ドイツの島の鉄道紀行

ドイツ北西の北海沿岸に小さな島が並んでいる。そのうち三つの島に港と町を結ぶ玩具のような鉄道が今も走っている。

ドイツの小さな島の鉄道を もっと知りたい方に

2005年12月08日 | Weblog
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http://blog.goo.ne.jp/ume762mm/e/b520a3ab7f2f230d41df14f510fe654d

ご紹介したのは昨年(2004)6月末から7月にかけての旅行記です。
正式にはドイツ、ニーダーザクセン州東フリージア諸島(Ostfriesische Inseln)にある三つの島です。

 一番悩んだのが交通手段です。ボルクム島(Borkum)だけは最寄港まで鉄道(DB)があって問題ありませんが、ヴァンガーオーゲ島(Wangerooge)とランゲオーク島(Langeoog)の最寄港へは路線バスしかなく回数も多くありません。車で来る人が大半で港には大きな駐車場があり車を置いて船に乗り換えるのが一般的なようです。
 私たちはボルクム島の最寄都市エムデン(Emden)までDBの急行列車で行き、フェリーの出るエムデン・ハーフェン(Emden Hafen)までDBの支線を利用しました。(わずか7分ほどです)
 ボルクム島を往復した後、エムデンでレンタカーを借りました。このレンタカー(ハーツレンタ)は日本から予約できます。エムデンからヴァンガーオーゲ島の最寄港まで70km、ランゲオーク島の最寄港まで50kmです。

 次に悩んだのが各島の宿泊事情です。ホテルもペンションもインターネットで予約できますが一週間単位の受付です。本土ならいざとなれば車の中での夜明かしも可能ですが、島ではそれもできません。おまけに自然保護区につきキャンプ、野宿禁止です。
 いざとなれば一週間分の宿泊料を払えば泊めてくれるだろうと覚悟して臨んだのですが、案内所はあっさりとホテル一泊の紹介をしてくれました。各島ともB&B風ホテルから三ツ星程度までで超豪華ホテルはありません。

http://www.japan-art-design.de/ostfriesland/inseln/index.htm
オストフリージア諸島の日本語観光ガイドです

http://www.inselbahn.de/index.php?nav=1000001
ご紹介した島を含めドイツの島鉄道すべてを紹介しています。(ドイツ語)


 

島を去る日は雨

2005年12月08日 | Weblog

 翌日は朝から雨です。ホームも濡れています。
島めぐりもいよいよ終わりです。私たちもこの列車で帰ります。



雨の中を港へ向かいます。今日はは止みそうにありません。



ここは北の海、雨の連絡船、哀愁が漂ってきます。



荷物の積み込みが終われば出航です。30分ほどで本土に着きます。



 本土側の港にとめておいたレンタカーでエムデンへ戻りました。
3日前と同じホテルに泊ります。写真はこの街で一番立派な建物です。



 フランクフルト空港へ向かいます。途中ケルンでICEに乗り換えました。

街の駅へ到着

2005年12月08日 | Weblog

 列車が街の駅に到着しました。ここから街の中心部まで10分ほどです。

 

 この島の駅もなかなか立派です。ここから並木道を進むと市街地に入ります。




 島の中心にはレストランが並んでいます。駅で紹介されたホテルもこの一角にありました。



 まんなかの三角屋根の建物がホテルで、一階はレストランです。
私たちの部屋は二階の向かって左半分、広いテラスがついていました。



夕方、線路沿いを歩いていたら娘さんが散歩中でした。
ウマをつれて散歩するなんて、ドイツらしいですね。




 ホテルの朝食です。豪華ではありませんが充実していました。
ドイツはどこのホテルでもハム、ソーセージの種類が豊富です。
 

ランゲオーク島へ到着

2005年12月08日 | Weblog
三番目の島ランゲオーク島



ランゲオーク島情報(日本語)
http://www.japan-art-design.de/ostfriesland/inseln/langeoog2.htm

 三番目の島ランゲオーク島(Langeoog)へ向かいました。
ハーレズィール(Harlesiel)の港から再びレンタカーです。
レンタカーを2日も港に駐車しておくのは何とももったいないことです。
渡航口ベンザーズィール(Bensersiel)までわずか30分しかかかりません。
ここでまたレンタカーを2日間駐車しておくのです。



 30分の船旅でいよいよランゲオーク島へ上陸です。



 ここでも列車に乗り換え街へ向かいます。
7月というのに皆寒そうな格好をしています。



 この島も自動車の乗り入れはできません。
フェリーのように見えますが、運ぶのは貨物コンテナだけです。



 港駅の全景です。大きなウッドブリッジが横切っています。
駅の周囲には何もありません。



 ウッドブリッジをそばで見るとなかなかサマになっています。
自転車のおじさんが見下ろしています。




 発車しました。街まで約10分です。



 広い広い草原を行きます。小さな島とはとても思えません。
草むらを掻き分けるようにして進みます。



 鉄道線路に沿って港から街までサイクリングコースになっています。
ところどころにおしゃれなレストランがあります。
ビールを飲みながら列車がやってくるのを待ちました。
実はさっきまで雨が降っていて雨宿りしていたのです。


ヴァンガーオーゲともそろそろお別れ

2005年12月08日 | Weblog

 島を離れる人たちが駅に集まり始めました。
列車はもうホームに横付けになっています。



 スコッチテリアらしき黒いワンちゃんは客車のお客様です。



 シェパードは荷物車です。ルールがあるのでしょうか。



 よく見るとシベリアンハスキーも乗っていました。



 港へ向かう列車が草原の中を進みます。
今はこんなに晴れていても、島の天気は変わりやすいので‥‥



 突然降り出した雨もあっという間に上がりました。
まだ地面は濡れています。客車を降りて船へ向かいます。
先頭にいた機関車と貨車は桟橋の方へ行ってしまいました。



 船上から見た桟橋風景です。貨物の積替えもほぼ終りました。
間もなく本土のハーレズィールへ向けて出航です。

草原の鉄道

2005年12月08日 | Weblog

 ヴァンガーオーゲ駅の構内です。
機関車が2両見えます。貨車の入れ替え作業をしているところです。



 列車が港へ向かいます。レールはもう草原状態です。
町外れのリゾートハウスの横を進みます。



 小さな島とは思えない広大な草原です。
柔らかい草が密生し寝転びたくなりますが、踏み込み禁止です。
遠くで野ウサギが跳ねるのが見えました。



 干潟をバックに列車が進みます。はるか先に港が見えています。
干潟の湾に沿って進み、やがて船の待つ港に達します。



 目の前を通り過ぎた列車が遠ざかっていきます。
100年ほど前に島全体が水没するという大水害がありました。
そのときは向こうに見える塔の三階あたりまで水没したようです。
水没した塔の絵葉書があったので勝手に推測しました。
ガイドなしの個人旅行のつらいところです。

ヴァンガーオーゲの街

2005年12月08日 | Weblog

 小さな島の小さな鉄道ですが、駅は堂々としたものです。
駅に着いて最初にすることは、案内所でホテルを紹介してもらうことです。
それともう一つ、観光カードを買わねばなりません。
このカードを見せないとホテルで泊めてくれません。



 駅前通りを少し行くと古い機関車がありました。



 10分ほど歩くと街の中心です。このあたりが一番の繁華街です。
自動車はいないはずなのに歩行者道路の標識が出ています。
荷物を運ぶバッテリーカーが少しあるからです。



 ホテルはすぐに見つかりました。私たちにとってはかなりの高級ホテルです。
ツインルーム二人使用(朝食つき)で102ユーロとはちょっと高めでした。



 ロビーにかくれんぼをしているお人形がいました。
実物大の人形が子供の洋服を着せてもらっています。
どんな顔をしているのかと覗いてみたら、顔がノッペラボーでした、ドキッ



 ホテルの部屋から見た街並みです。
自動車がまったくいないと、街はこんなにもすっきりします。
左端にチラッと見えるのが北海です。



 海水浴場です。北風を避けるレンタルチェアが並んでいます。
泳いでいる人の姿はありません。運がよいとアザラシに会える海岸だそうです。

ヴァンガーオーゲ島上陸

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 ハーレズィール(Harlesiel)の港です。ここからヴァンガーオーゲ島へ渡ります。
エムデンからレンタカーで1時間半のドライブでした。
一日数回のバスを乗り継いで行くのは到底無理、結局レンタカーにしました。
船はDB(民営化された旧ドイツ国鉄)の運行する連絡船です。

二番目の島 ヴァンガーオーゲ島



ヴァンガーオーゲ島情報(日本語)
http://www.japan-art-design.de/ostfriesland/inseln/wangerooge2.htm

 ヴァンガーオーゲ(Wangerooge)島の港です。船便は極めて不規則で不便です。
水深が浅いので潮の干満によって毎日出航時刻が変わります。
昨日、午前中の2便だけだったのが、今日は朝夕で4便だったりします。
乗ってしまえばわずか30分、目と鼻の先です。
海の向こうに見えているのが本土です。




 ボルクム島より小さく細長い島です。ここは自動車を完全に締め出しています。
島の中心へ行くには鉄道しかありません。全員この列車に乗ります。
 


 生活必需品もコンテナに詰めて貨車で運びます。
コンテナを一つずつクレーンで積み替えています。 



 臨海学校の貸切列車が先に発車しました。



 しばらくして本土へ戻る人を乗せた列車が到着しました。
入れ違いに私たちの列車が発車します。
広大な草原の一部が見えます。立ち入りは厳禁です。
列車の右側は海です。嵐の日は一面の海になります。
さながら海の中を進む列車になるそうです。



 島の中心の駅に到着しました。わずか15分の鉄道の旅です。
この島にも街は一つしかありません。

蒸気機関車は人気者

2005年12月08日 | Weblog

港に到着しました。ドイツでもSL列車は大人気です。
みんなフェリーに乗る前に記念写真を撮っています。



 ちっちゃく見える機関車ですが、そばへ寄るとこんなに大きいのです。
パパに抱っこされた赤ちゃんがびっくりしています。



 お客さんを降ろした列車が街へ帰っていきます。客車はどれも空っぽです。
ボルクム島とボルクム鉄道のご案内はこれで終わりです。
私たちもフェリーで本土へ戻ります。



 本土側の港町エムデン(Emden)へ戻ったら、今度はホテル探しです。
観光案内所がなく、重い荷物を持ったまま徒歩で探すしかありません。
三軒目でようやく部屋が見つかりました。
1階がレストランになっていてなかなか良いホテルです。角の建物です。



 エムデンは地球の歩き方にも載っていませんが、風情のある港町です。
中世ハンザ同盟都市の一つだと聞きましたが定かではありません。
明日は二つ目の小さな島、ヴァンガーオーゲ島を目指します。

ボルクムを去る時が

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 ボルクムを去るときが近づいてきました。
駅にはもう大勢の人が集まっています。



 客車を先頭に港行きの列車が入ってきました。



 今度の列車はSLなので客車も荷物車もクラシックなタイプです。
横にベンツのタクシーがいます。島の端まで行っても20分ほどです。
これで商売になるのか他人事ながら心配してしまいます。


 

 まもなく出発時刻。古典客車に乗り込みます。
100年以上も前の車両ですがピッカピカです。



 客車の中もピッカピカです。
シートは板張りで乗り心地は良くなさそうです。



 客車のデッキは大人気です。風に吹かれて走るのです。
まだちょっと寒いかもしれません。 

ボルクムのSL列車

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 蒸気機関車がやってきました。住宅街を通り抜け、港へと向かいます。
平らな島で上り坂がないので煙をあまり出しません。



 一時間ほどで戻ってきました。機関車が後ろ向きになっています。
ボール遊びをしていた女の子も手を休めて見ています。
列車がゆっくり通り過ぎていきます。



 駅へ戻る途中で犬の散歩に出会いました。
このあたりでは犬の散歩をリヤカーでするようです。



 2頭立ての馬車もいました。



 駅の近くに立派なバスターミナルがありました。
バスで港へ向かう人もいるようです。回数は多くありません。
この人たちは団体さんのようです。横を列車が通り過ぎます。



 またリヤカーに乗った犬が現れました。
さっきと同じ黒い犬ですが、よく見るとおじさんが違うようです。
散歩に飽きたのか、ワンちゃん大あくびです。



 犬がリヤカーなら、子供を運ぶのはカートです。

レールバスがいた

2005年12月08日 | Weblog

 夕食後の散歩がてらに車庫をのぞいてみました。 
車庫のシャッターは下りていましたがその前にレールバスがいました。
これを見るのもお目当ての一つだったのです。
夏の間週一回走りますが、残念ながら明日も走らないそうです。



 レールバスを正面から見るとこんな顔をしています。



 日本にも昔こんな鉄道車両がいました。
今から50年ほども前に新潟県を走っていた単端式気動車です。



 翌朝車庫をのぞいてみたら、蒸気機関車がいました。
毎週水曜日には蒸気機関車が走るのです。



 蒸気機関車が出てきました。客車も古くて小型のものです。



 蒸気機関車を追うようにレールバスも動き始めました。
今日はこれも走るのかと期待しましたが、別の車庫へ移っただけでした、残念。

ボルクムはこんな島

2005年12月08日 | Weblog

 駅前の案内所で安いホテルをと言って紹介してもらいました。
駅からちょっと遠かったけれどB&Bのようで清潔なホテルでした。
ツイン(二人利用)で90ユーロ。もちろん朝食つきです。



 今晩の宿が決まって一安心。海岸へ行ってみました。
ゆったりとした遊歩道に沿って高級そうなホテルが並んでいます。
東欧諸国のホテルのようでクールな感じがします。



 ホテルの前には広大な砂浜が広がっています。
北風を避けるための小屋がたくさん並んでいます。
せっかく海辺に来ても海に背をむけての日光浴です。
北海やバルト海沿岸はどこもこんな風です、多くは知りませんが。
本当のお金持ちは南フランスやイタリアへ行くそうです。



 駅へ戻ったら、夕方のフェリーで帰る人でいっぱいでした。
黄色い荷物車に赤ちゃんごとベビーカーが積まれようとしています。
赤ちゃんはお荷物だからでしょうか。



 港へ向かう汽車が発車しました。荷物車には赤ちゃんのベビーカーが。



 おなかが空いたのでレストランを探して街を歩きます。
ここが島のメインストリートです。街は島に一つしかありません。
さっきまで賑やかだった通りがすっかり静かになりました。




ドイツの島の小さな鉄道

2005年12月08日 | Weblog


 ドイツのオランダ国境に近い北海沿岸に小さな島が並んでいます。
どの島も一日あれば歩いて一周できるというホントに小さな島ばかりです。
そのうち三つの島に港と街を結ぶ鉄道が走っています。
長さはほんの数キロ、所要時間はどれも10分か15分です。
                 
まずボルクム島へ


ボルクム島情報(日本語)
http://www.japan-art-design.de/ostfriesland/inseln/borkum2.htm


 中でも一番大きな島がボルクム(Borkum)島です。
長径6キロほどの楕円形で大波が来たら沈んでしまいそうな平らな島です。
ドイツ本土のエムデン(Emden)という町からフェリーで片道2時間です。
島の港ではカラフルな列車が待ち受けています。



 フェリーを降りた人のほとんどがこの列車で街へ向かいます。
一度に1200人も上陸するので、バスでは運びきれません。
島にはマイカーで渡ることもできますが、
狭い島でドライブするところがありません。



 10分ほど汽車に揺られると街並みが見えてきました。
とても離島とは思えないおしゃれな家並みです。
大きく右に曲がるとまもなくボルクム島唯一の街の駅です。



 街の駅に着きました、みんな大きな荷物を持っています。
この島へ来る人は最低一週間はのんびり滞在します。
夏のシーズンに入りましたが、まだ海水浴にはちょっと寒そうです。



 ボルクムにはおしゃれなカートがあります。
大きな荷物も赤ちゃんもこれで運びます。
まずホテルへ荷物を運んで、そのあともカートが大活躍です。
オット、私たちも今晩のホテルを探さなくっちゃ。