民内利昭のブログ

民内利昭の教育と陸上指導に関する色々

子どもの技術・大人の技術

2014-04-30 23:47:19 | 日記

以前から薄々感じていたことなのですが、運動技術は子どもと大人では、同じ運動技術でも大丈夫な運動技術と駄目な運動技術が存在するのではないでしょうか。スポーツで必要とされる運動技術の善し悪しは、パフォーマンスの高さです。しかし、同じように高いパフォーマンスを発揮できる運動技術でも、子どもでは大丈夫なのだけれども、大人がその運動技術で運動すると、怪我をしやすくなってしまう運動技術が存在すると感じています。

今まではスポーツの運動技術は全てパフォーマンスの高さだけを重視して良い悪いと言われてきました。しかし、中学時代には強かったのに、高校・大学と成長していった時に、怪我続きで消えていった選手の多いこと多いこと。世間一般は、その原因は、「その選手は自己管理のできない選手(選手自身の自己責任)であった」と見るかもしれません。しかし私は、そのようにはとえらえていません。可愛そうに、そのようになった選手は、競技に取り組み始めた時期に、力を加えれば加えるほど(力めば力むほど)良い競技成績に結びつくものと教えられてしまったのではないでしょうか?すなわち、競技で良い成績をあげるためには、力むことを宿命づけられてしまったのではないかと考えています。この運動技術は、まだ身体が柔らかく、体重の軽い子どもでは良いかもしれません。しかし、身体が硬くなり筋量が増え体重が重くなった大人の選手では、成り立たない運動技術が存在するのではないかと考えています。例えば、膝を屈曲させて強く地面を蹴るといったような運動技術です。

現在の日本の陸上競技では一流の競技選手であった者が、競技レベルの高い選手を教えるといった図式が存在します。私はここにも落とし穴があるように感じています。つまり、これまで行われてきた運動技術に対して何の疑問も感じずに指導する。これが日本で新たな運動技術が創造されない大きな原因になっているかもしれないのです。才能のある選手は、運動技術が間違っていても、ある程度は競技実績を上げてしまうのです。それにより、今まで行われてきた運動技術に対して何ら疑問も感じず、指導して成績が上がらないのはその選手の責任・才能であると考えてしまっているのではないでしょうか?