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保守記事.91-47 もう少し、考えたら?

2007-11-30 10:12:21 | 記事保守

中国のアブナイ環境~唯一の内海が“死の海”に


 2007年8月24日、国営通信社「新華社」発行の新聞「新華毎日電訊」は「渤海は“中毒”で、間もなく“死の海”となる、救助を」という記事を掲載し、次のような驚くべき数字を示して読者を暗澹たる気持ちにさせた。

この海は間もなく、死の海になります

[1] 渤海に注ぐ排水口の9割が環境基準を超えた汚水を排出しており、年間の汚水量は40億トンを超え、海面の深刻な汚染は4年間に2倍近く増大した。
[2] 2002年から2006年の5年間に、天津管轄の3000平方キロメートルの海域で発生した赤潮被害面積は、それぞれ10平方キロメートル、100平方キ ロメートル、720平方キロメートル、750平方キロメートル、860平方キロメートルと増大の一途をたどっている。
[3] 国家海洋局の『2006年中国海洋環境品質報告』は、渤海で“クリーン基準”に達していない汚染海域の面積は2万平方キロメートルに及び、渤海総面積の26%を占め、中国の4つの海(渤海、黄海、東海、南海)の中で汚染海域の比率が最も高い。
[4] 渤海では現在一定規模の群れを形成する魚類、貝類、カニ類は全くおらず、産卵場所は100%汚染されている。このため、過去20年間に30種以上の生物が 減少し、かつて豊富に獲れた車エビ、黄花魚(=キグチ)、マナガツオ、鳳尾魚(=エツ)、ボラなども絶滅あるいは危機に瀕している。
[5] 専門家は、「もし今すぐに果敢な措置を取らねば、渤海は10年後には“死の海”と化す」と悲痛な叫び声を上げている。

 “渤海”は中国北部の遼東半島と山東半島に囲まれた中国で唯一の内海で、その海域面積は約7万8000平方キロメートル、長さは280キロメートル、海 岸線の総延長は3784キロメートルであり、水深は平均25メートルで日本の瀬戸内海(31メートル)よりも浅い。渤海には北に遼東湾、西に渤海湾、南に 莱州湾と3つの湾があり、沿岸には遼東半島の先端に大連市、渤海湾に面した天津市、山東半島北部の煙台市などの大・中都市が点在している。

 中国政府は東北地区の振興(=“東北振興”)や西北地区の活性化を図るべく天津市を中心とする渤海湾地域を“環渤海湾経済圏”と位置づけ、天津市 の渤海湾沿いに総面積2270平方キロメートル(上海浦東開発区の4.3倍)に及ぶ“天津濱海新区”を建設している。天津濱海新区には既に2000社以上 の外資系企業が進出しており、現在進行中の「第11次5カ年長期計画」(2006~2010年)を通じて中国経済における発言力をさらに強めることは確実 である。

 しかし、こうした還渤海湾経済圏の振興とは裏腹に、上述のごとく渤海湾を含む渤海の汚染はその深刻さを日々増大し続けているのが実情である。衛星写真で見る渤海は海域の大部分が薄茶色に染まり、環境汚染の深刻さを想像させるのに十分だが、その実態はどうなのか。

“中国水危機”という特集

 広東省広州市を本拠地とし、自由な報道姿勢で知られる新聞「南方都市報」は2007年11月2日から“中国水危機”というシリーズ特集の連載をスタート したが、そのシリーズ第1回「深刻な汚染、近海の生態は既に崩壊に近づく」で、既に「死の海」と化した“渤海”の悲惨な現状を報じた。「南方都市報」の記 者たちは渤海沿岸を精力的に歩き回って取材することで、深刻な汚染によって危機に瀕した渤海の姿を白日の下にさらけ出した。

 2007年7月、北京の海鮮レストランの仕入れ担当である王書全はいつも以上に苦悩の表情を浮かべていた。その理由は、王のレストランは大連の海 辺にある養殖場から材料を仕入れているのに、多数の客から「エビの味は悪いし、魚も以前ほどうまくない」と文句を言われたからだ。王書全はレストラン経営 者の指示に基づいて、北京にある大型海鮮市場を何カ所も歩き回って客の口に合う魚介類を探し求めているが、養殖物ばかりで、どこにも本物の海産物は見当た らないのが現実である。

ヒラメの稚魚を放流し続けているが・・・

 7月3日、山東省招遠市渤海養殖育苗場の場長である徐法海は、ヒラメの稚魚60万匹の放流を行った。これは今年3回目となる無報酬の放流であり、 徐法海は既に80万匹のヒラメと3668万匹のクラゲの稚魚を放流している。「今じゃ魚の子も孫も、みんな獲られて喰われちまって、大きな魚などほとんど いない。このままいったら、漁師の子や孫は何で食べていきゃいいのか」と徐法海は言う。

 海で生活してきた徐法海にとって、数年前までは漁獲がそこそこで、数千万元(=数億円)の財産を蓄えることができたが、今の海は昔のように豊かではなくなっている。

 徐法海の計算では、ヒラメの稚魚は周辺の漁民に3700万元(約5億6000万円)の収入をもたらすはずなのだ。莱州湾を挟んで招遠市の対岸に位 置する寿光市で徐法海がヒラメ稚魚を放流したことを聞いた王大有は、「だけど、稚魚がどこまで大きくなるかね」と疑問を投げかけた。

企業が排出する汚水が原因か

 2007年6月13日、山東省海洋漁業庁が発表した情報では、山東省海域の汚染区域は主として渤海湾南部、莱州湾と膠州湾(青島市周辺)の一部海域で、その主要汚染物は無機窒素、活性リン酸塩と石油類であった。漁民が稚魚は育たないと言う原因はまさにこれだった。

 「ほとんどの魚が窒息死してしまい、魚はいないし、今に人も死んでしまうさ」と漁民は言う。汚染海域が主として集中しているのは、渤海湾及び莱州 湾の海岸近くの港や黄河、小清河、○衛新河(○=サンズイ+章)などの河口、沿海に所在する企業の海への汚水排出口などの周辺海域である。


今じゃ、作物にも使えない

 山東省無棣県●口鎮水溝村(●=土へんに呈)は渤海湾へ流れ込む○衛新河の河口に在り、2000人以上の村人は漁業で生計を立てている。「○衛新河の水 は1995年までは飲めたが、今じゃ汚染されて作物にすら使えないし、鴨やアヒルは水に触れれば死んでしまう。海も汚れて、獲った魚は跳ねると鱗がすべて 抜け落ちるし、引き上げればすべて死んでいる」と村委員会副主任の侯宝友は語った。

 海に投げ入れた魚網は引き上げようとしても動かない。魚が多いからではなく、真っ黒な油汚れや雑多な物が魚網に引っ掛かって動かないのだ。白い魚網は一度で真っ黒くなる。

 ある村人が遠方から来た客をもてなそうと、獲ったばかりのスズキ(=鱸)を調理したが、客は一口食べて吐き出した、強烈なディーゼル油の臭いが鼻をついたからだ。

 無棣県小泊頭にある水質観測センターが○衛新河の河口で行った水質測定の結果は、COD(=化学的酸素要求量)が159ppm(ppmは100万分の1)で、中国の水質基準“5類”の4倍の数値で重度汚染を示した。

    <註:CODが10ppmを超えると飲料水には不適当、13ppm以上は水泳にも適さない>

 「河南、山東、安徽、江蘇の4省の汚水はその大部分がここを経由して海に流入するから海はひどく汚れている。海の汚染は漁民にとって死活問題だ」と侯宝友は悔しげに語った。

 国家環境保護総局の調査によれば、○衛新河の汚染は河南省、河北省、さらに山東省の一部都市から流入しており、山東省以外からの汚染が82%前後 を占め、山東省内の臨清市及び徳州市からの汚染が18%を占めているという。○衛新河の汚染問題は全く解決のめどが立っていない。その主要な原因は、「幾 つもの省にまたがっているという特殊性」にあり、この特殊性は沿海にある著名な河川の河口では共通のものとなっている。

渤海を復活させるには200年の時間が必要だ

 「外へ出稼ぎに行くしかない、海に頼っちゃ食べていけない」と、水溝村の漁民たちは陸に上がる準備を始めている。かつては魚介類を買い求める商人 や1000人以上の臨時雇いたちで賑わった漁村は今や荒涼とし、多くの住民たちが海とは逆の方向にある無棣の町へと引っ越している。「出てゆく奴らは金持 ちだけさ、俺たち貧乏人は汚れた海と生きるしかない。どうせ、この村は南や北の漁師たちが集まってできたものさ。ばらばらになるならそうなればいい」と老 漁夫は寂しそうに海を見やった。

 「渤海はとっくに死の海になっている。渤海を復活させるには200年の時間が必要だ」と多くの海洋専門家は推計している。2007年3月の“両 会”(=全国人民代表大会と全国政治協商会議)期間中に、国家海洋局海洋発展戦略研究所所長の高之国は改めて“渤海地区の環境保護法の制定促進”を訴え た。

政府関係機関の権力争いなどで、環境汚染が進む

 「渤海地区は中国3大経済圏の1つとなりつつあり、渤海の生態環境は今まさに未曾有の圧力を受けている。近海海域は局部的に汚染が深刻であり、汚 染の範囲は拡大を続け、一部の生態系統は破壊され、漁業資源は枯渇しつつあり、赤潮、油の流出などの海洋環境災害は頻発している」と高之国は憂慮を表明し た。

 彼のデータによれば、渤海は国内で最も汚染が深刻な海域であり、毎年流入する有毒で汚い廃棄物は57億トン、固体廃棄物は20億トンに達しており、渤海に注ぐ53本の河川のうち43本が既に深刻な汚染に陥っている。

 2001年、中国政府は国家環境保護総局が中核となって立案した「渤海碧海行動計画」を承認し、2001~2015年の15年間で渤海に“碧い 海”を取り戻す汚染防止事業がスタートした。行動計画は5年を一区切りに、近期、中期、遠期の3段階に分けられ、2001~2010年には555億元(約 8330億円)の事業予算がつけられた。事業は既に中期段階にあるが、政府関係機関の権力争いなどの原因で、渤海の環境汚染はますます悪化しているのが実 情である。

 産業優先から環境優先への転換こそが渤海を“死の海”から蘇生させる唯一の方法である。渤海を救うには一刻の猶予もない。最善の策は世論の喚起で ある。南方都市報に続く形で、中国メディアは力を合わせて「渤海に“碧い海”を取り戻そう」キャンペーンを展開してはどうだろうか。

(北村豊=住友商事総合研究所 中国専任シニアアナリスト)

(註1) 本コラムの内容は筆者個人の見解に基づいており、住友商事株式会社 及び
株式会社 住友商事総合研究所の見解を示すものではありません。

(註2)●=土へんに呈

(註3)○=サンズイ+章

保守記事.91-31 やっぱり、アノ国
保守記事.91-32 やりたい放題か!
保守記事.91-33 少しはマシになる?
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保守記事.91-36 少しは考えろ!
保守記事.91-37 そっちでも、問題児

保守記事.91-38 そっちでも、問題児

保守記事.91-39 根は深そう
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保守記事.91-46 ぜったい、くわねぇ!



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