ちゃんの対決も、真央ちゃんがまだまだ勝負したそうだから、私もまた見たくなりました。(笑)
純粋な心 (sky)
2010-04-15 00:38:23
walさん、こんばんは。

遅くなってしまいましたが、先ほど私も「パーフェクトプログラム」読み終えました。
2冊の前作同様田村さんらしい淡々とした語り口調の中にも、フィギュアに対する深い愛情と正義感が溢れていて、今回もすっきりした気持ちで読み終えることが出来ました。

「高橋の済んだ目と向き合っていたら、すべてがどうでもいいことのようにに思えてきた。」

今回はここが一番心に残りました。
現在のフィギュア界にある舞台裏の様々な力関係、その全てが「希薄感じられた」ほど純粋な高橋君の「理想」。彼のファンとして誇らしい気持ちでいっぱいになりました。
「彼のような選手がいる限り、フィギュアスケートは廃れない」そうあって欲しいです。

昨日の「はなまる」、手相の「シンプルに物事を考える人」っていうのは、「雑念が少ない人」と勝手に置き換えて受け取ってみました。やっぱりこれも「ファンの欲目」かな?

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