在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

イタリア映画の紹介 Fglia mia di Laura Bispuri 私の娘

2018-03-25 10:24:52 | 何故か突然イタリア映画
Figlia mia 私の娘
監督 ラウラ・ビスプリ



まだ若い女性監督の2作目。
ラウラ・ビスプリは、前回の作品「Vergine giurata誓われた処女」が良くも悪くも(好きか嫌いかが極端)話題になった。
アルバニアの田舎で、男と同じように生きる(だから処女を誓う)一人の女性を、まだ若いが名女優のアルバが見事に演じていた。

今回も、同じくアルバを主演の一人として、今度はサルデニア島の田舎を舞台とする。

もう一人の主演は、これまたこのところ大活躍しているゴリーノ。

ヴィットリアは10歳になったばかり。
母親も父親も(残念ながら画面全体で存在が薄い)黒髪なのに、彼女は赤毛でガリガリ。
自分は親に全く似ていない、という疑問は持っていたんだろうなー



育ての母、ティーナは、ヴィットリアをこよなく愛し、大切に育てている。
生みの母は、夜な夜なの生活、男好き、その日暮らしの生活をするアンジェリカ。
自分が生みの親である秘密は絶対に明かさないように約束していたのだが、子供の直感か、それを知ってしまう。

ストーリーは、ある意味単純。
他にもこういうストーリーの映画はあるよね〜、なので、前作の度の超えた独特さ(アルバニアという国が舞台、まだ、こんな習慣があるという驚き)と比較すると、全体が良くできているとは言っても物足りなさは歪めない。

それでも、アルバの体当たり演技、こんなにセクシーな雰囲気も出せるんだぁ、という感じと、ゴリーノのいたって真面目な、娘に愛情いっぱい注いでます〜という、二人の対照的な母親の比較が面白かった。

お父さんの存在がもう少しあってもいいかもと思ったのと、アンジェリカが生みの母であることを直感する子供の心理にもう少し突っ込んで欲しかったような気もする。

自作に期待。

Vallee d'Aoste Pinot Noir 2016 Cave des Onze Communes

2018-03-25 09:35:10 | Lonbardia, Valle d'Aostaロンバルディア他
Vallee d'Aoste Pinot Noir 2016 Cave des Onze Communes
ヴァッレ・ダオスタのピノ・ネーロ。。。。



ヴァッレ・ダオスタはイタリアの特別州の一つで、フランス語が認められている。
そこで、ラベルをみると、Valle d'Aosta(イタリア語)ではなく、Vellee d'Aoste(フランス語)表記が幅を利かせている。

マルコのところでグラスで提供していたのを、なんとなく飲んでみた。
このところピノ・ネーロづいている、ヴァッレ・ダオスタには深い思い入れがある、久々のカーヴェのものだし。

そうでなくでもイタリアのピノ・ネーロはご愛嬌だが、これもまさに。



ワインらしい香り、小さな森の木の実、ブルーベリーなどの香りにスパイスがほのかに混じる。この感じが、ちょっと苦いですよ〜と予言している感じ。
アタックはいたって普通、酸味が一瞬出るかと思うと、すぐにタンニンが、きついわけではないが、苦さとなって余韻に結構残る。
軽めの食事と一緒ならこの苦さも気にならないと思うのだが、ワインだけをチビチビ飲んでいると、最初は良いが、だんだんちょっと気になってくる。
でも、ヴァッレ・ダオスタが頑張って(笑)ピノ・ネーロを造っていると思うと、そこもご愛嬌で、応援したい。++

がんばれ〜

また時々飲むからね〜

第52回目 今年のVInitalyは4月15日〜18日 

2018-03-23 22:20:19 | イタリア・ワインABC
今年のVinitalyは4月15日から18日



第52回目のVinitalyが4月半ばから開催される。
もちろんヴェローナにて。

毎年、復活祭が移動祭日なので、それに合わせてというか、それを適当に避けて、3月終わりから4月半ばの開催。

あまり早いとまだボトル詰めしたばかりとか、中には、昨日詰めてきた(笑)というのも混じるが、今年は4月半ばなので、ワインにとってはちょうど良いと思う。

それに4月も半ばなら、ヴェローナも少しは暖かくなり、オーバーコートが要らない。
(寒い年の3月だと、ローマではすでに要らないオーバーコート、ブーツ持参となる。。。)

開催まで1ヶ月を切っている。
日本からだともうすでに予定しているとは思うが、イタリアにいて、一度は行ってみたいと思う方は、そろそろ準備を。

いろいろあれど、ヴィニタリーはやっぱりヴィニタリー。

有名どころをハシゴして歩くのも楽しいが、マイナーな州や地方を訪ねてみるのも、面白い発見がきっとある。

会場があまりに広いので、出会うことはないと思うが、もう見かけたらお声をかけてください。


http://www.vinitaly.com

亜硫酸無添加について Nona' 2016 Stefano Berti

2018-03-23 18:13:43 | Veneto, Emilia Romagnaヴェネト、エミリア
Nona' 2016 Stefano Berti



ワインの製造過程における亜硫酸の使用に関しては、ほとんど必須と言っていいと思う。
収穫後から瓶詰めまでの過程において、幾つかの場面で、幾つもの理由で、どの程度の量を使用するかは、ワイナリー次第(もちろんワイン次第)である。

今では、使用量に関して、赤、白、糖度などに応じてEUで使用量が制限されているが、その量は決して少なくはない。
その制限量を守れば、規定通りのワイン(Convenzionale)、自然派ワイン(もちろん有機栽培であることが必須)となる。

さて、自然派ワインにもいろいろあることは(幸い)もう知れてきているが、自然派ワインだからといって、亜硫酸を使用していないわけではない。
もちろん、全く使わないでやっているところもあるの だが、酸化防止が主な目的の亜硫酸を使わないということは、酸化のスピードが速くなる、つまり、ワインが持たないという問題に直面してしまう。

そこで、亜硫酸に代わる酸化防止をもたらす成分(酸やタンニン、その他)を多く生成させる、正確にはその生成されたものを守るように努める、ということになる。

酸を添加して、亜硫酸を使わず、ハイ、亜硫酸無添加です〜、というワインも(単純に言って)ないわけではない。
しかし、それでは、亜硫酸を使わない本当の意味の自然なワインにはならない。

つまり、亜硫酸を全く使用せず、よくできたワインを造ることは非常に難しいことなのである。
亜硫酸を使わずに美味しいワインを造りたい、とは、本当に自然なワインを造りたいと願っている生産者なら誰もが思うだろう。
しかし、言ったように、そう簡単にはいかない。
(ところで、亜硫酸は、発酵の過程で微量だが自然に生成される、ということは付け加えておく)

さて、このワインは、やっとローマで手に入るようになった、というか、知り合いのエノテカに入れていただいたので、購入した3本(3種)の最後。

Nona'、よく見るとaの上にアクセントが付いているので、ノーナではなくノナNo ha、つまり持っていない、という言葉をかけているのだと思う。
おそらく、No ha solfiti aggiunti (亜硫酸添加なし)。



ステファノのワインには結構惚れ込んでいるが、彼の造るワインでも、亜硫酸を添加していないものはこれだけ。
つまり、他のワインは少量であっても亜硫酸を使用している、ということになる。

品種は、サンジョヴェーゼ。エミリア・ロマーニャのサンジョヴェーゼで、トスカーナのではない。
裏のラベルに、しっかりと、赤字で「亜硫酸無添加」と書いてある。

色は、明るい、とても魅力的な色。
香りはかなりニュートラル。花の香りが強いわけでも、フルーツの香りが強いわけでもなく、もわっと霧がかかったような中に、ふわっと酸味を感じる。
時間が経つと、酸味の少ない梅干しの香りのような、シソのような香草の香りもないわけではない。
ここで、良いワイン、それを評価の高いワイン、と置き換えると、それとは違うと思う。
香りの強さ、複雑さ、そういうものがこのワインの特徴ではないからである。
しかし、一口含むと、やや突出した酸味と優しいタンニン、若干の塩味が体に染み渡る。
強さとか持続性とか関係なく、カラダに優しい、そして、ココロに入り込むワイン。

あとは、このワインがどの程度もつか、しばらくたってどんなワインになるかにすごく興味。
また買いに行かなきゃ。



Metodo Classico Brut (2012) Funaro

2018-03-22 06:34:58 | Sicilia シチリア
Metodo Classico Brut (2012) Funaro



ちょっと久々にマルコのお店に顔をだす。
マルコがいるとなると、ワインを自分で選ぶなんて野暮なことはしたくない。

用事のついで、でも早く家に帰りたかったので、1杯だけ。
泡ものか白で、とお願いして、出してきたのがこれ。

久々に飲んでみたら良くなってた、というのが理由。

マルコのカンティーナには宝もガラクタも(笑)いっぱい。



品種はシャルドネ。
シチリア。トラパノだから西の方。
そして、ビオ。
メトドクラシコだから、瓶内二次発酵方式。

よく見ると、2012年ものであり、スボッカトゥーラは2015年と分かる。
ズボッカトゥーラはおりを取った時のことだが、イタリアの泡ものには記載されていることが多い。
泡ものは、基本ヴィンテージがないので、いったいいつものかはロットなどで想像することになるわけだが、イタリアのものは明確な記載があるものが多く、その点は嬉しい。

ということで、2016年頃に仕入れただろうと想像。
マルコのカンティーナに1年半かそれ以上眠っていたということになる。

その頃に開けたらどんなだったか、はわからない。
飲んだことがあるとは思うが、記憶には残っていない程度。

色がかなり濃いめ。
イタリアのスプマンテは、これでもか〜と結構濃いめの色に造っているものも多いので、その範囲を超えるわけではない。
香りは、甘いようなそうでないような。パイナップルの香りがしたかと思うのだが、甘くはない。全体に、甘くないが熟したフルーツ(笑)がイーストの香りを覆ってしまっている感じ。
泡は、本当はもう少し欲しいのだが、最初は悪くはない。酸味ももう少し欲しいところだが、ほろ苦さが最後に残る感じが心地よい。が、しばらく飲んでいると、ほろ苦さが立つ感じになってくる。きりっと冷やして、喉の乾いている時にぐぐっと飲むと美味しいかも。+++


Bartimeo 2016 Stefano Berti

2018-03-22 05:57:33 | Veneto, Emilia Romagnaヴェネト、エミリア
Bartimeo 2016 Stefano Berti



品種はサンジョヴェーゼ。
エミリア・ロマーニャのサンジョヴェーゼ。

明るくやや透明感のあるガーネット色。
小ぶりの花の香り、小さな森の木の実、木苺、レッド・ベリー、明るい色合いのさくらんぼなどにスパイスの香りがほんのり混じる。ビオらしい臭みも若干あるので、すぐにビオだとわかる。
複雑ではないが、まっすぐに香りが立ち上る。
アタックは優しい。ひたすら優しい、という感じ。
しかし、酸とタンニンもちゃんとある。出てくる。
一瞬酸味を感じ、その後、タンニンが舌にややざらつくが、気にはならない。
ワイン自体の優しさが、打ち消し、余韻が長いわけではないが、優しく続く。+++(+)



気がつくと3分の2を開けていた。
普通なら半分以上は飲めないのだが、するっと入ってしまう。
本当の自然派ワインはひたすら優しい。

10 Nebbiolo Valle d'Aosta Piemonte e Lombardia

2018-03-12 23:03:30 | Piemonte ピエモンテ
Valtellina Superiore Grumello 2013 Gianatti Giorgio
Barolo Rocche dell'Annunziata 2012 Aurelio Settimo
Ghemme Bricco Balsina 2008 Ioppa
Barbaresco Nervo 2014 Rizzi
Boca Il Rosso delle Donne 2014 Conti
Valtellina Superiore 2008 Le Strie
Barbaresco 2015 Fratelli Serio &Battista Borgogna
Vallee d'Aoste Nebbiolo 396 2016 Piantagrossa
Barolo Mariane 2014 Paoo Manzone
Barbaresco Rabaja 2012 Giuseppe Cortese



ネッビオーロ・ネル・クオレという、今ではすっかりお馴染みになった恒例試飲会がある。
以前に比べて出店数(ワイナリー数)は確実に減ってはいるが、タイトルがネッビオーロなだけに人は結構入る。

しかし、ここでネッビオーロ=バローロと早合点してはいけない。

ネッビオーロは、ランゲ地方ではバローロもあるが、バルバレスコはもちろん、ネッビオーロという名称のベースクラスもあり、また、北ピエモンテにも、(左の)お隣ヴェッレ・ダオスタでも、反対の(右の)お隣ロンバルディア州の北部ヴァルテッリーナでも栽培され、海を渡ったサルデニア島にも僅かだがある。

毎回2日にわたって開催される試飲会は、立ち飲みの自由な試飲が中心だが、幾つかのセミナーも開かれる。
今回は、ネッビオーロのゾーン別ブラインドテイスティング、というのがあったので参加してみた。

ブラインドとなると、いつも本当に参加者が少なくなる。
もっと参加者が多いと思ったのだが、パラパラ。

さて、立ち飲み試飲会の方はお昼から始まっていて、すでに50種以上は試飲をしていてるので、結構疲れているのが不利な点。
有利な点は、さっき試飲したばかりのワインが多分全部。(結局、試飲会場になかったワインは1種のみ)

セミナー会場に着くと、グラスが5つ。
ワインは10だそうで、2巡することになる。

最初は、地域ごとに、ワインの説明も加え、試飲ワイン10種の紹介。
メモを取る。

ワインは以下。
ーヴァッレ・ダオスタから1種。これはフミンなど土着品種が10%含まれている。(2016年)
ー北ピエモンテから2種、ボカ(2014年)とゲンメ(2008年)。
ーバローロ2種(2012年と2011年)。
ーバルバレスコが3種(2013年、2014年、2012年)。
ーヴェルテッリーナが2種(2012年、2008年)。




そして、まず最初の5種を、ペトリーニ氏による説明を聞きながら、色や香りなどを見て行く。2巡目のために捨ててしまうので、これか、と思うものをメモ。

2巡目の次の5種。

ペトリーニ氏自身も、ワインの順番は知らないというので、ある程度一緒に見ていく感じ。

全部の試飲が終わって、いよいよワインが明かされる。



1 やや濃いめの明るい色調で、比較的華やかな心地よい香り、酸味があり、全体に悪くない。>>>この軽やかさが北ピエモンテ(ボカ)かと思ったのだが、ヴァルテッリーナだった。おっと、ヴァルテッリーナを忘れてた。(2012年)

2 透明感のある色合い、クラシカルで繊細な香り。余韻も細いが長く、最後にフルーツや花が残る。>>>これはバローロで当たり。(2011年)

3 かなり濃いめの色調、ややマデイラ風の香りがあり、古いヴィンテージは確実。タンニンも柔らかくなっている。>>>2008年は2種あるが、ゲンメで当たり。

4 明るいきれいな色調。クラシックな中にモダンな香りも混じり、複雑、タンニン繊細でエレガントな面が見える。>>>これがコルテーゼ(バルバレスコ)かと思ったら、リッツィだった。リッツィは、どうしてもラベルが好きではなく、高評価を避けてきたのだが、心を入れ替えなければ。

5 やや濃いめの色合い、若干アニマル風の香も含み、塩味がきついのが特徴>>>これはよくわからずだったのだが(時間もない。。。)ボカだった。

6 色は濃いめ、色調が暗く、かなり臭みがあり、アルコールが上がり、ヴェルテッリーナの2008年で当たり。

7 もうこの辺りから考えるのが追いつかなくなってくるのだが、花とフルーツがきれいで味もとても心地よい。>>>バルバレスコで当たり。(2013年)

8 割と濃いめ、フルーツや花はあれど、他と若干違う感じを覚え、ヴァッレ・ダオスタで当たり。

9 スパイスがとてもきれいで、そこに花とフルーツ。カラメル風も出る感じで若干モダン。>>>バローロで当たり。(2012年)

10 いい加減疲れてきた頃に、花とフルーツに加え、カラメルあり、タンニンがかなりしっかりあり。。。>>>最後がコルテーゼ(バルバレスコ)だった。。。。

本当はもう少し考えを整理するのに時間が欲しかったところであるが。。。。いやー疲れた、疲れた。
それにしても、当たっても外れても、ブラインドはやっぱり面白い。



ローマの大雪が残したお土産 たくさんの穴

2018-03-09 01:05:26 | もろもろ、つれづれ
ローマ 大雪の後のたくさんの穴



ローマの記録的な雪の日の午後、見事に晴れたのだが、その数日後から雨が続き、日陰に残っていた雪も全部、あっという間に溶けてしまった。

ローマの雪が残したお土産は、道路の穴。

すごい。

見事。

街の中の道路という道路がボロボロ。

穴、それも連続で開いているところも多く、ひび割れが広がり、さらに飛び散ったアスファルトがゴロゴロ、もある。



そして、晴れていれば穴の深さがわかるが、雨だと泥水が溜まり、穴の深さがわからなくなってさらに危ない。。。。

おかげで、このところ、とにかく渋滞がすごい。
進入禁止になった道路もあるが、制限速度30キロの道までできた。
もっとも、車を壊したくないので、スピードも出せない。

いったいいつまで続くんだろう。
これだけの穴を埋めるにはいったいどれくらいかかるか。(お金もだが、特に期間)



全部埋めた頃には大雨でまた穴が開く。。。のパターンのような気がする。

道路の穴のパロディ写真も結構出たが、一番可愛かったのは最初の写真。
何が釣れるんだろう。。。?

(写真はWeb新聞から。もっとすごいところをすでに100箇所以上みた。。。。)

イタリア映画の紹介 Ella e John di Paolo Virzi' ロング、ロング・バケーション

2018-03-08 23:29:26 | 何故か突然イタリア映画
Ella e John ロング、ロング・バケーション
監督 パオロ・ヴィルズィ



結末は、当然のごとくわかっていた。
知っていたわけではないが、これ以外の結末は考えられないからだ。

日本語でももうタイトルが付いているが、もはやイタリアの大御所監督の一人となったパオロ・ヴィルズィ監督の新作「ロング、ロング・バケーション」。



ジョンはアルツハイマーか、記憶がかなり耄碌している。
エッラは頭ははっきりしているが、体はもう限界に達している。

夏のある日、突然二人が家出した。
人生最後のロング、ロング・バケーションへの出発。
小さい子供達を乗せて、昔々、大 活躍した古いキャンピング・カー「レジャー・シーカー」で。

目指すは、ジョンが傾倒しているヘミングウェイの美術館。



112分と比較的長いが、道中いろいろなことが起こる。

かなりコメディ。それも爆笑コメディ。
タイヤがパンクしたり、強盗に襲われたり、警察に捕まりそうになったりというよくあるストーリーの他、ジョンの昔の浮気が暴露、それも相手がお隣さんだったこともあり、頭にきたエッラがジョンを施設にぶち込んだり。

両親が病気なのに家出してしまった。
それもキャンピング・カーで、どこに行くのかもわからない、ということに動揺する、息子と娘の反応も非常に面白い。
息子はうろたえるが、娘は比較的冷静。
ああ、こんなもんだよね、と、親になった今ではなんとなくこの違いを理解できる。



未だに中の良い夫婦には実にじーんとくる物語。

そういう人がいない人の中には、年老いた病気の夫婦の逃避行、そんなもんよね、と批判的にもなるだろう。

確かにかなり綺麗事。
でも、離婚、再婚の多い昨今、浮いた話の一つはあれど、最終的に家族愛、夫婦愛を貫いた夫婦の愛の物語として、非常に評価できると思う。

日本でも上映は確実なので、ぜひ見て欲しい。

ほろっと涙。

なお、今回は、ヴィルズィ監督が、現在の撮影の方で問題が起こり、突然来れなくなった。
インタヴューでいろいろな話を期待していたのだが、とても残念。

Nuits Saint Georges 7 vini ニュイ・サン・ジョルジュ7種

2018-03-06 19:24:45 | vini stranieri イタリア外のワイン
Nuits Saint Georges;
2007 Domaine Philippe Pacalet
1er Cru Cols de la Marechale 2009 Jacques-Frederick Mugnier
1er Cru Aux Murgers 2009 Sylvain Cathiard
1er Cru Les Vaucrains 2007 Domaine Robert Chevillon
1er Cru Les Saint Georges 2007 Thibault Liger-Belair
1er Cru Les Saint Georges 2002 Domaine Henri Gouges



ブルゴーニュワインの試飲会。
月に2回のペースで、全5回。
第1回目は、限定12人のところ、2人がドタキャンして10人の参加。
飲む量が増えたとはいえ、2人のキャンセル分を全員で補填することになった。

ところが、2回目からはウェイティングが出るほどの大人気で、1回目との大きな違い。
1回目終了直後からあれよあれよと言う間に参加者リストが埋まり、慌てて全回の予約を入れた。

そこで、昨日の2回目は、参加したくても参加できなかった人がいたわけだが、次回3回目もすでに数人がウェイティングになっている。


2回目は、ニュイ・サン・ジョルジョ。

1回目が2008年ヴィンテージに焦点をあて、各地のワインを比較する形だったが、今回からは、地域ごとになる。(らしい)

基本的には、ジャンカルロ氏のカンティーナから選んだものを飲む、という形なので、セミナーというより試飲会。
試飲会というより飲み会?
そう、かなり贅沢な飲み会である。

ブルゴーニュをなかなか上手に(保存もちゃんと考えて)とって置ける人は少ない。
我慢ができなくて飲んでしまうことが多いからである。(笑)


これが最初のランナップ


さて、毎回試飲のワインは6種。だが、今回は7種になった。
それも、よーくリストを見ると、ぽつんと2015年が混じっている。

Nuits Saint Georges 2007 Domaine Philippe Pacalet
1er Cru Les Pruliers 2015 Domaine Chevillon
1er Cru Cols de la Marechale 2009 Jacques Frederick Mugnier
1er Cru Aux Murgers 2009 Sylvain Cathiard
1er Cru Les Vaucrains 2007 Domaine Robert Chevillon
1er Cru Les Saint Georges 2007 Thibault Liger-Belair
1er Cru Les Saint Georges 2002 Domaine Henri Gouges



本当は2015年は入っていなかったのだが、なんと最初のパカレが、非常に悪いコンディション。楽しみにしていたのに残念。そこで、ピエルジョルジョ氏のカンティーナからニュイの2015年を出してきたので7種になった。
もちろん、パカレがダメになっていたことにジャンカルロ氏の罪はないわけでは、やはり今回も補填。

ブルゴーニュを飲みだすと、お金がいくらあっても足りなくなる。。。。(涙)

全体的に、ニュイは強さがあるというか、繊細さには欠けるかもしれないが、初心者にも飲みやすいと思う。
それは若いうちでも。気張らずに飲めると思う。

Nuits Saint Georges 2007 Domaine Philippe Pacalet
開けた時のコルクからして、ビタミン剤風の臭い香りが付いていた。
濁りがかなりあり、ツヤがなく、暗い色調。オリも混じっている。
香りは、野菜、肉のブロード風、飲んでみると、モヤっとした味の中に酸が混じり、余韻に野菜風味と木の中っぽい香りが残る。

パカレには期待したのだが、これはビオが持たないという話ではなく、このボトルが不運だったと思うしかない。
良いボトルだったら、きっと10年経って、すばらいい味わいになっていたかもしれないと思うと残念。まあ、仕方ない。

1er Cru Les Pruliers 2015 Domaine Chevillon
そこで、試飲会をやっているワインバーのオーナーのピエルジョルジョ氏のカンティーナから急遽出してきたニュイの2015年。
明るく魅力的な色調、スグリ、森の木の実、小さな花の香り、木苺のチューインガムなど、まあ綺麗にまとまっている。可愛らしいマドモアゼルの印象。
酸もきれいで、タンニンは繊細で、余韻にも可愛らしくフルーツが残るのだが、ギャップがありすぎ。若すぎ。
古いヴィンテージが混じってなければ良いのだが、かなり浮いた感じ。。。
+++

1er Cru Cols de la Marechale 2009 Jacques-Frederick Mugnier
がらっと変わって、落ち着きのある感じ。香りがゆっくり出てくる。
しばらくしたら梅の香りも出てきた。
タンニンは、やや粉っぽさを感じないわけではないが、良い、期待よりかなり良い、というところ。++++

1er Cru Aux Murgers 2009 Sylvain Cathiard
色もきれい、華やかさあり、強さも申し分なく、花、フルーツが立ち上り、しばらくするとバニラ、カラメルの香りも出てきた。非常にパフォーマンスが良い。
タンニンの存在感もあるのだが、ほろ苦さが強く、余韻に残る。

モダンというか、ややとってつけた感じもある。そういう顧客を狙って造るのだと思うが、この手の華やかタイプのピノ・ノワールが好きなら受ける、という感じ。+++(+)

1er Cru Les Vaucrains 2007 Domaine Robert Chevillon
いいねー。(ボタンをピコピコ押したい)
男性的な感じで、ステンレスのような切れ味、オレンジなど。
酸とタンニンのバランス良し。いいねー。(ピコピコ)+++++

1er Cru Les Saint Georges 2007 Thibault Liger-Belair
鉄、バルサミコ、スパイス、そして、美容院の香り。(なんじゃ、と言わないで)
最後の方だったことがあるが、色がやや暗め、そして、濁りが割と出ていた。
味は、ボディがあり、まだ若さあり、良いのだが。。。と思っていたところ、ボトルの最初に当たった人のをいただいてみると、香りにも味にもぐっと透明感をもっていた。++++(+)

1er Cru Les Saint Georges 2002 Domaine Henri Gouges
クラシカルな味わい。最初は閉じていて、香りが上がらないのだが、じわじわと出てくる。タンニンがやわらか〜い。何も考えたくないワイン。+++++

Ravaldo 2016 Stefano Berti

2018-03-03 21:17:47 | Veneto, Emilia Romagnaヴェネト、エミリア
Ravaldo 2016 Stefano Berti



エミリア・ロマーニャのワインと言うと、イメージは決して良くないと思う。
代表はランブルスコ。。。。
大変おいしいものもあるのだが(例えばRadiciはうちのハウスワイン)、そうでないものの方が多いのが現状。

そして、エミリア・ロマーニャにサンジョヴェーゼはあるが、お隣トスカーナにはキャンティ、ブルネッロ、モンテプルチャーノがあり、

エミリア・ロマーニャにもあるの〜??

と言う人もいると思う。

が、エミリア・ロマーニャにもある。
サンジョヴェーゼ・ディ・ロマーニャ。

若いうちは、どーんとした重たいワインも平気で飲めるし、おー、ブルネッロ、という感じだが、年とともに、だんだん優しいワインが心地よくなる。
インパクトのあるワイン、パフォーマンスの良いワインもいいけれど、だんだん疲れてくる。


さて、エミリア・ロマーニャのワインとの付き合いは長い。(方だと思う)

ワイン年鑑のテイスティング・グループに入ったとはいえ、新人は、まずマイナーな地域から始める。
ヴァッレ・ダオスタ、そして、エミリア・ロマーニャ、ラツィオ、サルデニア。。。。
その後、だんだんと「のし上がって」行く。

今思うと、とても良い経験をさせていただいた。
そうでないと、ヴァレ・ダオスタのワイン、エミリア・ロマーニャのワインなどを真剣に、そして、相当の数を試飲する機会などないからである。

ステファノ・ベルティのワインと出会ったのはそんな頃。

彼のワインには非常に惹かれるものがあった。

まだ、自然派ワインがちゃんと認識されていなかった頃である。

当時は、ブショネだった場合のことを考えて、一つのワインにつき2本をいただいていた。
そこで、2本目はお蔵入りすることも多く、ステファノのあるワインも1本、お蔵入りすることになった。
というのも、このワインをかなり長く置いて飲んでみたかったからである。

しかし、時は過ぎ、もうダメになってるかも、と思う頃開けたら、素晴らしく、見事に素晴らしく素敵な(そしてかなりセクシーな)ワインになっていたのである。

そのことをステファノに話したら(セクシーになったことは話してない)あのヴィンテージ(2001年)は、それは素晴らしいヴィンテージだった、とのこと。

そうなると、あれー、飲んじゃった。。。。もうない〜、と後悔したりもしたのである。



そのステファノ・ベルティのワインを、よく行くエノテカで入れていただいた。
どこのエノテカでも見ないと思ったら、ローマで初、とのこと。
ローマでは、エミリア・ロマーニャのワインはなかなか見ないから(または、隅にひっそりと置いてある。。。)珍しいわけではないのだが、今はどんなワインになっているか、どんなワインを造っているかをぜひ知りたい。

3種類ほどだが、入れていただいて感謝。
これで、いつでも飲める。

まず1本目を開けたのだが、期待を外さない出来。


すぐにビオワインとわかる、若干の臭みはある。
そして、ワインらしい(ヴィノーゾという)香り。
花の香り、小さなフルーツの香り。。。
強すぎず、複雑ではないが、微妙な臭みとともに続く。
しかし、しばらくするとスパイスが出てくる。繊細なスパイス。

味は、優しい。ひたすら優しい。インパクトのあるワインと比べると物足りないかもしれない。しかし、この優しさが体に、心に染み込んでいく。
酸より塩味が効いている感じだが、フルーツのほんのり甘さと、繊細なタンニンとが混じり後味に残る。+++(+)

自然派ワインに飲みなれていないと分かりにくいと思う。
でも、心に響く、体に優しいワインがよければ、ぜひ試してほしい。
自然派ワインの認証は関係ない。
どういう造り方をしているか、が肝心なのである。

イタリア映画の紹介 La ragazza nella nebbia di Donato Carrisi 霧の中の少女

2018-03-01 08:47:47 | 何故か突然イタリア映画
La ragazza nella nebbia 霧の中の少女
監督 ドナート・カリーシ



あれー

ドンデン返し、ではない。

そうかー

最後まで見よう。最後まで見ないとわからない。

ドナート・カリーシ監督の処女作。
と言っても、作家、映画と演劇用のシナリオライターを長年務めているので、それほど若くはない。
今回初めて、自分の作品(ベストセラー)を、自分で「(映画)作品」にしたわけだ。

劇場公開時の人気はかなり良かったとのこと。
人が人を呼び、かなりの劇場収入があったそう。

イタリアは、コメディかマフィアものが実に多い(笑)中で、珍しくスリラー、サスペンスとなると人が集まるらしい。
(もちろん、良くできていることも必須条件である)

監督も、インタヴューの口頭で、みんなスリラー、サスペンスは、昔から好きなんです、と言っていた。
(ローマ時代に、コロッセオに観衆が押し寄せていたのと共通するような気もする)

そして、主役は、大人気俳優(もちろん好きでないという人もいるだろうが)トニ・セルヴィッロ。

このキャストなら人が入る。。。
(「追憶のローマ」の主人公、若干技巧的だが、舞台畑出身なので演技は抜群)

キーワードは、「偉大なる作品はコピーされる」。

ネタバレしたくないから、これ以上言いたくないが、コピー。他人が真似をする。

なるほどねー

インタヴュー時にも思ったが、とても頭の切れる(切れなきゃスリラーはかけない?)監督だと思う。
実に巧妙にストーリーを組み立て、よーーーーく注意しないと、犯人は一人、ということになってしまう。
(実際にそう理解した人もいた。インタヴュー時の爆笑場面)

しかし、全体に、若干(かそれ以上)矛盾点も見えるような気がする。



クリスマス前の早朝、赤毛の長い髪の16歳の女の子アンナ・ロウが行方不明になった。
霧の多い、北イタリア、アルプスの山間の小さな町での出来事。

捜査に呼ばれたのはヴォーグル刑事。
マスメディアを使って、解決の糸口をつかむ手法をとる捜査官で、町にはジャーナリストが詰め掛ける。

一番疑いをかけれらたのは、町の高校教師ロリス。
最初は、うーーーん、怪しい.いや、違う?あー、やっぱり無実なのね、えー、違うの?
と、この辺りが、見ていて、

わからん!

と、途中で投げ出したくなるようでもあった。(涙)

さらに、町の過去の「歴史」も出てきて。。。。

実際に何か(殺人)が(場面に)起こるというより、ぐっと心理的。

面白いと思うか思わないかはそれぞれだが、なかなかいい。悪くない。

行方不明になったアンア・ロウとその家族が宗教団体に所属しているという設定も面白いが、この辺りの質問には、いつも、神の存在、神がかりなものの存在はある(あっても良い)と思う、ということらしい。
画面にとても良い(ミステリアスな)雰囲気を醸し出している。

スリラーはもう一度見たい、と思うのは私だけでは無いと思う。
もちろん、出来が悪ければ、なーんだ、で終わるが。。。。

ところで、実際に合計何人の女の子が殺されたか、よく聞いてないと、よく見てないと間違える。
これは、監督、ワザとだそう。(笑)
さて、正解は??