同じものを購入

　先日、買い物に出掛け書籍店の平積み文庫をみて、「志水辰夫」の「男坂」を購入する。内容ではなく作者に注目して買ってしまった。発行が今年の２月、新刊本だろうと勘違い。読み進む内に以前に読んだ覚えがある短編集。本のタイトルを忘れてしまうようでは先が思いやられる。
　彼の短編小説を読み出すきっかけが「男坂」だった。忘れてしまうものだとつくづく自分の記憶を疑いあきれかえるばかりだ。
その後「裂けて海峡」など彼の短編を捜しては購入して読んだ。２年にもならない前だ。それなのに忘れる。アルテューハイマー症候群だ。
彼の作品はどれも余分な説明がない。読んでいて小気味よい。くどい解説を意識的に省いているようだ。最近「青に候」が出版されたらしい。彼は数年前一旦筆を折ると宣言したように記憶する。それが今度は時代小説として初めて書き上げた作品が「青に候」だ。早速読んでみよう。彼は北海道が拠点で何か通じるものが感じられる。