THE READING JOURNAL

読書日誌と雑文

「生月の星空」

2005-06-11 | Weblog
「日本残酷物語 第三部 鎖国の悲劇」

第一章 禁制をおかす者 かくれきりしたん 生月の星空

長崎県生月町(いきつき)は、かくれキリシタンの島として有名である。
ここは、この地にのこるかくれキリシタンの信仰について書かれている。かくれキリシタンの信仰は、鎖国の間にゆがめられてずいぶんと日本式になっているのがわかる。

「この地が無数のキリシタン殉教者の血で染められ、住民の多くがいまなお『かくれキリシタン』の信仰をもちつづけているということである。」

この地には、殉教地は多いが、中でも有名なのは、ジュワン次郎右衛門の殉教の地「中江ノ島」がある。この地は、特別な意味をもっている。

「中江ノ島につたわるキリシタンの信仰は、その人々にとって古来の金毘羅信仰とか わりのない役割をもっている。この島の、ふだんは水のではい岩のはざまを前にしてオラショをとなえると、ふしぎに水がしたたり落ちはじめる。それを聖水と して瓶にうけ、年中保管して吉凶禍福のたびに用いるのである。」

この地では、キリシタンを「門人(モンジャ)」といい、非キリシタンの禅宗の人を「勝蔵(カッツウ)」と呼ぶ、このような呼び名があるということは、少なくとも島の内輪ではキリシタンがそれほど隠された存在でなかったことを物語る。
ここでは、キリスト教の神を「納戸神」として密かに祭っていた。また、納戸神(隠神)に対して外神として大きな仏壇と神棚があるそうだ。その外神は偽装目的としてはあまりにも大きく豪華なものだある。推定とことわって筆者は

「キリシタン信仰が日本では正統的な信仰でないことをどこか心のすみで案じる気持ちがあって、このような形でキリシタンと神道や仏教との和解をはかる努力がなされている面もあるのではなかろうか。」

と言っている。複雑な心境を物語るものである。
この節の最後は、生月の地でのレポートである。時期は出版直前の昭和34~35年であるようだ。それによると生月の地に生きている隠れキリシタンの信仰 が、いかにヒッソリしたもので、かついかに日本の村の構造に密着したものかわかる。このような信仰は、今ではどのようになっているのだろうか? 

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'A Thousand Roads' : Exploring the Lives of Native Peoples
Voice of America Special English 10 June 2005

今日は3つの記事がある。

はじめは、最新の映画'A Thousand Roads'の紹介!
アメリカのインディアンの生活を描いた映画であり、デジタル映画としては、初の一般映画であると書いてある。・・・と思う。

次の記事は、アルゼンチンのリスナーからの手紙、「アメリカでは食の安全をどのようにまもっているのですか?」に答えて、'The Food and Drug Administration'の活動を紹介。

3つ目は、ソール歌手のAl Green's のニューアルバム "Everything's OK!"について!
曲付で紹介。

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