航空自衛隊浜松基地は25日、不特定多数の人から広く悩み事の相談を受け報酬を受け取ったとして、同基地所属の50代の男性空曹長を停職40日の懲戒処分にしたと発表した。男性は15年にわたり、約100人の客から総計約2000万円の報酬を受け取っていたという。
仕事に関する悩みから人間関係の相談まで、何でもOK。約100人の顧客を持つ“人気相談員”は、実は自衛官だった。
内部調査によると、空曹長は1999年ごろから 悩み事の相談をスタート。最初は口コミで顧客を広げていったという。その後、同基地に転勤して来た2006年ごろに身分を隠し、相談を受け付けるホーム ページを個人で開設した。実際に相談相手と会っていたかどうかは分からないという。理由について、空曹長は「金銭的に困っていた」と話している。
同基地で、空曹長は電気機器の整備やミサイルの 操作などを教える第2術科学校に所属。教官ではなく、指導内容のスケジュールの調整などを行う事務的な仕事を担当していたが、過去に心理学などを学んだこ とはなく、自衛隊内でもカウンセリングの仕事などに就いていたことはなかったという。
それでも、親身になって話を聞くのが人気だった のか、本人いわく1回3000円で受けていた“相談所”は大人気。約100人を相手に、15年間で約2000万円の報酬を受け取っていた。同基地では「仕 事ぶりや平素の態度は極めて普通で、問題を起こすタイプではなかった。副業が本来の業務に支障を来すこともなかった」としている。
12年に空曹長の上司に匿名で告発があり、同基 地が調査を開始。浜松地方警務隊が昨年6月、隊員の営利活動などを禁じた自衛隊法違反の疑いで摘発した。その後、静岡地検浜松支部に書類送検されたが、起訴猶予処分となっていた。浜松基地司令の上田知元空将補は「誠に遺憾。再発防止と信頼回復に尽力したい」とコメントしている。
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