ひらのかおるタウン通信

ひらのかおるの日々の暮らしや市民活動の中で、みなさんにお伝えしたい情報や雑感などを綴っています。

保育の質を低下させ、町立第二保育所を民営化する「基本方針」を撤回せよ!①

2006-12-27 | 子ども
12月4日の議員全員協議会で町行政当局(理事者)から「就学前の子どもの教育と保育環境の整備について=基本方針=」(以下 基本方針)の説明がありました。それは『(2008年)平成20年4月実施を目標に町立第二保育所を民営化する』ことを表明したもので、説明を聞いて本当に驚き、すぐにそれは怒りに変わりました。

なぜならば、5月発表された第4次行政改革プランには「保育所の民間委託についての項目は21年まで検討」と示されていますし、なにより、プラン策定にあたり、町が実施したパブリックコメントには100件以上の意見は、公立保育所の民間委託に反対、又は説明を求める内容だったからです。それを受けて21年まで検討とされたと認識していましたので、大きく住民の信頼を裏切るものです。

また、保育園(民間)の現場にいた私の経験からも基本方針は子どもの保育を十分理解していない人が作ったものであること、行政コストの視点からしか議論されていないことが、一読して判明したからです。

町は民営化の理由としては、「保育士が減少して08年(20年)には25人、13年(25年)には16人となり、1カ所すら運営できない状況である(それは行革で正規職員が退職した後、正規職員の補充はせず、臨時職員を充てているから)。財政難で職員を減らす中で保育士だけ採用することができないため」と言っています。

民営化は現在2カ所の町立保育所で働く臨時職員約70名(保育士33人、他用務員、給食調理員など)の多くの方が職を失うことにもなります。

民営化実施までのスケジュールは、
06年(18年)2月 保護者・職員対象の説明会
07年(19年)7月実施計画作成 募集要領作成
8月 移管法人募集
      11月 選考委員会で法人決定
      12月 入所案内配布、入所児募集
08年(20年)4月 民営化した保育所に入所 とのことです。
 
議会には最終決定となる第2保育所廃止に係る条例等が来年9月議会又は12月議会に提案される予定でしょう。町は明言を避けていますが・・。
本年9月議会での町立幼稚園預かり保育の審議で自民・民主・公明の議員からは保育所・幼稚園の民営化・民間委託、統廃合、幼稚園の就労支援型への移行、認定子ども園などを進めよという趣旨の発言が相次ぎましたので、第2保育所廃止に係る条例等が議会に提案されれば可決の可能性は高いと予測されます。       

それまで、民営化に異議を唱える議員が質問する機会はあまりありませんので、急遽、12月議会で12月15日に「一般質問」を行いました。以下、1回目の質問全文のみを掲載します。


          2006年第6回定例会 一般質問      

                            平野かおる


Ⅰ、保育の質を低下させ、町立第二保育所を民営化する「基本方針」を撤回せよ
 
本年11月策定され、12月4日議員全員協議会で発表された「就学前の子どもの教育と保育環境の整備について =基本方針=」(以下 基本方針)については、島本町の就学前の子どもの実態やそれに基づく子どもの望ましい就学前保育・教育はどうあるべきかという、大前提のことが全く触れられていません。そして子どもの姿が見えない、保育現場からの声が聞こえない、子ども不在の基本方針の内容であるといえます。
また、今回発表された、基本方針について策定の手続きに問題があります。
以下具体的に問います。

1、基本方針策定の手続きについて
①基本方針の「町立第二保育所の民営化」2008年(平成20年)4月実施を目標として定めることについては、本年3月27日島本町行財政改革推進検討委員会の意見具申および114件のパブリックコメントを受けて策定された島本町第4次行政改革プランは平成21年まで検討とされている、そのことと整合していません。
また、基本方針に実施年度を示すならば、その前に保育所保護者・関係者・住民などへの説明と合意形成が必要なのは当然です、説明を求めます。

②基本方針策定にいたる経緯の中で保育所・幼稚園保護者など利用者であり当事者の意見聴取および、現場職員の意見反映はどのようにされましたか。幼児教育及び保育ワーキングチームで検討し基本方針を策定したとのことですが、この会議に現場職員(保育所所長または職員)は出席して議論に参加したのですか。(*6回の会議は職員抜きで行われています)

2、基本方針の内容について(項目に従い問う)
①島本町の就学前の子どもの実態、子育ち・子育ての環境整備の状況はどのようなものと把握していますか。また、望ましい就学前保育・教育はどうあるべきと考えていますか。

②基本理念 
「少子化」は「男女共同参画社会の推進、あるいは就労意識の高まりによる著しい女性の社会進出などによるものと考える」との文言がありますが、その根拠を具体的なデータで示してください。

③基本方針の骨子 
平成20年4月実施を目標とする、「町立第二保育所の民営化」に向けて検討されている具体的スケジュールを示してください。

④就学前人口と保育ニーズ 
今後5年間の就学前人口と入所児童数予測は正しいのですか。
大阪府市町村合併推進審議会発表の府内市町村別人口推計には島本町個別の要因、例えば町営住宅跡地、05年市街化編入の桜井・高浜地区、JR新駅開業等を要因としての住宅開発による人口増は予測されていないのではないですか。今後保育ニーズは高まると考えられるのではないでしょうか。

⑤保育所と幼稚園の変遷
保育ニーズを踏まえた保育施策を展開しているとしていますが、第3保育所の廃止、第1保育所の廃止は保育ニーズに反した保育施策ではなかったのですか、見解を伺います。(*多くの保護者・住民の反対運動がありました)

⑥保育所の現状と課題
ア、施設定員が1998年国の「保育所への入所の円滑化について」の通知によりいわゆる規制緩和により施設定員を最大125%まで入所を可能とするということで、島本町の保育所も過密状況です。その現状をどのように問題であると認識していますか。

イ、保育士について、島本町保育士配置基準は国の児童福祉施設最低基準を上回る、手厚い配置を行っていることは、非常に評価すべきことです。基本方針実施を機会に国基準に後退させることは明らかに保育の質の低下につながります。このことが今回の基本方針の撤回を求める大きな理由でもあります。島本町における町立保育所・山崎保育園の町独自の保育士配置基準を堅持することを求めますがいかがですか。(*例1歳児 町基準4:1 国基準は6:1など) 

ウ、直営保育所での給食業務の民間委託について検討するとしています。保育所給食は保育の一環であり、子どもの育ちの大きな柱です。これも保育の質の低下に大きく係るものですが、直営での給食業務を堅持すべきと考えますが、いかがですか。

エ、運営経費について、公立と私立の保育園の運営経費の単純比較はできません。民間保育園の運営は非常に厳しく、大阪府民間給与改善費が廃止され、保育実績、経験のある保育士を採用したくても、賃金の低い若い保育士を採用せざるを得ない実態があります。人件費削減が保育の質の低下につながることについてはどのように考えていますか。

⑦基本方針実現に向けて
保護者をはじめとする関係者への十分な説明と意見聴取を踏まえて「実施計画」を策定するとのことですが、具体的にはどのような内容ですか。
保護者、職員、学識者で構成する検討機関の設置についてはどのように考えていますか。
なにより、まず保護者・職員などに対し基本方針の説明会を開催すべきですがいかがですか。

3、横浜地裁判決について
判決は「民間委託が違法ではなく、移行する手続きが違法であるとしているもの」と議員全員協議会での町長の発言がありました。判決は、「保育所選択権を認めたものであり、民営化実施の違法性を認めたもの」です。認識が少し違うようですが、見解を伺います。

4、民間委託・民営化に求められる条件は何か
①子どもの最善の利益が優先されていること、ひとりひとりの子どもの育ちを尊重し支援する保育が実行できることです。そのためにも民間委託・民営化はこの様な意味で「質」の低下をさせるものであってはなりません、どのよう考えますか。

②保育所への入所は町と子どもの保護者との利用契約行為です。当初設定されていた内容を大幅に変更するにあたっては利用者への説明・合意は当然です。そのような対応、手続きが全くされていませんが、どのように考えているのですか。
(*横浜市・大東市裁判判決は、「利用契約は原則として就学するまでの期間、当該保育所において保育を受ける権利を有すると解する」と判断している)

以上ですが、「性急、強引、無計画な手法であり、民主的ではない。財政難だからとの理由だが、保育に効率化はなじまない。子どもは財産である、お金をかけよ。保護者や職員の合意形成ができておらず、町だけで決めた町立保育所の民営化、20年4月実施の基本方針を撤回せよ。そしてあらためて保護者、職員、保育専門の学識者などを入れた検討機関を設け、パブリックコメントを行い、意見を十分聞いて1年かけて検討すべきだと、求めました。(質問の間、民営化推進議員からはすさまじい野次。今議会での民営化ついての質問者は平野と異議を唱える立場で河野議員・共産党、推進の立場で菅議員・山吹民主クラブ でした。)

**第2保育所民営化問題は引き続き、ブログで意見表明や報告等をしていきます。
**写真は町立第2保育所運動会


補助金不正受給の地域就労支援事業に関して付帯決議!

2006-12-24 | 議会
05年度決算を全会一致で否決し不認定の理由となった大阪府補助金事業の地域就労支援事業の補助金不正受給、虚偽報告にかかわり、12月議会で付帯決議を4会派(自民・公明・民主・人びと)で提案、全員賛成で採択しました。(共産党は保留)        
*9月議会 決算不認定については10月4日を参照

「平成18年度島本町一般会計補正予算(第3号)に対する適正かつ厳格な行政事務事業の執行を求める付帯決議」の要旨は
 
大阪府の補助金に係る検査・調査、結果報告(*5項目の指摘事項、15項目にわたる指導事項)、返還金への措置等及び懲戒処分をはじめとする職員の処分の実施、補正予算の計上を行政の責任として行ったところである。

今回の件は住民をはじめ多くの関係者の町にたいする信用信頼を失墜するとともに事務事業の執行に多大な影響を与えた。町長をはじめ、これを厳しく受け止め適正厳格な行政執行を求めるものとして早急に適切な措置を講ずるべき。

①行政執行への責任体制の確立と厳格適正な行政執行を。大阪府地域就労支援事業補助金に係る検査・調査による指摘・指導事項の早急な措置を。
②事務事業執行は法令に則り適切かつ正確に行い透明・公正を徹底すること。契約事務は財務規則に基づき適切に執行を。
③定期的職員研修を。再発防止を図るため、責任、チェック体制の確立を。

という内容です。

この件で町長は、監督責任者として責任をとって07年1月分の給与を減給10分の1(約8万円)にする条例を提案しました。当然のことです。職員の処分を出したとき、このことは表明すべきことでした。

また大阪府に返還しなければならない補助金21万4千円のうち、島本地域人権協会と就労支援推進会議委員からの返還分3万6千円を除いた分を、助役・収入役・幹部職員が自腹で弁済することにしました。

関連する補正予算審議では、いまだ未解決の地域就労支援事業を委託している島本地域人権協会の04年、05年度決算において委託料の余剰金が協会の会計に繰り入れされている問題について質疑をしました。

委託契約書に基づき適切に行っているので返還は必要ないとそれまでは言っていましたが他自治体の事例を示し、返還請求すべきものと迫りました。07年度は改善の方向で協会と協議している、大阪府の検査・調査の指導事項にもとづき検査調書を作成する方向であることも示す答弁がありました。

解明、改善に向け一歩前進であり、議会として付帯決議をだすことで、町への監視を強化し、公金の扱いは、いい加減にはさせないという意思を示すことができるのではと思います。同和事業の終結を求める共産党からは百条調査委員会設置動議が提案されましたが、先の理由で賛成するにはいたりませんでした。

住民票等の証明書の手数料の値上げ案 継続審議に! 

2006-12-23 | 議会
役場で住民票や戸籍などの各種証明書を取るのに手数料を払います。
現行では、1件200円ですが、これらを300円に値上げするための議案「手数料条例の一部改正」が提案されました。
第4次行革プランの「手数料・使用料の見直し」に基づき、原価計算、近隣市町村の状況などを考慮して決定したと説明がありました。
経常収支比率が100を超える状況である、値上げにより、財源の収入を増やしたいとのことですが、新たな住民負担は年間300万円になります。

各種証明書の交付は住民にとって、役場の公共サービスのもっとも身近で代表的なもので、その対価としての手数料の値上げには十分な説明が必要です。適正な受益者負担のあり方や受益の基準は何か、値上げによって住民へのサービスがより良くなるのか、財政が厳しいからと安易な値上げは認められない、検討機関を設け住民の意見を聞いて手数料の適正なあり方を決めよ、などなどの意見が相次ぎました。

山吹民主の議員から総務文教委員会に付託して継続審議にする動議が提案されました。(もちろん事前に提案することは了承済みでした)
今まで、このような継続審議や修正案提出のための動議が、民主系議員から提案することは、殆ど例がないことです。住民の立場にたって慎重審議するということなら大歓迎です。
動議に全員が賛成し、条例改正案は来年2月2日開催の総務文教委員会で審議することになりました。



旧町営住宅跡地25,689㎡ 27億円で売却

2006-12-22 | まちづくり
町では、東大寺・山崎地区の旧町営住宅跡地(岸ノ下、半坂、滝谷、鈴谷)を民間事業者に売却し活用して、良好な住宅まちづくりを行う事業提案コンペを実施しました。
7件の提案があり選定審査委員会で一定の選定基準にもとづき、フジ住宅株式会社(岸和田市)を最優秀提案者に、株式会社嵯峨野不動産(京都市)ほか共同事業者1社を優秀提案者に決定しました。

選考基準は提案されたまちづくりのプラン内容40点と土地の譲受希望価格60点(つ
まり買ってくれる価格)を採点して決めました。結果は入札価格の27億5069万2千円を示したフジ住宅株式会社が選考の結果、開発事業者として決定されました。2番目に高い価格は19億2千万円ですし、ダントツに高い価格です。島本町が示した最低譲渡価格は12億円でしたので売却価格は大幅に上回り町の財政への大きな歳入となります。(9億円はJR新駅事業に充てられます)

フジ住宅のまちづくりプラン内容は7社のうち4番目ということでしたので、島本町らしい良好なまちづくりとなるのか、ちょっと気になるところです。
でも、旧第1保育所の跡地を利用して、同じ規模で作られる公園と集会所は、楽しみですし、今後災害時の避難所としても利用可能な場所ができ安心です。

12月議会には、土地の売り払い議案が提案され全員賛成で可決となりました。
9月議会でも、私は、事業コンペ方式は随意契約なので選考は恣意的要素を排除して公正・公平・透明性を確保して行うよう指摘していましたので、その点を質しました。議案資料には、提案プラン、入札価格(業者名を伏せて)、審査基準(審査項目、配点)選定委員会の要点録等も示されましたので、その心配は取り越し苦労だったようです。

審査委員会の委員にも同様の意見があったように「事業の質の低下や、事業者の利益が多い場合転売などはないか、事業の進捗については町がしっかり見守っていくということに留意せよという審査会意見をどう具体的に実施していくのか」と問いました。
また、町有地の開発ということもあり、近隣の地元住民への説明会は事業者と町が合同で行うべきという要求をしましたが、「町営住宅跡地利用懇談会に説明する」との一点張りで一般の地元住民には行うつもりはないようです。しかも懇談会は再々の公開せよという私の議会での要求を退けているのですから、従来通りなら非公開で行われることになります。どうしてここまで町が住民への説明会を拒否するのか理解できません。

これから、開発事業完了の2009年6月まで、開発に伴うさまざまな環境対策、安全対策などが課題となることは目に見えています。町がしっかり事業者を指導していく責任はあるはずです。
土地売り払い議案には賛成しましたが、開発事業の住民への情報提供・説明責任は不十分と討論で述べました。

入札価格(億円)
A 27.50692
B 19.2
C 18.702355
D 17.3
E 14.5
F 14.1
G 13.0

***長い間ブログ更新ができていませんでした。申し訳ありません。