民内利昭のブログ

民内利昭の教育と陸上指導に関する色々

日本における陸上競技の普及発展

2013-08-07 21:12:37 | 日記

今年のインターハイからスタートが、国際ルールに沿ってフライング一発失格というルールとなりました。その大会(フライング一発失格)を見て感じたことですが、「高校・中学の大会になぜ国際ルールを導入する必要があるのか」という疑問が残りました。私が見たレースは、女子100mHでしたので、そこで私が見た内容について書きます。

女子100mHでは、予選の1・2組でフライング判定となり、失格となった選手がいました。私は、スターターがピストルを鳴らさなければ、「注意」だと思っていたものですから、スターターがピストルを鳴らす前に飛び出てしまった選手が失格になったのには、はっきり言って驚きました。時間とお金をかけて、高校生活の一つの集大成としての全国大会。それが一発のスタートミスで希望するレースを走れない。これは、高校生にはあまりにも酷のように感じられてなりません。陸上競技は、男子ですと野球・サッカー、女子ですとバレーボール・バスケットボールに比較してタレント収集に四苦八苦している現状があるように感じてなりません。スタート一発失格にして、才能のある選手は、集まるようになるのでしょうか?また、目指した大会で一発失格となった選手は、この失敗を活かそうと高校卒業後も競技を続けてくれるのでしょうか?私にはそのようになるとは思えません。

今回の長距離種目では、以前と同じように外国籍の選手が上位に入りました。前にも書きましたが、果たして外国籍の選手を大会に参加させることが国際化に対応する措置となるのでしょうか?私には、外国籍の選手がこのように日本の大会に参加するようになって以来、日本の長距離の成績が世界の中で落ちてきているように感じてなりません。日本人は、その勤勉さから以前は長距離種目で世界で戦えていたのではないかと考えています。「日本人の体格・体力が長距離種目に合っているから強い」のではないと考えています。海外から選手を連れてくるということは、そのノウハウを海外の選手にわざわざ教えていることにはならないでしょうか?オリンピック・世界選手権は、個人の対抗という面もありますが、国別対抗の場でもあります。

日本は、もっとオールジャパンで戦わなくてはいけないのではないでしょうか?何かこの辺がちぐはぐな運営になっているように感じてなりません。インターハイ・インターカレッジが学校対抗になっている現状。そのため、国内の選手が一部の選手を集めやすい学校に集中する。ピラミッドのすそ野が広くないから頂点が高くならない。この悪循環が存在しているように感じてなりません。

スタートに話を戻します。以前、私が全国大会の時の審判をやった時、日本陸連の方に質問したことがあります。長距離の決勝の人数において、高校総体の決勝の人数は、世界陸連の標準より多かったことについての質問でした。すると「その辺は高体連のルールでやってもらってもいいのではないか」という回答でした。いかがでしょうか?高校まではフライング一発失格とせずに、2回目にフライングした者を失格とするということではだめでしょうか。または、一発失格とするにしても、レースだけは走らせる(2回やったら外す)ということはできないものでしょうか?当然記録は、非公認で構いません。

高校までは、もっと多くの日本国民が陸上競技に興味関心を持ち、好かれるためにはどうしたらよいかを考えてルールを決めても良いのではないかと改めて考ました。高校総体の個人種目の学校対抗廃止、高校生審判の採用、外国籍選手の着外扱い、指導法の普及も含めて日本において陸上競技を普及発展させるためにはどうしたらよいかを考えてみませんか。とにかく言えることは、現状のままでは駄目だということです。