在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

Etna; Cornelissen ed altri エトナ:コルネリッセン他

2015-03-01 17:26:23 | Sicilia シチリア
I vini dell'Etna
Frank Cornelissen ed altri コルネリッセン他



エトナのワインの試飲会があった。エトナのワインに特化した試飲会は、今ではローマでは結構あちらこちらで開かれている。友人Tizianaの主催するイベントが一応定期的で(昨今の事情により、開催されない年も出ているよう)一番有名かと思うが、そのほか単発でも開かれている。
そんなわけで、ある意味、エトナワインの試飲会、と聞いても珍しくなくなってしまったように思う。

この試飲会はあまり宣伝をしていなかったようで、偶然知った。
彼もまた友人、人柄の大変素晴らしい友人DavideがFBのページで試飲会情報を出している。
今ではかなり有名になっていて、毎日、新しい情報が追加されている。
本人も興味深い試飲会を見つける度に書き込むが、他人も書き込める。
そこで、以前はローマの試飲会情報がほとんどだったのだが、今ではイタリア各地の情報が載っている。そうなると逆に、面白そう、と思っても、あれ~遠すぎていけない~となることもある。

エトナワインの試飲会は、スペイン階段のすぐ横にあるIl Palazzoで行われた。以前、これまた友人、大変有能なテイスターIanがワイン・アカデミーという学校を作って主宰していたところである。Ianの試飲会は、イタリア語と英語を息つく暇なく交互に使い、それはダイナミックで結構気に入っていたが、あまりに忙しくなっておざなりになったあと、ぱらぱらと試飲会をする程度の場所になってしまっていた。別な人がこれからいろいろと試飲会を計画する予定だそうで、期待したい。

さて、参加リストを見たら、(たった)10社、参加費は25ユーロと、参加ワイナリー数にしては安くない。しかし、そのリストの中にCornelissenが入っていたのである。
生産者も参加、とあり、おお、これは行かない手はない。偶然、当日知った幸運に感謝。

宣伝をあまりしていなかったこともあるのだろうが、入りはパラパラ。本当にパラパラ。赤字になるのではないかと心配するくらい。
しかし、おかげでゆったりと試飲ができた。

10社、それぞれ2-6種のワインを持参しての参加なので全体のワインの数は多くはなく、全部をゆっくり試飲することができた。
結構粒ぞろいで、これは好きではない、というワイナリーはなかった。

ざっと良かったのは、まず、I Custodi。ただし白。軽めと重めの2種試飲。こういう風に軽めと重めの2種がある場合、多少品種のブレンドが違うにしても、2種目の重たい方に部が上がる場合が多い。しかし、最初の軽めの方が、酸味がさわやかで軽やかで気に入った。


Tenuta di Fessinaは、やはり白2種のうち、軽めの方は軽やかで良いのだが、物足りなさがある。重たい方(Musmeci)は、重すぎず、酸味のバランスが良く、深みがあり、かなり良い。今回の白の中で一番気にいったワイン。


ちょっと残念だったのはPassopisciaroの白。Passopisciaroは好きなワイナリーでよく飲むが、そういえば赤しか飲まない、と思っていると、今回は白も出ていた。シャルドネ。うーん。ワインが良い悪いの問題ではなく、やっぱりイタリアのシャルドネは、例外はあるが好みではない。。。
しかし、赤は良い。2012年で若過ぎ。しかし、非常に良い年と言うが、数年後にかなり期待できそうな味と香り。


BenantiのPietra marinaは、良いと思う時とうーん、と思う時があるが、今回は良かった。昔結構好きだったのだが、数年前、かなりがっかりした時があり、以来印象が良くなかったのであるが、一応持ち直した感じ。

赤は、Girolamo Russoが相変わらず、いかにもビオという香りと味で楽しませてくれるし、Cusmanoのエトナのワインはモダンで飲み易い感じが出ているし、という感じで、平均的に悪くない。


そして、お目当のCoenelissen。
全部で6種持参していて、来て良かった!と思った。こんなに出しているとは。


最初のContadinoで、すでにかなり良い。酸味がさわやか、ビオらしい、しかし強烈ではない程度の還元臭が出ている。ベールワインで、軽めとはいえちゃんとした存在感があり、複雑ではないが、自然の恵みに感謝したくなる。こういうワインを毎日飲みたい。
Munjebelは4種あり、まずは3つの畑のブレンドから。還元臭がぐっと抑えられ、そいういう意味では、ビオ嫌いでも大丈夫そう。バランスが割と良く、軽やかな感じも含み、いいねー。
MunjebelのVA。酸味が強く、細身。その分エレガントな感じが出ていて、重たくない赤が好みの人には受けそう。
MC。がらっと変わって、まろやかな感じ。もちろん、酸味はあるが、VAの後だと特に丸さを感じでしまう。バランスが良く、かなりの好み。
CS。 MCの、酸味はきっちりあるのだが、まろやかさが追加され、とても良いバランス、という感じにボディが加わる。

そしてMagma。以前飲んだのはいったい何年のものだったのか覚えていなかったのだが、調べてみると2002年のものだった。それを2007年に飲んでいる。
2002年は初ヴィンテージではないかと思う。2006年までは結構試行錯誤の繰り返しで安定していなかったようだが、確かに、不思議なワインだったのをよく覚えている。グラスに注いでガーネット色、しかし、1時間後に茶色に完全に変わっていて、香りも嗅ぐたびに、どんどん出てくるというより、変化していった。ここまで変化の早いワインは今でも他に知らない。
最初のワインにあったように還元臭が強すぎない程度だが感じられ、あきらかにビオだとわかる。2002年のような不安定さはなく、色もガーネット色のままだし、香りは変化すると言っても2002年のようではなく、ビオ嫌いには受けないかもしれないが、個人的には好きである。
ミネラルのエッセンス、との謳い文句通り。満足。

余談だが、フランク氏とは、共通の友人が何人かいる。そして、奥様は日本人。

写真は、適当に撮ったので、白、赤、バラバラ。










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