〈私〉はどこにいるか?

私たちは宇宙にいる――それこそがほんとうの「リアル」のはずである。この世界には意味も秩序も希望もあるのだ。

コスモロジーセラピーについて――宮台真司氏の過去の言説批判をたたき台にして(1)

2017-12-25 | サングラハ教育・心理研究所関係
 現在行われている、サングラハ教育・心理研究所の岡野守也先生による東京講座「コスモロジーセラピー」は、定番の現代科学的コスモロジーを中心としたセラピー講座だが、先に触れたように、特に集団レベルでの自信に関してバージョンアップされた講座とのことであり、非常に重要だと思われる。  そこで、先日の第三回講座の聴講によるメモを加筆したものを紹介のため掲載していきたい。  なお、これも講座受講者の筆者がど . . . 本文を読む

講座「『摂大乗論』全講義」第三回目 その3

2017-12-22 | サングラハ教育・心理研究所関係
 要は目標として何を目指すか、自分個人の救いなのか、そうではなく自分を含む一切衆生の救済なのか。そこが全く違うのだとアサンガは主張しているのである。  仏教に共通する瞑想技法としての禅定とは、確かに個人の救いの技法でもあるが、本来自己と世界をよりよくすることを目指す菩薩の修業なのだという文脈で岡野先生は解説していた。  確かにテキストを素直に読む限り、それが著者・アサンガの真意であることは間違 . . . 本文を読む

講座「『摂大乗論』全講義」第三回目 その2

2017-12-20 | サングラハ教育・心理研究所関係
 このアサンガ著「摂大乗論」をはじめとする唯識の洞察とは、ブッダ以来数百年にわたる思想的発展であるとのことで、その時間の長さに驚かされる。  今回の意=マナスの個所で、アサンガは阿含経典の言葉も引用しており、経典がブッダの言葉を反映しているのだとすれば、ブッダも同じ事実を見ていたことになるのだろう。  しかし思想としては原始仏教の段階では明確になっておらず、岡野先生によればこの点で世界思想史上の画 . . . 本文を読む

講座「『摂大乗論』全講義」第三回目 その1

2017-12-18 | サングラハ教育・心理研究所関係
12/17日曜日開催の岡野守也先生の『摂大乗論』講座について、復習を兼ねてシェアリングのためご報告したい。  年末とあって受講者に欠席が多かったのは残念だあったが、きわめて充実した内容であったと感じた。講師はいつものように謙虚に語っておられるが、こうした仏教講座はまず他にないのではないかと思う。  言うまでもないが、こう書いている筆者は、聞いたことのメモをもとに書いているだけで、全くその境地にあ . . . 本文を読む

ポジティブシンキングとコスモロジー心理学(転載)

2017-12-08 | サングラハ教育・心理研究所関係
 岡野守也氏のブログから以下、転載する。  ポジティヴシンキングというと世間的には若干怪しげだが、しかし多くの人にとって興味津々の分野でもある。私もぜひ使いこなせるようになりたいと思う。それ以上の人生の財産があるだろうか。  その「怪しげ」の部分は、記事にあるように、科学主義化し主客分離が自明と思っている私たちにとって、「潜在意識」だの「波動」だの「引き寄せ」だのの科学的根拠が不明で、要するに . . . 本文を読む

会報『サングラハ』第156号(2017年11月)について(転載)

2017-12-02 | サングラハ教育・心理研究所関係
 サングラハ教育・心理研究所の会報誌『サングラハ』の11月発行分156号が発行されたので、同研究所HPから転載する。  とくに、これまで公式ブログから転載している岡野守也氏の『如来蔵経』の講義録は重要であり、仏教関係者や仏教に興味のある方は当然のこと、神仏儒習合の伝統の流れにある現代の私たちにもぜひ共有されるようになってほしい内容である。人間という存在は、どれほど汚く愚かに見えようと、可能性として . . . 本文を読む