下手の横好き日記

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吉村達也『御殿山の殺人』

2008-09-25 23:59:59 | 
サイコ・セラピスト、氷室想介シリーズ。
このシリーズは、冒頭の謎がいつもすごいのですが・・・


氷室のクリニックを訪れた戸張梓は、いつか夫に殺されると訴える。
梓の夫は、TVゲーム機界を牽引する花蝶堂の跡取り息子・英二郎。
英二郎は過去2回の結婚歴があるが、その妻は2人とも自殺していたのだった。
それも、まったく同じ場所からの投身自殺という不審な死に方で・・・
氷室は梓のカウンセリングを始めるが、その矢先、英二郎の母・月子が殺される。
その遺体は、まるで人魚のように、奇妙な装飾を施されていた。
贅をつくした御殿山の屋敷に住む戸張家の、一癖も二癖もある人々・・・
複雑に絡んだ人間関係を解きほぐし、氷室は事件を解決できるのか!?


人魚のような装飾というのが、何とも不気味でした。
両足が縛られて、「こいのぼり」のような袋状のものを被せられているのです。
そして、両手には鮭の模様の鍋つかみが被せられて、これも後ろ手に縛られている。
で、口の中には童話「人魚姫」のページが破かれて詰め込まれていて。
大きな浴槽の中で、溺死させられているのですから・・・痛いお話です。

しかし、この意味が、最後にバッチリ解き明かされるのですからスゴイ。
それはもう、想像したくもない、恐ろしい真相でした。
犯人と氷室との対決も印象深かったです。余韻のある終わり方で。
文庫になるときに書き添えられたエピソードに、ぞ~っとさせられましたし。

この作品が書かれたころには、まだPSは出てなかったんだな~と思うと、
ゲームの世界も10年一昔という感じがしますね。


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