複数基礎年金番号 厚労相が「2万人存在」明かす 参院委
6月13日10時2分配信 柳沢伯夫厚生労働相は12日の参院厚生労働委員会で、06年10月現在で複数の基礎年金番号を持っていると想定される人が約2万人いることを明らかにし
た。政府は宙に浮く保険料納付記録約5000万件と基礎年金番号の付いた記録の照合を1年で完了する方針だが、これは同番号が「1人1番号」で所有者が確
定されているとの前提で成り立つ作業。民主党の桜井充氏の指摘に対し、柳沢厚労相は「このことだけで(照合)作業が頓挫することはない」と反論したもの
の、照合作業が混乱するのは避けられない見通しだ。
社会保険庁は、97年1月の基礎年金番号導入以降は「1人1番号になった」と説明していたが、実際は導入直後は、転職した人が以前の会社の年金手帳を転
職先に示さなかったり、結婚で氏名が変わった場合、複数の基礎年金番号が付いたことがあったという。97年8月時点で、基礎年金番号所有者約1億人のう
ち、「氏名」「生年月日」「性別」「住所」の四つが一致する、同一人と思われる人が約98万人いた。以降、絞り込んできたものの、依然2万人残っていると
いう。
政府は、基礎年金番号の付いた記録の「氏名」「生年月日」「性別」を5000万件と突き合わせ、宙に浮く記録を基礎年金番号に統合する方針。厚労相は2
万人の記録を管理しながら照合するため大きな問題は起きないとの認識を示したが、宙に浮く記録の統合先である基礎年金番号の所有者がはっきりしない以上、
作業に支障が出そうだ。【吉田啓志】
年金記録サンプル調査3000件、ミスさらに23件
社会保険庁は13日、約3000件の年金記録のサンプル調査で、発表済みの4件以外に新たに23件のミスがあったとの報告をまとめた。23件はすべて年 金の支給漏れにはつながらない記録の誤りのため、社保庁は「公表の対象外にした」と説明している。ただ、民主党は「意図的に隠してミスの数を少なく見せ た」と批判しており、国会審議で追及する考えだ。
サンプル調査は、国民年金の手書きの保険料納付記録が社保庁のコンピューターに正確に入力されているかをチェックするのが狙い。ミスは いずれも職員の打ち間違いが原因とみられる。ミスが計27件に増えたことで、ずさんな作業の実態が改めて浮き彫りになった形だ。 (17:04)
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