ある「世捨て人」のたわごと

「歌声列車IN房総半島横断鉄道」の夢を見続けている男・・・ 私の残された時間の使い方など

映画「洞窟の女王」(2)

2016年07月01日 | 語学

she 1965 ロシアの動画共有サイト

   https://my.mail.ru/mail/armog68/video/27549/51799.html

以下は1956年のリメイク版の抜粋です。完全版はアップされていないようです。

She demonstrates her power カラー(着色) 5分04秒
http://www.youtube.com/watch?v=MFFPYjsbt9A&feature=player_detailpage 

She - The penalty for disobedence カラー(着色) 4分21秒
http://www.youtube.com/watch?feature=player_detailpage&v=_VJCT_svGnQ 

She Who Must Be Obeyed カラー(着色) 0分22秒
http://www.youtube.com/watch?feature=player_detailpage&v=GE3Vosi_iY8 

 The Vengeance of She (1968) ORIGINAL THEATRICAL TRAILER 
カラー(着色) 2分24秒
http://www.youtube.com/watch?v=d5icYQruQ9I&feature=player_detailpage 

http://hammerfilms.com/productions/film/filmid/257/the-vengeance-of-she

The Vengeance Of SHE (1968) - title song + scenes カラー(着色) 12分49秒
http://www.youtube.com/watch?feature=player_detailpage&v=k4PMTQPbejA 

   " SHE " vocal from Vengeance Of She film カラー(着色) 2分10秒http://www.youtube.com/watch?v=0JjLeF8n3To&feature=player_detailpage 

dubai カラー(着色)  10分30秒
http://www.youtube.com/watch?feature=player_detailpage&v=BmjtTNFjCIY 

    今でも思い出すのは、女王と訪問者との会話に挿入されている、次の語句があります。
「人は暗闇の中から明るい灯火のそばに現れ、しばらくはその周りで飛び回っているが、やがて再び暗闇の中へ消え去ってしまう・・・」でした。

 この語句は、テツが現在の福島県立須賀川高等学校(当時は須賀川商業学校)の生徒だった時、国語担当の大中一郎先生(作曲家・オルガニスト・・椰子の実の作曲者・・大中寅二の兄)から、「自分の好きな本」について感想(作文)を書きなさい」という宿題を出されました

  その宿題で、この語句についての感想を書いたのに対して、三重丸を頂いた記憶があり、今でも忘れられない本の一つです。

 そんなに古い作品が、デジタル化」されているのには驚きです。多分著作権の期限が切れているのでしょう。

また、原書もデジタル化されて、だれでも無料で利用することが可能です。

英語(原書)テキストのデジタル版

インターネット アーカイブ ホームページ
http://archive.org/

 「She」で検索出来る項目
http://archive.org/search.php?query=she%20AND%20mediatype%3Atexts

 「洞窟の女王」のHTMLファイル
http://ia700409.us.archive.org/31/items/she03155gut/3155-h/3155-h.htm

 「洞窟の女王」のテキストファイル
http://archive.org/stream/she03155gut/3155.txt

She and AllanのHTMLファイル
https://ia700204.us.archive.org/6/items/sheandallan05745gut/5745-h/5745-h.htm

She and Allanのテキストファイル
http://archive.org/stream/sheandallan05745gut/5745.txt

Aysha,the Return of She 「女王の復活」のHTMLファイル
https://ia600200.us.archive.org/21/items/ayeshathereturno05228gut/5228-h/5228-h.htm

Aysha,the Return of She 「女王の復活」のテキストファイル
http://archive.org/stream/ayeshathereturno05228gut/5228.txt

Aysha,the Return of She 「女王の復活」の一覧
http://archive.org/details/cu31924013476167

  日本語訳テキストのデジタル版

  洞窟の女王 (She, 1887年)ヘンリー・ライダー・ハガード(Henry Rider Haggard, 1856-1925年)平林初之輔・全訳(1892-1931年)

そしてこちらは、テツが今回購入した本の内容見本(部分)です。

  洞窟の女王 大久保康雄 訳
初版 1974年5月24日
25版 2009年6月19日
発行 東京創元社(株) 

 洞窟の女王・大久保康雄・訳

「洞窟の女王」の思い出が懐かしく、もう一度読みたいので、文庫本(税込・840円)を購入しました。

Ayesha (novel) http://en.wikipedia.org/wiki/Ayesha_(novel)

 『女王の復活』(Ayesha The Return of She)。

 女王の復活 (創元推理文庫 518-4)


 洞窟の女王 - nifty
http://homepage1.nifty.com/Woodnote/books/fantasy/queen_phoenix.htm

私が子供の頃、というと、もう40年も昔になりますが、その頃には、「冒険小説」というジャンルがありました。
主人公が、見知らぬ国や未開の土地へ探検に出かけて行って、大活躍する物語です。今なら多分「ファンタジー」というジャンルに分類されることでしょうが、その頃の男の子たちは、みんなこの「冒険小説」を、夢中になって読みふけったものです。最近では、あまり見かけなくなりましたが、大ヒットした映画「インディ・ジョーンズ」や「ロマンシング・ストーン」、「ハムナプトラ」なども、このジャンルに属する物語であると言えましょう。
  この「洞窟の女王」は、冒険小説の最高傑作と言われる作品です。少年の夢と想像を掻き立てるストーリーは、今も世界中の読者たちの心を捕らえて放しません。1886年に出版されたこの物語が、今なお版を重ね、読み継がれているのは、血沸き肉躍る冒険の数々が、男性の本能的な冒険心をくすぐるからでしょう。


 <ストーリー>
  アフリカの奥地、ジャングルと沼に囲まれた人跡未踏の地に存在する、謎の土人国。そこには、原住民たちが畏れ崇める、美しい女王がいる。女王アッシャは、不思議な生命の炎で我が身を焼き、永遠の若さと美しさを保って、2千年の時を生き続けている。
  彼女は、待っていたのだ。2千年前に失った恋人が、転生を重ね、やがて彼女の許へ帰って来るその日を。

    ケンブリッジ大学の学生であったホレース・ホリーは、病に冒された年上の親友・ヴィンシーから、その幼い息子とともに、小さな鉄の箱を託される。二十年後、息子レオが二十五歳になるまで、開けることを禁じられた箱。彼は、ヴィンシーの唐突な申し出に驚き、訝りながらも、その役割を引き受ける。
  そしてその夜、ヴィンシーは謎の死を遂げたのだった。
  二十年後、美青年に成長したレオとともに、ホリーは鉄の小箱を開ける。そこには、ヴィンシーの手紙と地図、陶器製の壷の欠片、そして宝石のついた指輪が入っていた。
  手紙に書かれていたのは、荒唐無稽と思われるほど奇妙な物語だった。
  アフリカの奥地に住む不老不死の女王と、ヴィンシーの祖先との関わり。そして、不死の謎を追い求めた、祖先たちの数奇な運命。謎とその手掛かりを、彼ら一族は壷に刻み込み、連綿と語り伝えて来たのだ。
  半信半疑のホリーに対し、一族最後の一人であるレオは、是非行こうと主張する。幸い、資金は潤沢にあった。ヴィンシーが残した年金を、ホリーはこつこつと積み立てていたのだ。こうして彼らは、謎を追って冒険へと旅立ったのだった。

 

   苦難を極めた旅の末、彼らはようやく目的の地へたどり着いた。昼なお暗いジャングルの奥、見たこともない山の斜面に穿たれた洞窟で、ホリーとレオは、女王アッシャと出会った。
  アッシャは、絶世の美女だった。この世のものとは思えないほど魅力的な容姿に、彼らはたちまち心を奪われた。だがホリーだけは、美しい外観の中に得体の知れないものを感じ取り、それに恐れを抱いた。
  アッシャはレオに言った、「そなたこそ、私が2千年間待ち焦がれていた、愛しいカリクラテス様の生まれ変わりじゃ」と。
  彼女は、レオがカリクラテスの転生した姿であると知り、彼に永遠の命を与えようとする。そして、彼に思いを寄せていた原住民の女・アステーンを、不思議な力で殺してしまう。
  あまりにも強い女王の思いに戦慄したレオであったが、魔性とも言えるその魅力には抗するすべもない。やがてアッシャの一途さに打たれ、彼女を心から愛するようになる。そんなレオと永遠の契りを結ぶため、彼女は不思議な炎のある洞窟へと彼を案内する・・・。

  
  絶世の美女から、一途な思いを捧げられる。男として、これほど心躍るシチュエーションはないでしょう。しかもそれに、見知らぬ世界での冒険が加わるのですから、堪えられません。この物語が、100年以上にわたって読まれ続けているのも、当然と言えるでしょう。
  作者のサー=ヘンリー・ライダー・ハガードは、 近代イギリスを代表する冒険小説家ですが、小説家となったきっかけは、全くの偶然によるものと伝えられています。処女作『夜明け』を書くまでの彼は、ごく普通の一般的な市民に過ぎませんでした。

    「救世軍」の宣伝のために2冊の書物を著し、また教会と国家との提携に尽力した、熱烈な正統的クリスチャン。農制改革に献身する勤勉・律儀な田舎紳士であり弁護士。再度にわたってナイトの称号を授けられるまでに忠良な大英帝国国民。ただ1人の男子を早死させた以外は、波立たずで幸福な家庭生活に終始した4児の父親。 サー・ヘンリー・ライダー・ハガードの生涯は模範的なヴィクトリア朝イギリス紳士のそれであった(本書解説・生田耕作記述より引用)。

    その彼が、小説に手を染めるきっかけとなったのは、ある日曜日に妻と教会へ行った際、<際立って美しい、けがれのない顔立ちの若いレディ>を見かけたことでした。夫婦は、この女性に強い印象を受け、彼女をモデルとして、それぞれロマンス小説を書くことになります。この時、ハガードが書いたのが、処女作『夜明け』だったのです。こうして彼は、ひょんなことから小説家となり、やがて不滅の名声を獲得することになります。
  もっとも、ハガードの「現代」小説は、型にはまったセンチメンタリズムの域を出ない、ごく平凡なものでした。こうした初期の作品群は、今日ではすっかり忘れ去られてしまい、殆どが絶版となっています。

    彼の作家としての転機は、1884年に訪れましたが、これもまた偶然によるものでした。
  弁護士であった彼は、出廷を待っていた控え室で、たまたまそこに置いてあった『宝島』(スティーヴンソン著)を読み、冒険小説に興味をそそられたのです。これがきっかけとなって、彼は暇つぶしに子供向け冒険小説を書いたのですが、この作品『ソロモン王の洞窟』が大ヒットとなり、彼は冒険小説家としての名声を確立しました。
  この後、彼は、『ソロモン王の洞窟』の作中人物であったアラン・クォーターメンを主人公として、合計16冊ものシリーズを執筆していきますが、その中で登場した<生と死の秘密を握る、残酷で邪悪な白い女王>が気に入り、1886年に女王・アッシャを主人公とした冒険小説を、わずか6週間で書き上げました。これが本書、『洞窟の女王』です。

    女性にとって恋愛が永遠のロマンであり、憧れであるように、男性にとっては冒険がロマンであり、いくつになっても心を躍らせるテーマです。『グーニーズ』や『インディ・ジョーンズ』が大ヒットを飛ばしたのも、けだし当然のことと言えましょう。
  冒険すること、そして戦うこと。この作品は、そうした男性の持つ本能を、強く揺さぶります。そういう意味で、私はこの作品を、あらゆる年代の男性にお勧めしたいと思います。

 

 

 

  


 アフリカの不思議な母系社会

 ホリーとレオとジョブの三人は、壺の謎を解くためにアフリカへ探検に出かけた。
しかし、三人の乗った船は中央アフリカの東海岸で嵐にあって難破してしまう。
 彼らが流れ着いた先は、アラビア土語を話し、白人種を除いたさまざまな人種が入り混じったような、アマハッガー人と名乗る不思議な人々の国だった。
 人間の手で掘り抜かれたらしい洞窟に住む人々は、女性が男女関係の主導権を握る母系社会に暮らしていた。

 ここで彼らはアマハッガー族の習俗を知らなかったため、アマハッガー人と戦うことになり、レオは傷を負ってしまう。
しかし、間一髪、彼らは女王の命を受けた長老ビラリによって救われたのである。

 
洞窟の女王

 古代コール人の築いた素晴らしい都の廃墟に囲まれた洞窟に、彼らの女王は住んでいた。
 熱病にかかって動けないレオを残して、一人女王と対面したホリーは、その知恵と人間性を気に入られ、女王と親しく話をすることを許される。
そして、女王アッシャは、ホリーの願いを入れて、彼に素顔を見せてくれる。
アッシャは、その姿を見たものは必ずそのために身を滅ぼしてしまうというほどの圧倒的な美しさを持った、美の化身のような白人の女性であった。
もちろん、ホリーもまた彼女の美しさに捕われてしまう一人になるのだが、彼女は、自分の心は永遠にある一人の男のものだと言って彼の気持ちを拒む。

 そうしている間にもレオの様態は悪化の一途をたどり、ホリーは女王にレオの治療を頼むことになる。
そしてレオの姿を見たアッシャは、彼を、二千年の間ひとときも忘れることなく恋慕って来たカリクラテスの生まれ変わりと断じたのであった。
アッシャこそ、この旅のきっかけとなった古代の壺に記されていた不思議な不死の女王だったのだ。
さまざまな難関を乗り越えて愛を燃え上がらせたレオとアッシャは、不死と永遠の若さを与える地球の根源である“生きた火焔”をともに浴びようとするのだが……。

  たぐいまれな美貌と驚くべき英知

 なんと言っても、不死の女王アッシャの魅力に圧倒されてしまいます。
 彼女は、たぐいまれな美しさ、何ものにも縛られない驚くべき英知を備えた残酷で邪悪な女王です。
みずからの思いのままに簡単に人々を殺します。
 私たちが家畜の形態を操るのと同様に、生命を造作もなく操って、好みのままに巨人を造り、召使として用立てるために聾唖(ろうあ)の人間たちを造ります。

 そなたは、罪を犯せば悪の報いがあるというが、経験が足りぬゆえ、そのようなことがいえるのじゃ。罪が善をもたらし、善が悪を生むこともある。悪虐非道な暴君の怒りが、後世、多くの人々から祝福されることもあるし、聖者の愛に満ちた心が国民を奴隷にすることもある。人間は善(よ)かれと思い、あるいは悪(あ)しかれと思うて事を行う。けれども、それがどのような結果をもたらすかについては何も知らぬ、――中略――これが悪で、あれが善だとか、闇は憎むべきもので、光は愛すべきものというようなことを口にしてはならぬ。なぜなら、おのれの目に悪とうつるものが、他の人々の目には善とうつるかもしれぬし、闇が光よりも美しいかもしれず、あるいは、いずれも皆おなじであるかもしれぬからじゃ。

 こうしてアッシャは、みずからの思いのままに奔放に生きているのです。
 自分の属する社会の規範におのずと制約されて、画一的な考え方に縛られた二人の男に比べて、おのれの内部で長年にわたって自分の論理を作り上げてきたアッシャの何という強さ。
ホリーやレオのキリスト教的な堅苦しい道徳律と比較して、ついつい、女王の考え方に肩入れしたくなってしまいます。
 二人の男もまた、アッシャの外見の美しさの前に屈服するという言い訳のもとに、結局は、アッシャの論理の前に屈服することになるのです。

 雄々しい女たち

 レオを愛してアッシャに殺されるアマハッガー人の女アステーンもまた、なかなかあっぱれな存在です。
 圧倒的な力の前に屈することなく、堂々とアッシャに対してレオへの愛を論じて見せます。

 アマハッガー人は、強大な女王アッシャが彼らを治めているせいもあってか、彼らの社会では女性が非常に強いのです。
 彼らについてくるというアステーンについて、長老ビラリはホリーにこう言いました。

 この国では、女はしたいようにするのだ、わしら男は女を崇拝しとるから、好きなようにさせておくのだ。何せ女がいなければ夜も日も明けぬでな。女は生命の源泉だよ

 もっとも、女たちがあまりにも増長して手に負えなくなると、彼らは若い女への見せしめに年をとった女を殺し、男の強さを見せてやるというのですが……。
 1884年という、この小説が書かれた時代に鑑みて、驚くべき女性論の小説と言えないこともない……かもしれません。

  強烈な存在感の女たちの影に隠れて地味な存在でありますが、アマハッガー族の長老ビトリが、アマハッガー族の習俗の良い面を代表する形で、たいへん洒脱で好ましい人間に描かれていて、私は密かにファンをしています。


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