宮地神仙道

「邪しき道に惑うなく わが墾道を直登双手
または 水位先生の御膝にかけて祈り奉れ。つとめよや。」(清水宗徳)

「モーゼの魔術(続)」

2010年05月30日 | Weblog




以前に紹介させて頂いた、モーゼの第六・第七の書について書かれた
プフェッテンバッハ伯爵は、自分がどのようにしてモーゼの書と出会ったかの経緯に
ついて書かれていました。
その言葉が正しいなら、写本ではなく、モーゼ本人が書いた原本が存在している事に
なります。

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ロマノフ家と言えば、ロシア皇帝の一族であり、1917年の革命によって断絶したと
されているが、実は現在でもシベリアの某所で命脈を保っている。

めったに人とは会わぬ事にしている私だが、ロマノフ家からの久しぶりの使者と
あれば、会わない訳にもいかない。
客間に通させてみると、使者とはアレクサンドル・ロマノフだった。

アレクサンドルによれば、ロマノフ家の財産を整理していたら、「とんでもないもの」が
出てきてしまったのだと言う。
彼の言う「とんでもないもの」とは、古い石版文書の拓本だった。

見た所、どうも「モーゼ五書」の写本らしい。
全体に古代ヘブライ文字で書かれているが、所々にアルファベットで書き加えられた
注釈らしきものが見える。
注釈は、ローマ時代末期か、中世初期に付されたものだろう。
いずれにしても、相当古い写本である事は間違いない。

「これは相当古い石版文書ですね。いつ頃の写本ですか?」

アレクサンドルがなぜか困惑したように言った。
「いやそれが、写本ではないみたいなのです。」

写本ではない?まさか、モーゼ本人が書いた原本という事か?
改めて拓本を見直してみると、相当古い時代のヘブライ語やアラム語に加え、なぜか
古代エジプトの民衆文字まで書き記されている。
軽々に判断することは出来ないが、この石版文書が書かれたのは、紀元前十世紀以前で
ある事は間違いなさそうだ。

「これは大変な発見ですよ、ロマノフ家にこんな古文書が伝えられていたとは。
是非発表してはいかがですか。」

「いや、それが……。」

アレクサンドルは、奇妙に煮え切らない態度をとった。

(これは何かあるな)
私は直感的に判った。

彼によれば、この古文書は、18世紀頃に、フランスの王家筋から、ロマノフ家に流れて
きたものらしい。
フランス王家は、14世紀にローマ法王を幽閉した事もあって、ユダヤ・キリスト教関係の
古文書を大量に保有していたのである。
これも、そういった古文書の一つであろう。

「とにかく、この文書は伯爵にお任せします。
聖書の研究者でおられる伯爵であれば、解読する事も出来るでしょう。
発表するなり、忘れるなり、伯爵の責任において、伯爵のお好きになさって下さい。
今ロマノフ家は、面倒を起こす訳にはいかないのです。」

アレクサンドルは、こう言えば私が発奮するのが判って言っているのだ。

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モーゼの書の拓本がロマノフ家に流れたのは、他にもビザンツ帝国が滅亡した時に、
東方教会が受け継いだとも考えられるようですが、帝政ロシアによって保存され、
社会主義時代には辺境のロシア正教会で死蔵され、ソビエト解体と共に、外に出て
きたという、不思議なタイミングがあったようです。

そうして、伯爵は受け取った古文書を研究するうちに、それがモーゼの魔術書で
ある事がわかり、最初は伯爵の住むフィンランドや欧州で公開しようと試みた所、
雑誌の担当者は、「私は何も見なかった……」と言って逃げ出してしまい、
出版に何とかこぎつけても、「環境破壊主義者の妄説」として退けられて発禁となり、
日本でのみ唯一完全に公開されたと書かれています。

その公開された内容は、一般に流布している「モーゼ第六・第七の書」とは、呪文も
目的も異なり、伯爵が公開されたものは、護符と呪文の組み合わせによって、神を召喚する
ための目的のものとなっています。

聖書の「神」には本来、「白い神の面」と「黒い神の面」の両面があり、「モーゼの魔術」の目的は、
「黒い神を召喚し、プログラムされている地球的規模の破滅より、かつてのモーゼのように
神術を駆使して救い出す」事が目的であるとされ、伯爵の研究によれば、その魔術は
モーゼの遺伝子を受け継ぐ者のみに有効であること、この神術を使える人物は、日本人の
中にいる可能性が最も高いとされていました。

伯爵によれば、「第二のモーゼ書」では、モーゼは「黒い神」に契約を与え、有名な「十戒」は何と、
最初にモーゼが黒い神に与えた戒律であり、
それは、

①汝は私において他に主人を持ってはならない。
そうすれば、我々は汝を唯一の神として崇める。

②汝は常に私と共にいなければならない。我々が汝の像を作らなくてもいいように。

③汝はみだりに現れてはならない。我々が汝の名をみだりに唱えなくてもいいように。

④月と太陽の定めにより、汝は7、14、19、21、28の日に奉仕してはならない。
我々もその日、安息できるように。

⑤汝は以上の契約を守り、我々を約束の地へと導かなければならない。
その日まで、私は汝を封印する。

というものであったのが変えられ、神から人間に与えられた契約という事になったという
事です。

そして、「なぜ、日本人の中から、モーゼの遺伝子を受けた、神術を駆使出来る
人間が現れる可能性が最も高い」という結論に至ったかという事について、
このように書かれています。

……………………

ノアやモーゼなど、「旧約聖書」において「招喚神術」を駆使する超人は、「神人」という
古い種族の末裔であった。
彼らを「招喚神術師」になさしめたのは、彼ら自身の能力もさる事ながら、彼らの遺伝子に
組み込まれた、「黒い神の種」だったのである。

この「黒い神の種」なくしては、「神人」という種族が伝承してきた秘法を修得する事が
出来ないのだ。

モーゼは、(白い面の)神が、人類を滅ぼす方向に動き始めた事を熟知していた。
彼は自ら(黒い面の)神を支配する事によって、人類を「契約の地」へと導いてしまおうと
したのだが、さすがに時期尚早で、果す事が出来なかった。

そこで、彼自身の子孫に宛てた、「人類破滅防止マニュアル」として、「招喚神術」の呪法を
記した、「第六と第七のモーゼ書」を残したのである。
人類の未来を、「黒い神の種」を受けた、「モーゼの遺伝子」を持つ者に託したのだ。

今人類は、絶滅の危機に立たされている。
今こそ、「モーゼの遺伝子」を持つ者に、立ち上がってもらわなければならない。

では、「モーゼの遺伝子」を持つ者は、どこにいるのだろうか?

モーゼの末裔であるから、当然ユダヤ人という事になるはずなのだが、現実には様々な
問題がある。

そもそも、紀元前十世紀に、古代イスラエル王国が南北に分裂した後、イスラエル十支族が
行方不明になるなど、その末裔を辿るのは不可能に近い。

仮に、「モーゼの遺伝子」を持つユダヤ人が見つかったとしても、その人物が敬虔な
ユダヤ教であればあるほど、機能する可能性は低くなる。
「白聖書」の熱心な読者に、「モーゼ書」を読ませる事が出来るだろうか?
可能性はゼロに等しいだろう。

筆者個人としては、日本人の中に、「モーゼの遺伝子」を持つ者がいて、真の救世主として
立ち上がるのではないかと考えている。

と言うのも、古代日本文化と、古代ユダヤ文化は、何らかの交流があったとしか思えないほど
酷似しているし、前述の行方不明になったイスラエル十支族が、日本に到達したとの伝説も
ある。
「モーゼの遺伝子」が、日本に運ばれてきた可能性は、充分にあるのだ。

聞く所によると、日本の古代神道には、神を巫女に依り憑かせる「神魂法」なる呪法が
あったという。

神を依り憑かせる「神魂法」と、神を呼び出す「招喚神術」の共通性は明らかであり、
日本人が「神人」の末裔である可能性は、ますます高まるのである。

…………………………………………

伯爵の本では、護符は同じでありながら、一般的な「モーゼの第六・第七の書」とは、
呪文や用途が異なっています。

例えば、こちらの護符は、一般的な本の中では、この護符を持ち、呪文を唱える事で、
人々に大いに愛され、賛同され、全ての敵を打ち砕くことが出来るとありますが、
伯爵の本では、この護符による、召喚と退去の呪文が書いているのみです。




(召喚のパスワードとコマンド)

「アラエル・ザカラエル・ガブリエル・ラファエル・テオスカ・ヘモホン・イハエル・
トヴァヘル・コノハン・シヴァロ・サモハイル・ゾヴァヌス・ハホヴェル」

(口上)

「汝の使い手にして、汝の下僕たる我は、汝を召喚する。
汝、水と、火と、空気と、地による者よ。
すべての聖なる者よ。
出でて、わが呼びかけに応じよ。」


(追放のパスワードとコマンド)

「ハホヴェル・ゾヴァヌス・サモハイル・シヴァロ・コノハン・トヴァヘル・
イハエル・ヘモハン・テオスカ・ラファエル・ガブリエル・ザカラエル・アラエル」



伯爵の本ではなく、一般的な「モーゼの第六・第七の書」の中では、このような魔術も
あります。

【アロンの者たちによって書かれた、アロンが造物主に語った言葉。

「サダイ・ハイロケ・ロエズ・エラキィ・キトニジ・ハジハヤ・エイニモエセイ・
アッキダサバーニ・フアドネミ・エヤ・ヘイバ・ヴェア・ヴェハ・オヤハ・エイエ・オイエ・
ハ・ヒャ・ハヤ・ザヒャ・ハヒャハ・エイエイ・ヤイア・エル・エベヘル・ヴァ・ヴァ・ヴァ」

彼らを聖にして、高徳ならしむるためのこれらの名をよく保つように助言された。
而(しか)して汝は、造物主に請うものを得るであろう。】


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