風に吹かれすぎて

今日はどんな風が吹いているのでしょうか

皮膜

2010年01月24日 | 
どこかで聞いたことのあるような言葉が聞こえ、
いつか見たような風景ばかりが目の前に広がる。
突き破っても突き破っても、ゴムのような皮膜に覆われて、
人は夢を見ることをすっかりあきらめる。

ゴムのような皮膜は、おそらくは精神を鍛え上げるエキスパンダーだ。
突き破り続けた果てに見える風景は、宇宙に充ちた静寂だ。
やさしさとよろこびに充ちた静寂だ。
それが生命だということを知る瞬間だ。

ゴムのような皮膜は意地悪で人を覆うのではない。
慈悲の心で人を覆い続ける。
その仕組みを知ろうとしてはいけない。
楽になりたいという思いを捨てて、突き破り続ければいいのだ。

月や星は無駄に闇夜に光っているわけではない。
太陽は無駄に毎日光を注いでいるわけではない。
人は、動物は、植物は、鉱物は、地球は何一つ無駄に生きているわけではない。
ありとあらゆるものが無駄に皮膜に覆われているわけでもない。

真理は時としてエベレスト山頂のように尖って冷たい。
尖って冷たい真理から身を守るためには、時にはゴムのような皮膜が必要だ。
どこかに迷い込んで疲れ果てたときには、その皮膜にくるまって眠るだけでいい。
でも、目が覚めたら、またそのゴムのような皮膜を突き破っていけばいい。


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