横浜アートLIVE2006では、3月18・19日に横浜・関内ホール大ホールで、アートLIVE10周年特別企画として『ど破天港一代~高島嘉右衛門 伝説の男が現代に贈るもの~』を上演した。写真は1月末に撮影した、この芝居のけいこ風景。
この作品は、高島易断の創始者として有名な高島嘉右衛門を描いたもの。嘉右衛門は単なる占い師ではなく、開港直後の横浜で活躍した実業家で、鉄道、ガス灯などの事業創設に貢献し、また伊藤博文はじめ政財界の有力者とも交友があった。開港直後、金貨の密輸の罪で投獄されたことも、その一生に影響している。こういう人物を主人公に、「横浜を元気づけられるような芝居をつくろう」とアートLIVEにかかわる横浜の演劇人が企画、作・演出は、東京の素劇舎を拠点に活動している花輪充さんにゆだねられた。
この芝居を見て、1月に川崎で見た『多摩川に虹をかけた男-田中兵庫物語-』を思い出した。こちらも地域の偉人を題材にした劇で、川崎の演劇人が発案、地元の劇作家が書き下ろした。
どちらも主人公の、人間関係や、勝負の時の葛藤など、人間くさいところをていねいに描いて、見せ場にしている。しかし、それだけでは、企画に期待して見に来るような、地元の観客は満足させられない。主人公が当時のまちや後生の人々に貢献するために、どんな努力や苦労をしたのか、ということをきちんと見せてくれなければ。ただ、そういうエピソードは、場面としては面白くなりにくい、という事情もあったかもしれない。それでも「地元の偉人のドラマ」を期待してくる観客にこたえる努力を、もう少ししてもいいのでは、と感じた。
この作品は、高島易断の創始者として有名な高島嘉右衛門を描いたもの。嘉右衛門は単なる占い師ではなく、開港直後の横浜で活躍した実業家で、鉄道、ガス灯などの事業創設に貢献し、また伊藤博文はじめ政財界の有力者とも交友があった。開港直後、金貨の密輸の罪で投獄されたことも、その一生に影響している。こういう人物を主人公に、「横浜を元気づけられるような芝居をつくろう」とアートLIVEにかかわる横浜の演劇人が企画、作・演出は、東京の素劇舎を拠点に活動している花輪充さんにゆだねられた。
この芝居を見て、1月に川崎で見た『多摩川に虹をかけた男-田中兵庫物語-』を思い出した。こちらも地域の偉人を題材にした劇で、川崎の演劇人が発案、地元の劇作家が書き下ろした。
どちらも主人公の、人間関係や、勝負の時の葛藤など、人間くさいところをていねいに描いて、見せ場にしている。しかし、それだけでは、企画に期待して見に来るような、地元の観客は満足させられない。主人公が当時のまちや後生の人々に貢献するために、どんな努力や苦労をしたのか、ということをきちんと見せてくれなければ。ただ、そういうエピソードは、場面としては面白くなりにくい、という事情もあったかもしれない。それでも「地元の偉人のドラマ」を期待してくる観客にこたえる努力を、もう少ししてもいいのでは、と感じた。