桃寿の小部屋

桃寿活躍状況

「星先生」⑤

2021-08-27 15:19:40 | タロット占い
そんな想い出も有った青春時代が過ぎて何年かが過ぎて行き・・・私も家庭を持ち優しい夫に恵まれて平凡ながら幸せな結婚生活を過ごしておりました

(そういえば、パパとのお話が有った時先生は(この人の優しさと気持ちの広さが無ければ君には結婚は務まらない、苦労するかもしれないが、彼は君に合っていると思うよ)と言ってくれました)

その件では彼よりもっと条件の良い人を何人かご相談に言ったのですが、何処か難癖つけられて、こんなに素直に認めてくれたのは初めてでした

イケメン好きな私の好みではなく、結婚式に出席した学生時代や、会社時代の友人達は式を祝うよりどんな良い男と年貢を納めたのか、興味津々だったと思います

「ね~彼は何処にいるの?貴女が納得した男性なら素敵な方でしょうね~」ワイワイガヤガヤ・・・

「紹介します、本日の花婿様、私の旦那様です」・・・・私の紹介にみんなの口が開いたまま・・・だって、どんな良い男だって負けない、設楽焼の狸そっくりの男性が

嬉しそうに、ニコニコ立っていたから・・・・(一寸、何時から宗旨替えしたの?貴女の趣味と全然違うじゃ~ない?)  

そんな結婚式の思い出も有りましたが・・・やがて何年かして車を買う事になりました。それは私達の願いで、普通車で良いから新車を買ってドライブするのが夢でした

星先生の仰った様に、お金持ちではありませんが、とても優しく、穏やかで「ソクラテスの妻」の私を文句も言わず大切にしてくれました

待望の新車が納入された日、早速近くに試運転を兼ねてドライブをして「一寸休んで、直ぐ帰るから」と横道の私道に車を止めて、お茶をして・・・30分程で戻ると、車が有りません!

頭の中はパニックで・・・とにかく「困った時の星頼み」で駆け込みました!

「う~ん・・二人だね、走っている、走っている・・・海か?川か?前のバンバーがぐちゃぐちゃだ・・2日か3日後になるな」・・・これで終わり・・・何のことか解らなかったけれど

三日後、横浜の警察から「車が見つかりました」と、連絡が有りい急いで行って観ると、横浜埠頭の突き出たコンクリートの道の突端で周りは海でした!

この現実をどう説明したら解っていただけるかしら?・・・言える事は前進に鳥肌が立った事です

この日を境に、先生にご相談する事も無く、仕事は忙しく働きづめですが平凡な毎日を過ごして居り・・・・数年経ったある日、仕事関係で偶然、先生の住んでいる方面に行くことになり

考えれば、あれ切りご無沙汰で、お詫び方々様子を伺いに行って観ました・・・・

所がいくら探しても見つからず・・・記憶を頼りに近所の方に伺ってみたところ・・・・先生の身に大きな事件が起きていた事が解りました!

何でも、皆さんが色々お話下さった内容をまとめてみると・・・

私が通い始めたころは古い、汚い、道場の様な場所で、薄暗く、真ん中に御護摩をたく囲炉裏が有り、来た人はその周りに坐って順番を待っていた事を憶えていますがその頃定価表等ありませんでした

あれから何年か経ち、「全盲のお坊様の霊力」がある週刊誌に乗ってから、訪ねて来る人が急に多くなり、その内定価表が出来、星先生のマネージャーの様な人たちがあれこれ支配しだしたそうです

建物は3階建てに成り、1階は仕事場で2階3階はアパートになったそうです。

何でもクライアントの不動産関係の人が先生の言う通りにして大分儲けたらしく、お礼に建てたと言う噂も有りましたが・・・独身だと思っていた先生に奥様がいて、先生が有名になって行ったら

いつの間にか中年の女の人がしゃしゃり出て奥様を追い出して後釜に坐って牛耳っていたみたいです

「あの女が奥様を追い出して、先生が目が見えないのを良い事に、陰で不動産屋達とグルになって甘い汁をすすっていたんだよ・・・先生も最後は哀れなものだったね~」

ある日、夜中に1階より出火して3階建ては全焼、目が見えない為先生は逃げ遅れてしまったみたい・・・「あの女が来てからろくなことは無かったよ」

色々話をしてくれた中で「道場の御護摩をたく上にアパートのトイレが有るからいつか罰が当たると思っていたよ」と言った言葉が心に残りました

何も知らずに毎日を過ごしていた自分・・・先生だって被害者だった気がします・・・古い、薄暗い道場の中で中央の御護摩の灯りと先生の輝きと患者さん達の先生と相談した後のほっとした笑顔

先生はあの頃が一番幸せだったような気がします

合掌