星空☆Casting

釣れるものはみんな釣りたい。
夜の海で一人
ひたすら同じ事を繰り返す快感。
さあ、ご一緒に。

2014年のアオリイカ

2014-11-13 01:13:50 | アオリイカ

お久しぶりです。

えーと激渋Rocker!さ~ん!遠くに行ってしまったりしてませんよぉ。

相変わらずその辺うろうろしてるだけですから。ご心配かけてごめんなさいね。

 

とw

さて。

 

どうなる事かと思った。

などと、前回の記事と同じ書き出しになってしまう今年の越前海岸。秋アオリ。

9月になったらアオリイカの記事をいくつか書いて~そのまま冬メバルになだれ込んで~

そんな甘い算段だったのですが、しかし。なんなんでしょうね、あれ。

 

ま~釣れません。

 

9月新子のdayエギング。

その時期のホームに通いますが、いつもならエギの周囲にわらわらと着いてくるちびっこデビルのような仔アオリが全くいません。

んじゃぁ夜なのかと入った9月某日には20時から開始して朝6時まで、足下で乗った8cmひとつのみ。

波も風もなく、潮流も適当に効いていてベイトだっている。そんな中での前代未聞の貧果。

途中から、これはもうどこまでだめなのか見届けてやろうとM的な釣りをやり切って、迎えた朝日はむしろ清々しくさえありましたね。

 

であれば致し方あるまい...と、まだいつもなら早いんですが「岩壁」を登り、以後も登り続けますがボウズ逃れがやっと。

とうとうイカの人であるtomくんに泣きつき沖のパラダイスに連れて行ってもらいました。さすがにここならいけるだろうと。

 

海の状態は悪くありません。でも...。ラインを通して感じる海中の様子になにかいやな雰囲気がありました。森閑...とでも言いましょうか。

そしてすぐにtomくんも同じ事を感じたらしくこうつぶやくんです。

「なんかいやな予感がしますねぇ」

「うん、するするw」

そしてその通り。5時間しゃくって2人それぞれ17cmのヒヨッコをひとつずつと撃沈。ここまで来たと言うのに...。

 

つ「渋いとかじゃないね。居ないんだこれは。」

ト「そうっしょうねぇ」

 

おのれに言い聞かせるように、お互いを慰めあうように、そんな事を言い合いましたw

 

いよいよこれはまずいです。どうなっているのか越前海岸。

秋エギング十数年の歴史の中で、間違いなくワースト1なシーズンでした。

しかしそのころからある傾向が見えて来ました。

 

一部、釣っている人もいるにはいるんです。そのスタイルはシャロー小場所RunGun。

そして、エキスパートほどホゲちゃってます。そのスタイルは遠いdeepの底でどすん。

間詰め重視の前者。潮流重視の後者。

そう。潮。なにか潮流がおかしいんですよね。ことごとく逆なんです。

それがなぜなのかは分からないんですがとにかく逆潮なんです。いつ行っても。

例えば、「いつもの潮」であれば必ず着く岩陰。

潮が逆であればそこは着き場ではなくなってしまいます。

例えば、明暗のエッジ。

明部から暗部に向かういつもの潮であれば暗部のエッジに定位するイカが、逆であるとそこに定位できません。

 

「どこを釣れば良いのだ?」

まるで聖帝サウザーに対峙するケンシロウの気分でしたねw

 

しかし通い続けます。行かなきゃ釣れません。

まぁ岩壁に登り続けましたよ。そのうちいい日も来るだろうと。願いを込めて。

 

そしてある日。

 

その日の岩壁の向こうは完全な止り潮。沖に漁り火はなく空には天体もなく、海は凪ぎ切りくっきりとした明暗。

 

これは...あるいは...。

 

高い足場から明暗の影を狙って沈めたEGIMARU。弱気の3号。

水中にクサビのように差し込む暗部にそれを差し込み、ひとシャクリ。

それに呼応するようにコツンとイカパンチ。合わせますが乗らず、その動作のまままたひとシャクリ。

入ってますよぉとでも言うような間髪入れぬタイミングでまたコツンとパンチが返り、しかしそれもまた乗りません。

ややラインを出してそのまま沈めて、ショートピッチでぱぱんと2発。そっとラインを張るとわずかな間を持ってみしいぃと重さが乗ってくれました。

エギは20m沖ですが10mdeepほぼ底にあって、さらに足場は3mあるのでラインの角度はかなりバーチカルな感じです。

どうんどうんどうんと、なにか大きな動物の心臓の鼓動の収縮を聞いているようなリフトアップ。

その感触に「ああイカ。これがイカ。充実とはまさにこれの事ぉぉ」とつー汁が滲み出そうになりました。

はぁぁぁ。23cm。

灯りの中にはいくつか、サイズの良いアオリイカが体色を明滅させながら浮いているのが見えました。

これはいけるなと、今期この海で最もイカを釣っているであろうシオゾー君にLINEを入れます。

数は釣っているんですがなかなかサイズが出ない彼と、この場所でいいのが出たら連絡するよと約束していたんです。

「1投目。23出たよ」

「マジっすか!合流してもいいっすか!?」

彼も釣りに出ているらしいんですが、その場所はここから50kmも北なんです。にもかかわらず来るとかw

時々「○○通過しましたー」とLINEが入りますw 

 

おいしいタイミングらしく、アオリイカは次々と乗りました。

シオゾー君が到着するまでの約1時間。なかなかのペースで釣れ続くんです。

ただ...これはあるいは...来た頃には地合い終わりそうな予感...。それも分かりました。

なんて言うか、低調な飲み会の終盤に、なにかで一瞬盛り上がったような活性。そんな気がしました。

そしてそんなのはすぐ消えます。で、その通り。

「つきましたー!」

そんなLINEが入る頃にはすっかり沈黙の海になっちゃってたんです。

「おつかれー。でもなんか地合い終わった感じ...。」

「マジっすか...。」

はい。低調な時間が過ぎます。潮はまたやんわりと逆潮になってきました。

シオゾー君はシャロー小場所RunGunの人なので、このスーパーディープなポイントに戸惑っています。

しかしそのうち、ちらちらと観察しているとなにかその瞬間がわかりました。掴んだ瞬間を。

 

「とりあえず、しゃくったら、待てばいいんだな。」

 

そう言う挙動になったんです。シオゾー君。

 

そう。それ!ディープはそれw

 

あ、大丈夫だ。そう思った途端シオゾー君は掛けます。

抜き上げる段になって「来ました...」とぼそっと声を上げるのは数釣ってる人の特徴です。

よっこらと高い足場を抜いたのは18cm。そして程なくまた18cm。

あっさり掴んじゃいましたね。その間僕は、地合いに関係のないロリイカ2つか3つでしたから。

 

シオゾー君は持ってる人です。僕にはそれが分かります。梅雨メバルで尺ふたつはなかなかあり得ません。それをやったんです。

たかが18cmのアオリイカ2つなんですが、それすら貴重なだめなタイミングだったんです。

でも釣る。釣ったんじゃないんです。釣れるんです。勝手に。

何やらダービーに参加していて、心から25cmを求めてここまで50km走って来たんですけれども、多分彼はやりますよ。

彼の良さは、素直さとその先にある反骨心です。聞き入れて、聞き入れて、しかしそれにはまらず自分の釣りをするその態度です。

釣り師に必要なものを持ってます。その上なお「持って」いる。羨ましいです。

頑張ってね。

 

さて。

そろそろ終盤戦です。本職であるメバルの匂いもしてきました。

その日。なんだか今日は良さそうだな、そんな気がしました。外の空気の匂いが釣れる匂いでした。

りゅうさんからメール。「今日は行かないんすか」。

行きますよ。岩壁登りに行きますよ。しかし仕事が終わらない...。

りゅうさんは先にポイントに入っています。

「いい潮です!」

そんなメールが入りました。りゅうさんはこの場所のメバルの地合いを知っています。

そんな彼が言う良い潮。それは左から右のこの場所の本来の潮です。それが流れている。

メバルとアオリイカは近縁種かと思うくらい釣れる地合いが似ています。

僕がこの時期アオリイカにのめり込むのも、その感覚が近いからなんです。イカが終わって、すぅっとメバルに入って行けるんです。

 

1時間遅れてポイントin。

りゅうさんは20upを含む良型4つを釣ってそこでやめて、

あとはアジングで時間つぶしなどして僕のアオリイカを残しておいてくれました。優しい人です。

 

その気持ちに応えるためには、釣らなければなりません。

本気モードに入りました。僕は人と行くとなかなかそうならないんですが、この日は入る事ができました。

潮は今季初の順潮です。しかも幅の細い、狙い所の明確な素晴らしい潮です。

飛距離を越えるような太い潮は絞りようがないのですが、幅10m程度の細い潮はそのエッジが全てストラクチャーだと思って構いません。

これはメバルも同じ事です。

りゅうさんは地合いが終わったと思ってたようですがこれならまだいけると思いました。

 

狙うのは正面の明暗の影。水面の影ではなくて、クサビ状に差し込んでいる沖の水中の影です。

レンジは5mと読みました。20m沖。潮と灯りの交点。明暗の境界。

そこにエギを届けるためにはこの潮の速さではいくらか計算が必要です。

60°ほど潮上にフルキャスト。時々糸ふけをとりながら20m正面5mレンジにEGIMARUを流し置きに行きます。

ディープのポイントは、如何に立体的に水中を想像できるかに掛かっています。

そしてその想い通りの場所にリグを届ける事。それに尽きます。

 

何度かしくじって数投目。入ったなと思ったら乗っていました。

18cm程度とサイズはないですが、その場所にいるなら思い通りです。連発します。

そしてその通り。

21cm

僕のイカ持ち写真はこれがはじめてです。どれだけ一人で行っていたんかとw

 

EGIMARUを3.5号に上げました。弱気は必要のない海でした。

数投後。

イカパンチ2回をお見舞いされても乗らず、乗れや!と、気合いの入ったしゃくりで、ずしりと23cm。

嬉しそうですね。そう言う釣れ方でした。

この大自然が、思い通りに応えてくれる快感。いや、安心感。

多分結局、人間はそれを求めているんだと思います。いつ、どこで、何をしていようとも。

 

りゅうさんと同じ4杯を釣って釣り座を交換します。

今度は完全な暗部。漏れてくる明かりが水面をぼんやり照らして潮のラインが余計くっきりと見えました。

アップに投げて、正面からが勝負。ややダウンに流れて、エギの頭が潮上を向くタイミングで連発。

 

21時にりゅうさんは終了。

お疲れ様でした。ありがとうございました。

 

その後1:00まで。ぱたぱたとした地合いをいくつか重ねて計18杯。

今期としては良い日でした。

でも考えてみれば6時間で20up4つのみの18杯。平均20分で1杯。23cm止まり。

これで良いと感じてしまう2014年のアオリイカ。

 

その後数回しゃくるもまたしてもことごとく逆潮で、これはなにを意味するのか。

釈然としないままシーズンは終わりました。

 

そして続く本職のシーズンに、なにか不安が頭をもたげるのでした。

 

TACKLE DATA 

ROD/BREADEN SPECIMEN 85deep

REEL/ DAIWA CERTATE2506H

LINE/VARIVAS Avani Eging MAX POWER0.8号

LEADER/YGK 海藻ハリス3号

EGI/BREADEN EGIMARU3号,3.5号freefall

SNAP/BREADEN SNAP 隣のアイツM

 

ところで。

今年も出ました「ロックフィッシュ地獄X」。10周年だそうで。おめでとうございます。

今回も出させて頂きました。お題は「梅雨メバルの変遷」

またまた文字数が多すぎて写真が小さいですねw

今回は去年と違って取材日もない自撮り自書きのお気楽パターン。かと思いきや...。

釣れてるならお気楽なんですが、なかなかしんどかった2014梅雨メバルでしたね。

その中で僕が感じた梅雨メバルの着き場の変遷について書かせて頂きました。

翻弄された感が強かった梅雨メバルですが、

最後に、たっつんさん&りゅうさんが企画してくれた「越前世紀末ワンナイトバトル」で出したお魚のおかげで締める事ができたシーズンでした。

ありがとうございました。またやりましょうね!

そして健太郎さん、りゅうさん。わざわざお呼び立てしてのニコパチ写真、本当にありがとうございました。

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暗く賑やかな海

2013-11-01 12:56:43 | アオリイカ

2013/10/25/0:00

ポイントの駐車場に車を入れるが土砂降りである。

しばらく待とうがどうしようが、結局雨の中での釣りになる事は分かっているのだが何となく車を降りるのがいやで雨が弱まるのを待った。

フロントガラスを叩く雨脚がやや弱まったのを見計らい、さてと、と車から出てポイントに向かう。

 

海は暗かった。

空は厚い雨雲に覆われ沖には漁り火がひとつもない。

月がない事は特別な事ではないが、べた凪にもかかわらず漁り火がないのはあまりある事ではない。

そしてこの事がこのポイントの長所を際立たせていた。

明と暗である。

サーチライトのように沖に向けられた灯りが、足下の磯や堤防に遮られる部分にくっきりとした影を落とし明暗を作っている。

明部は沖に細く通路のように伸びる。その通路の中で何かの小魚がぴぴっと跳ねるのが見えた。

暗部の沖に目を向けるとそこは完全な闇である。

どこまでが海でどこからが空なのか全く区別がつかない。空間の奥行きも何も見えない真に深い闇である。

 

雨はまた強く降り出し平坦な水面を煙らせる。聞こえるのはただその雨音だけだった。

潮は全く流れておらず、足下の暗部では何か光る生物が大量に明滅している。

 

明暗という長所。潮が流れていないという短所。

そんな状況でアオリイカはどう出るのか。考えながら軽く一投目を放る。

 

中層やや上まで沈ませパンッ!とひとシャクリ。

そっとあたりをとる位置にティップを戻すと、その段階でもう既に微妙な重みが乗っていた。

どん!

その位置にこのアオリイカがいた意味が分かった。

それを意識して2投目。同じ距離。同じ深さ。小さくひとつしゃくりテンションフォール。

すぐにそのテンションがふっと抜ける。

どん!

なるほどなぁ。

 

足下の磯場の高さは1m。その影が沖に10m程伸びる。

当然影はその位置で終わるのではなく水中にクサビのように差し込んでいく。

沖の水深が10mであればその影は(透明度を考えなければ)100m沖のボトムにまで伸びているはずである。

10%の角度で沖に伸びる影。

30m投げれば10m沖から始まる影のクサビは2mレンジにある。エギがその境を越えて暗部に入って乗って来た2杯。

アオリイカは明暗の暗部に浮かび明部を見ているのである。

 

EGIMARUを4.0号freefallに替えた。カラーは偏愛するゴールド/メタアジ(uv+)。

やや力を込めてキャストする。50mの距離。10%の角度の影のクサビを想像しながらしかるべきレンジまでエギを落とす。

ゆっくりと2回しゃくり、そっとロッドを立ててあたりを聞きにいく。

耳を澄ますまでもなく、じわぁっとティップが入った。これは...はまったな...と思いながらロッドを立てる。

 

どん!

完璧な入れ乗り。サイズは20~23cm。

なかなか得難いイージーな状況。適当にやれば適当に釣れる海だが、こんな時は全てを意識的に行うべきである。

何をどうすればあれがどうなって、それに対して何がどうなるのか。

やることを微妙に変えながら撃ち続けていく。

 

でも結局何でも良かった。そういう海が、たまにある。

 

雨脚が強くなってカメラのレンズに水滴がつく。

雨は強くなったり弱くなったりを繰り返すが、一度も降りやむ事はなかった。

あたりをとるためにロッドを立てれば袖口が上を向く。そこから雨が流れ込みインナーの袖を濡らす。

 

時々、暗部から明部に変わるほんの足下を大きなシーバスが通過して行くのが見えた。

雨に煙る水面を通して、その白い影がぼんやりと浮かび、何か明確な目的を持つ人の足取りで闇の水域に消えていく。

あの手のシーバスは釣れない。昔さんざんあんなのを狙ったが釣れたためしがない。

目的の場所まで移動し、そこに定位して初めて口を使うのである。

 

自然の中の生き物の行動には必ず何か目的があるという事。決していい加減な事はしないという事。

行動のひとつひとつ全てに命がかかっているのである。そういう緊張感の中で暮らしているのである。

魚と人間の最大の違いはそこにある。

であれば我々人間が魚を釣りたいと思うならば、いい加減ではなく、きちんと目的を持って釣りをしなければいけないのである。

その目的と目的がシンクロして初めて納得の魚が手に入る。「意味」が生まれる。

僕なりに真剣に海に向かい、メバルに絞って10年やり続けて分かった事はただひとつ。つまり、そういう事である。

 

1時間程釣りをして、既にク―ラーの中には10いくつかのアオリイカで溢れていた。どれも20を越えている。

遥か沖で蛇行していた滑らかな水面の帯が射程範囲に近付き潮が流れ始める。

これで更に釣れっぷりが加速するかと思えばなぜかそこでぴたりと止んだ。

遠くの底でソフトにソフトにいくつか乗せるが明らかにアオリイカのテンションが低下した。サイズも下がる。

 

それがなぜなのかを考えた。

この日アオリイカをこの場所にこんなにたくさん集め、入れ乗りのテンションを保ち続けていたものは明らかにくっきりと出る「明暗」である。

その暗部のエッジにじっと定位していさえすれば目の前に溢れるベイトをイージーに捕まえられたのである。

あたりはどれも微妙なものばかりだった。じわっとか、ふっとか、触腕を使わないほぼ居食いのあたりである。

それは渋さではなくイージーさの現れなのである。

しかしこの潮が流れ始めたタイミングでその状況が変わった。暗部のエッジぎりぎりに定位する事が難しくなった。

簡単にできた事が少し難しさを含みはじめ、その浮かれたテンションを落としたのである。

 

小一時間、そんな海が続いたが潮はまたショアを離れて行き、水面が止まった。雨も小振りになって再びしんと静かな海になる。

沖に伸びる狭い灯りの小道の中でサヨリがいくつか横っ飛びに逃げるのが見えた。

そしてまた乗り始める。アオリイカはずっとそこにいたのだ。

 

 

クーラーはもうほぼ満タンであり、カンナが目を射抜いていないものはサイズを問わず全てリリースした。

頻繁に明部でサヨリが跳ねる。また足下をシーバスが通過していった。そしてアオリイカは乗り続ける。おそらく30杯は越えただろう。

なんて賑やかな海。

 足下の磯が作る影が沖に伸び、その上に立つ僕の影が棒のように更に沖に伸びていた。

じっとこのまま立っていたら、僕のその影にアオリイカが着かないだろうかなどと考えながらロッドを振る。

 

あ。そういえばサヨリの海であんな事言ってた人がいたなと思い出し、遠く深く沈めたエギをゆっくりとリトリーブしてみた。

メバルのようなデッドなリトリーブ。

長距離を随分時間を掛けてそれをやり切り、ほぼ足下まで来たEGIMARUにずっしぃぃと硬く柔らく重さが乗った。

EGIMARU4.0号freefall ゴールド/メタアジ(uv+)

何となく、この一杯はkeepする。

 

雨がまた強くなって撤収を決断する。釣れ続けている状況で僕が釣りをやめるのは稀であるがきりがない。

エギを仕舞い、ロッドにラインを絡め、さてととクーラーを持ち上げる。

そのあり得ない重さに、この場所の帰り道の険しさを思って「はぁぁ」と溜め息をついた。

 

TACKLE DATA 

ROD/BREADEN SPECIMEN 85deep

REEL/ DAIWA CERTATE2506H

LINE/VARIVAS Avani Eging MAX POWER0.8号

LEADER/YGK 海藻ハリス3号

EGI/BREADEN EGIMARU4.0号freefall,3.5号freefall,3.5号deep

SNAP/BREADEN SNAP 隣のアイツM

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この週末

2013-10-21 03:00:43 | アオリイカ

10/18/21:00

週末にはいつも先行者がいてなかなか入れなかったこの時期のマイポイント。ようやく入る事ができました。

ある岩礁地帯の防波堤先端。

カメラを車内に忘れ携帯画像でごめんなさい。ひょいと取りに戻れるポイントじゃないのでw

初っ端から22cm 遠くのほぼ水面。偏愛のエギマル3.5号 ゴールド/メタアジ(UV+)

20cm 遠くの中層。

19cm 遠いボトム。

 

19cm EGIMARU3.5号deep 杉ピンクでボトムねちねち。

ずずず、ずずず、的なアクションで。ここの沖は砂底なのでサーフエギングのようなズル引きも効果的。

しかしフルキャスト10mボトムで胴長8cmとかも来るんです。産卵期間が長かった今シーズン。サイズのばらつきが激しすぎますよね。

 

最後にずどんと22cm。フルキャスト後中層。最初のシャクリで。

EGIMARU3.5号freefall 泉州なす

これが連発なら楽しいんですけどね。これだけで3時間掛かっているという...。

潮がめまぐるしく変わりアオリイカの活性もコロコロ変わるんです。

触るんだけれどもどうしても乗って来てくれないとか。かと思うとシャクリ中にひったくったり。こてんぱんに翻弄されました。

 

しかしこれでとりあえず翌日の宴会の食材は確保できて一安心。

宴会の理由は嫁の経営するGecko cafeで個展が始まるからです。

 

ここからころっとブログの雰囲気が変わりますよw

 

相場るい児作陶展「パノラマ」

僕、もうほんとにこの方の大ファンなんです。

店内は妖しい相場ワールド。その一部をちょいとご紹介しますね。

「丹頂掛け花」ぱらりと開いた尾びれの瑞々しさ..。

 

「欄鋳茶碗」伏せた状態ね。卵かけご飯を食べてみたい。セイコ丼なんかもいいかもw

 

「チェシャ猫のカップ」目覚ましの濃いコーヒーに。

 

唐子さまがお月さまに跨がって張り切っております。ランプになってるんですよ。

 

これもかっこいいよなぁ。「龍のぐい呑み」りゅうさんいかが?w

 

妖怪シリーズ。茶釜に封印された化け猫をネズミがからかいに来ていますw ベロがべろべろ出たり入ったりしますよ。

 

妖しさの中にもかわいらしさがあり、生き物の営みの真面目さ、それ故のユーモラスさ。

相場さんの「生命」に対する愛おしみが作品に溢れています。

 

相場さんの奥様もアーティスト。球体関節人形作家さんです。

海藤亜紀さん。今回2点特別出品頂きました。

 

 

 

もうね、やばいですよ。僕的にどストライクですw

 

 

 

 

胸がかき乱される感じがします。

決して性的な意味ではなく、そのアドレッセンスな存在の美しさ、儚さ、そして無惨さに。

 

 

人生の中の「ある」短い瞬間。それを形に留めようとすること。

 

かすかに開かれた口元を覗くと万華鏡になってたり。

 

ご興味がおありの方は是非Gecko cafeまで。

10/19(sat)~10/27(mon)まで開催しております。 

 

 

 

と、ここでまた元に戻りますw

釣りね。釣りブログだし。

 

10/20/20:00~24:00

10/18と同じマイポイント。

 

開始1時間後w

これまた偏愛のEGIMARU3.5号 freefall ゴールド/メタアジ(uv+)で23cm。

がじがじがじ...齧られ過ぎてぼろぼろになって来ています。お月さまが明るい状況のアオリイカには無類の強さ。

 

しかし渋いんです。理解不能なぐらい、あまりにも渋すぎる。

 

エサ釣りでグレなど釣ってる先行者(釣果写真見せてもらいましたがあり得ない達人でした。すごすぎて詳細言えないレベル。)の方も

「エサ取りすらおらんわ。ひっどい日やねぇ。こんなん知らんわw」

とあきれる生命感のなさ。

 

乗ってくるのは追い風フルキャストのボトム。そのひとシャクリ目だけ。そこで乗らなきゃ絶対乗ってこないんです。触りもしない。

ここではなかなか経験のない状況でした。

 

しかし粘る。意地で粘る。

 

2時間後w

EGIMARU3.5号deepサイトピンクで更にど遠投。切れてもしゃあないというレベルの渾身のフルキャスト。

底を取り、しゃくり上げ、フォールがふっと軽くなってまた23cm。

来さえすればサイズはある感じです。それが唯一のモチベーションw

 

また1時間後w

またボトムのひとシャクリ目。22cm。

 

この間4時間。4時間で3つですよ。

素晴らしく疲れました...。

 

こんな事ならダイさんポイント行けば良かったw

 

TACKLE DATA 

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REEL/ DAIWA CERTATE2506H

LINE/VARIVAS Avani Eging MAX POWER0.8号

LEADER/YGK 海藻ハリス3号

EGI/BREADEN EGIMARU3.5号freefall,3.5号deep

SNAP/BREADEN SNAP 隣のアイツM

 

あ、そうだ!今シーズンもこれがやってきましたよ!

 

今回はリミット4つと言う事で更なる接戦になること必至!

逆に下位からの一発逆転も充分あり得ますね。

 

今回も頑張るからね。いつも以上に最初から飛ばします。

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前触れ

2013-10-02 00:08:07 | アオリイカ

9/28/22:00~9/29/3:30

 

苦戦する我々に、さっきからひとり乗せ続けているtomくんがこう言うのである。

「めっちゃ触りますよね~。」

「えー。全然触んないっすよ。つーさん触りますぅ?」

たかかんさんが僕に聞く。

「いやー分かんない。触る?どんな感じで?」

「触んないんすかぁ?なんっって言うかなぁ。ぴたぴたぴたぴたと」

「えー分かんないっすよ。つーさん分かりますぅ?」

「いや何にもない。分かんない。う~んさすがイカの人ですわ」

「さすがイカの人っすよねぇ」

 

週末の夜の海。あまりの人出の多さに、ここなら絶対誰もいないだろうと渡って来た沖テトラ。

「フィールドスタッフとか言ってる3人でほげたらいやっすよ~」

などと言うたかかんさんに僕は

「いや僕はメバルの人ですからw」

「あっ僕もメバルの人っすよ。でもtomさんはイカの人でしょ~」

「いやいやいやいやw」

事前のそんな会話に、優しいtomくんがゴムボートを出してくれた。明日朝から運動会なのに。

 

それにしても...tomくんは凄い。もうかれこれ良型6連発である。

たかかんさんと僕はふたりしてポカーンとするしかなかった。メバルの人とか口で言いつつも、実は2人ともそれなりに密かな自信はあるのだ。

おまけにこんな夢のようなポイントなのである。当然イージーに釣れてくれると思っていた。

誰もが等しく釣れないのであればよっぽど状況が悪いと思えるのであるがそうではない。

tomくんはひとり乗せ続ける。

 

「わぁさすがイカの人だわ...」

「イカの人っすね~tomさ~ん」

 

そんな責め苦のなか、tomくんはとうとう、ふたりに気付かれないようにそっとあわせてそっと取り込んだりせざるを得なくなっている。

それを僕はめざとく見つけ横目でちら見しながら、密かな自信が音を立てて崩れていくのを感じていた。

 

触る?何が?どんな感じで?感じられていないんだろうか?えー。

 

乗らない事よりも、その「触る」感触を感じられない事にショックを受けていた。感度に関しては言い訳の出来ない道具を使っているのである。

いやいやこれは絶対触っていない。何も起きていない。

もう、そう思う事にした。

 

エギの違いなのか?そうも思うが、tomくんとたかかんさんは同じダートマックスである。それでもない。

たかかんさんはメバルの人とか言いながら、実はエギング黎明期からひたすらやり込んで来た人なのである。メバルよりも歴史は古いのである。

 

ならなんなのか?場所なのか?

我々3人はその沖堤の先端を囲むように立っている。僕が内側。たかかんさんは先端。tomくんが外側。距離的にはとても近い。

どこで出たって不思議ではないような場所に僕には見えた。潮だってどこも大差ないたるさである。

水深はおそらく15mかそれ以上。上でも中層でもボトムでも、もう何を試してみたってもうかれこれ2時間何も起こらない。

既にこれ以上やる事を何も思いつかない僕にtomくんが声をかけてくれた。

「つーさんここ入ってみて下さいよ~」

立ち位置を譲ってくれた。場所以外に何も思いつかない僕は素直に入らせてもらう。たかかんさんはリグを作り直している。

 

その場所には「明暗」があった。陸から来るぼんやりとした灯りがその沖堤の先端に遮られ影になっているのである。

その明暗の境界の「明」に掛かる方向。フルキャストした。

乗ってくるのは中層からちょい下と言うtomくんの言葉に、無理な底取りはせずに適当なところでしゃくり始める。

3発巻きじゃくりを入れ、掛けるか抜くかやや迷ってテンション半抜きのフォールで沈める。そこで何か、感触を感じた。

!?

それをもっと強く感じようと弱めのテンションフォールに切り替える。何かが確かに触っていた。

 

...  ...  ...  ...  ...  ...

 

なんとかその感触を擬音語に変えようと頑張ったが「...」としか書きようがない。

どこか遠い世界から送られてくる何か分からない微弱な信号を、懸命に耳をこらして聞こうとしている感覚。

「tomくん...触りますわ...」

「ね~触るっしょ~」

触ってるのならとあわせを入れてみるが空振った。もう一度キャストし直し再びその信号を聞きにいく。

...  ...  ...  ...  ...

確かに感じる。onとoffの断続的な信号。

イカパンチとかでは全然ないのだ。感じてみてはじめて分かる。さっきまでは絶対この感触はなかった。

やはりさっきの場所では「なかった」んだな。安心するw

 

猫パンチの動きを手でまねてtomくんに言った。

「触腕でほんとそっと触ってるんですね、これ」

「そうっす。なんかすごい警戒してるんしょねぇ~」

中層フォールの長い時間、ひたすらその感覚が続く。しかし乗っては来ない。

そしていよいよボトムに近付くラインの角度になって、急にその感触が消える。

そこで2発、強いスラックジャークを入れた。リールを巻いてスラックをとり、半テンションの位置に素早くティップを戻す。

その瞬間。みしぃぃぃと来た。横に払うようにあわせを入れる。

 

どすん!

 

「はぁぁぁやっと来たぁぁ!」

ほっとする。この苦節2時間が消えた。僕の全てがピキピキと音を立てて完全に更新される。

それにしても。素晴らしい重さだ。

僕の手尺ぴったり。21cm。EGIMARU3.5号freefall BOメタオレンジ

 

次のキャスト。同じ中層からのフォール。またその感触が来る。

...  ...  ...  ...  ...

そしてそれが消えた瞬間に強くスラックジャーク。全く同じ動作、同じタイミングでどすんと来て連発。20cm。

それを「○○ークーラー」に放り込み、写真も撮らずに次を投げた。

わくわくした。何か久しぶりのわくわく感である。

 

同じ事を繰り返す。中層までフリーで落とし、2発しゃくって半テンションに切り替え前触れの感触を感じにいく。

...  ...  ...  ...  ...  ...

よしよしまだいる。間違いなく地合いだ。いいタイミングでここに立たせてもらったのだ。

そう思いながら、集中してこの「はまりパターン」にはめ込みにいく。フォール中の感触を聞きながら、その感触が消えるのを待った。

しかし今度はいつまでもその感触が消えない。

ラインは随分急角度になる。ボトムのテトラが気になりはじめ、その感触が消えないままにジャークを入れた。

するとそのまま、ひったくられた。あわててあわせを入れる。

 

ズン!

 

一瞬底を釣ったような硬い感触。しかしそれは太い生ゴムを伸ばすような独特の感触に変わり、へばりつこうとした底から離れる。

「でっけ...」

ストロークの長いファイトを感じながらdeepから徐々に水深を上げ水面に出した。

3連発。色白の男前。22cm。

写真を撮った時間を見ると、1本目からここまでわずか5分しか経っていない。

あの2時間は、なんだったのか。

 

場所か...

 

「潮が走ればどこでも釣れるんすけどねぇ」

tomくんが言う。しかし今日は走っていない。わずかに動きはあるが、微妙に変化はするが、アオリイカが沸き立つにはほど遠いのだろう。

なので良い場所に固まっているのか? おそらくここがこの場所のニュートラルポイントなのである。それは明と暗があるからか?

 

リグり終わったたかかんさんが横に並ぶ。更にやや「明」側にキャストしてあっという間に2つ連発させた。

しかし何かに納得していないのか、無言である。

 

そしてしばらく沈黙が続く。

あの前触れの感触も完全に消えた。海は、特に何かが変わったとも感じられないのに急に沈黙する。

 

30分程同じ場所に投げ続け、ある1投。

中層でしゃくりスラックを取り、半テンションを掛けにいったティップに想定以上にエギの感触が強く掛かる。

潮が変わった?微妙に沖に払い出す潮。

EGIMARU3.5号freefallがその潮に馴染む。じわっと、その素材独特の感触でフォールしていく。

 

そこでまた、あの前触れの感触が来た。

... ... ...

今度は待たなかった。そのまま中層で2つジャークを入れる。

次にそれが来たらそうしようと思っていた。待たなくたって、アオリイカはすぐそこにいるのだ。

 

どん!

 

微妙なもんだなぁとしみじみ思いながらイカを寄せる。寄せられながら水面で足をぱらりと開き、高く水を吐く。 

黒いw。アメフラシのような21cm。EGIMARU3.5号freefall ゴールド/メタアジ(uv+)

 

その後は海面全体がそのままの形でゆっくり動くような妙な潮になり、上層で12~15cmがぽつぽつと。

たかかんさんも遠い底でいくつか追加 。釣り上げても声を出さない。

何か納得いかない。

かなり釣っているはずであるが、そんな感じで終始無言である。

 

3:30。

潮は変わらず。今日はもうこんなもんでしょうとロッドを納めた。 

水を渡って、陸に戻る。

 

TACKLE DATA 

ROD/BREADEN SPECIMEN 85deep

REEL/ DAIWA CERTATE2506H

LINE/VARIVAS Avani Eging MAX POWER0.8号

LEADER/YGK 海藻ハリス3号

EGI/BREADEN EGIMARU3.5号freefall

SNAP/BREADEN SNAP 隣のアイツM

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「Deep」のメリット

2013-09-21 19:16:49 | アオリイカ

 

2013/9/18/19:30

 

沖の漁り火は28を数える。

背後の山の端からは名月前日、十四夜の月が昇り始めている。

前からも後ろからも照らされて、考え得る限り最も明るい夜の海である。

 

前回の日記と同じ磯に乗った。この時期のマイポイント。ここの事なら何だって知っている。

海には北北西のわずかなうねりがあって短いピッチでショアに寄せて来ている。

背後にある深いスリットの最奥でそのうねりが凝集され水位を高くし、崩れ、その場所でだけ波音をたてた。

 

ほぼ文句もなく求める通りの海であるが、ただひとつ、小さな傷のようにゆるい風が吹いていた。

真正面のdeepに投げたいのにその方向は横風になる。吹き続ける、いやらしい、息の長い風である。

良い事ばかりの人生はひょっとすると存在するのかもしれないが、良い事ばかりの釣りは絶対に存在しない。

 

遠いdeepのボトム狙い。エギはEGIMARU3.5Deep。海の光量を考えてカラーはMM アジオリーブを選ぶ。

そのフルキャストの位置で水深は7~8mである。

 

僕は、ボトムを釣りたいとしても着水後のフリーフォールでは底を取らない。

ただ適当に、何となくボトム付近であろう辺りまで沈めてやれば良いと思っている。

アオリイカがボトムべったりにいるのだとしても(ここにはいるのだが)やや高い位置からしゃくり始めた方がアピールできる範囲は広いのだと信じている。

そしてひとシャクリして、その次のフォールでようやく底を取り、その後足下まで繰り返す。

 

1投目。

ラインは微妙に風を孕んで右方向に膨らむ。

適当に沈めながら、ロッドを風上に捌いてラインの膨らみを修正していく。

ある程度納得のいく水深までエギを沈めたら、2発の瞬間的な強いシャクリで更にその膨らみを小さくする。

ひと呼吸してもう1発ジャークを入れて、ロッドを下げてテンションを強く掛けたまま底を取りにいく。

上手い具合に潮の流れは風向きと同じで、エギも流されて結局ラインはほぼまっすぐになり、丁度その位置でコッとボトムを感じた。

そのボトムのテンションを利用してラインを真に完全にまっすぐにし、やや待ってまた2発、高い位置でジャークを入れてすぐにテンションフォール。

もうそろそろボトムかな、と思う辺りで、ティップに「みしぃぃ」と重量が乗った。迷わず真上にあわせを入れる。

 

どしん!

 

もう何度でも書くが、沖のdeepで掛けたアオリイカの重さはつくづくこの世の良いものを全て集めたような充実感である。

素晴らしいの一言である。

その重さを噛み締めながらゆっくりとリールを巻き、随分手前まで来てアオリイカが水面に出る。

18cm。今のアベレージよりやや大きいか。

しかし写真がだめだな。スマホで写真を撮る横着を覚えてしまった。もうしない。反省。

 

2投目。

同じ方向、同じ距離、同じ感覚で同じ事を繰り返し、しかし今度はボトムに置いたエギがツーーーとトルクのない等速直線運動で持っていかれる。

この手のあたりの常として、やや送り込んでからあわせを入れた。

その等速直線運動は伸ばした触腕を納める動きなのである。エギを引き寄せて、残り8本の腕でひしとエギを抱くのを待つのである。

 

どしん!

 

初っ端から連発の18cm。

今日はやはり良い海なのだなとほっとする。癒される。

 

ところで。

Deep typeのエギのメリットって何だろう?

1.飛距離が出る。

2.deepまでの到達が早い。

3.ボトムを離さず探ってゆける。

4.操作感が明確である。

5.風に強い。

すぐに思い浮かぶのはそんなところだろうか。

しかしこれらはどれもイカを乗せる「前」の話である。釣りがしやすいかどうか?という事に過ぎない。

肝心の「イカに抱かせる事」に関してのメリットはあるのだろうか?

あるのである。そしてそれがDeepエギの最大のメリットだと僕は思っている。

 

それは「ラインテンションと姿勢」という事。

アオリイカが乗るのはほぼフォール中であるが、そのフォール姿勢が「イカを乗せる事」にとってとても重要なのは良く知られた事である。

水平からやや頭下がりの角度。

おそらく死角とか油断とかそう言う事なのだろうと思うが、アオリイカがエギを抱く決断の瞬間にエギがその角度にありがちな事はサイトをやり込めばよく分かる。

ボトムに着けた尻上がりのエギにアオリイカが良く反応するのもおそらく同じ理屈である。

 

問題は遠いdeepでその姿勢を作り出すという事。

シャローやノーマルウェイトのエギでそれをやろうとするとラインテンションを極限まで抜かなければならない。

浮力のあるラインの抵抗がエギの頭を上げさせる。加えてラインテンションを掛けてしまえばどうしたって頭上がりになってしまう。

この日のように風があったり、距離が遠かったり、足場が高かったり、そんな場面でラインテンションを抜く事はあたりをとる事をとても難しくしてしまう。

明るい昼間であればラインの挙動で明確にあたりは取れるのでテンションを抜いても問題はないのだが、

これから秋アオリ終盤に向かう越前エギングのメインの舞台は何も見えない闇磯なのである。

 

あたりが分からずしゃくったら乗ってましたというのはいやなのだ。なぜかとても切ない気持ちになる。

あたりは明確に感じたい。そしてあわせたい。釣った感が違う。そのためにはある程度以上のラインテンションを持たせなければならない。

Deep typeのエギの最大のメリットはここにある。

強くラインテンションを掛けながらも頭下がりのちょうど良い姿勢を作ってくれるのである。

 

付け加えるが、これは決してノーマルウェイトのエギを否定する話ではない。

シャロー帯やデイエギング、あるいはライン負荷の少ない上層の釣りではノーマルウェイトの方がはるかにメリットは大きい。

ゆっくり見せられる時間が作れるという事だから。

あるいは、抜いたテンションの中で微妙なあたりをとるのが面白いんだよと言う変態さんもいるかもしれないw

 

要は適者適材適所である。

僕の、この時期の、この場所は「Deep type」である、という、そう言うお話。

 

さてこの日の釣りの続き。

先の2杯を釣ったところであらかじめ連絡を取り合っていたダイさんが登場した。

この場所は初めてらしい。一通り場所のレクチャーをして2人並んで釣り始める。

 

間もなくまた、ボトム付近のフォール中にコンッ!とあたり。これは即あわせ。

 

どしん!

粒ぞろいでまた18cm。明らかに地合いだな。

 

この日握ったSPECIMEN 85deepは、このウェイトのエギをしゃくる感触がとても気持ちいい。

ダンパーの良く効いた高級車のサスペンションのように、ドフッドフッと、ベリーからやや上の位置で適切な仕事をしてくれる。

そしてやはりバランスである。自重の軽いパッツン系のロッドではないが全く持ち重りがしない。最適なポジションをぴたりと決めてくれる。

しなやかに湿った生物のようなその質感は、GRFシリーズと同様、やはりBREADENの真骨頂なのである。

 

ダイさんも釣り始めて間もなく2つ程続けて乗せる。

エギはノーマルで、着水後からかなりの時間を掛けて底を取っている。

慣れないポイントに、時々軽い根掛かりを発生させて海藻のかけらなども釣り上げた。

ちらとこちらを見ながら

「まだ去年始めたばっかりなんすよ...」

何も言っていないのに、そんな事をつぶやく。

 

そしてやはり食味の話になる。この人と顔を合わせるとそれは避けがたい事である。

何やら美味しそうな単語をいくつも並べて僕の集中力を削いでくれたw

エギを遠くのボトムに放置したまま話に夢中になっていると、そんなタイミングを見計らって右手にトンッと感触が来たりして。

一瞬その意味が分からずわぁ!とあわせ遅れ、何杯か逃してしまう。

でもこの釣りにはどこかのんびりとした余裕がある。気の合う友人と話しながら行うには最適の釣りである。

月に照らされ、漁り火を眺め、波音を聴きながらの屈託のない時間が流れていった。

 

とは言え我々はやる時はやるw

ダイさんは随分上層で今日一の20cmを乗せた。

月で浮いたのか。横を走る定置網の太いロープのシェードに着いていたのか。

上にもいるんだなとdeepにこだわり続ける僕の認識を変えてくれた。

「へっへへ~たっのっしいな~」

などと鼻歌混じりなのがいまいましいけどw

 

僕もいくつか追加。

これは過跳3.5Deepで。

このエギの左右へのスライド幅にはびっくりする。

とーんとーんとーんとティップのやや下を使った軽いしゃくりから生まれるそのぬめぬめとした動きは生命感に溢れている。

直線的ではなく上下方向にも鷹揚のついたそのターンとターンの間の一瞬の間。その瞬間に乗ってくる事が非常に多い。

リズミカルで激しい動きの最中に、フォールを待てずにアオリイカを堪えきれなくさせる何かがあるのだと、思わざるを得ない。

 

腹ぺこで帰宅したがひとつも手を抜かずにイカを捌く。

初秋の定番。アオリイカ定食。KIRIN秋味とともにこれを食べるとあぁ秋が来たのだなぁとしみじみと思うのである。

時間は既に23:00を回り明日は朝から仕事であって、こんなものを食べるべきではない事はよく分かっているのだが...。

 

 

9/20/19:00。

また同じ場所。十六夜の夜。

風もなくうねりもなく、潮だけがめまぐるしく方向を変えながら常に走り続けた。

なぜかサイズがやや落ちたが、それでもある地合いで16~18cmが3つ続く。

 

 

この日は独りで、ゆっくりとじっくりと攻めながら3時間程海に立ち、計15杯を数えたところでロッドを納めた。

 

 

皆さ~ん。エギングはエギの塩抜きをするまでがエギングですよw 

 

よく働いてくれたと労いながらエギを並べる。

 

「頭は低く。腰は軽く。」

 

エギを見るといつもこの言葉が浮かぶのである。

でも難しいよなぁ。

それって。

 

TACKLE DATA 

ROD/BREADEN SPECIMEN 85deep

REEL/ DAIWA CERTATE2506H

LINE/VARIVAS Avani Eging MAX POWER0.8号

Leader/YGK 海藻ハリス3号

EGI/BREADEN EGIMARU3.5deep,過跳3.5deep

 

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暗き水の底から

2011-09-26 00:31:35 | アオリイカ

9/25/19:30。

あれは一隻だろうか二隻だろうかと、重なり合った灯りに迷いながら沖のイカ釣り船の漁り火を数える。

視界の両側が岬に遮られるこの場所でもその輝く点は23を数えた。

 

明るい。

 

一般社会では3連休最終日のこの日。その夜。

もう人出も減ったかとホームポイントに向かい、思い通りそこに入る事ができた。

足下の磯にはこってりと新鮮なイカスミの跡があり、まだ明るい日中にそこそこの釣果があった事が伺われる。

ずいぶん抜かれたあとであろうが気にならなかった。

この場所であれば、誰が何をしたあとであろうともそこそこ結果を出せる自信がある。

知り尽くしたポイントというのは宝だ。

 

前日。

梅浦から北に向かうが、これが夜中の海かと思うような人出の多さに入る場所がなく

ようやく見つけたあるテトラ帯にハァハァ汗をかいて苦労して入り、結果、15cm3杯の貧果に見舞われた。

3.5号では全く乗らず、3号に落としてようやく触腕1本のあたりを捕らえ、

ええいと2.5号に落としてようやくガッツリと抱いてくる。

今年の、今の海はまだそんな感じかと、この日も3号のエギから始めた。

 

1投目。

 

フルキャストの沖に投げ入れ時間をかけて底を取る。

高速の巻きシャクリで高く跳ね上げまた落とす。

音沙汰ないままそれを繰り返し、エギは約10m沖の底に着底した。

その手前には小さな海中の根があり、沖からついてきたアオリイカのフィーディングポイントとなっている。

獲物を追いつめた気になるのだろうか、なぜか乗りの良い場所。このポイントの最も熱い一点である。

集中する。

跳ね上がり至上主義のエギ王Q-JPに2発強い負荷をかけ2mほど舞い上がらせる。

そのままスラックを取らず高い位置のロッドを徐々に下げながら、ラインを張るか張らないかの微妙なテンションでフォールさせる。

明るいイカ釣り船のおかげで、エメラルダスセンサーのライトグリーンのラインが完全に目視できる。

ラインが見える事は重要である。釣果が倍は違ってくる。ロッドに直接あたりが出る事はむしろ稀だ。

3mの足場からラインはおよそ45度の角度で海面に続いている。それを凝視する。

1mほどフォールさせた段階で、伸びたS字にラインがふっとふけた。

まだボトムじゃない。

あたりだ。

ぱしんっと掛けに行く。

どん!ぐぃーんぐぃーん。

ああ。この感触。この瞬間。その重量が「生命」である、という事。

それほど大きくない。しかし15cmでもない。

水面に浮かび上がりしゅーと潮を吹く。慎重に抜き上げる。

18cmか。まぁまぁだな。

このサイズがあって、この抱き方をするのなら3.5号でokだ。

エギを得意のEgi-Ten Q3.5号オレンジに替えた。

 

またフルキャスト。

釣れるのは10m沖だがアオリイカはその場所に居着いているのではない。沖から来るのだ。

その10m沖の根を直撃しても釣れたりしない。

Egi-Ten Qは跳ね上がらない。ほとんどレンジを変えずダートする。

ボトムを少し切る位置でダートを繰り返し、おそらくじっと見ているであろうアオリイカを想像しながら少しずつ距離をつめる。

15m沖。そろそろか。

一旦エギを底に着け、すぅーっと1mほど持ち上げてパンパンッ!!と2発小さく強くダートさせる。

Egi-Ten Qは位置を変えずにその場で首を振っただけだ。ラインスラックが全く出ない。

そのままエギの沈むスピードでロッドを下げて行く。

微妙なテンションを掛けながら、ややたるませ気味のラインが沈下速度を超えて「すっ」と張った。

あたり!

18cm程度を想定してあわせを入れる。

どしんっ!

!!!

一瞬根掛かりかと思う。動かない。しかしその動かぬ何かは独特の柔らかさを持っている。

 

でかい...。つぶやく。

 

底から引き剥がそうと渾身のパワーでリフトアップさせる。

アオリイカは「いややいややいやや」と底にへばりつこうと必死で引っぱり返す。

 

でっけ...。またつぶやく。

 

まだ9月である。しかしこれは9月に感じる重さではない。

ガイドにPEのこすれる音がやけに耳につく。リールを滑らかに巻き続ける事は困難でポンピングで寄せるしかない。

5mの水深を浮き上がらせ、ようやく水面に顔を見せたアオリイカは噴水のように高く水を吐いた。

漁り火に照らされて太い足がぱらりと開き飴色に輝く。ああ、飴色だ。

腰を落とし、巻けるところまでロッドを下げ、抜き上げようと測った重さに一瞬躊躇するがやるしかない。

フッキングは完璧で足はすべてエギに絡み付いている。身切れする恐れはない。

ロッドの反発力を利用して抜き上げる、が、やや高さが足りずに足下の斜面にべちゃんと着地した。

瞬間、ぶっしゅーと音付きで盛大に墨を吐き、僕の大事なゴアのパンツにべっとりと命中した。

その噴射の勢いで斜面を滑り落ちそうになるアオリイカの首根っこをむんずと掴んだ。

 

でっか...。

 

 

 

でろりんと24cm。10月後半のサイズである。

頭が大きく、肩幅の広い男前。しばらく見入る。

 

その後15cmを何杯か追加し、手乗りイカも登場で潮時と竿を納めた。

 

 

帰宅してキッチンに立つ。腹ぺこである。

24cmを捌くが、厚すぎる身に、刺身はいかがな物かと迷ったがとりあえず造ってみる。

やはり...。イカそうめんではなく、イカうどんができてしまった。

 

 

定番。アオリイカ定食。ゲソの唐揚げに畑の秋なすも添えてみた。

ゲソの唐揚げはマヨネーズで頂く。

「天然のお塩をちょっと付けるとその甘さったらもう...」

などとお上品なうそをついたりしない。断固としてマヨネーズである。

刺身はしょうが醤油をたっぷりつけて、炊きたてほかほか、やや硬めに炊いた新米に乗せてあうんと頬張る。

特にエンペラのプチプチ具合が清々しい。そして甘い。

美味いなぁ。秋だなぁ、とゆっくりと堪能する。

とは言え一人では食いきれない。刺身が半分ばかり余ってしまった。あごが痛いw

キッチンに戻り、刺身に衣を絡ませて、なすも混ぜてかき揚げを作る。

同時に熱々のお出汁を作り揚げ浸しにしてみた。

 

 

アオリイカと秋なすのかき揚げ。揚げ出汁作り。

天盛りに生姜を添える。

うまい...。と。言わざるを得ない。

不味い要素が一切ない。

一口、一口、噛みしめて、その甘さ、うまみの濃さにうなる。

 

秋が来た。来ちゃったなぁ。

外の空気はずいぶん前から既に秋だが、舌と胃を経由して身をもって感じる夜であった。

 

 

さてさてさて。

話は変わる。

イカプラスという雑誌をご存知だろうか?

9/21に秋号が発売されている。

東海北陸地域限定のイカの季刊誌である。

 

アオリイカの雑誌と言えば、どこか遠い南の土地の離れ小島で、怪物のようなデカアオリを釣って巻頭カラーをにぎわすのが常であり

絵的には見栄えはするが同じアオリイカとは言えそれは我々がやるのとは別の釣りである。

一言で言えば憧れは抱くが参考にはならないのだ。

 

この雑誌はあくまでも地元限定である。見覚えのある海が登場する。

身近な海で、身近なサイズのアオリイカを釣る無名に近いフリーク達の情報が詰まっている。

それぞれに個性的であり、なるほどとうなずけるテクが満載されていて実釣にとても役に立つ。

アオリのみではなくイカならすべて対象であり、エギングだけでなくヤエンや船も網羅して、一冊すべてイカである。

ずいぶん売れている雑誌の様でamazonの釣り雑誌部門でルアマガやロドリを抑えて売り上げ1位を記録したりしているんだとか。

 

今回。僕も記事を書かせて頂いた。白黒1ページではあるが紙媒体で活字になるのは初体験であり、なかなか感慨深い。

まぁ僕の記事は置いておいたとして、他の情報に非常に価値があるので手に取って頂ければ幸いである、と宣伝しておくw

ご紹介頂いたyasuくん。お世話ばっかりお掛けしたカタリスト長谷川さん。

この場を借りてお礼申し上げます。

ありがとうございました。

 

TACKLE DATA

ROD/Calamaretti nuovo 832M

REEL/CERTATE2506H highgear custom

LINE/DAIWA UVF Emeraldas Sensor LD 0.6G+10lb

EGI/エギ王Q-JP3G Ten-Foot Egi-Ten Q 3.5G

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星月夜

2010-11-18 04:16:23 | アオリイカ
惑星をお供に従えた澄んだ月の夜。




エギを沈める時間。ずっと空ばかり見ていた。

良い夜。海に伸びる光の道を歩いて行きたくなる。

これで釣れちゃったりしたら幸せすぎるっちゅうもんだね。


しみじみと。

しみじみと。


釣りっていいなぁって思うんだよ。
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It's a Small World

2009-09-27 21:12:29 | アオリイカ
小さい。少ない。乗らない。場所ムラが激しい。なんだかとてもひねくれている。と評判の今年の秋アオリ。

寒い夏に水温が上がらず、春からの産卵もだらだらと長期に渡って行われたため例年なら最盛期と思われるこの時期でもまだホタルイカサイズの個体がわらわらと浮かんでいる。
おまけに数年ぶりのエチゼンクラゲの来襲。こいつが複数見える水域で良い思いをした事が無い。

しかしそんな状況の中でも昼間のサイトフィッシングにおいてはサイズを問わなければいくらでも釣れる。
エギのサイズにプライドを持たなければ投げた数だけ掛ける事ができる。それは例年通りだ。

だが例年であれば足元に群れるその小イカの背後のdeepに一回り大きな個体が潜んでいるのであるがそれがいない。
足元の小イカの活性を上げ、見えない背後のイカの気分が盛り上がったところを直撃するのが僕の得意パターンであるのだがことごとく空振りに終わる。
薄いのか?成長が遅いのか?まだ判断がついていない。見える小イカの数は例年通りであると思うのだが。

9/25/16:00

僕の最も得意とするポイントに入る。幽霊テトラ横の大岩。

底の形状は熟知しておりサイズによる付き場も把握できている。
4mの岩の上から澄みきった海中を覗くともう既に30匹程の小イカが群れているのが見える。
そいつらは無視して遠いdeepに3号のエギを沈めてみるがやはり反応はない。
足元までしゃくってきたエギに小イカが放射線状になってわらわらと寄ってくる。
しゃくるとその円はぱっと大きくなり止めた瞬間すっと縮まる。
すっと縮まるその勢いのままに大抵そのうちの1匹が乗ってくる。しかし小さいなぁ。



ピントが合わない程小さいw

今シーズンから使いはじめた10-FootのEgi-Ten Qの鋭いダートはイカを寄せる力が非常に強い。
しゃくった後のステイでのイカの間の詰め方の勢いが違うのである。
このサイズのイカであれば3号のエギはやや辛いのであるが躊躇が無い。
ひゅんっ!と寄ってすっと抱くのである。

聞くところによれば僕のしゃくりは激しいんだそうだ。周りの釣り人が一斉にこちらを見るぐらいだ。
よって11月にはいつも腕を痛めているw

「激しくしゃくった方が釣れるの?」と良く聞かれる。秋アオリに関してはYESである。
激しくしゃくった方が、と言うより「エギを鋭く動かした方が」、と言う事だが。
サイトでの釣りは大変勉強になる。エギの動き方次第で変わるイカの反応。
しゃくり損ねたもったりとした動きのエギには明らかに反応が悪い。
水の抵抗をエギの全身に乗せるような一瞬の強いテンション。
Egi-Ten Qの幅広に作られたボディーはそのテンションを掛けやすい。レンジを変えず左右に瞬間移動する。

この日も結局サイトでの釣りになる。エギの動きとイカの反応をイメージとして頭にたたき込む。
来るべき遠いdeepでの釣りに、目に焼き付いたそのイメージを再生するために。

今エギはこう動いた。イカはこう寄ってくる、はず。イメージのない釣りは釣りではない。



しかし小さいなw

10数匹釣って夕暮れ。


掛けていた偏光グラスを外す。
エギを3.5号に替える。
もう小さいのはいいよ。ここからは大人の時間ね。18禁ね。

この岩の正面は根掛かるもののないdeepである。最もサイズを期待できるライン。
フルキャストする。底を取る。ビシバシっとしゃくる。テンションフォールさせる。
つつつ~とすぐにエギが持って行かれた。

おしっ!

合わせる。強烈な重量、であるはずだったのであるが……。




こらっ!!18禁やってゆうてるでしょぉぉ~。
明らかにエギより小さい。普通こんなのは3.5号には乗らない。何かの間違いだ。
また同じライン。今度こそは。

つつつ~。



だからあかんって!!なんというおませさん。そんな大きな魚捕まえたら逆に食われるよぉぉ!

しかし3.5号にしてこのサイズ。なんという乗りやすさ。躊躇のなさ。

何となくエギを3号に戻す。中層を攻めてみよう。

このエギにはもうひとつ効果的な動かし方がある。
とーんとーんとーんと軽くテンションを掛ければ1m程の幅で左右に大きくスライディングする。
エギを動かす感覚ではない。トップやシンキングのペンシルベイトをスライディングさせる感覚である。
抵抗の少ない背の低いシンカーのおかげでテンションがそのまま推進力になり妨げるものがない。
とーんとーんとーんの間に糸ふけは出ない。同じ位置でテンションを掛け続ける事ができる。
エギは手前に移動せず180°の左右にひたすらスライディングを続けるのである。

3号をフルキャスト。フリーフォールで10秒。3mのほぼ中層。

とーん…とーん…とーん…とーん…。

そっとラインを張りあたりを聞く。

コン!

良いあたり!だがどうせまた小さいんでしょうよぉと合わせた。が。

ずんっ!

!!!!重い!!。

ひたすら10cmばかり釣り続けているので異常に重く感じる。おっし!グッサイズ!!



16cmか。ようやくこのサイズが出て来たか。中層なのか。

再び3.5号に替え中層を狙う。

とーん…とーん…とーん…とーん。

またつつつ~と持って行く。



あかん。また子供帰りした。
は~。

とーん…とーん…とーん…とーん。



あのね。18禁なんてお構いなしの無法地帯やな。

19:30。嫁の帰ってくる時間でstop fishing。

帰宅してキッチンに立つ。



食べさしの写真で汚いなw

16cmはお刺身に。これぐらいが最も美味しい。ワサビと生姜で。
小さいのはイカリング。少し揚げ過ぎぐらいが味が濃くなる。
マヨネーズたっぷりに一味を振りかけ檸檬をきゅっと絞る。

相変わらずアオリイカは旨い。自分で作るとひときわ旨いw





はぁ~でもしかし。もっと燃える釣りがしたい。まともなブログが書きたい。

この日以後数回釣行している。相変わらず小さいが徐々に良いサイズも混じるようになってきている。
今シーズンはこれからだ。10月半ばだな、ピークは。

皆さんめげずにがんばりましょうねww。

TACKLE DATA
ROD/Calamaretti 862M
REEL/CERTATE2500 CUSTOMBODY
LINE/VARIVAS avani Eging premiumPE0.6G+10lb
EGI/Ten-Foot Egi-Ten Q 3G,3.5G

Moon Data

コメント (19)
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